40話「殺しの序曲」

The Bye-Bye Sky High IQ Murder Case / 1977

刑事コロンボの中では、第6シーズンに属する後期的作品。背景は世界でトップレベルのIQを持つ人が集まる「シグマクラブ」で起こる殺人事件。クラブのメンバーである会計事務所の経営者オリバー・ブラントが友人で共同経営者、しかもシグマクラブのメンバーでもあるバーティを殺害。動機は、オリバーの横領を知ったバーティが、世間に公表すると脅したためです。

動機は十分。バーティはかねてより友人オリバーの言動に対し、強い不快感を抱いていて、その腹いせに彼の身辺を探ったため、不正が発覚します。常日頃から周囲にバカにされている人は、たとえそれに悪意が薄かったとしても、いつか許せなくなるものなのでしょう。

トリックは緻密だが、天才集団を感じさせない

この作品の特長は他の作品と比較し「殺害のトリックが異常に緻密」であること。それが大きな要素となりすぎて、「世界でトップレベルのIQを持つ人が集まるクラブ」の存在感は逆に薄くなっている点が惜しいです。一部の登場人物を除いて、あまり頭の良い人の集団と思わせてくれません。

また原題の「The Bye-Bye Sky High I.Q. Murder Case」は「空高いIQの殺人事件」のようなイメージですが、邦題ではむしろ音楽にスポットを当てたようですね、残念でした。

トリックに凝りすぎて、現実味がないとも感じます。傘の中で破裂した爆竹の音が果たして銃声に聞こえるだろうか?音楽のボリュームを絞り、犯行後にプレーヤーのカバーを閉めておけば、もっと怪しまれなかったはず。犯人が頭脳明晰のわりには短気で、容疑をかけられる素性を持っているなど。また、これは微妙な判断ですが、解決シーンで「赤いペンが落ちるほんの一瞬前に辞書が傾き始める気がする」点も‥。ただ、そのようなことを差し引いても、楽しめる作品であることは確かです。

天才オリバー・ブラントは可愛い

セオドア・バイケル犯人の天才オリバー・ブラント「セオドア・バイケル(ビケル)」も、まさかコロンボ警部のような「計り知れない程の頭脳の持ち主」が担当刑事として自分の前に現れるとは予測もしていなかったことでしょう。異常とも思えるほど緻密な殺害トリックを仕掛けるシーンで「満面の笑み」を浮かべ作業するオリバーの顔が印象的に描かれています。犯罪工作の王者「パトリック・マクグーハン」も顔負けです。

大草原の小さな家

セオドア・バイケルセオドア・バイケルは、大草原の小さな家の「自由よ永遠に」で、ロシアからの移民ユーリー役で出演しています。刑事コロンボより約1年くらい前の作品です。

奥さんからは「オリバーちゃん」呼ばわり

サマンサ・エッガーオリバー・ブラントは、頭が良い割には「子供のような性格」な人ですね。公園で拳銃をゴミカゴに捨てるシーンで、コロンボに気付かれる不安が消えた直後に、嬉しそうな顔に一変して傘の説明をし出す場面など、興味深いです。彼の性格は妻のビビアン(サマンサ・エッガー)との会話「オリバーちゃん呼ばわり」でも伺え知れます。

脇役ソレル・ブークが良い

ソレル・ブーク犯人オリバー・ブラント役のセオドアバイケルも良いのですが、被害者のバーティ・ヘイスティング役のソレル・ブークも深く印象に残りました。撃たれて倒れるシーンが可愛い(不謹慎ですが)です。このソレル・ブークは24話「白鳥の歌」で、音楽プロデューサーのJ.J.ストリンガー役で出演しています。

ウエイトレスのお姉さんが怖い

ジェイミー・リー・カーティスレストランのウエイトレスの女優は「ジェイミー・リー・カーティス」で、有名な俳優の「トニー・カーティス」と刑事コロンボ32話「忘れられたスター」のジャネット・リーを両親に持ちます。ちょい役でも流石に存在感のある演技です。睨みつける顔がめちゃ怖いですよね。

女優ジェイミー・リー・カーティス

彼女はこの後、女優としての才能を開花させます。まず翌年の映画「ハロウィン」シリーズ(主演:ドナルド・プレザンス)で評判を博します。数々のキャリアを経て1994年には、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画「トゥルーライズ」でゴールデングローブ賞を受賞しています。

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

ジェイミー・リー・カーティスは2022年公開の映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」では、第95回アカデミー賞「助演女優賞」を受賞しました。ウエイトレスのお姉さんから、なんと45〜6年。快挙ですよね皆さん。

ハワード・マクギリン

ハワード・マクギリン出世願望の強い若手会計士のジョージ・カンパネラを演じたのはハワード・マクギリン。目鼻立ちがはっきりした二枚目で、とても印象に残りました。やはりコロンボにはパンチの効いた脇役さんがいますよね。オリバーさんにとても気に入られています。

こっちは浮かばれないアルビン

ピーター・ランパートジョージ・カンパネラのライバル、アルビン・メッツラーは俳優:ピーター・ランパート。バーティの部下だっただけに、オリバーからは忌み嫌われ、この事務所での出世はおろか、業界で生きていくことさえ困難な状況に陥っています。可哀想すぎる。

天才少女キャロライン

キャロル・ジョーンズキャロラインを演じるのはキャロル・ジョーンズ。この天才少女と、2話「死者の身代金」に登場する娘マーガレットのイメージがダブるという方もいます。比べてみてください。よく見るとあまり似ていません。

支部長のダンジガーさん

ジェイスン・ダンジガーシグマクラブ支部長のジェイスン・ダンジガーさん(バジル・ホフマン)は、あの手この手で殺人事件の推理をしますが、ことごとく空振り。この人のキャラクターが…天才集団のイメージを落としているような(笑)‥いやいや、それでも良い役柄でした!

シグマクラブ会員のワグナー

ジョージ・スパーダコスプログラム委員長のバーティに注文をつけるシグマクラブ会員のワグナー役はジョージ・スパーダコス。彼は36話「魔術師の幻想」で舞台となったマジックショーのお店で働く「サッカリー」と同一人物です。さすが俳優さんですね、別人みたいです。

アイゼンバックさん

ドリー・トムソンシグマクラブの美人会員アイゼンバックさんは女優ドリー・トムソン。コンタクトレンズを飲みそうになる直前、オリバーとバーティをきょろきょろ見ていて芸が細かいです。どうでもいいシーンだけど(笑)

メルビル夫人の肖像画

メルビル夫人の肖像画シグマクラブの1階には何と「メルビル夫人の肖像画」が飾ってあります。メルビル夫人は3話「構想の死角」の小説の主人公ですね。

チャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」

この作品、邦題「殺しの序曲」で、作品中に登場するクラシック音楽はロシアの作曲家チャイコフスキーによる幻想序曲「ロメオとジュリエット」。私の持っている音源はシャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団によるもので、20分33秒という長い演奏時間の14分12秒に、オリバー・ブラントが再生位置を設定した「第二主題による美しいメロディ」を向かえます。おそらくオリバーは特にお気に入りだったのでしょう。当時のステレオでこの位置から自動再生するには「一度手動で記憶」させる必要があると思われ、ここでも彼の無邪気な性格が伺えます。

人間コロンボを感じられる会話で、自分を見つめ直す

シグマ協会で向かえるラストシーンの一場面で、天才オリバーの苦悩や、コロンボ警部の人間哲学に触れることができます。オリバーは神童と呼ばれ苦しんだ幼少期を語ります。私は神童と呼ばれた経験はありませんが、子供の頃から「わざと頭が悪く見られるように振る舞っていました」。その方が周囲と楽しく過ごせるからです。一方コロンボは、自分は決して秀才とは言えない素材だが、粘り強くしつこく頑張ればきっとモノになる。と答えています。今の私はこの心境です。全力を尽くさず人生を終えることなんてあり得ないですね。コロンボにとって、天職とも言える刑事。その姿に自分の生きる指針を見つけ出すことができました。

