- 犯人役ゲストスター「ジョージ・ハミルトン」の特集記事。
- 「クレーマー刑事」の登場作品。
- 脇役俳優「フレッド・ドレイパー」の出演作品。
- マーク・コリアー「メルセデス・ベンツ・450SL」
- アニタ・ボーデン「シボレー・モンテカルロ」
- ドナー家「シボレー・コルベット・スティングレー」
精神科医のマーク・コリアーが愛人ナディアの夫カール・ドナーを殺害。計画殺人ではなく、妻との愛人関係に気付いたカールが二人の密会現場に居合わせてしまったためです。このような展開上、私の好きな刑事コロンボのストーリー(計画殺人)は望めませんでした。
ジョージ・ハミルトン
愛人のナディアは決壊寸前
また出た、コロンボ警部の大芝居
状況証拠は十分でも、決め手が無い。コロンボ警部は「偽の目撃者」を仕立てます。コリアーは「自分は5時30分にドナー邸に居なかった」と跳ね返せば、良かったのでしょうが、人の心理を読むコロンボ作戦はまんまと成功します。不利な状況にある人間は「正当な部分は主張したがる」ということです。これは27話「逆転の構図」でポール・ガレスコが犯したミスと似ていますね。
おぉ、マーチソン博士!
おぉ、パジェット将軍!
犯罪警報のウェイド・アンダースで復帰
ゲストスターのジョージ・ハミルトンはこの16年後(1991年)の57話「犯罪警報」に再登場します。エリオット(パジェット将軍)の変貌ぶりを考えると、「犯罪警報」のハミルトンは「流石、若作り!」と拍手を贈りたくなります。
ボーデン博士のカレン・マッコーン
コロンボ警部、またまた大ショック
コリアーの友人アーノルド
ランズバーグ先生とコリアー先生は同僚だ!
」です。海岸沿いに南下しますと、ナディア・ドナーのマンションがあります。かなり眺望が良いと思われます。
犯行直後に車を門にぶつけた件
ブログゲストさんからのご指摘があり、加筆します。コリアーは犯行現場にブルーのベンツのクーペで来ていました。そして犯行後に逃げる際、目が不自由なダニエル・モリスさんが飛び出したため、避けるために白い門に激しく車をぶつけています。その衝撃で門の角度が変わったほどです。
そしてその夜、コリアーが呼び出されて現場に駆けつける時は、ボーデン先生のシルバーの大きな車で来ていました。ブルーのベンツはバンパーに傷がついたはずなので、自分の車で来れなかったのか?日が変わり、コロンボがコリアーの病院を訪れた時、駐車場のコリアーの車を調べています。この時には、コリアーはすでにベンツを修理に出した後なのでしょう。コロンボはタイヤのトレッド(模様)に着目していますが、バンパーの傷は無さそうでした。
本編では兄のデビッド・モリスは「急ブレーキを踏んで止まった」と証言していて、衝突したことには触れていません。そうでなく、「5時30分に出て来た車は、自分を避けるために何かに激しく衝突した」と証言し、コリアーが直後にフロントバンパーを修理したことも証拠にすれば良かったが…。
しかしここはやはり目撃者に「ブルーのクーペに乗っていた」と証言させ、「目撃者は目が見えないはずだ」とコリアーに反論させたことで、十分面白いのでしょう。
監督:ハーヴェイ・ハート
脚本:ピーター・S・フィッシャー
マーク・コリアー:ジョージ・ハミルトン(声:小林勝彦)
ナディア・ドナー:レスリー・アン・ウォーレン(声:渋沢詩子)
アニタ・ボーデン:カレン・マッコーン(声:村昌子)
カール・ドナー:スティーブン・エリオット(声:大平透)
クレイマー刑事:ブルース・カービー(声:杉田俊也)
ハント医師:ウイリアム・ウインターソール
チャック・ホイーラン:ライアン・マクドナルド
病院の受付:キャシー・スピアーズ
看護師:プリシラ・バーンズ
アーノルド:レドモンド・グリーソン
デヴィッド・モリス:フレッド・ドレイパー(声:永井一郎)
ダニエル・モリス:ジャック・マニング
ヘンドリックス刑事:バンス・デイビス
加筆:2024年8月29日
今年の連休は気の向くまま録り溜めしたコロンボ鑑賞です(^^)
さて、本作は小学校6年生のとき、うちで亡父と観ました。ラストのどんでん返し、子ども心にも印象的でしたねぇ!催眠術で飛び込ませるってそんなアホな、とも思いました。
以前に「新シリーズに皆さん辛口だけど、私はどちらも好きです」みたいなこと言いましたが、あらためて旧シリーズ観ると、やっぱりいいですね。犯人を追い詰めていくコロンボの「セリフ劇」っていうところが丁寧。
