49話「迷子の兵隊」

Grand deceptions / 1989

犯人が悪人なだけに、殺害動機は十分!

ロバート・フォックスワースこれは初回放送時に見ています!国防関連財団の幹部ブレイリー大佐(ロバート・フォックスワース)が部下のキーガン曹長を殺害。殺害動機は十分でブレイリー大佐が財団を利用し私腹を肥やしていたり、名誉会長であるパジェット将軍の妻との愛人関係を暴露すると脅迫されたためです。

「祝砲の挽歌」に似ているか?

この作品を最初に見た時は「祝砲の挽歌」とイメージが重りましたが、しかし何回も見てみると、随分違うテイストでした。とにかくブレイリー大佐なる人物がかなりの悪人で、戦争帰りの「タフさ」が悪の方向に向いています。殺されたキーガン曹長は生き様として正当性を感じませんので、ドラマ自体に美しさは全くありません。殺害状況には若干無理を感じますが、全体の流れとして受け止めることはできます。

物語は、結構面白いのです

キーガン曹長が「恐喝」という新たな職を得たこと。愛人関係にあったパジェット将軍の妻ジェニーがコロンボの車を発見し、密会場所に現れなかった場面。笑いを誘う教会のシーン。いろいろ見どころはありましたね。秘密のファイルが「赤と緑」に色分けされている設定も笑えます。パジェット将軍は美しく描かれていると感じました。軍人とはかくあるべき、でしょうね。

ただし、トリックには大疑問です

決め手になる段ボール箱の件は、容認できません。私は何回も引っ越した経験がありますが、宅配業者に問い合わせれば「中身が本であったか否か」は歴然。本が段ボール箱いっぱいに詰まっていれば、重くて容易に持てませんね。パーティ当夜:軍隊ミニチュアと書かれた段ボール箱が届きますが、これをブレイリー大佐ご本人でさえ、持ち抱えられず引きずっています(笑)

その点、中身が人形であれば重量は数分の一です。なので、段ボールの容積を量る以前の問題です。また「人形を並べていた=強力なアリバイがある」というものかなり強引な印象です。共犯者がいた可能性がゼロであれば別ですが。

すでに敗色濃厚だ

日本語版では犯人ブレイリー大佐が「すでに敗色濃厚だ」という台詞で終わります。これは、コロンボ作品らしいエンディングで気持ち良いです。権利の説明とコロンボ人形のアップのシーンは、新シリーズならでは…かな。

邦題「迷子の兵隊」

原題は「Grand deceptions」で直訳「壮大な詐欺」となりました。軍隊と全く無関係のタイトルになってしまいますので、「迷子の兵隊」は大正解でしょうか。この迷子の兵隊とは殺されたキーガン曹長を比喩したものと考えます。刑事コロンボ’90版では「おもちゃの兵隊」というタイトルでしたか、「迷子の兵隊」の方が好きかな~。

スティーブン・エリオット

スティーブン・エリオット出演した俳優陣は好きでした。パジェット将軍のスティーブン・エリオットは声優の北村和夫さんとセットで大満足です。エリオットは初期作品31話「5時30分の目撃者」でジョージ・ハミルトンに殺される被害者「カール・ドナー」として出演。日本語の北村和夫さんは「権力の墓穴」ハルプリン次長も素敵。

ジャネット・エイルバー

ジャネット・エイルバー将軍の若き夫人ジェニーのジャネット・エイルバーも印象に残りました。単にパジェット将軍の地位と名誉に目がくらんだようには描かれていませんでしたね。特に「ダンスタン」のアパートの下で、コロンボの「プジョー403」と出くわすシーン。その後、夫のパジェット将軍にそのことを告白する演技など、良かったです。

アンディ・ロマノ

アンディ・ロマノキーガン特務曹長のアンディ・ロマノも良かったです。軍人アガリのタフさが出ていてリアリティがありました。「ポッポ」「ネンネ」など、下品なスラングを連呼するも、綺麗好きな一面もあり、独特のキャラクターが際立っていました。

マイケル・マクマナス

マイケル・マクマナス教会のシーンで登場するキーガンの戦友「タンザー曹長」を演じたのは、マイケル・マクマナス。表情豊かに演技をしていて、とてもよかったです。たたき上げの軍人っぽさも出ていて印象に残りました。

リン・クラーク

リン・クラーク財団に勤める事務員(秘書)のマーシャは女優リン・クラーク。カラッと陽気で天真爛漫な感じで、すごく可愛かったですね。似た感じの秘書さん、他の作品にも登場します。今度まとめてみます。

日本語版吹き替えは羽佐間道夫さん

ロバート・フォックスワースの吹き替えの羽佐間道夫さんは絶妙です。日本声優界の大御所の一人です。シルヴェスター・スタローンのロッキーなど数々の名作で吹き替えを担当。マイナーな仕事ですが「巨人の星の速水譲次」では、意地悪な声色が強烈で大好きでした。
そして、ロバート・フォックスワースは、日本でも大人気を博したテレビドラマ「奥さまは魔女」のサマンサ役「エリザベス・モンゴメリー」と結婚していました。

