ボロボロの愛車は1959年式のプジョー・403コンバーチブル
セレブな犯人たちは、こぞってこの車を「ボロ車」と見下しますが、コロンボ警部はこれを「外車」だと自慢気に話すことが多く、その反面カミさんの車は「どーってことない車」と過小評価します。
3話「構想の死角」でのプジョー・403コンバーチブル、まだポンコツの印象はありません。しかし4話「指輪の爪あと」では早くも不審車と見なされ、白バイに止められました。警部だとわかると事件現場まで先導してもらっています。初期作品のプジョー・403のキャンバスは濃いグレーだとはっきり分かります。
7話「もう一つの鍵」ではキャンバストップを開け、ピーター(レスリー・ニールセン)とハンバーガーを食べました。10話「黒のエチュード」では修理工に「うちは外車専門(プジョーも外車なのに)なんでね‥」と修理を渋られています。
12話「アリバイのダイヤル」で空港に駆けつけたプジョー・403。14話「偶像のレクイエム」では、大女優:ノーラ・チャンドラーがこの車に同乗したのことは奇跡かもしれません。この頃のボディの汚れ具合は尋常ではありません。演出上わざと汚しているのだと思います。(笑)
16話「絶たれた音」ではクレイトン氏を誘って、そよ風を浴びながら市内をドライブしました。レストランに到着した場面では、車の左後方の様子を見ることができます。18話「毒のある花」では、美容体操の女性に囲まれました。かなり高い位置からの車の様子です。
19話「別れのワイン」で、レストランのドアボーイに「ここまで走り込んだ車は珍しいですよね」と話しかけられ「15万キロ走っているからね。汝の車を愛せ、されば車も良く走る」と答えた直後に、全くエンジンがかかりません。22話「第三の終章」でも、レストランのドアボーイから「この車は盗まれない」として駐車場への移動を拒否されました。
20話「野望の果て」では検問に引っかかり、ワイパーなどの整備不良を指摘されました。修理に出したガソリンスタンドでは「これだけイカれてちゃね」と高額な修理代:約25,000円を請求されました。写真の2台を比較しますと、キャンバスの色がベージュに見えたり濃いグレーに見えたりしますが、ボディの凹みで同車だと確認できます。
25話「権力の墓穴」で、コールドウェルの妻の交際相手から、何と約28,000円で下取りに出さないか?と誘われました。そう言えば、この回のプジョー・403は絶不調でしたね。
27話「逆転の構図」の殺人現場の廃車場で「車を捨てにきた人」だと勘違いされました。砂煙を立てた直後だということもあり、より一層ポンコツに見えますね。
「逆転の構図」後半で試験官ウイークリーがこの車に乗りますが、ドアがなかなか開きません。また、この頃までのプジョー・403のダッシュボードには、クリップ金具のような装飾が付いています。「これは一体何なのか?」いつか結論を出したいです。→プジョー・403コンバーチブルのダッシュボード
28話「祝砲の挽歌」ではフロント側を、30話「ビデオテープの証言」では右サイドのプジョー・403の勇姿をはっきり確認できます。
32話「忘れられたスター」では左側のピラー(フロントガラスの支柱)や、左ドアの凹み・傷を見て取れます。
34話「仮面の男」ではガゾリンスタンドでの給油シーンも登場します。この時リアバンパーがかなり凹んでいることがわかります。
下の写真を見てください。4話「指輪の爪あと」、23話「愛情の計算」当時と比較しますと、リアバンパーの牙のようなパーツは欠落し、いかに損傷が進んだかが分かります。
35話「闘牛士の栄光」のメキシコではガッチャンこ、交通事故を起こしました。傷の位置を検証しますと、これはメキシコロケ用の車ではなく、これまでのプジョー・403と同車です。その後の36話「ルーサン警部の犯罪」では、大破していないフロントグリルを確認できます。
37話「さらば提督」でも、キャンバスをオープンした状態を見ることができます。その後、39話「黄金のバックル」では、パトカーに追突してしまいました。これが原因でナンバープレートが破損したのだと思われます。
40話「殺しの序曲」シグマクラブ前の場面、左側のキャンバスに黒いテープで補強しています。この直後、他の車に激突しそうになりました。41話「死者のメッセージ」ではまだ2灯のヘッドライトが健在です。この車は39話のプジョー・403と異なる可能性があります。左ドアのへこみ方が違います。左前のホイールキャップもありません。
43話「秒読みの殺人」の冒頭でまたまた、楽しく鼻歌を歌いながら運転中に事故を起こしました。そしてこのプジョー・403のダッシュボードには、クリップ金具のような装飾は無くなっています。