ところで、コロンボはクリームソーダ好きなんでしたっけ?ホームパーティーでクリームソーダを頼んでましたね。
この間観たばかりの新シリーズの「狂ったシナリオ」でも、アレックスの部屋でクリームソーダを作って飲むシーンがありましたが、他にもちょいちょいクリームソーダを飲んでいたような。それともアメリカ人は大人でも普通に飲むのかなぁ?私はたぶん30年くらい飲んでません(^_^;)
アメリカで言うクリームソーダは炭酸飲料水なので多くのメーカーが缶入りを製造しています。ソーダにバニラ味を加えた物で透明か、ちょっと茶色の物です。食事の時庶民のテーブルには約2L入り炭酸飲料水が何本も並ぶのが普通なので大人もソーダ好きです。「狂ったシナリオ」に登場するのはクラブソーダにチョコレートシロップ、バニラアイスクリームを入れてウィップクリームとチェリーでトッピングしてますね。この様な豪華なアイスクリームフロートは普段見ることはないです。(40年くらい前渋谷にもあったSWENSEN’Sというアイスクリームパーラーにはあったかと思います。アメリカの最後の店舗も数年前に閉店したようです。)個人でバーを備えてるから作れたのかなと思います。町のダイナーだとルートビアフロートはたまに見かけました。私はコーラフロートが好きですが、家で作るアメリカ人はあまりいないと思います。日本に来る観光客は緑色のソーダフロートに感激して帰るようですが、日本食レストラン以外では同じ様な物は未だないようです。
70年代ラバーさん、クリームソーダでこれだけの情報量すごいです。ありがとうございます!
ホームパーティーでコロンボはクリームソーダを頼んだはずなのに、茶褐色のアイスティーみたいのが出てきて「おかしいな」と思ったのですが、アメリカのクリームソーダは緑色じゃなかったんですね!クリームソーダはアメリカ文化の象徴だと思ってましたが、緑色のバニラアイス入りに赤いチェリー添えは日本文化だったんだ(びっくり)
アメリカ食文化の象徴と言えばハンバーガーとミルクシェイクですね。ダイナー、ファストフード店でハンバーガーをオーダーすれば飲み物はシェイクが多いです。それに通常フレンチフライが加わるので恐ろしく高カロリー。日本ではあまり見ないコンボでしょうか。アイスクリームドリンクと言えばシェイクの方が圧倒的人気で一般的なので、クリームソーダはフロートより缶入りの方が一般的だと思います。
ナディアが催眠術をかけられ飛び降りようとする瞬間、催眠から覚めたかのように絶叫し、それでも身体は止められず落ちますが、急に覚めるものなのか不思議です。
悲劇性を高める演出ということでしょうか。
原題 A Deadly State of Mind
「死の心理(状態)」「死にそうな心理状態」。催眠術でそのような心理に追い込まれるナディアの心理状態ですね。個人的には邦題のほうが好きです。証拠として有効かどうかは別として、コロンボの決め台詞と合ってるからです。
病院の床の色別ラインは海外の例を日本でまねたものです。それまではそんな判りやすいものはなく、本館、新館、別館などでよく迷ってましたよ。日本の病院の床の色は白っぽい色だけでした。
リテイク・コメントです。
新旧全69話、多かれ少なかれどこかに瑕瑾はありますが、ミステリーとして考察した場合、個人的に最も納得出来ないのが本作。
犯人のコリアーが別荘から車で猛スピードで5時30分に車で走り去ったのがコロンボの逆トリックにより発覚したからといって、何でそれが第一の殺人を立証したことになるのか皆目不明です。不倫相手のナディアは既に死んでいるのだから、「死人に口なし」なので、不倫目的の密会を認めた上で、彼女が夫を殺害したことにすればいいだけなのに・・・。実際、夫は妻の不倫に逆上してナディアに襲いかかろうとしていたのであり、そこで彼女が夫を殺害したとしても、正当防衛というものではないでしょうか。
第二の殺人、コリアーが愛人のナディアを殺したのは極めて悪質だけれど、コロンボは何も犯行を立証出来ない。あのころ、市内の通話履歴は電話会社に残されていないので、コロンボの目の前でナディアにコリアーが電話したことを証明するのは絶対に無理。それに、コロンボの目の前で犯人が殺人目的の電話しているのに、殺害を阻止出来なかったのは、コロンボは金田一耕助かとツッコミを入れたくなるほど残念。
犯人は、最も卑劣な部類に入るし、目の不自由な方を逆トリックに利用したコロンボのやり方も不愉快。私の好みからは最も距離を置きたくなる回でした。