監督:サム・ワナメイカー
脚本:シイ・サルコッツ
音楽:ジョン・カカヴァス

フランク・ブレイリー:ロバート・フォックスワース(声:羽佐間道夫)
ジャック・パジェット:スティーブン・エリオット(声:北村和夫
ジェニー・パジェット:ジャネット・エイルバー(声:宗形智子)
レスター・キーガン:アンディ・ロマノ(声:麦人)
 
加筆:2022年8月13日

“49話「迷子の兵隊」” への53件の返信

  1. お久しぶりです。
    この作品は定期的に見たくなります。
    ぼろんこさんも書かれてますが、バジェット将軍の北村和夫さん、ブレイリ―大佐の羽佐間道夫さんの吹き替えがすばらしい。
    将軍のコロンボを相手に親しげに話しかけるシーン、そして妻の不倫を許すシーンは何度観ても飽きません。
    そして羽佐間道夫さんの善悪を超越した自身への肯定的な声と話し方。ブレイリ―大佐というキャラクターにぴったりだと思います。

  2. アメリカ軍とその周辺の闇
    ホリスター将軍は海兵隊と不正な取引で私財を築き、この回の犯人は武器の不正輸出まで手を染めて私腹を肥やしている。こういうテーマを題材にするあたりハリウッドの軍嫌い(軍産複合体嫌い)が読み取れるのです。アメリカには胡散臭いシンクタンクや軍関係の技術研究所、民間軍事会社がゴマンとあります。コロンボは朝鮮戦争で戦った設定なので将軍とかには一定の敬意を払っていますが、ホリスターの場合は人間性まで見抜いて捕まえています。どこが戦争賛美なのでしょうか?アメリカが独立戦争、南北戦争を経て政府が樹立した歴史があるのは事実ですが内容は戦争賛美とは程遠いと思います。

  3. 将軍夫人の不倫の告白は不快感を示す方もいらっしゃいますが(多分若い方かな・・・)、私は若い頃初めて見たとき、年老いた夫を持つ若い妻にとって夜の生活が充実しないことは、それだけ耐え難いことなのかと思ったものです。そしてそれを辛い思いをして許す老将軍は、本当に彼女を心から愛していて優しいやさしい人なんだなあと。私は、サンルームでの告白シーンは好きです。

  4. たんちゃんさん(2022年8月28日 1:45 AM)も書かれていますが、死んだはずのキーガンの目が何度もパチクリしてます。普通ならNGで撮り直しでしょうに?。

  5. 今回は去年の感想とあまり印象変わってなかったですが、コロンボが状況から不審、手がかり発見などのプロセスはなかなかいいと改めて思いました。私自身への課題「コロンボ」の舞台はなぜタカ派のシンクタンクが多い?は未だ解けませんね。このエピソードの舞台はサバイバルセミナーから東洋式占い八卦まで、セミナー受講生が集まって儲かるなら何でもやるところのようですね。
     演出としては不正なプロジェクトの表レポートと裏レポートファイルの存在に戸惑っている秘書が顔を上げたら既にコロンボはトンズラ(笑)していた場面、他のドラマだと実写アニメ問わずこういうのを観たことはありますが「コロンボ」では初めてで唯一じゃないですかね。

  6. 始めての投稿です。
    大佐が着替え中、キーガン曹長に「古い戦友は死なず」と言ってますが、調べるとそのような
    格言は見当たりません。
    これは、大佐自作の言葉なのでしょうか?

    1.  その部分の台詞をDVD(Blu-ray)で調べますと、
      日本語吹替:「古い戦友は死なず、ただ共に金を得るのみ」
      DVD日本語字幕:「戦友は死なず、共に富みゆくのみ」
      英語字幕:「Old battle comrades never die, they just get rich together.」
      となっておりまして、これはあくまでも私の推測ですが、英語の有名なキャッチフレーズ、
      「老兵は死なず、ただ去りゆくのみ」
      (Old soldiers never die, they simply fade away.)
      もしくは、
      (Old soldiers never die; they just fade away.)
      をもじったジョークではないでしょうか?
       日本語版Wikipedia「老兵は死なず」の頁によりますと、このフレーズをもじったジョークには、以下のようなものも知られているそうです。
      「老プログラマーは死なず、ただ新アドレスに分岐するのみ」
      (Old programmers never die, they just branch to a new address.)
      「老警官は死なず、ただ言い逃れるのみ」
      (Old policemen never die, they just cop out.)
      「老飛行士は死なず、ただ高度を上げるのみ」
      (Old pilots never die, they just go to a higher plane.)