44話「攻撃命令」や45話「策謀の結滅」にかけて、左側のヘッドライトとフロントバンパーの「牙」のようなパーツ「が無くなっています。ナンバープレートもさらに傾き、何とかぶら下がっている状態です。これはもう公道を走行は許されないでしょう(笑)
*この記事は書きかけです。
52話「完全犯罪の誤算」のオスカー・フィンチから「鉄クズ」だと呼ばれました。
57話「犯罪警報」のウェイド・アンダースから「昨日や今日の痛みじゃない」と言われました。また彼のベンツと接触事故を起こしています。
63話「4時02分の銃声」のフィールディング・チェイス邸でバックファイアーを連発しました。
など、逸話は数えきれません。(気付くたびに加筆します)
加筆:2021年2月18日
新刑事コロンボになり、コロンボの愛車もフェンダーミラーからドアミラーに変わりました。ドアミラーは左側だけで、今ですと整備不良になりますが、当時は片側だけでも問題なかったですとか、販売時には片側しかなくもう一つ付けるときはオプションですとか、ネットで当時の背景までは理解できたのですが…。
演出上何か理由はあるのでしょうか。
おはようございます。明け方5時に執筆しています。プジョープラモ一台は売りに出しています。あと2台はコロンボバージョンです。けっこう大きいプラスチック製です。何万円としました。お日様が当たらないようにタオルをかけています。売りに出そうか思案中です。
あすかさん、おはようございます。
リンクを貼ってみてください。公開できるかもしれません。
オープンカーについて
イギリスではドロップヘッド、ソフトトップ、コンバーチブル、ロードスター(二人乗りのスポーツカー)
ドイツではカブリオ(ゴルフカブリオに乗ってました)
フランスではカブリオレ
クーペはフランス語で2ドアのスポーティな車。
何せ、当時でも古くてレアな車だったでしょうから、万一撮影現場で本当に故障してしまった場合を考慮し、さぞかし予備部品の供給体制は万全を期していたのでしょうね。
さらに、予め同じ車種を複数台用意していたのなら、撮影中に調子が悪くなったとしても、すいぶん安心だっただろうと想像するのですが(部品も転用可能)、実際はどうだったのでしょうね。特に旧シリーズで、回によって微妙に色合いや塗装ムラに差が見られるのは、そういった事情もあったかも?
認識に誤りがあれば、遠慮なくご指摘ください。
コロンボが乗っていた1956年型式プョー403ガブリオレの独特な灰色の塗装色は、モンテ・ヘルマン監督の映画『断絶』(原題: Two-Lane Blacktop 1971年7月7日アメリカ初公開 ユニヴァーサル映画)で、もうひとつの主役と言っていい、一見オンボロですが、チューンアップして無茶苦茶性速く走れるようになった1955年型シボレーに印象がそっくりです。
この関係について語っている方を私は知りませんが、テレビシリーズの『刑事コロンボ』で愛車プョー403が初登場した3話「構想の死角」の米初オンエアが1971年9月15日で、『断絶』公開の約2カ月後であるため、個人的には何らかの影響を受けていたと思っていますが、いかがでしょうか。
それにしても、作品中で、両車ともエアコン無しの設定です。21世紀のカリフォルニアの気候では、夏はちょっと堪らないのでは?
舞台は20世紀ですが、冷静に考えれば、コロンボは車中では絶対レインコートを脱ぎますよね。
脱字訂正です。
× プョー403
〇 プジョー403
今日、プジョーに、電話したら、同じ様なモデル車は、無いそうです。私は、あれば、買う。
コロンボの作品はもちろんですが、バックファイヤーの爆音にも、どハマりしてます!
私にとって、プジョーコンバーチブル403の外見で、燃費のいい現在の日本車エンジン搭載が理想の車です。ああいったデザインはもう作られないでしょうが。コロンボのコートも襟の形状が似て非なる物が多く、つい襟の形状をいまだに探してしまいます。完全なレプリカがあれば買うのに…
確かにコロンボ作品をずっと見ていると403が欲しくなりますね。あのローバーのミニでさえ、BMW製になってからはイマイチになりましたし、昔のデザインは素晴らしいと思います。
ネットで「クルマの博物誌 配役される車」で検索すると、『M-BASE クルマの博物誌』というトヨタ博物館学芸員である山田二氏の記事が見つかります。ここには、コロンボのプジョーを筆頭に、刑事コロンボの各エピソードに登場する代表的な車の解説があり、とても参考になります。
この記事の最後の、”欧米の作品では、車種や自動車に関する知識が多少でもあると、ない場合より楽しめそうだ、とおわかりいただけたとしたら幸いである。もちろんそれは付随的なことであり、ストーリー自体がはるかに面白いことは言うまでもない。”、というコメントから、山田氏もコロンボファンだという事が分かりますね。
ダンジガーさんは中古車販売会社のオーナーでしたね!