別なコメント欄で貴重なご意見を賜りましたので、「目の不自由な方を逆トリックに利用したコロンボのやり方も不愉快」という部分のみ留保いたします(無自覚な逆差別の可能性有り)。現段階であえて撤回はいたしません。
なお、現在では「目の不自由な方」という言葉自体も「100%目が見えない人」に対する差別用語になるという指摘が一部でありますが、その判断の是非がまた難しいです。
「目の不自由な方を逆トリックに利用したコロンボのやり方も不愉快」という部分をお詫びして撤回いたいたく存じます。
目が見えても見えなくても、殺人犯罪捜査の解決に協力し、社会に大きく貢献出来たという喜びは同じであり、コロンボに対して彼が悪い感情を抱くはずがないです。兄弟揃って警察から表彰されるかも知れないですしね。それまでの認識を恥じております。
《「初めまして」の方へ。》へのコメント欄で、そのことに気付かせて いただいた、アロールート 様に、改めて深く感謝申し上げます。
余談ですが、このこともあって気になり、昨日、オードリー・ヘプバーンが視覚障害者の主役を演じたサスペンス映画「暗くなるまで待って」(1967)を久しぶりに鑑賞して、月並みな言い方ですが、ちょっと感動してしまいました。原作は「ダイヤルMを廻せ!」のフレデリック・ノット、監督は007シリーズのテレンス・ヤング、音楽はヘンリー・マンシーニという布陣。
Wikipediaによると、第二次世界大戦当時、監督のテレンス・ヤングとオードリー・ヘプバーンはマーケット・ガーデン作戦の時に共にオランダのアルンヘムにいたことを発見しており、テレンス・ヤングはイギリス軍戦車部隊長で、アルンヘムとヘプバーンの居たその近郊を徹底的に破壊する砲撃の指揮をとっていた。「もう少し左を狙っていたら(ヘプバーンを撃ってしまって)、今頃はこの仕事についていないだろう」とよく冗談を言っていたそうです。
それを事前に知っていたからかも知れませんが、オードリー・ヘプバーンは、アンネ・フランクのことを意識して、この役を演じていたのだと確信しました(彼女とアンネ・フランクとの不思議な因縁は、36話「魔術師の幻想」のコメント欄で言及しました)。その迫真の演技は見事というに尽きます。
YC-30様、
重ねてのメッセージをありがとうございました。ご自分の書き込みをハッキリと「お詫びして撤回」されるYC-30様の潔さを尊敬します。人にはいろいろな受け止め方があるので、YC-30様の最初のご意見も、否定するつもりはありませんが‥。
私も過去、特定の人々に失礼かも‥という表現をしたり、ステレオタイプの人物像を描いたりしたことがあり、反省しています。今後はYC-30様を見習いたいと思います。
アロールート様
>今後はYC-30様を見習いたいと思います。
とんでもないです! 私ごときには、もったいないお言葉です!
自分の思考癖は自分では気付かないことが多く、アロールート様を見習いたいのは私の方で、今回の件は只々感謝の気持ちしかありません。
>私も過去、特定の人々に失礼かも‥という表現をしたり、ステレオタイプの人物像を描いたりしたことがあり、反省しています。
ひょっとして、プロの著作家のお方なのでしょうか?
そうでしたら、なおさら恐れ多い限りで、恐縮至極にございます。
今後ともご教示のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
もったいないお言葉ありがとうございます。私はただのアマチュア漫画描きです(^◇^;)
これからも、YC-30様のコロンボ考察を楽しみにしています!
前回放映時の感想時に触れましたが、アメリカ映画やドラマは、二人目の催眠術殺人の無理を、謎解きからサイコスリラーという「演出」に昇華させましたね、平たく言うとレクター博士の完全犯罪のように。
むしろ、一人目の殺人事件のみで、入念な完全犯罪ではなかったので、状況証拠を固めていく展開にしておけば、ラストに無理なひっかけをしなくても「5時30分、現場を飛び出していったのはあなただけです。目撃者が盲人だったからと油断したのが命取りでしたね」で決めることも可能だったのだは、と思いました。
冒頭の催眠から覚める時今は月曜と日本語訳ではなってますが英語音声ではWendnesと聞こえます。最初の事件は月曜に起きたので元が間違いで和訳時に変更したのでしょうか?
確かに!
