21話「意識の下の映像」

Double Exposure / 1973
意識研究所所長で心理学者のケプル博士が、クライアントであるノリス氏(ロバート・ミドルトン)を殺害。この作品「サブリミナル効果」を扱った殺人事件として、当時は名称は知らなかったがかなり感動した記憶があります。写真は美味しそうにキャビアを食べるノリス氏。コロンボが食べ残したキャビアを食べた時の「うまいよ!」という小池朝雄さんの台詞も絶品でした。

大胆な殺害計画

30年前、最初にこの作品を見た当時は主演がロバート・カルプということも知らず、ただただ殺人のトリックに関心したものでした。特に印象的なのは、喉が渇いて廊下に出て来たノリス氏をビデオモニターで確認したケプルが「よし、しめた!」とドアを開けて、「おいノリス」ズドン!と撃つシーン。
でも深く考えてみますと「殺害現場」に第三者が現れる危険性も高く、かなりリスクのある計画でした。もちろん「塩気たっぷりのキャビア」が効いたのでしょうが、他の人も食べるかもしれないし。

ちょっと間抜けなロバート・カルプ

ロバート・カルプの演技は4話「指輪の爪あと」よりは「憎たらしさ」が抑え気味で、間抜けにも感じました。ただ、どの出演作品よりも「計画性に富んだ殺人」で、その準備段階から緊張感が伝わってくる展開でした。

サブリミナル効果がテーマということで…

決定的な結末「サブリミナル効果を使って、犯人を捕獲」したことは、もちろんこの作品の最大の見せ場です。実際にそこまで首尾よくことが運ぶかは別として、その発想が面白いですものね。写真は技師役の(ジョージ・ワイナー)。

カメラマンのデニス

カメラマンのデニス(ダニー・ゴールドマン)と二人でケプルの部屋に忍び込みます。そして「この1枚が効いた」という「コロンボ警部が電気スタンドを見ている」写真を撮影…。そのまま電気スタンドの中を探せば見つかったのにね‥とも思いますが、これは捜査令状なしで「見てるだけ」だそうです、やりますね!翌日ケプル逮捕の瞬間に「パチっ」とストロボを当てるのもデニス。良い仕事をしました!

電気スタンドを探せば見つかってたか?

初動捜査で、拳銃がたくさん展示してある彼の部屋をしっかり調べていれば、証拠の口径変換機が見つかったかも…と長年思っていました。しかしケプルの行動をよく見直しますと、口径変換機は電気スタンドの金具に(まるでその部品のように)すっぽりハマっていたのでしょう。だから一見「証拠が隠されている」とは気づきにくいかもしれませんね。

正直者を見分ける能力

「呼び出されマグノリアの角に居た。一人だったのでアリバイはない…」というノリス夫人(ルイーズ・ラサム)の証言を信じるコロンボ警部。その理由は「犯人ならばもうちょっとマシなアリバイを考える」という。一方では、ノリス氏の浮気話をほのめかすケプル。こっちの方が怪しい…と睨んでいるわけです。

チャック・マッキャンはグッドな味

この「意識の下の映像」の中で、ぼろんこが最も注目した俳優さんは映写技師のロジャー・ホワイト役:チャック・マッキャン。ケプルの犯行だと気付いたホワイト氏は、ケプルを脅迫し逆に「最も良い解決方法」として殺害されます。これまで真面目に働いて来たと思われるエンジニアが、金づるに目がくらみ命を落とすことになります。銃で撃たれる直前のホワイトの「怯(おび)え」の演技は、リアリティあふれるものでした。

大草原の小さな家

このチャック・マッキャンは、テレビドラマシリーズ:大草原の小さな家の「ジョーンズおじさんの鐘」という作品で、ジョーンズ役で登場しています。

拳銃弾道担当の研究員

ロス警察の拳銃弾道担当の研究員・演じるのは「リチャード・スタル」。捜査に行き詰まったコロンボ警部に最初冷たく接しますが、力になろうとすると逃げられてしまいます。この俳優さんは12話「アリバイのダイヤル」の旅行会社の人(フレモント)、18話「毒のある花」でも旅行会社のボス(バートン)と同一人物です。同じ旅行会社かな(笑)