「殺しの序曲」は意外と深い作品かも

先述のオリバーとコロンボの会話。それ以外にも、「いじめっ子、いじめられっ子」「天才と凡才」「気持ちの通じない夫婦」「出世を競う二人の秘書」など、殺人事件の周囲で見られる人間関係が面白く描かれています。
なかでもオリバーとバーティの関係は特に興味深いです。バーティのことが好きなオリバーは行き過ぎた愛情表現から逆にバーティから嫌われ、それが横領を暴露される危険を増大させます。本当に頭が良ければ「相手から嫌われない工夫」をもって世を渡れるはずなのですが、最も短絡的な解決方法「殺人」を実行するのも皮肉に感じます。

ラファイエット・パーク
ラファイエット・パークは、例のオリバーが拳銃を捨てるシーンでもあり、公園内にはウエイトレスに睨まれるドーナツのカフェもあります。会計事務所の所在地もこの近辺でしょう。

監督:サム・ワナメイカー
脚本:ロバート・M・ヤング

オリバー・ブラント:セオドア・バイケル(ビケル)(声:田中明夫)
ビビアン・ブラント:サマンサ・エッガー(声:横山道代)
バーティ・ヘイスティング:ソレル・ブーク(声:高木均)
ジェイスン・ダンジガー:バジル・ホフマン(声:田中明夫)
ワグナー:ジョージ・スパーダコス
アイゼンバック:ドリー・トムソン
ジョージ・カンパネラ:ハワード・マクギリン(声:納谷六朗
キャロライン:キャロル・ジョーンズ
バーク刑事:トッド・マーティン
シグマクラブ会員:マイク・ラリー

加筆:2023年9月17日 

“40話「殺しの序曲」” への165件の返信

  1. 本作はこりに凝った殺害方法で最初の仕込みの場面が何をやっているのか分かりませんでした。犯人はどこかで実験してちゃんと爆竹が破裂したり、一方の扉を開けると風の影響で他方が閉まるなどを予行演習したんでしょうね。

    最後の4つの単語の「一つだけ違うもの」の問題は英語と日本語では全く問題が違っていて翻訳陣の苦労を感じました。傘の取り間違い、飛ばせるレコードプレイヤー、分厚い本の半分に引かれた線、赤いサインペン。 トリックを作るためによくぞあれこれ考えたものだと思います。

    最後の落ちが「自分のアイデアを自分でバラしてしまう」という、頭のいい人ならではの「どうだ!凄いだろう」と言いたくなるように持って行くところがうまかったです。
    コロンボもあと数作で旧作が終わります。最後に向かってさらに面白い作品が観られることを期待します。

  2. 最後の共通点のない単語を選ぶクイズのシーンですが、
    英語では、Asphalt. Uncle. Delight. Leave から選ぶというもの。
    このシーン直訳ではかなり難しいですね(コロンボのセリフ中の「Uncle Sam」とか直訳じゃダメだし。
    では日本語で「借用、外泊、敗北、欠勤」にした理由は?
    コメントすべて見てみましたところ、言及がなかったのですが、
    ここでのコロンボのセリフに「無断欠勤」French leave が出てきてるんですよね。
    ここの「無断」から作ったのではないでしょうかね。どうでしょう?
    ただし英語と比べると、オリバーの言う「もっと難しいクイズ」では全然ないですね(笑)

    1. 翻訳した方のIQがどれくらいか知りたくなります。シグマクラブ日本支部への入会を勧められるに違いありません。

  3. いつもコロンボ観賞の参考になり、楽しませていただいております。
    怖い(笑)ウェイトレス役のジェイミー・リー・カーティスさん、ダン・エイクロイドとエディー・マーフィーが共演した映画「大逆転」で娼婦からダンの恋人になる役で出演されておられますよ。
    逆にコロンボに出てたんだ!という発見が新鮮でした。コロンボ出演時は19歳ぐらいだと思われます。大人っぽいですね。

    1. 怖いウエイトレスのおねいさん、「どこかで見たような…」と何度も思っていたのですが、今回(2022.6.25)「もしや!?」と気が付き調べたら当たりでした。ここに書き込もうとしたら貴殿のコメントを拝見しました。『大逆転』でルイ(ダン・エイクロイド)に「あたしにはカードは使えないわよ」とガムを噛みながら言うシーンが、今回の役どころとダブっているように思いました。存在感抜群でしたね。

  4. DVDを出してきて久しぶりにこれを見て思ったのですが、最初と最後にガイ・ロンバードのBoo Hooがかかるのです。
    「私には子供時代がなく、才能を隠して生きるのが辛かった」という心象風景そのものなのだな、と妙に納得がいきました。
    歌詞としては、子供を教会にほったらかしにして置き去りにしたのを見つけた人が子供の隣に座ってため息をつきながら子供と一緒に泣いてあげる、いつかその子供が今自分がしているような人の気持ちが分かるような人に育ってほしい。
    みたいな内容です。
    チャイコフスキーよりも実はお気に入りの曲で、そういう大人に甘えてみたかったというのがブラントさんの深層心理なのかな、という実に上手いというか、意味深な演出だと思います。

    1. ピジョン警部補さん>
      ガイ・ロンバードのBoo Hoo情報、ありがとうございます。
      詳しく調べて、後日加筆します。
      「チャイコフスキー」と、この「ガイ・ロンバードのBoo Hoo」との
      対比がとても面白いと思っていました。

      1. すみませんでした。
        耳でぼんやり聞いていただけだったので、私の誤訳でした。
        字幕を見てみますと、こうです。

        You got me crying for you.
        私はあなたに泣かされている
        And as I sit here and sigh
        それで綿はここに座ってため息をつく
        Says I , ‘I can’t believe it is true.
        それが本当だなんて信じられない、という
        Boo hoo
        うえ~んうえ~ん(泣き)
        I will tell my mama on you
        ママにあなたのことを話してやる
        The little game that you played
        あなたのやったほんのお遊びが
        Has made her baby oh so blue
        彼女(ママ)のかわいい子をずいぶん悲しい気持ちにさせた
        You left me in the lunch
        あなたは私をほったらかしにしたまま
        You left me waiting at the church
        あなたは私を教会に待たせたまま
        Boo hoo
        うえ~んうえ~ん
        That is why I am crying for you
        それがあなたに泣かされた理由
        Someday you will feel like I do
        いつかあなたは私と同じような気持ちになる
        And you will be boohoo hooin ,too
        あなたもまたわんわんと泣くでしょう

        なんだか最初の印象と違います。
        結婚式をすっぽかされたような感じの歌詞かもしれません。
        失礼しました。

  5. 年始の(?)BSPの放送を見逃してやっと視聴出来ました。
    ラストシーンが強く印象に残っている作品のひとつです(他は別れのワイン、逆転の構図、攻撃命令、祝砲の挽歌)
    この話のトリックにはあまり感心しませんでした、天才の発想と言うよりピタゴラスイッチ(当事まだなかったけど)的な仕掛けってイメージで。
    仲間外れの問題は私はわざわざ狙ってしないこと、かと思いました。
    BSPの放送が残り5話あるので暫定ですが私のベスト3は
    1.別れのワイン(ラストの叙情が素晴らしい)
    2.忘れられたスター(昨年初めて見て気に入りました)
    3.大当たりの死(決め手がズバッとしていてそれがコロンボの策略でない所が良いです)
    です。

  6. 「大草原の小さな家」繋がりです。
    ぼろんこさん、もしかしたらお気づきかもしれませんが、殺しの序曲のオリバー役セオドア・バイケルが、「大草原の小さな家」の第2シーズンの第20話「自由よ永遠に」にゲスト出演していました。
    ロシア移民という難しい役どころを、違和感なく演じています。普段当たり前になっている自由とはどんなに素晴らしいものであるか、考えさせられるエピソードでした。

    1. そうでしたか!
      その回は見たと思うのですが、セオドア・バイケルさんは見逃したか‥。
      情報、ありがとうございました。後日、本文に加筆します。