英語では「Wednesday」と言っています。
面白い発見で、少し調べてみます。
普段必ずしも日本語吹き替えには添っていない、ブルーレイの英語音声に対応した日本語字幕でもお付き合いして「月曜日」となっていました。もちろん英語字幕では「Wednesday」です。
このシーンを「月曜日」に変更しなければならない必然性はありません。
よくありがちな、オリジナルを軽視した浅はかな改変だと思っています。
みなさん、真面目そうな額田やえこさんの訳だから細部の誤訳を気にされるんでしょうね。これが超訳で翔んだ字幕が当り前な戸田奈津子さん訳なら誰も気にしない(笑)
なお、私はテレビでは海外ドラマのみならず、たとえニュース番組の外国語の日本語字幕や吹き替えであっても基本的に全然信用していません。
つい最近もこんなことが話題になったばかりです。
【「平和に」→「勝利を」 NHK、ウクライナ避難者の話の字幕を修正】
NHKは、10日放送のニュースでウクライナからの避難者のインタビューにつけた字幕が不的確だと指摘を受け、見逃し配信で修正したことを明らかにした。
4月10日のニュースでは、日本在住のウクライナの子どもらが語学や文化を学ぶ東京都内の「日曜学校」に、ロシアの侵攻を受けてウクライナから避難してきた人が参加したことを紹介。その中で、ザポリージャから日本に避難してきたという女性が話す音声つきの映像に「今は大変だけど 平和になるように祈っている」と日本語字幕を付けた。
朝日新聞が確認したところ、音声ではロシア語とウクライナ語を交えて「私たちが勝つと願っています。ウクライナに栄光あれ」と話していた。……
(朝日新聞デジタル 野城千穂、佐藤達弥 2022年4月20日 19時37分配信記事から)
こんなのは氷山の一角でしょうね。
Wikipedia「戸田奈津子」の頁に、こんな記載があります。
「映画評論家の前田有一は戸田が大御所なゆえ原作が有名な作品を担当することも多く、そこで誤訳をしてしまったことで批判者が増え、21世紀になるとインターネットの普及で過去の些細なミスまで掘り返されて過剰に槍玉に挙げられた印象で気の毒であり、1980年代の洋画黄金期の第一人者であった空気が今でも残っていることで仕事の依頼も続き、来るものは引き受ける姿勢でいたら得意分野ではないSF、ファンタジー、ミリタリー作品で綻びがばれる時代になったと考え、中には『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『ターミネーター2』のように戸田のおかげで楽しく鑑賞できた作品もあり、他の直訳傾向の翻訳者が80点を出しているなら戸田は満点もあれば20点の作品もある振れ幅が大きい翻訳者で、『父親たちの星条旗』や『ユナイテッド93』でキャプションの追加が多くなされたことは観客にはありがたく、戸田ばかり批判するのはおばあちゃんをいじめているようで彼女ほどの地位の人物に頭を下げろと要求しても無理な話で今更謝罪でどうにかなるものではなく、年間500本以上大小問わず洋画が公開されている中で限られた翻訳者の手によるならミスも起こり得るし人を増やせばそれも減らせるが入場料に跳ね返ってくる可能性もあり、多少のミスはおおらかに見守った方がいいと、辛口と言われる前田の映画評論のスタンスとは違うコメントをした」
要は、先般話題にしたポリコレに抵触する台詞も含め、もう少し今の社会に寛容の精神が必要なのだということなのでしょうね。でないと息が詰まりますよね。ニュースでの誤訳だけは駄目ですけれどね。
話は変わりますが、今回コロンボが見る前で犯人は殺害する愛人のナディアの家に間違い電話を装い堂々と電話をしていましたよね。やはり市内は通話記録が残らないというのが当時アメリカでの常識だったのだと改めて確信しました。
私は自分が現在の行き過ぎたポリティカル・コレクトネスの風潮に毒されつつある人間の一人であることを自覚しています。ですから、以前はまったく気にも留めなかったのに、今回改めて観て、身体的ハンディキャップが逆トリックの題材になっていることを、悪趣味で不快に感じたのもそのせいでしょう(同じことは16話「断たれた音」でも気になりましたが、あちらは個人的にチェスについての興味が上回ったため、無視していました)。
最後のほうのシーンでは、放送時間枠の関係ではない、現在では用語にポリコレ上の問題があるらしい部分で、小池さんの吹き替えが一瞬だけ銀河さんに差し替えられていました。こうした改ざんの痕跡が「刑事コロンボ」シリーズの日本語吹き替え版の再放送やBDソフトでは随所にあります。
数年前、CS放送で、1970年代制作の日本のあるテレビ番組の再放送の際に、
「この番組には一部に不適切な言葉やせりふが含まれています。番組中に『恋は盲目』という台詞があります。この言葉は視覚障碍者に対する不適切な表現と考えますが、当時の資料性を重視してそのまま放送します。ご了承下さい」
という断り書きが放映前に表示されて腰を抜かすほど驚いたことがありました。
コトバ狩りで、文化や芸術の表現が著しく貧しくなることだけは確かです。現在、一般的に、公文書などを中心に「盲点」「めくら判」「目の不自由な人」「ブラインドタッチ」といった言葉を使いにくくなっています。
「老婆心」ながら、そうしたコトバ狩りによって、世界的に文化の多様性が失われ「視野が狭まり」、面倒くさい、見たくない、知りたくないことを皆がブロックし蓋をする隠蔽社会になってきていないか気がかりです。
Love is blind, and lovers cannot see the pretty follies that themselves commit.
