私のデザイン事務所は、ファクトデザインという屋号です。
デザイン事務所の名前としては、数年前より類似した名称が増えつつあります。「ファクト(fact)」とは事実というような意味があります。
1991年の設立当時には「ファクト」というと「ファクトリー」の略だと感じられるほど一般的な単語ではありませんでした。2000年代になり、「フェイク」の反対語として「ファクト」が多用されるようになり、定着しました。
「ファクトデザイン」は設立当時は「ファクト・グラフィック・デザイン」という屋号でしたが、2019年に東京デザインルームを開設すると同時にグラフィックをとり「ファクトデザイン」と改名したのです。実際にグラフィックとウェブの仕事を比較しますと、ウェブの方が多いからです。
「ファクト(fact)」の語源は、私の敬愛するアメリカのグラフィックデザイナー「ハーブ・ルバーリン(Herb Lubalin)」の作品に同名のものがあります。私の苗字のイニシャル「F」との関連性から、デザイン事務所を開設するときには「ファクト」にしようと、前々から決めていたのです。
「ファクト」という屋号はそのまま私のニックネーム「ふぁくと(個人の場合はひらがな)」としても定着し、友人や音楽関係では「ふぁくとさん」「ふぁくちゃん」と呼ばれています。深津秀行という本名を知らない人も多いでしょう。
2020年には長年愛用した「FG」マークを捨てて「FD」マークへ変更しました。これも良い機会だったと思っています。この屋号については、銀座のデザイン事務所「TABLE」勤務時代にお世話になった先輩:森下仁さんに感謝の意を表します。