51話「だまされたコロンボ」

Columbo Cries Wolf
1989[第9シーズン 51話]

邦題「だまされたコロンボ」は、てんでイケません

「だまされたコロンボ」という邦題が残念。原題は「Columbo Cries Wolf」で「狼少年コロンボ」といったところ。これでも残念。「コロンボ」がタイトルになるようではね~、困ったものです。
有名雑誌「バチェラーズ・ワールド」の共同経営者が仕組んだが失踪劇が実は狂言で、コロンボが騙されてしまいます。前半で容疑者となるスターカメラマン「ショーン・ブラントリー」は自身満々で憎らしい程ですが、実はもう一人の経営者ダイアン・ハンターに手玉に取られ、結局彼女を本当に殺してしまいます。

イアン・ブキャナンは印象的

犯人ショーン・ブラントリー役のイアン・ブキャナン(声:中尾隆聖さんはテレビ版「あしのジョー2」のカーロス・リベラ)は小憎らしい役を好演しています。ゲストスターが微妙な存在の新シリーズの中では、かなり良い感じでした。

コスナー役:マーク・マーゴリス

運転手コスナー役のマーク・マーゴリスは、カッコ良かったです。この作品、新シリーズの中ではキャストが良かった気がしますね。

外見の美醜がクローズアップされた作品

共犯で被害者のダイアン役:ディードル・ホールは今回のテーマ「雑誌モデル業界」らしく美しい女性でした。モデル役のレベッカ・スターブも美しく描かれていました。グラビアモデルたちがコロンボ警部を、まるで汚いものを見るように見下していた様子も興味深いです。やはり外見に自信がある人間はそうでない人間を馬鹿にしているのでしょうね。

カメラマンという職業としては、イマイチ

私の感想では、このように外見の美しさをテーマにした作品はあまり好きではありません。今回は犯人がスチールカメラマンだったのですが、彼の職業そのものにはスポットは当たりませんでした。むしろ、モデル業界の華やかさが前面に出ていましたね。同じ成功者でも、その道の一流としての主人公の方が魅力は上回る気がしています。

懐かしい面々が登場する、豪華なキャスティング

クレーマー刑事が登場か!

記者会見の場面で、クレーマー刑事「ブルース・カービー」が出演しています。最後にお目にかかった37話「さらば提督」から早13年ですが、若々しいですね!ノンクレジットで、クレーマー刑事だとは断言できませんが、そう思っても良いでしょう。

大出世?いや、別人?

さらには、コロンボシリーズの名脇役として有名な「ジョン・フィネガン」がロス警察の本部長として登場。これは「ダフィ警部」のその後であるとは言い難いですが。(笑)

名前だけ再登場、こっちは本当に出世してた

13話「ロンドンの傘」で登場した、ロンドン警視庁の「ダーク刑事部長」が名前だけ再登場しています。部長から局長に出世してます!この作品を見て「ロンドンの傘」を見ていない人は少ないと思いますが、念のために説明しました。

旧作の焼き直し的な作品

後半の展開はスピーディで、ひょっとしたらこの後半だけでも十分作品ができたかも知れませんが、旧作の焼き直し的にも見えコロンボ作品中、最も長く感じるものの一つでした。成功者が保身のために人を殺すという、コロンボ作品の原点みたいな部分は好きです。

追記:BS Hiで「パイルD-3の壁」放送を見て

旧作の焼き直しと先述しました。9話の「パイルD-3の壁」がその作品です。パイルD-3の壁は数十年前にNHKの放送で見て、その後小説本まで読みました。パイルD-3の壁では、犯人マーカムの作戦に「引っかかった振りをした」コロンボ警部だったはずですが、そのずっと後の事件で「本当に引っかかっちゃう」のは不自然ですかね~。

哀愁を感じるエンディング

gotcha.jpgそれでも、エンディングはカッコ良いですね。ピタっと決まった印象です。「GOTCHA」は「ガッチャ」と発音し「わかった!」みたいに使われる口語表現。一説によると「ガッチャマン」の語源でもあると言います。(他の説もあります)
監督:ダリル・デューク
脚本:ウィリアム・リード・ウッドフィールド
ショーン・ブラントリー:イアン・ブキャナン
ダイアン・ハンター:ディードル・ホール
クレーマー刑事:ブルース・カービー
本部長:ジョン・フィネガン
加筆:2014年5月2日加筆
 