「恋は盲目で、恋人たちには、自分たちが犯す可愛い愚行が分からないのだ」
(ウィリアム・シェイクスピア「ヴェニスの商人」より)
あまりにも有名な台詞、今ならじゃあどう訳すべきなのでしょうね?
あまりにも私生活が恋多きプレイボーイだった今回の犯人役のジョージ・ハミルトンさん。
こんばんは。
この作品、旧シリーズでは珍しく遺体に血が写ってますね(カールさんの方)
結局、目撃者は、テレビ画面を、観ていた、私たちじゃないのかと思ってます。みごとに引っ掛かりました。日本の題名、凄いと、思いました。
これ、最高のジョークです!
この作品の一番すごいところはフロッピーディスクです。あのタイプがこの時代にあるとは。
ボーデン医師の部屋のドアにDVMと書かれていたので、獣医学博士だったようですね。
そうでした!ボーデン博士と書き直します!
ライターの石・・・ 50半ばを過ぎた今でもタバコは吸いませんが、
子供の時分 祖父にライターの石を買ってきてくれ・・と頼まれたことを思い出しました。
愛煙家が減り、電子タバコの現代・・ 自分の好みのライター(ジッポーは除く)を使って
いる人なんて ほんの一握りかもしれません。
次回再放送の時には ライターの石ってなんだ? ってことになるかもしれませんね。
この回のオチだけは、今ひとつ腑に落ちなかった。
コ「あなた、この人が盲目だって確信していましたね?」
(ここで弟登場・・・)
弟「私の方が盲目ですが」
犯「やっぱり、私の言ったことが正しかった!」
こう切り替えされたら、お仕舞いなのでは?
コリアー医師はシリーズ屈指の悪人と感じました。
確かに最初の殺人は偶発ですが、第2の殺人はいただけないですね。
愛人ナディアとは完全に遊びだったんですね。最初はそう感じなかったのですが。
コロンボにもっと怒ってよ、と思って観ていました。
ナディア役のレスリー・アン・ウォーレンはシガニー・ウィーバーに似てるなあと思いました。
私も この犯人には かなりの怒りを覚えますが コロンボは充分 怒ってると思います。というのも この作品の警部が いつもの余裕と相手を称える感じが全く無く 全体的な追い詰め方が ちょっと いつもと違い 怖い感じに観えました。それは 多分 警部の犯人に対する怒りのせいなのではないかと推察致します。
パーティーで「初歩だよ。ワトソン君」と同じギャグを繰り返し、スベるお医者さん。
典型的なヨッパライオヤジですな。
スベるといえば、クレーマー刑事の「またまた大ショック!」も味があります。
しかし、クレーマー刑事はやたらと犯人のトリックに引っかかりますね。
よく刑事やってられるな(笑)
今回は、作品としては非常に楽しめましたが、現実的に考えると、
最後の場面に立ち会ってた人たちにはコリアー医師が犯人だということは確信できたとしても、裁判ではそれは証拠にならないですよね・・・
コリアーは裁判では「そんなことは言ってない」といえば済む。
(それともコロンボはこのやり取りを録音してたのか?
でも隠し撮りは証拠として使えないはずですが・・・)
それに、コリアーが最後に失言する前に逮捕状をコロンボが突き付けてますが
どうやって逮捕状を裁判所に出させることができたのか?