  7. 先日テレビで観ました。面白かったし、一応理解しているつもりですが1点だけ?な部分があります。それは終盤コロンボが言っていたプレーヤートリックの4分と通話時間の4分の事です。電話は偶然ですよね?オリバーが1階に降りた時にたまたま電話が鳴ったことでプレーヤーをセットしたのはオリバーしか居ないと導けた訳で。もし誰にも見られず下りれたり、またはもう少し長めに30分くらいセットしていたらシラを切り通せたのでないでしょうか?結果的には犯人の自爆みたいな感じだったので、それなら電話云々はいらなかったのではと思います。

    1. 私も同じような印象を持っています。アイゼンバックさんの「コンタクトレンズ」「父親からの電話」は、あまり重要ではないきがします。プレーヤートリックは、オリバーが1階に居るときに起これば合格。ですが、誰かが2階に上がったらアウト。

  8. いくつかコメント有りましたが、
    シグマクラブの面々は実務者としては??という演出だと感じました。
    ※マイク・ラリーも会員だし(笑)
    仕掛けを思いつくとか、記憶力とか、そういう面は優れていても、
    仕事とか人付き合いとか、人生の実務者としては不適格ではないか・・・
    少なくともオリバー、バーティは会計士が務まるので、
    仕事が出来ないわけでは有りませんが。バーティは横領を見抜いたりして例外かな。
    対してコロンボの際立った実務能力を対比させているのかなと考えました。

    1. 好き勝手に書きます(笑)
      私が脚本家だったら‥
      シグマ会員の中にバーティが真犯人だと感づく「切れ者」がいて、第二殺人が起きる。
      どうでしょう?

      1. どんな進行になるのでしょうか。
        この話に限らず、自分が脚本家・演出家だったら・・と思うことが多いですよね。
        基本的な構成がしっかりしているからでしょうね。
        うーん、コロンボってイジりがいが有りますね。

  9.  2週間ぶりのコロンボ欲を満足させる楽しい回でした。
     「全然天才らしくない」と皆さんクラブメンバーの知能の評価はさんざんですが、親しい友人が殺されたのに推理に熱中する奇人たち、という情景に説得力を与える効果はあったかと思います。(天才=奇人、というのはステレオタイプかもしれませんが…)
     普段ならミスディレクションを狙って推理を披歴するのは犯人の役回りで、そこからコロンボが犯行を確信するところですが、今回はここまで見続けて来たファンをくすっとさせる後期シリーズらしい変調だったと。我がちに推理を語りたがる関係者に辟易するコロンボを想像すると笑えます。

    1. 犯人像について意見が分かれるのは、ちょっと無駄な会話かな〜誰も見ていないし、足音も聞こえなかったはず。むしろ、二発の銃声が連続であったか否かについて、もっと深く考えて欲しかったですね。

  10. すみません。ひとつ気になることがありまして・・・。天才少女キャロライン(というと洋子を思い出します)が推理をして、コロンボに慰められるシーンが結構教育的で印象に残りました。が、英語で見てみるとコロンボが「you not only have a terrific mind, also remarkably
    pretty girl.」と言い、彼女が「anydody ever told me they liked me for my body instead of my mind.」と返しております。吹き替えでは確か「頭脳のことはみんな褒めてくれるけど容姿のことを褒めらるのは初めてでうれしい」ということだったと。コロンボがmindという単語を「頭脳」という意味で使っているのなら彼女が使うbodyという単語は「容姿」にならなければならないし、そうなると「みんなが私の容姿について褒めてくれる」という意味になってしまいおかしくなります。私の英語力もだいぶん落ちてしまったので天才集団である「ぼろんこ」の皆さんのお知恵を拝借したいのですが・・・。

    1. 大垣のロッテファンさん

      手持ちのBlu-rayの英語字幕を見ますと、anybodyの前にThat’s the very first timeが来るようです。

      “That’s the very first time anybody ever told me they liked me for my body instead of my mind.”
      誰かに知能のことではなく外見のことで褒めらたの初めてよ。

      キャロラインの恥ずかしそうな笑顔が、とっても女性らしくて可愛かったですね。

      1.  私もコロンボに可愛いと言われてパッと輝いた眼鏡の少女の笑顔が忘れられません。実際にこんなことを言ってくれる人は世の中にそう居ないと思うので、最後のオリバーとコロンボの会話の一幕とともに、コロンボの人間味が炸裂したシーンだと思います。そしてこの小エピソードは物語の進行に必須ではない。
         「殺しの序曲」に流れているテーマは「頭がいいとは何か?」だと思います。オリバーが完全犯罪を狙って色々込み入ったしかけを作るのは確かに頭が良くないとできない。けれどもその目的が殺人では頭が悪いことになる。
         オリバーは人間関係では友人で協力者のバーティや奥さんと真実な関係を築けていない。頭がいいだけでは足りない。
         出世欲が背広を着ているような二人の若い秘書は会計事務所勤務で確かに頭が切れるのだろう。けれども小さな机を抱え込んで歩いたりして滑稽に描かれていた。
         そして頭がいいにちがいない眼鏡の少女に「可愛い」と言ってあげることで頭がいいとは別の価値観を彼女に気づかせてあげている。それは「幸せかどうか」という価値観だと思います。生物として「頭がいい」とはおおまかに言うことが許されれば再生産して子孫を残すことではないでしょうか。人が幸せを求めて生きる定めなら頭がいいということは何か、考えさせらる回でした。

         

        1. どろんこさま。私もそう思います。頭がいいとはいったいなにか?と。最終的にコロンボがIQテストをとぼけまくったのが気に入りました。今は子供たちの世界も「発達」やらでIQなどが大手を振るようになってしまいましたが。

      2. おおお・・・。私がthat is the first timeで切ってしまったのが悩みを生んでしまったのですね。有難うございます!

        1. 知能のことをmindというのは勉強になりますね。
          mindというと心臓の近くにある気持ちや感情だと思っていました。

  11. はじめまして。
    私もとても好きな作品で、1月にBSで放送されるのを楽しみにしていました。
    犯人役のセオドア・ビケルさんはメンサ会員だそうですね。

    1. 「メンサ」とは「Mensa」
      1946年にイギリスで創設された、全人口の内上位2%のIQ(知能指数)の持ち主が入会できる国際グループ。とのこと。
      鋭いコメント!ありがとうございます。

  12. コロンボ警部の知能の高さが、この回で明らかに成りました。
    実は、コロンボ警部は優秀で、スタンフォード大学の法学部の卒業ではないでしょうか。
    大学卒業後、日本で言うキャリア官僚として警察に入るが、独特な考え方や捜査方法、あまり上手くない人との付き合い方。
    そういうことが原因でキャリアの道を外れ、ノンキャリアのような道を歩んでいる。
    本来ならロス警察本部長に就ける人だったのでは。
    そうです!杉下右京のような人物だと思います。
    (風貌は違いますが)

    1. コロンボ警部がスタンフォード大学の法学部の卒業!
      本当ですか?調べておきます。

  13. コロンボの大ファンです。小学生のころ、毎週家族で見ていました。BS再放送を見ると必ずここでみなさんのコメントも確認しています!
    ドラマの終盤で、コロンボが犯人に畳みかけるようにせまるシーンが好きです。
    「殺しの序曲」では、天才とされる犯人のプライドをくすぐって、自分から巧妙なトリックの種明かしをさせるシーン。コロンボっておとり捜査、犯人をハメて自白に追い込む手法が結構多いですよね。
    ここで、最後の仲間はずれを探すクイズ(asphalt, uncle, leave, delight)をおしえていただき感謝です! お恥ずかしい話、asphalt が聞きとれませんでした。Turkish delight以外、意味を知りませんでした。
    コロンボのイタリアなまり英語が全部聞きとれるようになりたいなあ!

