35話「闘牛士の栄光」

A Matter of Honor / 1975

メキシコの元闘牛士である英雄ルイス・モントーヤが、自分の経営する牧場の長年の相棒エクトールを殺害。

海外ロケ作品

海外ロケ「メキシコ旅行」で展開され、29話「歌声の消えた海」の続編のような位置づけの作品。モントーヤがエクトールを殺害するシーンと、コロンボ警部が登場する交通事故シーンをうまく関連づけています。このシーンでは、メキシコという土地で、全く言葉が通じないシチュエーションをとても楽しく描いていました。

英雄ルイス・モントーヤ

ルイス・モントーヤ役のリカルド・モンタルバンは風格たっぷりで良かったですね。モントーヤが足に大けがをし、闘牛士を引退したいきさつを話すシーンでは、彼の顔が徐々にクローズアップされ、かつての栄光をいかに誇らしく思っているかが伝わってきます。

ただ、解決編では「メキシコの英雄的闘牛士の心情が理解できなければ納得できない」オチだったですね。コロンボ作品中では「かなりきれいな殺害動機」と言えるかも知れませんが、私のようなコロンボファンには、すこし物足りなかったです。

リカルド・モンタルバン

リカルド・モンタルバンは、映画「猿の惑星」シリーズでサーカスの団長「アーマンド」を演じています。また、テレビドラマ「宇宙大作戦」・映画「スタートレックII カーンの逆襲」でカーンを演じています。

雰囲気重視でも、スッキリしないラスト

ラストシーンも、決定的な証拠を突きつける、または犯人に「自分が犯人と認めざるを得ない」言動に誘導するというタイプではなく、スッキリしたものではありません。しかも、解決後の「解説」シーンが、いかにもそれらしくて残念でした。それでも、この感覚(誇りを大切にする)は名作の呼び声高き19話「別れのワイン」に通じるかもしれません。

牧童ミゲル が可愛い

本筋ではない話題に触れますと、牧場で働くミゲル「エミリオ・フェルナンデス」は、とても可愛いかったです。茶目っ気たっぷりで、笑顔が素敵な俳優さんでしたね。

メキシコ人の国民性をかいま見る

また捜査に同行した地元警察のサンチェス警部や農場監督のデルガドとの会話で「仕事に頑張りすぎるヤツは間抜けだ」という主旨の会話があり、とても興味深いものでした。日本人なんか、ほぼ国民全員が「間抜け」呼ばわりされると確信します。

監督:テッド・ポスト
脚本:ブラッド・ラドニッツ
ルイス・モントーヤ:リカルド・モンタルバン
サンチェス警部:ペドロ・アルメンダリス・ジュニア
ミゲル:エミリオ・フェルナンデス

加筆:2017年12月22日

“35話「闘牛士の栄光」” への34件の返信

  1. 動機が焦点の作品。 最後の最後まで謎解きを引っ張る印象的な作品でした。 また、ストーリーとは離れたところではありますが、時空を超えた海外旅行をしている気分にさせてくれるのもコロンボを観る楽しみだと本作品で気づかされました。 メキシコでもコートを着ているコロンボが素敵です。

  2. コロンボがメキシコ旅行中に、闘牛場での事故死と思われた事件に地元の警部とともに関わる作品で、「歌声の消えた海」の解決でコロンボがメキシコで有名となった設定になっています。闘牛士として名声を勝ち得、いまやメキシコでは英雄のルイス・モントーヤが、旧知の友人で仕事上の部下でもあるエクトールを殺害するが、動機は何なのかが焦点。結局は名誉のための殺人と判明しますが、作品の冒頭5分をよく見ると、視聴者にエクトールが何を知ってしまったのかのヒントが提供されていることがわかります。コロンボが子牛の突進に、敏捷に身をかわすのがさすが。コロンボが多少はスペイン語を話せることがわかります。

  3. 久々に見てみて気づいたのですが、クーロが最後に対決する宣言をして、コランボはそれをうまく利用してクーロに協力させたのですね。
    クーロも最初はそんな気は無かったけど、父の仇を明らかにするということでコロに協力したのでしょう。
    さすがにンボらしいしたたかな解決法ですね笑
    ところで原題のmatter of honor(名誉の問題)という言葉は、matter(問題)とマタドールを掛けてるタイトルなのでしょうね。

  4. 初めまして。47歳 つば十郎です。
    モントーヤが牛に怯えて何も出来なかったのを、エクトールに見られてしまった。
    これが犯行に及んだ動機ですが、
    ①エクトールがモントーヤを強請っていたら。
    ②モントーヤが祝砲の挽歌のラムフォード大佐のように、
    コロンボに癇癪を決して起こさない紳士な人物だったら。
    もっといい作品になったのになあと思います。