それともあの逮捕状もニセモノ? だとすると裁判では非常に不利になりますよね~。
まあそれ言い出したらコロンボ作品は楽しめないんですが今回は特に気になりました。
最後の場面「そんなことは言っていない」について。確かに「自分はこんな人は見たことがない、という意味で言った」と言い張ることは可能です。事実、結果的にコリアーさんはあのお兄さんとは初対面。
コリアーさん以外の証人は全員、「医師は『お兄さん』を目が見えないから目撃できたはずはない、とも断言していた。『お兄さん』は実は目が見えるのに」と証言するでしょう。
あとは陪審員の判断です。
逮捕状について。こちらはナディアさん殺害については請求できるのでは。すべて状況証拠によるもので、裁判で勝てるかはわかりませんが。
暗示を与える電話についてはコロンボはそこを目撃していた。あとで電話会社に問い合わせたら、それは確かにナディアさんの部屋にかけた「間違い電話」だった。その電話の直後、彼女は「自殺」した。彼女はコリアー医師に催眠療法を受けていた。コリアー医師は意志を曲げる効果のある薬物を彼女に処方していた。殺害の動機は、二人で彼女の夫の死の秘密を隠蔽していたが、それがバレそうになったから。
コロンボの「実験」の論点
・「5時30分の目撃者」がいることは事実。
・その人物が目が見えないことも事実。
・ただし、盲目である事は医師は知らないはず。
・医師と兄は初対面。兄は目が見える。
・兄はあの時自分がいたかのように「偽証」した。
・医師は、一人で段差のあるところを歩いても、兄がコロンボにマッチを勧めるところを見ても、目が見えない人だ、と断言した。たとえば弱視かも知れないのに。
・兄が雑誌の文章を読んでもなお、目が見えないはずだ、と主張した。
・なぜ「5時30分の目撃者」が盲目だということにこだわるのか。確かにその人は盲目だが。医師はその目撃者が盲目かどうかは知る由もないのに。
・自分はハメラれている、と思い、焦って目の見えない人だと思い込んだだけだ、という主張はできるが。
しかし、事実「5時30分の目撃者」は盲目。
・偶然性が高すぎる。
前回見たときは最後の場面のトリックが理解できずに考え込んでしまいましたが、ナディアさんが「嘘発見器」に掛けられる前に消してしまったコリア―氏がコロンボ流の「嘘発見器」に掛けられたと理解して多少もやもやが晴れた気がします。「科捜研の女」の噓発見器の使用場面では榊マリ子(沢口靖子)が「全ての質問に”いいえ”で答えてください」と要求します。
1.証人として黒いサングラスの男が登場することは覚悟していた。目が見えなのだから、まともな証言などできるはずない、、ところが微妙に記憶と違う証人が登場した。でも動揺を見せるわけには行かない。暗くてよくわからなかったかけど、門にいたのはこの人かもしれない。
2.目が見えないらしい仕草をする。黒いサングラスをしていないのは目が見えないことを悟られないようにしているのだろう。俺の姿を見ただと? 目が見えないくせに何ほざいているんだ!
3.嘘発見器に”いいえ”で答えたつもりが、実は目が見える証人さんの嘘を見破ってしまったのが仇になった。なんで証人さんが目が見えないと思ったのですか? 医者ならではの観察眼が致命傷となった(嘘をついたこころの動揺がバレた)。
こんな解釈でよろしいでしょうか?
上記コメントに追加です。
4.黒いサングラスと盲導犬(現場にはいなかった)を連れた本物の目撃者が登場した時、そうだ!居たのはこの人だったよ!という反応をしてしまったと思います。
噓発見器の結果は、犯罪の証拠としては使えません。いつものコロンボのように状況証拠がたくさんあって、結局は自供に追い込まれるのでしょう。
ボーデン先生についてです.ボーデン先生のオフィスのドアには、DVM PhD とありますね.博士号を持っている医師なら MD PhD となります.このMD は Doctor of Medicine です(これは博士号ではなく医師資格で PhD が博士号です).ボーデン先生は MD PhD ではなく DVM PhD ですから DVM は Doctor of Veterinary Medicine つまり「獣医師」です.それに加えて博士号 PhD を持っています.動物を使った研究をしているので、獣医学出身で博士号のある研究者という設定なのでしょうね.
なるほど、情報ありがとうございます。ボーデン先生、魅力的な方でしたね。
スパイ大作戦が好きな私は、ナディア役のレスリーが見れて嬉しかったです。
・最後の場面、目撃者と称する人が盲導犬と一緒に出てこないから何かあるな?と思っていたら、コロンボ劇場の始まりでした。目撃者って、そっちのことだったのか!