  14. 原題は「賢者の失墜」とでも意訳できるでしょうか。
    本当の賢者は犯罪は犯さないでしょう。
    動機は被害者が犯人の横領に気付いたため。犯人と被害者には、いじるいじられるという関係もあり、そこを抗議された、というものもあるのかも知れません。
    個人的には、銃声が2発聞こえるトリックは難しく、さすが秀才、という気はします。
    コロンボの落とし方には少し無理がある気がします。犯人がこれをついうっかり、は可能性低いと見ます。もうなかば逮捕はあきらめていて、自分のトリックの精巧さを自慢したかった、そこをわかっていてコロンボがうまく誘導した、という感じなのでしょうか。
    犯人が出す最後の問題。英語版と日本語版では出している問題が違います。英語版は日本語を第一言語にしている者には難易度高そうなので、ここはいい意訳と言えそうです。ただ、コロンボなら上司でなくカミさん?
    また、英語版なら、「とんでもない、あたしはアメリカンポリスの一員に過ぎません」くらいの方がいいでしょうか。それとも、犯人逮捕という厳粛な事態にジョークを控えたとか?

  15. 「殺しの序曲」面白かったです。刑事コロンボには「何とかのなになに」というタイトルが多く私には覚えきれないので、この回は「シグマ倶楽部」と名付けたほうが自分にとっては記憶に残るだろうと思いました。
    コロンボのあと23:15から同じチャンネルで「大和尼寺精進日記」があります。ない週もあるので、コロンボと両方ある水曜日の夜はささやかな至福の宵です。
     1月2日だったと思いますが、出川哲朗の「充電させてもらませんか」で、ごくごく短いあいだ、バックの音楽にコロンボのテーマが流れました。オリジナルの音源でなく、簡略化した別バージョンでした。私の聞き間違いでなければいいのですが。

    1. 充電…ありましたよ!なんか可愛らしいインストルメンタルなバージョンでした。

  16. 今観ると、オリバーはシグマ会のメンバーの凡人っぷりに辟易していた様に見えますね。
    故にメンバーの描き方が【天才と呼ばれるには相応しくない】となっていたような・・・
    ラストでコロンボの罠に陥った事に気付き、その上でとても嬉しそうな顔をする
    《自分と対等、若しくは上の人間と出会えた喜び》があったんでしょう。
    故にこれまでの孤独があったんだろうな・・・と

  17. 失礼します。このところ『刑事コロンボ』毎週観るようになり、昔観ていた頃には全然解っていなかった事に様々気づく事ができるのが楽しいです。
    さて、「天才」についてですが…(他の方のコメントを全部拝見していないのでもしかしたら同様の指摘があったかもしれませんが)ストーリー製作者の間では「(生まれながらの)天才」という存在に対して、幾分軽蔑するような、軽んじるような意識を持っていて、それが脚本や演出に反映しているのではないでしょうか?だからこそ、最初に描かれた何かの講演会の様子もどことなく「インチキカルトっぽい」雰囲気に見えなくもないし、最年少の少女はいい線行ってる推理をしているのに、もっとえらい事務局長さんは的外れでコミカルな「道化」の役割しか与えられていません。
    もしかしたら、コロンボが終盤に述懐する「天才観」に、制作陣も強く共感していたのかもしれない…と感じました。だとすれば「シグマ会」のメンバーが何故か「大したことない」ようにしか描かれないのも、必然なのかもしれませんね。

  18. 可愛いって初めて言われた天才少女がもう少し活躍するかと思ったけどあれっきりでした。
    コロンボの天才には敵わないけど本を読んで慎重にやれば自分にも分があるとのセリフよかったですね。この場合の本を読むは情報収集ってことでしょうか?ですがまあコロンボが一番の天才なんですよね。

  19. 寒くなりまして「巣ごもり生活」どころか「冬眠生活」です(笑)。会計事務所の重要性とその不正、横領の罪の重さとかをガキの頃に観た時は多分認識していなかったなあ、と思います。それらがいかに大事を成すかを体感?したのは二十一世紀になってからあの世界を揺るがした「リーマン・ブラザース」ショックの時にやっとだったかもしれません。それにベンチャービジネスや新興企業のように急に儲かった企業は、経理・会計などはまだ社内に人材不足、平たく言えば、金銭帳簿の分かる奴が一人いればいい方で、つい任せっきりになってしまいがちで、一度は不正経理疑惑を当局から追及されることになる。と考えていくとこのエピソードの殺人動機は思っていた以上に必要十分だったのか、と今は変なところに感慨を覚えています(笑)。

  20. こんばんは!
    突然思い出しました。
    高校生の頃、殺しの序曲を見てビックリ!
    トリックに使われたのと同じレコードプレーヤーが我が家に有りました\(◎o◎)/

    1. 当方、ドラマに登場する小道具の類を調べるのが好きで、面白い装置だと思いました。もしかして関係者の誰かが、再生位置を指定できるターンテーブルを知っていて、その機能を利用した犯行トリックを考案したのかな?と、楽しい想像をしたりします。
      ラストの明快さと余韻(偽金貨の問題)を楽しめる作品でした。

      1. 本当に全編に渡って楽しめる作品ですね!
        あのターンテーブル・・針が少し浮いた状態で、最初に中心に向かってスーッと移動して曲間の溝が無い部分をセンシングしてから元の位置に戻り、そこから指定した順に再生するんですよね~
        数年で家から消えましたが、どこに行ったのか・・・

    2. それはかなりすごい話ですね!
      お父様は舶来品好みだったのでしょうか?
      うちにも何か無かったか必死で考えたけど全くありそうにないですね…

      1. 実は親父では無くて、兄貴がバイト代つぎ込んで買ったんです❗

        コロンボに登場した時は大興奮しました❗

  21. シグマ協会の連中が賢そうじゃない、という批判ですが、番組の尺が短すぎたのが問題だと思います。
    私は本物のメンサを知ってますが、本物の会員も、驚くほど幼稚だったり、わがままだったりで「こいつほんとに賢いの?」というやつばっかり。ハッタリの馬鹿らしさを知っている自信家ならなおさらハッタリなんか張らんでしょう。学歴も、留学先の博士号複数持ちから義務教育も怪しい(不登校だった)のまで、千差万別。従って職業も千差万別。ただし、将棋やチェスがおっそろしく強いとか、ルービックキューブや知恵の輪をアッと言う間に解いてしまうとか、ごく短い会話しかしていないのに「ああ、それはこういうことだな。で、何々(まだ全然言ってないこと)はどうなんだ?」とホームズのごとく言い当ててしまうとか、こっちがどんな分野の話をしようがちゃんとついてくる(少なくとも、的外れな聴き返しはしない)とか、そういう特徴はあります。
    「ルービックキューブ(70年代はまだ未発売ですが)のような、なんか複雑そうなパズルをスパッと解く」「コロンボとのごく短い会話から、まだ言ってないことを言い当てる」こういうシーンを入れたら、良くなったでしょうか? でも、コロンボが歩き回って事件を解くという番組にする以上、シグマ会員に活躍の場を作るわけにはいかなかった。ウィルソン刑事みたいな人を設定するにも、放送時間との壮絶な戦いになりそうです。他のキャラが弱いというのも、みんな放送時間の問題でしょう。

  22. なぜかこの回の話題が盛り上がっているので、私も一つ。
    終盤のニセ金貨問題、あちこちのフィクションで類似品が頻出しますが、奇怪なのは、どのフィクションでも、主人公は単なる模範解答しか言わないのに、出題者は天才だと賞賛すること。
    ひどいのになると、「万人に一人以下の、出題者すら予想できなかった方法で正解を導き出す天才!」とまで褒めちぎった作品を知ってます。ええ、本当にただの模範解答で。
    研究本で考案されていた「天才解答」にこういうのがあります。
    「袋に番号をつけて、なんて面倒な下準備は一切無用。各袋から一枚ずつ、片っぱしから秤に乗せればいい。真正金貨とニセ金貨の1枚当たりの重量がわかっているのなら、それで十分。運が良ければ1回で発見できるし、運が悪くても大した手間じゃない」
    「秤は1回しか使ってはならない」という前提を一切疑わず、くだらん制約にとらわれすぎて無駄な労力を費やすよりも、さっさと本質を見抜いて最短距離でズバッと問題を片付けるほうがよっぽど賢いだろう、というわけです。刑事捜査員みたいなコツコツ派の実務家なら、なおさらでしょう。

