63話「4時02分の銃声」

Butterfly In Shades Of Grey / 1993
ジャック・ラウファーラジオ有名コメンテーターで政治評論家の「フィールディング・チェイス」が養女の友人で元スタッフのジェリー・ウインタース(ジャック・ラウファー)を殺害。フィールディング・チェイスとジェリー・ウインタースの家の場所→刑事コロンボMAP

ウィリアム・シャトナー+矢島正明さんが実現

犯人はかのカーク船長ことウィリアム・シャトナー。今回はこの主人公の圧倒的なキャラクター描写に尽きます。しかも吹き替えの矢島正明さんは絶品。短気で怒鳴り散らしたかとおもったら、猫なで声で電話をかけるなど、ばっちり楽しませてくれました。矢島さんは、ロバート・ヴォーン(29話「歌声の消えた海」のダンジガー、37話「さらば提督」のチャーリー・クレイ)も持ち役としていましたが、この2作とも西沢利明さんが担当されています。

カーク船長 vs 刑事コロンボ

カーク船長と刑事コロンボの競演というだけでも、他に何も必要ないほど「濃い」状況。冒頭のラジオ番組放送シーンで「カーク船長がチャーリーからの電話を受ける」というシーンにも少し「ニヤリ」でした。

怪物「フィールディング・チェイス」

ウィリアム・シャトナー犯行はかなりリスキーですし、わざと残した証拠のハンカチなど幼稚な面も見逃せません。それにしても、このフィールディング・チェイスという人物像、強烈です!コロンボ警部の「そうそう、もう一つだけ…」の展開に「そんなに物忘れがひどいなら、病院へ行きたまえ」とリアクションした人物は初ではないでしょうか。

少し大袈裟なトーンの吹き替えと評される石田太郎さんですが、今回のトーンは矢島正明さんとの絡みもあり、けっこう良い雰囲気だったと感じました。その中でもエンディング近くのフィールディングの自宅で、ビクトリアの母の肖像画に対し「温かい人柄が偲ばれますなー」と、小馬鹿にしたような台詞まわしは絶妙でした。

久々の「こうなったらコロンボを殺してしまえ」

さらには解決シーンでは、コロンボのウソにおびき出されたあげく犯行を暴かれ、この際「コロンボを殺してしまえ」と銃に手をかけるフィールディング・チェイス。可愛すぎます!このシーンで、クラクションを鳴らすピーター・フォークの演技は絶品だと感じました。
原題は「Butterfly In Shades Of Grey」で直訳は「灰色のシェードの蝶」で意味不明。邦題の「4時02分の銃声」もイマイチな気がしますが、どうでしょうか。

モリー・ヘーガンが再登場

モリー・ヘーガン養女のビクトリア(ビッキー):モリー・ヘーガンは、47話「狂ったシナリオ」のアレックスの元恋人で女優の「ルース・ジャニガン」役でも出演していました。二度とも重要な役柄でしたね。

傲慢な独裁者が守りたかったもの…恐れたもの…

フィールディング・チェイスは政治アナリストとして成功をおさめていますが、その背景には「独裁者的」「手段を選ばない」ことで、多くの敵をつくります。そして相手から意に沿わない行動を示されると「お前を破滅させる」と恫喝するのです。非常に寂しい立場の成功者と言えます。しかも、溺愛する養女ビクトリアからも「パパに必要なのはパパだけ」と、愛情を拒絶されてしまいます。
自ら多くの敵を作り、敵対意識を糧に成功して来たフィールディングが最も恐れたもの…それは敵対者から及ぶ、愛するものへの復讐…だったんでしょうね。恨まれる人生を生きることは避けたいものです。

ブログ訪問者さんからの情報

監督の「デニス・デューガン」は、37話「さらば提督」で、シオドア・アルビンスキー刑事を演じました。さらには(1973年 – 1987年の間)「ジョイス・ヴァン・パタン」の夫だったそうです。彼女は27話「逆転の構図」、39話「黄金のバックル」に出演している重鎮女優ですね。

フィールディング・チェイスとジェリー・ウインタースの家

フィールディング・チェイスとジェリー・ウインタースの家の場所はコロンボマップでも見ることができます。
マリブ・ピア(フィールディング・チェイス邸)
サンタモニカ(ジェリー・ウインタースの家)

監督:デニス・デューガン
脚本:ピーター・S・フィッシャー

フィールディング・チェイス:ウィリアム・シャトナー(声:矢島正明
ビクトリア・チェイス:モリー・ヘイガン(声:佐々木優子)
ジェリー・ウインタース:ジャック・ラウファー(声:堀内賢雄)

加筆:2022年9月4日

コメントを残す

  • 名前をご記入ください。匿名のの場合は非掲載になります。
  • 日本語が含まれない投稿はできません。
  • リンクが含まれる投稿は、ぼろんこの承認後に掲載されます。
  • 著作物(書籍など)からの文章の引用などは、なるべくお控えください。詳しくは「ブログ刑事ぼろんこの考え方」をご覧ください。

日本語が含まれない投稿はできません。リンクが含まれる投稿は承認待ちとなります。

コメント投稿のガイドライン(2022.09.04)

  • 著作物(書籍など)からの文章の引用などは、なるべくお控えください。
  • ブログ管理者の判断により、コメントの全文が承認されない場合もございます。
  • 詳しくは「ブログ刑事ぼろんこの考え方」をご覧ください。
どうぞ悪戯の書き込みはお控えください。
私の大切なものを壊さないでください。あなたにも、私にも大切なものがあるのです。
Don’t comment here in bad manner.
I hope you understand that this site is very important for me,
like you have your important things too. Thank you for your understanding.