コリアーは、「(自分が目撃者を)見たはずは無いさ」と言いながら何故「嘘だ、見えないはずだ」と目撃者について断言してしまったのか…。その心理状態を、ご自分かボーデン博士で分析していただきたいものです(笑)。
・ボーデン博士は、(おそらく)コリアーとナディアの関係に勘づいていながら、そして強気な言葉を返しながらもコリアーの口説きを拒絶しないというのは、やっぱりコリアーに魅力を感じていたんでしょうかね。
この犯行シーン、殺人さえなければ、俗っぽいメロドラマの感動的なラストシーンになるところですね(笑)下種な夫の威迫にも折れずにすべてを捨てて手に手をとって駆け落ちする妻と恋人。ジャーン(EDテーマ)ジ・エンド・・・。
そうそう車に無知なガキの私、ここで初めてコロンボの車が仏車だって聞いて大笑いしたんだっけ。大人になってからプジョー社製について見聞が広がるとさらに大笑い。
コロンボの数々の事件の舞台となった?総合病院、人間の生殺与奪を握った白い巨塔は魔窟ですな。
さて、今観ると素材のデンジェラスさ(笑)シリーズ屈指。薬だけでなく、深層催眠で封じられた記憶を引き出すのは一頃話題となりましたが後に否定されました。日本の怪奇漫画では前世の記憶を引き出すエピソードがありました。ましてや催眠暗示で自殺を促す、ここでは詳細に描いているのでミステリからオカルトの領域まで行って無理がありますが、今なら「薬」ではなく犯人のカリスマな魅力?を「演出」して自殺や他殺を促すサイコミステリドラマが、もはや常道?、お約束?。
こんばんわ!
初めて観た時・・・
5:30に犯行を目撃した人が登場するのかな?と思いながら観ましたが・・・
実は犯人本人が目撃者だったんですね~ラストシーンにはしびれました!
それにしても、この邦題・・・見事の一言に尽きると思いました~(´ー`)
いつも飄々とした調子のコロンボの「あんたに聞いてるんです」の小池さんボイスの口調の厳しさに不意を突かれドキッとする、とても好きなシーンです
同感です。
女性に対してこんなに厳しいコロンボにドキッとしました。
「指輪の爪痕」や「毒のある花」同様、衝動的な殺人。マークが現場から去る際に門柱に車をぶつけますが、それに関して車前部の損傷などが調べられないのは不思議でした。医者が殺人犯となるのは「溶ける糸」以来ですが、港でのマークとの会話のシーンなどから、コロンボは医者に対しては特に闘志をあからさまにするようにも思われます。本来人を救うことに使われるべき専門知識を殺人に使うことを憎んでいるのでしょうか。ラストシーンは印象的で、視聴者もだまされます。 ジョージ・ハミルトンが勝ち誇りから一気にどん底に落ちるマークを見事に演じています。カレン・マッコーンは魅力的でした。
車をぶつけ、それに関して車前部の損傷>なるほど、深い観察です。この点については、本編をもう一度見直して、加筆していますので、ご覧ください。
「車の損傷は、どうなった?」
これ、すごく大きなマイナス点ですよね。車と門柱の衝突痕を突きつければ重要証拠になるはずなのに、そこを取り上げるとその段階で犯人は言い逃れが不可能になるから、うやむやにしちゃったんでしょうか? だったら台本で、車は門柱にぶつけずギリギリ急停止にとどめるべきだった。それとも、あの衝突は撮影時のNGだったんでしょうか? 視聴者としては、そんな風には見えませんが。ぶつけ方が露骨すぎて。
この回はラストのどんでん返しが強烈で、それ一本でファンの印象に残ってますが、逆に言うと、そのインパクトに頼りすぎて、他が粗雑なんですね。催眠術で飛び込ませるなんて、「そんな手口ありか?」というツッコミは当時から多かったはず。
よくよく調べてみると、この回はファン投票の順位が低いんですね。「車の損傷」をうやむやにせず、うまく処理していたら(コロンボが疑いを持ち、疑いを深めていくという展開でも、逆にコリアー医師が事故や盗難を偽装して車ごとオシャカにするとかでうまく躱すという展開でも)、もっと評価が上がったか? それとも「催眠術で飛び込ませる」というブッ飛んだ手口が評価を下げているんでしょうか?
やむを得ない穴じゃなく、塞げたはずの穴が残ってる。これは本当に惜しい回です。
「逆転の構図」は評価高いのに、これは本当に惜しい。
なるほど、と感じます。
車の損傷については。新コロンボでは「ジョージ・ハミルトン」さんの車はプジョーにぶつけられていますが、門柱はぬかるみによって根元が弛んでいるところをぶつけられて傾いた、よって車には大きな傷はなかった、と理解しています。
被害者への「間違い電話」は確かに電話会社に確かめられそう。しかし間違い電話に過ぎない、と言われたらただの状況証拠でしょう。
深層催眠であれは難しい、の件。だからただプールに飛び込むだけと言いくるめる、薬物で生存欲を抑制、など犯人の場当たり的対応が「功を奏した」。もともとは正当防衛に近い突発的な事案だったので。と解しています。
最後、「目が見えないはずだ」と思わず言ってしまった件。
確かに言わなければ、ですが、もうコロンボに「コロンボは目の見えない目撃者に目が見えるように演技させているだけさ」と錯覚させられているので、「コロンボに『催眠』されている」と気付くのは至難の業でしょう。
すぴっつ様
即教えて頂き感激です。
なるほどですね。「壊滅的な精神状態」
とっても納得しました。やっぱり原題の方がどれも面白いですね。(なんて分かってないくせに...)
