Mind Over Mayhem / 1974
こんな話、実際にありそう
人工頭脳学調査研究所所長のケーヒル博士が、息子の研究論文の不正を知った同僚のニコルソン博士(リュー・エアーズ)を殺害。学会の論文に関しては、日本でも2014年に「スタップ細胞」大事件が起きました。
初期の駄作?と言っては…お終い。
初期の作品においては、イマイチ納得のゆかない代表作です。近未来を描いたSF作品のようなシチュエーションもあり、こっけいな感じが漂います。もちろんその主役は「MM7」なるロボットです。当時の最先端な描き方ですが、時の流れとともに現実離れしました。
上手く行かない時もあります
脚本陣にはスティーブン・ボチコ、ディーン・ハーグローブ、ローランド・キビーと名を連ねていますが、ちょっと投げ出したくなった?かも。このような連名は名作にも見られることから、決して悪いことではないようですが。
フライデーではなく、ロビー。
ロボットMM7は「私の場合」宇宙家族ロビンソンに出てくる「フライデー」が目に浮かびましたが、そうではなく映画「禁断の惑星」に登場した「ロビー」です。お恥ずかしながら、禁断の惑星は未見でしてピンときませんでした。
スティーブン・スペルバーグ少年
それと、犯行解明に一役買う天才少年「スティーブン・スペルバーグ」くんはリー・ハーコート・モンゴメリー。投稿時には否定的でしたが、今見ると可愛い少年です〜。この数年前に映画「ベン」の主役を演じています。冒頭のクレジットにも名を連ねています。
不思議な味:ロバート・ウォーカーJr
犯人の息子にして、研究論文をパクったニール・ケーヒル役のロバート・ウォーカーJr(声:原田大二郎)は、意外と?と言いますか、すごく印象的でした。ひょろっとした感じで、登場シーンから、妙に「ひっかかりました」ね~。彼は、宇宙大作戦(スタートレック)の「セイサス星から来た少年」でも印象的な役を好演しています。
セイサス星から来た少年(チャーリーX)
このロバート・ウォーカーJrは宇宙大作戦(スタートレック)の
「セイサス星から来た少年」でチャーリー(日本語版ではピーター)役で出演しています。何でも思い通りにできる超能力少年です。本作はとても印象に残っています。
愛情の計算?
Mind Over Mayhemは直訳「騒乱についての心」。私は英語力が乏しく、これ以上言及しませんが邦題「愛情の計算」はひねり出した結論でしょうか。確かにコロンボシリーズ中、人のために(依頼されたケース:22話「第三の終章」などを除く)殺害することは稀です。
張本人のご子息ニールも事実を知らないのですし。しかし息子のために「殺し」を実行したというより、ケーヒル博士自身の名誉を汚さぬために犯行に及んだとも考えられます。むしろ、放置すれば息子が殺人犯になってしまうことから、自分の犯行を自供したことが「愛情の証」で、コンピュータを使った計画から「計算」という単語を引き出したのでしょうね。
犯人役「ホセ・フェラー」
ちょっと地味に感じてしまう、ゲストスターの「ホセ・フェラー」について調べてみました。プエルトリコ出身で「アカデミー主演男優賞」「ゴールデングローブ賞主演男優賞」なんかも受賞してるすごい俳優みたいです!また「アラビアのロレンス」でベイ将軍を演じていました。
ドッグの校長先生
「愛犬ドッグ」が犬の学校を退学になります。この威厳のある校長先生:ファーンズワースは俳優:チャールズ・マコーレイ。この一癖ありそうな俳優さんは、2話
「死者の身代金」の捜査員、10話
「黒のエチュード」では新聞社のダーキー役でも出演しています。
ニコルソン夫人
殺害されたニコルソン博士の夫人マーガレットは女優「ジェシカ・ウォルター」。とても美しい若奥さまでした。年の差婚なのですが、ざっと計算(笑)してみますと、夫ハワード(66歳)妻マーガレット(33歳)となりました。夫は実年齢より老けて見えるか!ジェシカ・ウォルターは映画「恐怖のメロディ」で監督・主演のクリント・イーストウッドと共演しています。また、コロンボと同時代のテレビドラマ
「警部マクロード」にも出演しています。2021年81歳で他界しました。
フィールズ巡査部長
この事件現場で活躍する刑事は、フィールズ巡査部長(ウイリアム・ブライアント)。この刑事さんは14話
「偶像のレクイエム」でジェフリー刑事とて登場しています。同じようなキャラクターですので、名前も揃えて欲しかったです。
駐車場係のマーフ
顔を真っ黒にして働いていた駐車場係のマーフは俳優アーサー・バタニデス。彼は宇宙大作戦「スタートレック」にも出演しており、今後加筆いたします。
可愛いキャラ、ロス博士
小柄な研究員、ロス博士はルー・ワグナー。シャツの大きな襟が印象的です。ドアに付いた「靴がかすった跡」の高さから、死体を運んだ人物とは思えず容疑者から除外。なんとも可愛いキャラでした。
2021年の大発見!
2021年の7月にテレビで映画「猿の惑星」を録画することができました。その中で新たな発見をすることができました。人間テイラーを助ける甥っ子のチンパンジー「ルーシャス」がこのロス博士:ルー・ワグナーだったのです。小柄な体格を活かした名演技です、この発見は大感動でした。詳しい猿の惑星情報は研究記事
「刑事コロンボと猿の惑星」をご覧ください。
ダイアン・ターレイ・トラヴィス
冒頭シーン「人工頭脳学調査研究所所長」の「第三次世界大戦のシミュレーション」で、登場する女性研究員の女優は「
ダイアン・ ターレイ・トラヴィス」で、その他のコロンボ作品にも多少出演しています。
研究所の受付嬢を見逃すな
セリフも大写しもないので絶対見逃しますが、研究所の受付嬢は女優「ディードル・ホール」で、15年後に51話
「だまされたコロンボ」でダイアン・ハンターを演じる有名女優です。本作は27歳、どんなに頑張ってもこれがベストショットで、言われてみればディードル・ホール本人かも?程度ですね。
監督:アルフ・ケリン
脚本:スティーブン・ボチコ、ディーン・ハーグローブ、ローランド・キビー
音楽:ディック・デ・ベネディクティス
マーシャル・ケーヒル所長:ホセ・フェラー(声:鈴木瑞穂)
ニール・ケーヒル:ロバート・ウォーカーJr(声:原田大二郎)
ハワード・ニコルソン博士:リュー・エアーズ(声:真木恭介)
マーガレット・ニコルソン:ジェシカ・ウォルター(声:谷口香)
ロボットMM7:ロビー
スティーブン・スペルバーグ:リー・モンゴメリー(声:手塚学)
駐車場係のマーフ:アーサー・バタニデス
ロス博士:ルー・ワグナー
ドッグの校長先生:チャールズ・マコーレイ
研究所の受付嬢:ディードル・ホール
フィールズ巡査部長:ウイリアム・ブライアント
女性研究員:ダイアン・ターレイ・トラヴィス
男性研究員:マイク・ラリー
研究所指揮官:トニー・レーガン
加筆:2024年8月29日