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Design Office Fact

デザインの著作権

先日、友人からこのような相談がありました。
 
あるグラフィックデザイナーに冊子デザインを発注し、その後、クライアントさんが冊子デザインのデータを他の仕事に流用したいと言うので、お願いしたら断られた。というのです。
 
クライアントさんサイドでは、単にそのデザイナーさんの意地悪的な発想であるとして、デザイナーを交替させることで話が動いたのだそうです。友人が言うには「確かに著作権を守る的な基本理念はあるだろうが、お客さんとしては気軽に流用を許してくれるデザイナーに発注すべきで、そのような人は多く存在する」ということです。
 
このような問題、一昔前に比べ、最近は垣根のない大きな問題になっている気がします。印刷用のデータさえあれば、自前のプリンタやネット印刷業者への発注で、楽々増刷ができてしまいます。
 
自分は現在はフリーのデザイナーですので、あまり厳しいことは言わないようにしています。そうしたところで、自分の利益が増えるということもないからです。でも「著作権に寛容だから仕事を発注したい」と言われたら、引き受けたくないですね。
 
カメラマンさんはどうされているのでしょうか?写真の場合はデザインとは感覚が異なるでしょうね。写真は、最も流用される危険性が高い素材だと思います。
 
おそらく、デザインも写真も、ギャラを支払ったクライアントさんや広告代理店にではなく、制作者(デザイナーやカメラマン)に著作権があると思います。これは法律で保護されたものです。発注者は、それを使用する権利をもっているだけなのです。

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