「絶対位置」と「相対位置」

CSSを知っている人であれば、「絶対位置=absolute」と「相対位置=relative」について考えた事のある人もいるかもしれません。これまで自分はウェブデザインにおいては、標準的な作業の中で「相対位置」的なレイアウトをしてきました。パーツが重なる危険が少ないからでしょう。
 
仕事における考え方と、このCSSの理論を重ね合わせることを思い立ちました。自分はこれまで、デザイン論としては基本的に「絶対主義」を前提にしていました。これは、「自分の信ずるデザイン」「自分の求めるデザイン」を基本としてスタートし、クライアントや周囲からデザインを褒められても、それはビジネスとして合格点かもしれないけれど、自分の価値観としては別の評価を下すというもの。
 
それはそれで、正しい?というか、仕方ない事ではあるのですが、エスカレートすると「ごり押し」「押しつけ」「独りよがり」な方向に偏る危険もありました。最悪は「空中分解です」。かといって、クライアントに気に入られることを第一に考え過ぎては、仕事が萎縮し、せっかく良い感性を養っても活かすことができません。
 
そこで気付いたのが、この「絶対位置=absolute」と「相対位置=relative」を仕事のスタンスに応用することです。簡単にまとめますと、
仕事のスタート時点において、相手の希望に沿うこと「相対位置=relative」から始めることです。その後の、専門的な分野では自分の経験とスキルを活かして「絶対位置=absolute」、すなわち「主観を重んじる」ことです。
 
CSSにおいて、「absolute」とはかなり乱暴な位置の決定です。始点を「absolute」とすると、その配下の位置はすべて始点に委ねられ、それが間違っていたらすべて間違いとなります。逆に、始点が「relative」の場合(あるいは初期段階でrelativeを宣言した場合)その後の「absolute」は、修正可能なのです。
 
これに気付くのに何十年もかかりました。デザイン暦28年、今自分が心がけることは「始点は相手に合わせなさい」ということ。その上で、自分の持てる発想・技術を活かせば良いのです。そうすれば「独りよがり」にもならず「イエスマン」にもならずに、良い作品が生み出せると感じます。