    1. 随分前のコメントに返信するのもなんですが…
      その問題では、秤は一回しか使ってはいけないってなってるのに、そのルールを破ったやり方を天才回答というのは違うと思います。
      野球でヒット打ったら、一塁に走らず、三塁に走った方がいいとはならないでしょう。
      制約のある中で最適解を導き出すことに意味があるのに、ただの屁理屈になってしまいます。

  23. ぼろんこ様の仰る通り、シグマクラブのメンバーの天才性が描かれていないのが惜しいと思います。それから、実はコロンボこそが彼らを凌ぐ天才だったのだという示唆が込められている点で興味深い作品です。「自分は決して秀才とは言えない素材だが、粘り強くしつこく頑張ればきっとモノになる」なんて、真に受けてはいけません。もちろん長年の経験に因るところは大きいに違いありませんが、コロンボは間違いなく、ホームズ、ポアロ、古畑任三郎、杉下右京といった天才的な直感を持った探偵の系譜に連なる人物です。

  24. 【原題解釈】
    The Bye-Bye Sky High IQ Murder Case
    直訳すると、「<さよなら、とてつもなくIQの高い人>殺人事件」。
    Bye-Byeと言われているSky High IQな人が被害者を指すのか加害者を指すのかが微妙ですね。あるいは、天才なんてクソ食らえと言っているのかもしれません。
    Bye-Bye Sky High IQで、語のはじめを「アイ」で揃える頭韻の面白さを狙っているのだと思います。
    Sky Highは山や建物以外にIQの高さまで表すことがわかって勉強になります。

  25. ジェイミーは映画トゥルーライズでシュワちゃんの奥さん役でいい演技してましたね。
    お母様の出た忘れられたスターの執事役の人は奥様は魔女のサマンサのお父さんのモリース役に出てましたが、猿の惑星でザイラス博士をやっていました。
    猿の惑星には二枚のドガのエドナの人がジーラ博士で死の方程式のロジャーがコーネリアスをやってましたね。

  26. 70分と短く、テンポの良い作品。コロンボには滅多に出て来ないのでLAでは珍しいと思われる雷雨や傘を背景に、オリバーの精神的動揺が劇的に演出されていました。オリバーはIQは高くとも(高いから?)、妻との関係もぎくしゃくするなど、生き方が不器用なのですね。シグマ協会の最年少の少女は、第二話「死者の身代金」でコロンボと協力する娘とどことなく似ている印象を持ちました。

  27. はじめまして
    いつも楽しく拝見させていただいております。初めてコメントさせていただきます。
    わたしは、この作品が一番大好きです。
    確かに、トリックがちょっと雑とか、
    シグマクラブの会員の皆様に事件を解決できるようなキレ者がいないとかツッコミ所はありますが(笑)
    この物語の構成が好きで、
    何回観ても飽きないんです。
    登場人物では、オリバーの奥様が好きです。
    魅力的な女性だと思います。
    彼の押領の原因として彼女に贅沢させるためもあったのだと思いますが、、、

    ドラマ終盤のコロンボとオリバーとのやりとりは、皆様絶賛される通り、
    コロンボの仕事に対する真摯な姿勢が伺えて、これもまたよいエピソードだと思いました。

    1. ミカンさんありがとうございます。1年越しの返信で恐縮です。
      仰るっとおり、とても良い雰囲気を持った作品ですね。
      オリバーの奥様>いいですね〜。サマンサ・エッガーという女優さんです。

      1. 原作本に、確かこんなエピソードがありました。
        奥さんはオリバー事務所に秘書として勤めていて、仕事は全然できないけど、あまりの美貌にオリバーが一目惚れして結婚したと。
        会計士の奥さんなら、もっと堅実な人を選びそうなんですが、ここら辺がオリバーの、大人になり切れない少年性が表れていると思います。

        1. コロンボの中間台本を出版社(二見書房)が手に入れて、翻訳者はそれを訳しつつ「肉付け」していくんです。だから、とりがみの兄貴様が読まれたストーリーは日本にしかありません。オリバー夫人との馴れ初めは翻訳者の創作でしょう。「殺しの序曲」の翻訳者は円谷夏樹さん。その「正体」はコロンボファンで有名な作家の大倉崇裕さんです。

          1. ありがとうございます。
            そういう事なんですね。
            何の作品だかは忘れましたが、コロンボの心理が描写されていて「絶対にアイツを逮捕してやる!」と。
            テレビと原作本はずいぶん違うな、と違和感を覚えたことがありますが、これも翻訳者の創作かもしれませんね。

  28. 刑事コロンボベストテンに入る、私のお気に入りの作品です。
    劇中で使われた曲が好きになり、当時カセットテープにエアチェックしたものをレコード屋のオヤジさんに聞いてもらい、なんだかんだスッタモンダがあってチャイコフスキーのレコードを買ったほどです。
    作品そのものも良かったし、演者も皆さん味があり良かったです。
    で、少し関係のない話で恐縮ですが、シグマクラブの皆が談話してる部屋の壁に、「構想の死角」に出てくるメルビル婦人の肖像画が掛けられていた、微かな記憶があるのですが。
    似たような絵画が掛けられていたのかもわかりませんが、もしそうなら面白いなぁ…って。
    余計な話ですみません。

    1. ご指摘のとおり、メルヴィル夫人の肖像画は、殺しの序曲に登場しているようです。

      Columbophileいう英文のブログの中に「構想の死角」についての記述があるのですが、その中にメルヴィル夫人の肖像画の画像と下記の文がありました。
      Mrs Melville painting
      The Melville portrait would later re-appear at the Sigma Society in Season 6’s Bye-Bye Sky High IQ Murder Case.

      でもこの肖像画、まっすぐこちらを見ていて、怖いのは私だけでしょうか。

      1. こんばんは
        この回のコメントの最初の方で ぼろんこさん達がすでにご指摘してますけれど

        オープニングの中で会合のフロアに掛かってる肖像画は

        シリーズ化第一作『構想の死角』の人気作家コンビの生み出した探偵『メルヴィル夫人』の肖像画(構想の死角の中で登場)
        であってるようです

        この『構想の死角』の中で メルヴィル夫人の活躍する本の名前が『殺人処方箋』

        それと
        『殺しの序曲』のエンドロール
        刑事コロンボのバストショット画像を複数枚使用して終わってます

        これらのことから
        一説には
        当初の予定では この『殺しの序曲』で刑事コロンボはシリーズ終了
        最終回の予定だったそうです

        もしそうだったら
        大好きな回『死者のメッセージ』
        日本食が出てくる『美食の報酬』
        とか見ることが出来なかったわけですから…

        シリーズが続いて良かった

    2. チャイコフスキーのこの曲は、この回を見て覚えました。
      今から考えるに、レコードが『1812年』だったらどうなったでしょう?
      後半に、大砲の音がたくさん入ってますよね。
      あるいは、1812年の大砲の音が銃声に聞こえないかと思って、ストーリーを考え始めたのかも。

  29. オリバーの屋敷には「モディリアニ」の絵画があったような?毎回美術スタッフのスキルそしてセンスの素晴らしさに感心しました。

    1. モディリアニの絵画ありますね。素晴らしい気づきで、感謝いたします。「扇を持つルニア・チェホフスカ」という作品です。この作品はなんと「007スカイフォール」という映画にも登場しているそうです。

  30. 犯人のオリバーのキャラクター、シグマクラブの描き方が曖昧で、トリックも実現可能なのだろうか?と思ってしまいました。他のハイレベルなコロンボ作品と比べると、物足りないというのが正直な感想です。