シリーズも終わってからずいぶんと経つというのに、今頃また片っ端から作品を見ています。それが何故か前より面白い。意味が分かる。何故かしら??
最初に見たのは子供の頃でして、現在は大人ですが、コロンボは子供から大人まで楽しめるということを実感します。
今井節子さん、
僕は英語不得意なのですが、以前コロンボの研究サイトで確か直訳は『壊滅的な精神状態』と書いてありました。
すみません。
「A Deadly State of Mind」の意味を教えてください。
独特なムードが最高のエピソードのひとつで、全体にほとばしる緊張感がたまりません。
また、マティーニのグラスの位置、カーペットに落ちていたライター石、コリアーが事件当夜だけマッチを使っていたこと、といった分散配置された事象から、ナディアが嘘の証言をしたこととタバコを吸う第三者がいたことを導き出す推理の過程も十分楽しめます。
さらに、珍しく犯人に対してちらりと敵意をのぞかせるコロンボの姿が見られる港での対決は、シリーズでも屈指の名シーンといえるのではないでしょうか(「じゃあ僕は最有力の容疑者ってわけか?」「容疑者って言葉は弱すぎますね」)。
そしてジョージ・ハミルトン氏演じるマーク・コリアーというクールでハンサムな犯人像を創り上げた点も特筆すべでしょう。
コリアーがナディアへ電話して催眠状態殺人を行ったのは、
通話履歴が、一つの証拠となるはず。
なぜ、コロンボは通話履歴を確認しないのか?。
ピーター・フォークは、やってておかしいとは思わんのかな?。
最後、コリアーは、もう少し冷静に対応すべきでした。
途中までは「カールが死んだときは市内にいたんだ」と言っている。
「ぼくは医者なんだよ。見れば(失明は)スグ分かるさ」
そこまでは冷静だった。
たとえ「見えないはず」と断言しても、見ればスグ分かるという
医者であれば、その後の言い逃れできるはず。
結局、感情負けです。こういうのが多いね。
語るに落ちた格好ですね。
犯人自らが目撃者になるという逆転の発想ですね。
アリバイのダイヤルでも逆転の発想が使われました。
テープに録音されている音ではなく、録音されるべき音が入ってないという。
それが、最後のどんでん返しになるという面白さです。
知的犯罪者は巧妙に仕組んだつもりでも、小さな抜け穴を積み上げて
精神的に追い込んでいって、最後に自ら墓穴を掘らせるという
コロンボ一流の締めくくりでした。スカっとしますね。
スパイ大作戦さん、コメントありがとうございます。レスリー・ウォーレン=スパイ大作戦…ですね。覚えておきます!
私はこの逆転劇、けっこう好きでした。
コロンボファンですが、スパイ大作戦のファンでもあります。
レスリー・ウォーレンはスパイ大作戦シーズン5レギュラーで、この作品よりさらに若い分、とんでもない美しさでしたよ。
タップおばさん>病気の設定だと思いますが、病的な魅力を感じました(笑)
ナディア役のレスリー・アン・ウォーレンという女優さん。
凄まじい色気を持った人だなぁという印象でした。
> フレッド・ドレイパーはやはり「兄:デビッド・モリス」で間違いないと思うのですが…。
合ってますよ。
Co-Starring の画面に JACK MANNING (改行) as Daniel Morris,
With の1画面目に FRED DRAPER (改行) David Morris とあります。
minimumさん、コメントありがとうございます。病院床のラインは珍しくないかもしれませんね。注目したいのは、両作品が31-32と続いていることです。同じ場所でぱぱっと撮影している感じで、リアル感があるな~ってね。
病院床のラインですが、それ程珍しいのしょうか?私が毎年健康診断を受ける病院も床ラインがあるので、普及しているものだと思っていました。もしかしてコロンボファンの院長さんが真似をしたのかもしれませんね。
違っていたら御免なさい。6月24日、衛星放送の『5時30分の目撃者』を見ました。フレッド・ドレイパーが演じたのは弟のダニエル・モリスで、兄のデビッド・モリスを演じているのはジャック・マニングだと思うのですが。弟が兄に扮して犯人のジョージ・ハミルトンを騙したのです。コロンボ警部は、「あんたが5時30分に出会ったのは、お兄さんのデビッドだ」と言って、後から登場するジャック・マニングを紹介しました。