自分が20歳で初めて就職した愛知県のデザイン事務所の「チーフデザイナー」であったM氏が、自分のデザイナーとしての最初の師であると思います。初対面の時に「君はどうしてデザイナーになろうを志願したの?」と尋ねられ「プラモのパッケージのデザインがしたい」と答えたら「そりゃ、ウチに就職したら無理だね」って軽くあしらわれたことを覚えています。
M氏はディレクターとしてもデザイナーとしても抜群で、カリスマ的な存在でした。毎日毎日M氏と長い時間を一緒に過ごして、少しでも多く吸収しようと必死でした。3年程してM氏は独立し事務所を構え、自分もお願いして一緒に着いて行きました。その事務所でさらに2年M氏のもとで働かせてもらいました。どんなに一緒にいても、このままでは、この人を追い抜くことはおろか、近づくことさえできないと感じたものです。
25歳でM氏のもとを離れ、東京に出ました。それからさらに21年後となる今年のこと、突然M氏からメールがあり「F君のウェブの作品集を見たよ、素晴らしいね!」と褒めてくださったのです。自分は「これは、全てMさんから教えてもらったことを、自分なりに追求していったものなんですよ」「今でも当時の教えは忘れていません。本当に感謝しています。」
そんな会話があったあと、少しだけですがM氏のウェブデザインの仕事のお手伝いが出来ることになりました。これって、凄いことですよね。20年以上離れていた師匠に、仕事で恩返しができたのです。M氏に限らず、かつてうけたご恩は出来るだけお返ししたい。そんな気持ちが大きくなっています。
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