    ぼろんこさんがご指摘されている、カフェのウェイトレス役のジェイミー・リー・カーティス、ナイスですね。久本雅美さんを連想してしまいました。

  31. よくできた作品で、ベスト20に選ばれるのも納得ですが、トリックに重きを置き過ぎた所為か、薄っぺらいドラマになってしまったような気がします。高校時代から友人だった天才同士が会計事務所の共同経営者を務め、一方が他方の不正を暴こうとして殺される、それだけで十分だった気がしますが、なぜ被害者は犯人から「いじられる」存在である必要があったのか?犯人の奥さんが浪費家であることを示すエピソードが圧倒的に足りない。犯人と奥さんの関係(仲は良さそうに見える)がよくわからない、などです。またシグマクラブのメンバーがそれぞれ天才であるエピソードももっと数多くあって然るべきであったと思います。

  32. 最後はとても印象深いシーンでした。ただ何となく腑に落ちない点が多く感じます、わたし自身が歳をとったせいか、こんな事ばかり気になります。何故コロンボはオリバー氏が横領した事に気づいたのか、何故オリバー氏の元秘書も絡んでると気がついたのか、凶器の拳銃を公園のゴミ箱に捨ててゴミ処理をする会社が、その拳銃に気がつかないのか。あともっとオリバー夫人の金遣いが荒い事にオリバー氏自身が困り果てている点をもっと強調すれば良いのでは、シグマクラブのメンバーをオリバー氏が日頃からバカにしてるのをもっと強調すれば良いのではとか、細かい事ばかり気になってしまっているわたしなのであります、申し訳ない。

    1. そうですね。大人になって見返しますと、疑問だらけです。
      子供の頃に初めてこの作品を見ました。
      その時は、レコードが回り、ペンが倒れて、ズドンと発射される。
      その一連のアイデアが「すごい!」って大感動した記憶があります。
      大人になった今は、
      まぁ、全部ひっくるめて楽しむことにしています。

      1. この作品で使われた ADC Accutrac 4000 というターンテーブルが、その昔近くの電気店においてありました(愛媛県)。 見た途端にコロンボで見たあのレコードプレーヤーだと分かりワクワクしたのを思い出します。 買えるような値段ではありませんでしたが、店員さんにたのんで操作させてもらいました。 レコードで自動頭出しができるのが当時は画期的でした。

  33. BSスペシャル投票第11位。偶々12位となったパイロット版「殺人処方箋」と比べると犯人への攻め方が進歩してますね(笑)。攻めるというよりはオリバーに独り相撲を演じさせるドラマが短めの尺でダレる暇なく一気に進行します。このスピード感が今回の視聴では印象的でした。もう一つはオリバーが額をぬぐうことが印象的でした。本当に汗をかいているかは関係ない。犯行後から犯行の露呈まで彼の心は休まらない現れですね。このしぐさがトリック設定中の彼の満面の笑み、全てが終わった後の笑みさえ浮かべる安らいだ表情に挟まれています。

  34. 子供の時に見たエピソードでは一番覚えていた作品です。子供にとってはプロットよりもあの凝ったカラクリトリックが面白かったのだと思います。
    しかし大人になってから見た殺しの序曲は別の意味で自分にとって忘れられない作品となりまさした。ぼろんこさんも書いてますが、暗闇でのコロンボの独白。
    学校でも軍隊でもこいつは敵わないと言う連中がいっぱいいて。。。。でも人より本をたくさん読んで物事を注意深く見てやれば何とかモノになるんじゃないか。。。。何とかなりました。あたしはこの仕事が心底好きなんです
    。。。。と言った感じの内容だったでしょうか。
    コロンボの人生観だと思いますか、自分の心に刻まれて、人生の座右の銘として辛い時や苦しい時に思い浮かべました。
    この独白からは努力家コロンボを感じさせながら物語の最後に実は天才を凌駕する知能指数の持ち主である事が分かると言う重要なエピソード。
    こんな天才が人の何倍も努力して人一倍注意深く捜査するのだから、並み居る知能犯が揃って彼の前に全てを暴かれるのも納得。
    歳をとってから全く別の印象を抱いた個人的に大切な作品です。

    1. クレイマー刑事さん、メッセージありがとうございます。激しく共感いたします。
      私も自分の仕事に対する姿勢、それがほぼ、このコロンボの言葉と合致します。それもあってか、このようなブログを作ることにもなったのです。

      1. クレイマー刑事さん、ぼろんこさん、私も子供の頃、このコロンボの独白に強く感銘を受けました。以来「本を読んで、時間をかけて努力すればなんとかなるんじゃないか」と言う彼の言葉が折りに触れ、自分を励ましてくれました。 どのエピソードでの場面だったか忘れてたので、今回何十年ぶりに見て、「自分を引っ張っててくれてたんだな」と感慨もひとしおでした。

  35. 大好きな作品の一つです、一つ疑問があります。最後の謎解きのシーンで犯人に自白とも取れる罠を仕掛け犯人にペンを自らプレーヤーの上に置きましたが、コロンボはペンを使う事も見抜いてたのでしょうか? 皆さんのご意見よろしくお願い致します。

    1. 一人で現場を検証している時に、分厚い本に書かれた重心線、その脇に転がっている赤いペンを見ています。ぺンはフタが取れており、高い場所から落ちたことを連想させます。

    2. ペンの利用までは、コロンボは見抜いていなかったと思います。
      見抜いていなくても、振動という、非常に良いが不完全な案で誘いをかければ、オリヴァーは必ず正解を説明し始めると、確信があったのだと思います。
      私は、オリヴァーの案だけでなく、振動で落ちるかもしれないという発想にも大変感心しました。

  36. ラストシーンは、邦訳のがオチがついてていいですね。
    「無断で警察やめられませんよ」の無断という言葉が前のテストにかかっているので。
    英語だとなんと言っているのか聞いて見たところ、
    「I could’nt do that!」なので単にそりゃ無理っすよ!と言ってるだけですね。

      1. ラストシーンのユーモア溢れる会話は
        故・額田氏の翻訳手腕が光る所ですね。
        「コロンボ」放送枠のミステリームービーが打ち切りとなるという事で
        最終回のつもりだったと思われます。

  37. この回に登場するジェイミーリーカーティスは、アーノルドシュワルツレッガーの映画「トゥルーライズ」で、主人公の妻役で出演していましたね。名演技でした。

  38. ぼろんこ様
    こちらこそ喜んでいただいてとてもうれしいです。
    これからもよろしくお願いします。

  39. ミエーレさん「最後の天才クイズ」の解説、ほんとうにありがとうございます!長年抱いていた、疑問というか、勉強の種でした。時をみて、本編に加筆させていただきます。

  40. 初めまして。 いつも楽しみに読ませていただいています。
    最後の天才クイズですが、仲間はずれの単語は Asphalt でしたね、たしか。 
    Uncle は Dutch Uncle(ずけずけ言う人) 
    Leave は French Leave(無断退出)
     
    Delight は Turkish delight(お菓子の名前) 
    ...なのですが、それぞれ、オランダの フランスの トルコの と国名が頭に着きますが、Asphalt だけは、国の名前が付く言葉がないからですよね? 
    お菓子の ターキッシュ・ディライト ですが、ナルニア国の映画の第1話、ライオンと魔女で、次男が冬の女王みたいな恐い女の人に、食べたい物と聞かれて、ねだるお菓子だったので、覚えていました。
    日本語訳は、French Leave (無断退出)から思い付かれたのでしょうか? よく考えておられると思いました。
    このエピソードは、昔見てません。 去年だったか、NHK-BSで見ました。 NHKは副音声がありましたが、BS-TBSはありませんね。
    これからもよろしく。 また遊びに来たいです。

    1. 英語の言葉遊びなので、そののまま訳してもサッパリ分からないから、当時の翻訳陣が「無断」をキーワードにして創作したらしいですね。
      質の高い仕事だと思います。

  41. みなさん、楽しい話題をありがとうございます。近日、本作品をもう一度見直してみます。そして、お返事いたします!