ゴルフ場のキャディさん

ゴルフ場では4人パーティで回るのですが、いつの間にか、他の人がいなくなります(笑)。この時のサングラスをかけたキャディさん、気になりますよね(笑)この人は俳優:ミッキー・ゴールデンで、この回を始め、合計7回も刑事コロンボに出演しているエキストラ俳優です。画像に収めることが困難なシーンが多いため、今後の宿題とします。

脚線美

本筋ではありませんが、ケプルが制作した企業アピールのフィルムで、演壇を離れる直前のシーン「脚線美」を表現した写真には大笑いでした。

意識の下の映像

監督:リチャード・クワイン
脚本:ステファン・J・キャメル
バート・ケプル:ロバート・カルプ
ロジャー・ホワイト:チャック・マッキャン
ビック・ノリス:ロバート・ミドルトン

加筆:2020年8月24日
2020年の再放送で気づきがたくさん出まして、大幅に加筆しています。

“21話「意識の下の映像」” への85件の返信

  1. 先日のNHK~BS版ですが本作を「指輪の爪あと」と比べますと、こころなしかロバート・カルプの声色がちょっと張りが無いと言いますか毒気が抜けてしまったように思えました。
    同じようにお感じの方がいらっしゃるか、自分の思い過ごしか気になっており夜も眠れなくなっております(笑)

  2. 冒頭の爆弾の炸裂シーンから始まり、ベトナム戦争帰還兵エディの狂気、さらにアリバイ工作の時のグリーンリーフの品位に欠いた態度、言葉使いも加わって、全体的に殺伐とした印象を持ちました。
    ジャック・キャシデイの他の2作品と比べると、彼の優美さがあまり発揮されて無かったので、それが残念でしたね。

    あと今回の放送、画像がとても鮮明だったので、エディの目が異様に青かったのと、アイリーン(マリエット・ハートレイ)のお肌トラブルに目がいってしまいました(苦笑)

    1. この作品のノリス夫人も鮮明なブルーアイでした。
      4Kリマスターのやり過ぎですかね?
      そのせいで、アイリーンさんのお肌の荒れも...女優生命大丈夫だったのでしょうか?(笑)
      それから、ジャック・キャシディさん、実はあまり背は高くない?
      この作品では、コロンボと同じくらいの身長で映ってます。
      他の2作ではシーレット・ブーツ履いてたのかな?

      1. 4Kちょっとやり過ぎのような気がします。色が鮮やか過ぎるというか…手持ちのBlu-rayの画質がDVD?と思ってしまうくらいです。ほんとの4Kのテレビで見たら、どんなことになってるんでしょう。鮮明な画質を見ると、すぐに目が慣れてしまいそうで…贅沢なものですよね。

        インターネットの情報を信じるとすると、ジャック・キャシデイは178cmだったようです。ピーター・フォークは168cm、10cmは違いますね。第三の終章でジャック・キャシデイ小さかったですか?撮り方とかでそう見えてしまったのかもしれないですね。

        1. 4Kリマスタリングは、一旦フィルムを洗浄し、破損した箇所やコマを修正して動きをスムーズにし、最後に色付けしてからデジタル移行します。
          まさにディレクターの趣味とセンスにかかってる訳で。
          今回のディレクターが小津安二郎ファンだったら、もう少し落ち着いた映像になったかも知れませんね。

  3. いや~なんか久しぶりにハマって皆さんが深堀しているので何度も見直しているうちに矛盾を見つけました。
    映写技師殺害のシーン。
    1、1巻目のフィルムチェンジのタイミングをなぜ知っていたのか?
    →アリバイ工作のため事前に映画の内容を理解し上映時間に合わせて
    殺害時間をチェンジのタイミングに合わせていた。(勝手な解釈)
    2、なぜ手袋をせず犯行を行ったのか?そのあとフィルムチェンジで指紋を残さないのであれば部屋のドアを開けるとき(わざわざハンカチで拭いている)
    から手袋をしていれば手間は省けた。
    →素手じゃないとフィルムチェンジができなかった。(勝手な解釈)
    3、これは無理がある。機械どころか回す2巻目のフィルムにも指紋を残してしまうかもしれない。リールが回ってしまえば指紋はふけない。第一ここにもあそこにも指紋を残しちゃんとふき取ったか疑心暗鬼になり続けるなんて
    この犯人の性格から逸脱する。その後の作品「秒読みの殺人」で犯人役の女性は手袋をしてフィルムチェンジをしている。
    もしお解りの方がいらしたら教えてください。