「似て非なる物」なのでしょうが、日産の「フィガロ」という車種はかねてより、「プジョー403」のような可愛さを持っている日本車だと思っていました。記事を投稿しましたので、よろしければお読みください。
そしてダンジガーさん、御礼申し上げます。このコメントへのお返事をするために「プジョー」「日本」「コロンボ」でネット検索していて、『舞台版「殺人処方箋」日本初上演』の記事を偶然見つけまして、実際にこのお芝居を見ることができました!ありがとうございました。
ぼろんこ様のおかげでコロンボ鑑賞がもっと面白くなってしまい、見ないと眠れないほどになってしまいました。
クラシックカーが好きなので映画に出てくる古い車をしつこく追いかけるのが大好きです。
以下、アメリカのファンサイトでリサーチしてここまで分かりました。
フォークはこのプジョーをこよなく愛していたのですね。
*プジョー403に決まった経緯
ピーター・フォークは「指輪の爪あと」の撮影に入る前に「コロンボのキャラクター作りにはカミさんと葉巻、それにレインコートがあれば充分」と言っていたのですがユニバーサルスタジオのバックロットに置いてあった数ある車の中から「鼻先が飛び出て見えた」そのプジョーを見つけ、「まさにこれだ!(This is the one)」と彼自身が決めたのだそうです。
なんと「指輪の爪あと」撮影開始前日のことでした。
*その後のプジョー
このコロンボモデルはフランスで504台が生産されそのうちの2台をピーターフォークのプロダクションカンパニーが所有していたそうです。
前期シリーズ放送終了後にはユニバーサルはすでにそれらを売却していましたが1988年、オハイオで見つかったとのことです。
現在このプジョーはユニバーサルスタジオ内で非展示で保管されているそうです。
天国の海さん、お褒めの言葉ありがとうございます。
「プジョー403に決まった経緯」たいへん興味深く拝読いたしました。
後日、ゲスト解説として、本文に追記いたします!
バンパーの牙のような部分は”オーバーライダー”ですね。
コロンボ403のミニカーの写真には猫が乗っていました。
なんという猫でしょうか。
それから
ここにコメント残そうと思ったのは
プジョーがきっかけではなくて
『秒読みの殺人』でマークがケイに手切れとして贈った450SLとはどんな車?
と単純に思ったからなんです
メルセデス・ベンツ450SL
1973~1980年製造 4520cc 225馬力
(コロンボ警部のプジョーの排気量は3倍で馬力は4倍です)
SLはドイツ語でsport leicht(スポーツ仕様 、軽量)だそうです
ケイはマークの置き土産 メルセデス・ベンツ450SL 受け取ろうとしませんでしたね………
車の対比 してみたいと思いました
上のコメント
返信で下に続けるつもりが
間違えました
それから
コンバーチブル
カブリオレ
?
これは???
これは形状のことだそうで
まず
オープンカー という英語はないそうで和製英語だそうです知らなかった(驚)
コンバーチブルは英語
変換可能 といった意味で
しっかりした硬い材質の屋根もしくは幌のような軽い材質の屋根がついていて きちんと屋根がしまっていることがベースで
屋根を取り外すか 幌typeなら蛇腹のような形でオープンして 屋根がない形にもできる
そういう形式の車をコンバーチブル というみたいです
カブリオレは それのフランス語やほぼ同spellのドイツ語
コンバーチブル=カブリオレでいいそうです
あと
ロードスター という名前
日本の車の名前で有名ですが
あれも 車の形状のことを意味するらしいですね
コンバーチブルやカブリオレとは少し形状が違うのかな
興味のある方は調べてみてください
あっもう一つ
クーペというのは2人乗りだそうですね
コロンボ警部のプジョーも
『秒読みの殺人』の450SLもクーペ
私も車好きでした。現在は所有していませんが。
「クーペ」の定義は、はっきりしないです。
本来は2人乗りなのかな。でも2ドアの4人乗り(後部座席は狭かったりする)も、クーペだと分類する場合もあるそうです。(4ドアクーペの登場もあり曖昧になった)
また、屋根が固いオープンカーは「ハードトップ」と呼ばれ、区別されます。ルイス・モントーヤの愛車がハードトップでしたね。オープンカーでなくても、側面の窓ガラスに仕切り部品(ピラー)の無い車もハードトップと呼ばれると思います。
同じように見えるスポーティなクルマでも、ピラーがあると「クーペ」ピラーがないと「ハードトップ」と呼ばれた時代もありました。
ぼろんこさん 明けましておめでとうございます
『秒読みの殺人』
2019年年明けで放送してましたね
この作品
トリックや犯人逮捕までのちりばめられたプロットの上手さ
そちらは今回は他の方も沢山コメントしてるので 今日は 車について書きたいと思いましてお邪魔しました
まずびっくりしたのが コロンボの運転するプジョーの幌が破れてて雨降ったらどうするの?ってアバウト感(笑)
車にはまったくといっていいほど詳しくないのでnetで調べてみましたら
プジョー403コンバーチブル(1959年式)
最初に登場した時が1971年なのでその時で すでに造られてから12年の歳月が経ってたんですね
そんなに古くて形も アメリカ産でない車
コロンボ警部は感性が独特なんだろうなぁ
因みに
プジョー403は 1955~1966年製造
ガソリンtypeで1468cc 58馬力ですって
なんと一年越しの返信になります。どうもすみません。
アメリカ人も「ヨーロッパ車」に対する憧れがあったのでしょうかね。
日本でもやはり、アメ車よりヨーロッパ車の方が人気が高いですよね。