  42. コロンボは犯人に対して、「あなたは自分の仕事が好きじゃないのか?誇りを持っていないのか?!」と、怒りをぶつけたのでしょう。
    コロンボにとって仕事は自分の血肉であり、人生は仕事と共にあり、大好きな仕事に費やす時間は至福の極みなのでしょう。
    だから天才と呼ばれてきた犯人に対して、静かな青い炎のような怒りをぶつけた。
    頭の使い方を間違っちゃいないかね?
    と。
    天才であることに誇りをもつんじゃない。
    自己の存在そのもの、過去からの努力の足跡のすべて、情熱で煮えたぎるような熱い思いを仕事に注ぐことは、人間としての成長を促し、知恵を社会の為に使える、立派な人物になれることにもなるんだ。
    そんな風に、いつも青春の真っ只中にいる若者のような希望を胸に生きることが、コロンボの誇りとなっている。
    ちゃーんと結果も残せていることが、真の輝きの証明にもなっている。
    犯人に対して、あなたは違うのか?!と、たたみかけるかのような熱いトークにジンときました。
    さらには若きエリート君への言葉もまったく同質で。
    出世したいならそれもいい。
    でも人にこびたって駄目だよ。
    仕えるのは人にじゃない。
    事に、目の前のやるべき事に仕えることが仕事なんだ。
    と、コロンボは伝えたがっているように感じました。
    犯人にしろエリート志向の若者にしろ、コロンボに出会えたことは幸福。
    私は今、コロンボのような大人になれているだろうか?
    若者達に、生きることの幸せを示せているだろうか?
    コロンボの言葉はとても重い。
    でも明るくて暖かく、魂が喜ぶ。
    自己の存在に自信を持って生きることを、コロンボは常に教えてくれている。
    ありがとう。

  43. エメット・クレイトンの極度に神経質な性格とは対照的に「無邪気な天才性」を備えたオリヴァーの人格が個性的ですね。ぼろんこさんの分析、楽しく拝見しました。
    こうもり傘、バッテリー、爆竹、レコーダー、そして辞書を駆使した物理的アリバイ工作も本作の大きな魅力です。確かに、一部の方が言うように凝りすぎの感がなくもないですが、本作の場合は刑事コロンボにこんな面白いトリックが出てきたことを喜んで観るべきではないでしょうか。
    ユニークな犯人のキャラクターとトリックは、新しい題材に挑戦しようとしたシリーズ後期ならではで、そういう意味ではドラマを描くことにに力を注がれた「秒読みの殺人」も同様と思います。

  44.  あけましておめでとうございます。
     突然ですが余談です。オリヴァー役を吹き替えた田中明夫さんは映画のエルキュール・ポワロ=ピーター・ユスティノフとアルバート・フィニーの両方を吹き替えた役者さんです。そうか当話はポワロVSコロンボなワケだ!
     もっと言うと田中さんが帝国軍皇帝を演じ、高木均さんがヨーダを演じ、ヴェイダー卿をはじめコロンボ犯人多数動員の『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』(※昭和63年=「帰還」になる“遠い昔”)という吹き替え版も日本テレビが放映しています。皇帝がヨーダを射殺するんだなんて聴き方をする人も居ないと思いますが、BS-TBS2月以降の放送でこの対決図が脳裏を過ぎるかも知れません。『フォースの覚醒』でハマった方にもオススメしたい…

  45.  名作・傑作多い『コロンボ』で「これぞ!」というエピソードを一つだけ選り抜くならば、私は当話を選びます。
     コロンボでは計算を尽くした殺人を遂げながら直後からコロンボなど関係無く犯人が没落して行く様子が描かれる回があり、「別れのワイン」では銘酒大量投棄の場面がそう。「秒読みの殺人」犯人のキャリア(バリバリ仕事の出来る女性です!)は逮捕前に終わっており、両作とも悪魔的なコロンボの罠に嵌って自らの犯行を実証する破目になる切なさがたまらない。作り手が頭脳ばかりでなくハートに相談しながら書いている。これらの要素を当話は過不足無く具えています。
     コロンボも犯人を尊敬したり憬れを抱く事もあると発言していますが、その心理に一番同調出来るのも当話です。
     凶器を捨てる場面でオリヴァーが屑籠の近くでジリジリしていると、思わず彼を応援するように心の中で「コロンボあっち行ってて!コッチ見ないで!」と叫ぶ。愚鈍な私はシグマクラブのメンバー達が束になって解く様なトリックを編み出す頭脳を一片でも欲しいと願ってしまう。ここまで頭の良い男が斯くも軽薄な女性を妻にするなんて理解に苦しむところ。つまらない女に溺れる偉大な男の弱みは『市民ケーン』や『華麗なるギャツビー』といった傑作でもみられます。
     吹き替え版でメガネっ娘キャロラインがヤッターマン2号(岡本茉莉=茉利さん)の声で喋れば萌えを感じる男子は少なくない筈。
     ぼろんこさんはウェイトレス役のジェイミー・リー・カーティスについて書かれていますね。吹き替えたのは放送当時未だ30歳になっていなかった吉田理保子さん。事務所の受付嬢役等とカケモチです。今では声優業を殆ど引退されていますがこの時点で魔女っ子複数にクララ、モンスリーを演じていました。原音では「ふんっ」などとイラ立たず単に短気か無愛想なだけ?というキャラクターに“怖さ”が感じられるとしたら、吉田さんの名演も手伝っていると確信しています。2大スターの娘だけに誇り高く、小汚い身なり(失礼)の刑事に煩わされるウェイトレスの境遇に不満を募らせた挙句銃を取り、過激派や殺人ロボットと闘う展開だって何の違和感も抱かせない。解る人無きジョーク(苦笑)
     クレジット3枚目まで小松方正さん、高木均さん、納谷六朗さん、弥永和子さん、嶋俊介さん、たてかべ和也さんといったビッグネームが…皆居なくなってしまった。

  46. 偽コインのクイズを出す場面ですが、英語で何と言っているのでしょうか?どなたか英語で教えてください。

    1. 具体的な英語よりは、このクイズの意味に関する疑問だと理解しました。私も、ずっと疑問でした。
      ここで出てくる秤は、天秤ばかりではなく、数値がわかるタイプの秤だということは、種明かしで分かります。英語では、ペニースケールと言っています。
      最初に英語で聞いたときは、ペニーを重さの単位だと誤解しました。???
      ペニーはお金のペニー。つまりワンコイン秤のようです。
      アメリカでは、モノを売る自販機のあと、体重を計るサービスを自販機として売り始めたようです。コロンボの発言では、ペニースケールに乗って1ペニー入れると、重さの印字されたカードが出てくるようです。
      ペニースケールを使うと、具体的な重さはわかる。このクイズでは、1ペニーしか持っていないので1度しか使えない。その条件で、どの袋が偽金貨の袋かわかるか?というのがオリバーの出題でした。
      英語では金貨の袋は、sackとかbagとか言っています。
      重さは、weighを自動詞で使っているのが、勉強になるところです。

      オリバーが最初にクイズを出すときに、minimum information problemと言っています。

  47. はじめまして
    この作品はラストがとても好きです。コロンボはわざと間違った結論によってトリップワイヤーを張る。優秀性や正当性に執着している彼は自らペンを手にし捕らえられてしまう
    しかし確かにこの殺しのピタゴラスイッチは無理も少なからずありますね

  48. トレモニさん>殺しの序曲でコロンボが語る「せっせと働いて、もっと時間かけて、本を読んで、注意深くやりゃ、モノになるんじゃないかって。なりましたよ!。あたしゃ、この仕事が心底好きなんです。」という台詞、私の人生に活かしています。

  49. バーティの声を吹き替えているのは、高木均さんでしたね。私には永遠に「ムーミンパパ」の声の人です(笑)
    「ロンドンの傘」では真打ちムーミン、岸田今日子さんも…。