  4. 返信ありがとうございます
    なるほど発見されないという自信があったので
    「ほどぼりが覚めてから」という気持ちを優先したのですね。
    納得です。

  5. いつも楽しませてもらっています。
    ケプル博士、「指輪の爪あと」で左右両手で文字がかけるシーン
    がありますが、この作でも「ノリス夫人に、密告電話をかける」
    シーン、ダイヤルを左手で回してます。
    ホワイト技師から、犯人と指摘されたあと、メモを取る際は右手
    ですね。
    元々、利き手は左右両方なんでしょうかね。

  6. 終盤、コロンボが弾道検査係と話す時に、吹替えの小池さんが「ケプル」を「ケルプ」と言い間違えてました。犯人役は「カルプ」だし、まさか小池さんも混乱したんでしょうか?

      1. あっ!確かに言い間違えていますね
        それと事務所には新しい銃2丁以外にクラシックの銃が
        10丁ぐらいありましたがあれが無視な理由はどなたかご存じですか?

  7. サブミナル効果って、商品のコマーシャルに使われるやつですね。
    それを犯罪に利用するとは、流石コロンボ!進んでます。
    私的には大して効果ないと思ってますが、ドラマとしては面白かったです。
    それからロバートカルプさん、声優さんの調子もありますが、フットワークが軽くてキレものと感じます。コロンボの意図も見抜いて、なかなか尻尾を掴ませなかったですが、最後は自分の罠にはまってしまいましたね(笑)

    1. コロンボ氏の手際が良すぎるのがちょっと?ですが、そこはドラマですから深く考えないことにしています。
      ケプル博士としてはサブリミ理論が犯罪捜査にも応用できることが証明されたのですから充分に満足されたと思います(笑)

  8. このエピソード、ケプル博士が運転するリムジンに注目した人、多いのではありませんか。
    なんか見覚えのあるリムジンだな、と思って調べたら、「死の方程式」で被害者が乗っていたリムジンと完全な同型車、年式まで同じと判明!
    (リンカーン・コンチネンタル・エグゼクティブ・リムジン1969年式)
    おそらく同じ車で撮影したと思われますが、それにしてもなんでケプル博士はあんな車を愛車にしてるんでしょう? リムジンなんて、オーナーが自分で運転する車と違うでしょ。バックナー社長は部下に運転させてたのに。
    あれ? もしや? と思ってIMCDbで調べると、「アリバイのダイヤル」で、コロンボがハンロンを空港まで追跡したシーン、ワンシーンだけ遠景で映ったリムジンが、これと完全に同型!
    「アリバイのダイヤル」では、死んだはずのバックナー社長が生き返って球団コーチに就任していることで知られていますが、なんと爆破されたはずのリムジンまで復活していた!?
    ハンロン逮捕後はどうやってケプル博士の手に渡ったのか? 配役の他に大道具小道具を具体的に決めるのは監督か製作者の権限でしょうが、わざわざこんなリムジンを起用した意図はなんでしょうね。むしろノリス夫人のキャデラックと入れ替えてたほうが似合ったろうに。
    うーん、謎です。まさかロバート・カルプ氏が気に入って、「僕に運転させてよ」と希望したのか?
    なお、このリムジンは、「権力の墓穴」「仮面の男」「秒読みの殺人」にも登場するらしい。
    まさに、「呪いのリムジン」です。

    1. これは、楽しい発見ですね!
      確かにケプル博士とリムジンは、似合わない気がします。
      いつか全部写真で比較してみたいです。

      1. 当時のアメ車はサスペンションが非常に柔らかく、ボートみたいに上下左右に揺れてますね。
        クルマ酔いしないのでしょうか?(笑)

  9. 皆様こんにちは。
    狙ったターゲットだけがCMデモリールに仕込んだ冷たい飲み物の画像に反応してくれるかどうか怪しいところですが、ロバートカルプ氏の存在感でラストまで楽しむことができました。
    ただし、写真のポジを映画に挿入できるかな?とか、ケプル博士の部屋にあった自動拳銃から硝煙反応はなかったのか等、若干の疑問は残りますが。
    なお、ノリス夫人役のルイーズ・ラサムさんの顔を見て、マーニーのお母さんだと思い出しました。この少し前のヴェラ・マイルズさんとか、少し先で登場予定のジャネット・リーさんとか、偶然でしょうけどなんとなくヒッチコックとのご縁を感じたりしました。