“51話「だまされたコロンボ」” への20件の返信

  1. 私も騙されました。
    子細に見れば変なところ多数ですが、この作品に限ったことではなく、コロンボシリーズ全般にその傾向と思うので・・・
    ただ、死体を壁に隠す件はちょっと、現実的にどうかな?と思われ。ポケベルつけ忘れも含め、やや強引な幕引きに思いますが、絵的にはいいんでしょうね。
    (袋にくるまれた被害者が美しい・・・)

  2. 前半戦で被害者(なりすまし?)が入国審査のきびしいイギリスのイミグレを通っているあたりから、「なんでこのへん調べないんだろう?」と疑問には思ってました。邦題を思い出すと「ヤラセ」というのが直感的にわかってしまい、その視点でみると妙に冷めて見れます。後半も旧編からの古典的方法で強引に幕引きして個人的には評価の低い作品です。

  3. ツァバールさん、なつさん、コメントありがとうございます。私もこの作品、結構好きになってきました。コメントをくださった皆さんにも敬意を表して、2票追加します。

  4. 初めまして。
    BS再放送分を録画して、平日の夜は楽しんで観てます♪
    いつも、こちらのブログで情報を仕入れて自分の知識を下準備してから観ると、面白さが違います。
    素敵なサイトをありがとうございます。
    この作品、私は嫌いじゃないです。
    最後の「GOTCHA」には、思わず画面の前で拍手してましたもの^^;
    またお邪魔させてくださいね。

  5. 突っ込みどころはいろいろありますがシナリオとしてはよくできていると思いました。(初めにダイアンは殺されたと思いましたからね。私もだまされました。雑誌の発行部数を伸ばすための策略と知ってなるほどー、でした。)
    突っ込みどころとしては、運転手が銃声を聞いて外に飛び出したら、まずリムジンのドアを開けてダイアンの無事を確認するだろう、ということ。
    ただ、そうすると別の展開にしなければいけない。「これはないだろう」と思われない自然な筋書を書くのは至難の業なんでしょう。観る方としては突っ込みどころを探すのも楽しみのひとつなんですが(笑)
    それにしても毎回どでかい車がでてきますが、今回のリムジンはすごかった。多分リンカーンコンチネンタルだと思いますが9メートルくらいありそうでした。あれで路地に入っていくって恐ろしい。
    最後のオチはなかなかのものでしたけど人間の入った袋を壁の中に入れられるの?って思いました。
     今回、コロンボに元気がないのが気になりました。今までの犯人役の中でもトップクラスのいやらしさのブラントリーをネチネチ攻めてもらいたかったのですが、ずっと負けてましたね。

  6. どう観ても、コロンボの勇み足だったことは否めない。
    いつもなら、犯人が勇み足をして逮捕されるんだが・・・。
    そこで珍しく、犯人ではなくコロンボを擁護してみたい。
    判官びいきなのでね。
    コロンボが、ここまで見事に勇み足をしてしまった背景には、
    ショーンに殺人犯としての何かを感じ取ったからだ。
    「殺人講義」においてコロンボは「この自分の鼻について行きます、
    もし臭いを嗅ぎつけたら、解決の為ならありとあらゆる事をやってみますね」
    と言っている。ショーンから、明らかな殺害動機を嗅ぎとっていた。
    つまり、遅かれ早かれ、殺害が実行されるろうと読んでいたのだ。
    あれだけ状況証拠が整ってくれば、殺害動機の背景があるので、
    暴走しても仕方ないですね。
    「パイルD-3の壁」でパイルを掘り返した場面と似ていますね。
    同じテツは二度踏まない・・この常識を覆す。
    会社の定款から、更に殺害動機が明確になる。臭いが確信へと変わる。
    コロンボ信念の勝利と言える。

  7. 新シリーズの中で数少ない秀作だと思うんだけどなぁ・・・
    大駄作というなら「幻の娼婦」とかの方がよっぽど大駄作ですよ

  8. 先日の放映に関して色々、意見が出ていますね。
    ただ、強いて挙げれば「被害者と加害者がグル」
    というケースがコロンボの過去の事件からくる
    経験という引き出しに無かった事でしょうか。
    ただダイアンが現れ再度、姿を消した後の即断
    の行動は「パイルD3の壁」の経験が生きたか。
    相棒レビンソンを失ったリンク原案との事で
    犯人がリンク自身の自己投影だったかもしれません。

  9.  観終わった追記です。ピーター・フォークの義眼が痛々しく見える…
     袋詰めの女性の死体。
     「ダイアン」連発。
     “ピーカー”へのアピールが半端無いですね。
     それを『ツイン~』吹き替えスタッフとキャストが迎え入れてくれたなんて、泣けます。

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