    ラストでコロンボとモントーヤが約4分も無言で向き合う場面は、
    自分が犯した罪を暴かれることよりも、
    牛に怯える姿を晒すことが英雄 モントーヤにとっては、
    死ぬほど辛いことであることを示していました。
    それを黙って見つめるコロンボもモントーヤが何も言えないことを自白と認めて
    かつての栄光に敬意を表するには無言が最善と思ったのでしょう。
    全作品の中でも屈指の名場面だと思ってます。

    最後に。
    邦題は「堕ちた英雄」とか「落日の英雄」のほうが
    この作品には相応しいなと勝手に思います。

    1. フォレスターの「青銅の巨砲」やナポレオン時代の半島戦争を題材とした「リチャード・シャープ」シリーズを読むとスペイン人(系)の「男のプライド」の強烈さと異常さを感じることができます。
      エクトールは決してモントーヤの怯懦を漏らすことはないでしょうし、モントーヤも十分それを承知していたでしょう。しかし、それでもエクトールにそれを知られたことが殺人を犯すに値するプライドの問題だったのではないかと思います。私はエクトールがモントーヤを強請ったりしたら一気に安っぽくなってしまうような気がします。

  5. 先ほどまでBSで「奪われた旋律」を観ていてふとコメントしたくなり、始めての書き込みです。「奪われた旋律」とは全く関係ありませんが、この「闘牛士の栄光」でコロンボの手帳ケースがクローズアップされてファーストネームが「フランク」と確認できるとの情報がありますが事実でしょうか? ご存知の方はおられますでしょうか?
    コロンボにはいくつかの謎があり、コロンボの名前、家族構成、飼い犬の名前などうんちくとして知りたいと思います。

  6. 昔はきっちりアリバイを解いていくエピソードが好きでしたが、年を取ってからは本作のようなエピソードが好きになりましたね。
    今日BS-TSBで闘牛士の栄光とルーサン警部の犯罪を続けてやってるんですが、トレッキーとしてはカーン役のリカルド・モンタルバンとカーク船長役のウィリアム・シャトナーが続けてゲスト出演だったのがなんだか嬉しかったですw

  7. 殺害動機を最後まで隠すというギミックが実に効果的です。いつもと毛色はだいぶ違いますが、これはこれでありな快作といえるのではないでしょうか。
    新シリーズになるとひねりが強すぎて本来のシリーズの面白さを侵食してしまっていると評される作品が多いようですが、その点、旧シリーズはそのさじ加減が絶妙だと思います。
    サンチェス警部やミゲルといった人々の存在も楽しく、大好きなエピソードです。

  8. こんばんは。
    とても良いドラマでした。
    誇り高き闘牛士モントーヤが、牛を前に立ち竦む無様な姿を、エクトールただ一人に見られたため、彼を殺害した。
    しかし再び立ち竦むところを、今度は大勢の人間に見られたため、モントーヤの心に、すべて終わったという感情が湧き上がったのだと思う。
    私はその寂しさをドーンと受け止めました。
    最後にコロンボに向かって数回うなずくところは、コロンボに対する敬意と「負けたよ」という気持ちでしょうか。
    もはや、証拠が弱いとか些細なことをやり取りして、醜い姿を重ねる気はないでしょう。元英雄ですから。
    おまけですが牛のマリネロ君、攻撃の前に、左足、右足と、地面を後ろに蹴って威嚇のポーズしちゃって、なかなかの役者でした。

  9. 現在BS-TBSで再放送されており、40年ぶり(笑)に見ております。
    こちらのサイト、丁寧に解説されており、恐れ入るばかりです。
    このエピソード、確かに決定的な証拠がありません。
    以下私見ですが、コロンボの場合、
    1.最後のクライマックスでようやく発見した決定的な証拠を提示するパターン
    2.カマをかけて犯人にボロを出させるパターン
    3.“殺人を犯してまでも隠したい真実=動機”を解明するパターン
    に大別されると思います。
    「闘牛士の栄光」は最後のパターンで、動機が明らかにされることにより、(表現が適切ではないかもしれませんが)隠蔽のために行なった殺人行為に意味が無くなってしまう訳です。
    これに限らず、コロンボの場合、犯人は名士が多いため、完全に証拠が揃わなくても観念するケースが多いですよね。
    当時小学校高学年だった私、派手な展開やラストのキレ味ばかりに気を取られていましたが、50歳を過ぎた今見直すと、最初にコロンボが『おやっ?』と思うシーンや、地道に矛盾点を追っていく姿に惹かれます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿はできません。

どうぞ悪戯の書き込みはお控えください。
私の大切なものを壊さないでください。あなたにも、私にも大切なものがあるのです。
I ask foreigners.
Please do not write a comment. Please do not break my important thing.
I think that you can understand. I appreciate your self-control.