      1. 「第三の終章」「死者のメッセージ」に出ているマリエット・ハートレイもヒッチコックの「マーニー」でマーニーの同僚として出演してますね。

        1. マリエット・ハートレイさんは(私が勝手に思っているだけですが)何となく幸が薄い感じがして大好きな女優さんなのです。
          またまた余談ですが、スタートレックの有名なエピソード「タイムマシンの危機」などは彼女のイメージにピッタリだと思っています。
          遥かな時空を隔てたロマンスのお相手は・・溶ける糸のメイフィールド医師ではなくて、Mr.スポックです(^^)

          1. 私も、彼女の落ち着いていて知的なアメリカ女性といった雰囲気が好きです。
            1940年生まれ。Wikipediaでみると、「刑事コロンボ」と同時代の「警部マクロード」「大草原の小さな家」にも出演していたり、60〜70年代は映画、テレビに引っ張りだこだったようです。
            「スタートレック」は一度も見たことが無いのですが、再放送などの機会があれば是非見てみたいです。

      2. スザンヌプレシェットさんもヒチコック「鳥」に出ているのをうっかりしていました。
        つい最近、NHKBSで史上最大の作戦を久しぶりに観ましたが、エディ・アルバートさんが大佐役で出ていて、ホリスター将軍の現役時代みたいな雰囲気があって嬉しくなりました。なお、同作品にはメル・ファーラーさんも出演してますが、やや上から目線の感じで、これまたノーラ・チャンドラーさんとの会話はどうだったか原語で聴いてみたくなりました。
        今日も私のいる名古屋は一日中猛暑で、良く冷えたプロセッコ・ロゼでもいただきたい感じです。
        カッシーニ氏ならこんな日には何を飲むでしょうか?グラスに氷を入れたりしたら激怒するかもしれませんね。

  10. コロンボ、小学生の時から大好き💕BSで毎週楽しみに、みてます。大体の回みてます。ブログ見つけてからまた別の楽しみです~色んな俳優さんや、何回も色んな回に、出てる人も居たり、ほんと楽しいです。意識の下の映像に出演していた、映写技師の役の方が、大草原の小さな家のジョーンズおじさんの鐘のジョーンズおじさんの役の方と見て、もービックリ😆確かに面影あります😊思ったんですが、たまに少しの間、吹き替えが、小池さんから、石田さんに変わる時ありますねほんのワンシーンとかだけの時ありますので、小池さん声の調子悪かった時だったとかなのでしょうかね。ちなみにピーターフォークが探偵役だった、名探偵登場好きです。

    1. コメントありがとうございます。
      小池さんで録音した時代は、日本での放送尺が短かったんです。お亡くなりになった後、長尺で放送できるようになったので、石田さんが代役をされています。

  11. ぼろんこさん 先日はイラストの件で、記憶違いを致しまして、大変失礼しました。お詫び致します。
    昨晩もぼろんこさんのブログで予習をさせていただき、テレビを観ました。何気ない一言でしたが、ノリス氏がケプル博士に催促した写真とは、タニア嬢(曲線美の女性?)との密会写真なのでしょうね?一方的な怨みから殺害のパターンが多いなか、この作品は、お互いに嫌いな相手であり、ケプル博士もこの女性と個人的な関わり(でも割り切った関係)があったようで、ノリス氏が犯人だったらなど勝手に妄想を広げたりして(笑)楽しんでいます。
    最後の複雑な笑みも味があり、コロンボ作品は何度観ても楽しいですし、奥が深いですね。

    1. タニアは脚線美の女性ではないような気がしますが(笑)
      それにしても、何度見ても新しい発見があり、楽しいです。

      1. 「新しい発見」は、4Kリマスターによるところ大、かと思います。
        画像・音声が素晴らしく鮮明になり、今まで気づかなかった、見えなかった部分が見え、「ああ、現場はこんなだったんだ」と毎回、驚かされています。
        (「別れのワイン」のエイドリアンがフェラガモを履いているのも、今回発見)
        ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
        我らが「男はつらいよ」シリーズも同様です。
        寅さん、実に細かいアドリブやってるんですよ。
        こちらも並行して楽しんでる次第です。

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