  50. ヘイワードのオフィスで、地図を描いて説明する場面。
    2種類の地図がコロコロ入れ替わっていますね。
    道幅、被害者の印(+と×)、黄色いクルマの向きがそれぞれ違います。
    最初に書いた地図では道幅が広すぎてその後の説明に都合が悪かったため別テイクを撮ったのかな。
    「白鳥の歌」で空軍オフィスから電話する時の大佐の葉巻に似た面白いシーンです。

  51. 冒頭、車のライトが十字に光るのが好きです。
    「死者の身代金」でも際立っていました。
    動機は明確。自宅にあった傘には、爆竹のはじけた痕とススが残っていた。
    方法は推理、チャンスも推理、決定的証拠はない。
    これでは逮捕は出来ない。結局、自爆的自供だった。
    無理とは分かって、最大限にコロンボを肯定する考えに立脚してみる。
    コロンボは犯人の過去から現在に至るまでの苦悩を理解し、攻め方を考えた。
    犯人は頭は良いが、幼少からそれゆえの苦悩を抱え込んでいた。
    犯人は知能があることに対して、何の価値も見出せなくなっていた。
    特にシグマ協会に対しては、表面に出さない嫌悪感すら持っていた。
    コロンボは、その中のあるメンバーが状況証拠から方法を言い当てたと言い、
    それが正しいとも言う。
    犯人はコロンボの的を射た捜査展開を考えると、自分が逮捕されるのは時間
    の問題だと気付き始めていた。そんな中で、コロンボは犯人が嫌悪している
    メンバーの穴の開いたままの推理が正しいとしている、そんな空気をほって
    おけなくなった。逮捕の時間を少し延ばすよりも、推理を完成させることを
    優先したのだ。穴の開いた推理をコロンボが堅持してしまうことを絶対
    許せなかった。コロンボの犯人の特性を理解したスピード感ある論述の
    持って行き方が犯人を追いつめ、このような空気を作り上げ、自供を
    引き出したと言える。

  52. 前回手抜きをしましたが、コロンボが過去を語った全文です。
    世の中というのは不思議ですねえ。わたしゃ、どこ行っても秀才にばかり
    出会ってねえ。学校でも頭の良い子は大勢いたし。軍隊初めて入った時にも、
    あそこにも、おっそろしく頭の良いのがいましたよ。ああいうのが大勢いちゃ、
    刑事なるのも容易じゃないと思ったもんです。あたし考えました。連中より
    せっせと働いて、もっと時間かけて、本を読んで、注意深くやりゃ、モノに
    なるんじゃないかって。なりましたよ!。
    あたしゃ、この仕事が心底好きなんです。
    コロンボ自らの言葉によるコロンボ分析で良いのは、この「殺しの序曲」と
    次回「死者のメッセージ」です。犯人の言葉によるコロンボ分析で良いのは
    「殺人処方箋」「死者の身代金」です。
    すばらしい内容でした。

  53. コロンボが過去を語るシーンが見所です。
    「周囲には秀才が多くいた。連中よりせっせと働いて、
    時間をかけて本を読んで、注意深くやればものになる」
    この中に、コロンボの本質が見えました。
    コロンボは天才ではなく、努力の人なんだと。
    ただ、ウソをつくことでは天才かも分かりません。

  54. 前回に続き、これも困った作品。
    犯人は何故コロンボの目の前で半狂乱になりながら銃声トリックを再現したのか?
    これを理解するのに時間がかかりました。

  55. てらだあつおさん、お返事がたいへん遅くなりました。英語版でのクイズは「Asphalt. Uncle. Delight. Leave.」ですか。日本人には、答えられないですもんね。

  56. ミセス せつこさん、コメントありがとうございます。「脇役の紹介や音楽の補足」ですね、かしこまりました!

    1. 今回話にでていたの偽金貨の見つけ方って理解ができてないのですが。教えてください。

      1. 問題は、金貨の入っている袋がいくつかあって、そのうち一つは偽金貨(正確には偽金貨だけ)が入っているのをたった一回の測定で見抜けというものでした。本物は100gで偽物は110gというのは重すぎなので、本物は10gで偽物は9gと逆に軽くしても十分に問題は成立します。
        一回の測定しか許されないのだから、全部の袋から1枚づつ金貨を取って測ることにすると、もし三袋なら29gにしかならないので、1gごまかされたのが発覚しますが、どの袋かはわかりません。どの袋の金貨が偽物なのか、区別がつくような金貨の取り方をすれば良いというのがヒントです。
        アルキメデスが王様からの課題を解決して、喜んで風呂場から裸で飛び出したというエピソードは有名ですが、もっと話は単純です。
        「メルヴィル夫人なら、すぐに解決するぞ!」というレベルかも知れません。

  57. たときちさん>「Boo Hoo」です。ガイ・ロンバードが、1937年に大ヒットさせ、その年の全米チャート1位に輝いた曲なだということです。

  58. はじめまして。たいへん面白く拝見しております。
    ラジオの女性ボーカルの曲は「Boo Hoo」という曲でしょうか。残念ながら別バージョンですが、You tubeでも聞けます。
    私は最後に犯人がコロンボに出すクイズをオリジナル音声で聞いて、日本語版と異なり、さらにひとひねりあるのに驚きました。
    「Asphalt. Uncle. Delight. Leave.」どの言葉が仲間はずれかなんて、日本人にはなおさらわかりませんよね。

  59. いつも楽しく読ませていただいています。コロンボだけは何回みても発見があるので、大好きです。いえ、忘れちゃってるのかな?
    コロンボで気にいているのは犬が出てくる、子どもが出てくる、仕事熱心な部下がでてくるのが好きです。これもそうですよね。
    脇役の紹介や音楽の補足など教えていただけるとうれしいです。これからも楽しみにしています。

  60. 冒頭、仕掛けを仕込んでいる時、チャイコフスキーのレコードを流す前にラジオから流れている女性の曲はなんて曲でしょう?

  61. なにわのおっさんさん>コメントありがとうございます。そう言われてみると…そんな気がします。(笑)

  62. えりさんコメントありがとうございます。「コロンボに容姿を誉められて目を輝かすシーン」は私も大好きです!こどもといえどやはり女性~自分の容姿への関心は深いものです。

  63. 刑事コロンボに出てくる子供は大抵、天才だったりおませだったり小さな大人みたいですね。
    最年少のメンバーの少女も例にもれませんが、コロンボに容姿を誉められて目を輝かすシーンは和みました。
    コロンボは子供の心を開くのがうまいですよね。

  64. 僕はコロンボの自分は刑事にはなれないだろうと思ってた。でも努力して自分より頭のいい人よりたくさん働いて、たくさん本を読んで、、、そして刑事になれた、この仕事が好きなんです、、、のところでのピーターフォークの語りかけるような演技にグッときました。その後の天才クイズをいとも簡単に解いてしまうコロンボ。IQという物差しの無意味さ、虚しさを表すシーンでした。この部分だけで僕のベスト1です。

  65. Detoさん、こんにちは!
    「携帯もネットもない」ですよね~、もっと凄いのは「ビデオ」が普及していなかったことです。今なら録画して何度も見返せますが、当時は「手がかりを見逃したくない…」の一心で、目を皿のように、耳をダンボにして、画面に集中していました。(笑)
    私も、現在進行形で見ております。新しい発見などをするたびに、記事に加筆しておりますので、どうぞ、お楽しみください~。

  66. 最近、1話ずつHuluで見なおしています。本当に面白いし当時のアメリカの空気感も興味深いです。携帯もネットもないあの頃の人々の生き方を思い出しています。1話見てはここにおじゃまして、ふむふむと思いながら、次の話にクリックです。

  67. CRUNGEさんこんにちは!「メルヴィル夫人の肖像画」の件、気付いておりました!

  68. こんばんわ、いつも楽しく拝見しています。
    AXNミステリ放送版を録画して見ていたのですが、シグマ教会の会議場みたいなところに肖像画
    が飾ってあるのが写るのですが、多分「構想の
    死角」で出たメルヴィル夫人の肖像画だと思います。つまらん話ですみません。

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