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エディトリアルデザイン

エディトリアルデザインとは、いわゆるページ物のデザインを指す。書籍のようにページ数が多いものはもちろん、8ページ程度のパンフレットでもエディトリアルデザインと呼べる可能性はある。「表紙」「表4」「トビラ」などの役目を持った特別なページと、それ以外のページで構成される。
 
かつては巨匠、岡本一宣氏の作品などを見ては、エディトリアルデザインの勉強をしたものだ。ただ、巨匠に学ぶだけでなく、世に出回る雑誌、書籍などからもかなり勉強できるのがエディトリアルデザイン。雑誌や書籍を購入する際に、そのデザイン性が高いか否かをまず見極め、汚いデザインの本は買わないのもよい勉強になる。
 
東京での修業時代、僕にデザインを教えてくれた森下先輩は、無類の本好きだった。彼は昼食のレストランや、飲み会の席などで自分の蔵書の自慢や、なかなか手に入らない古本へのこだわりなどを僕に熱く語ってくれた。
 
「田中一光氏」「杉浦康平氏」など日本を代表するグラフィックデザイナーが手がけた本が、僕の自宅の書棚にならんでいる。それらの隙間に「ハーブ・ルバリン」のエロス4冊。1冊はハードカバーで厚さ6,7mm程度の薄いもので、4冊セットで7万円。26歳当時の自分の薄給で良く買えたものだと感心する。たまに手に取って中を見るが、未だにその本当の凄さは自分には理解できない。そこまで自分が達していないのだろう。
 
一冊の本のエディトリアルデザインを引き受けることは、グラフィックデザイナーにとってとてもやりがいのある仕事なのだろう。表紙の装丁から、奥付まで、何もかも自分の好きなようにやってみたいものだ。

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