      1. 私もこのセリフを聞いて、マッカーサーが議会の引退演説で引用した「老兵は死なず・・・」を思い出しました。もとは軍歌だそうですね。

  7. 本作を父と見た時のこと。父が「新シリーズの中では旧シリーズの雰囲気があるほうじゃないか」と言うのです。
    そうかねえ…?とその時は流したんですが、思い返すと新シリーズはこれより前がニセ超能力者、若い映画監督、セックスカウンセラー。この後は夢の回想シーンが目立つ「殺意のキャンバス」に変則的な「だまされたコロンボ」。
    それに対して本作は表向きはそれなりに地位のある、裏では悪どい白人オヤジが保身のために事件を起こすというもので、確かに新シリーズの中では旧来型っぽい犯人像と展開だなあと。というか他の新シリーズの犯人たちが、変化球ばかりとも言えますが。

  8. 話としてはおもしろかったのですが、①事故ではなく殺人であること、②ブレイリー大佐にアリバイがないこと、③ブレイリー大佐に動機があることが証明されただけで、ブレイリー大佐が殺したという証明は何もできていないように思えたので、どうしてそれで敗色濃厚と観念しちゃうのか理解できませんでした。私が何か見落としているのでしょうか。

  9. 「祝砲の挽歌」もそうだったが、軍隊の予備校のような施設が最も印象的だ。日本には無いからね。コロンボも、元将軍を「閣下」と呼び、会う時に緊張している。トリックも謎解きも忘れてしまっていたけれど、こうした設定は記憶に残っていたし、興味深かった。自分だけ?

    1. 私も同じく興味があります!(『祝砲の挽歌』は私の中で5本指に入る作品です)コロンボのみならず、いろんな映画や何かで私立の幼年学校とか出てきますよね。でも、『祝砲の挽歌』でも男女共学にして普通の大学?にしようとしていたのだから、先細りではあったのでしょうけど。
      軍隊については、コロンボ自身も朝鮮戦争に行っていたようですし、そうでなくてもアメリカはその後ベトナム、アフガン、イラクなどに出兵し続けている国ですから、アメリカ人にとって割と身近な存在なのでしょうね。
      財団のシンクタンクについても、ウクライナでの戦争についてよく”戦争研究所”(いつ聞いてもものすごいネーミング・・・)なんてものがコメントしてますからねえ。

  10. スティーブン・エリオット氏はビバリーヒルズコップ1でロス側の警察署警視正を演じてらっしゃいましたね。

  11.  この話は、アメリカの南北戦争の知識と興味がどこまであるかで、パジェット将軍の正義感と歴史ロマンへの憧れに対し、妻と、犯人:ブレイリーの行った裏切りへの失望と悲しみがどれほどのものだったかという視聴者の共感が、まるっきり変ってくると思います。もちろん、私だって、そんなに詳しいわけではありません。
     本作に登場するジオラマとミニチュアの兵隊の舞台、「ゲティスバーグの戦い」を、長くなりますが、Wikipediaからの抜粋でおさらいしておきます。
    《1863年7月1日から3日まで、南北戦争中の最大の戦いの1つであるゲティスバーグの戦いが、町の近くの畑と高原を越えて勃発した。
    ロバート・E・リー指揮下の北バージニア軍は、戦闘の初期段階で成功を収めたが、最終的にはジョージ・G・ミード指揮のポトマック軍に敗れた。リーはポトマック川を越えて撤退した。
     死傷者は多く、南軍は27,000人、北軍は23,000人を超える。ゲティスバーグの住民は南軍の退却後、負傷者の世話をし、死者を葬った。兵士の遺体は、ゲティスバーグ国立墓地に埋葬された。1863年11月19日、エイブラハム・リンカーンはゲティスバーグ演説を行った。
     1863年7月1〜3日のゲティスバーグの戦いによる戦没者の兵士のゲティスバーグ国立墓地の墓への埋葬が10月17日に始まり、リンカーンが式典に招待された。彼はゲティスバーグへの移動中、彼の秘書であるジョン・ヘイに「気分が悪い」と言ったとされ、演説後も激しい頭痛と熱があったことから、リンカーンがゲティスバーグの演説を行ったとき、天然痘の前駆症状にあった可能性が高い。》
    『リンカーンの〝ゲティスバーグ演説〟より、あまりにも有名な後半部分』
    《――that from these honored dead we take increased devotion to that cause for which they gave the last full measure of devotion—that we here highly resolve that these dead shall not have died in vain—that this nation, under God, shall have a new birth of freedom—and that government of the people, by the people, for the people, shall not perish from the earth.
    ――それは、名誉ある戦死者たちが、最後の全力を 尽くして身命を捧げた偉大な大義に対して、彼らの後を受け継いで、我々が一層の献身を決意することであり、これらの戦死者の死を決して無駄にしないために、この国に神の下で自由の新しい誕生を迎えさせるために、そして、人民の人民による人民のための政治を地上から決して絶滅させないために、我々がここで固く決意することである。》
     さて、本作の「ゲティスバーグの戦い」と殺人事件との伏線になる会話。
    ジオラマとミニチュア兵士をプレゼントされた時ジオラマを眺めながらのパジェット将軍の言葉
    「・・・当時(この戦場)の砂は綺麗ではなかった。・・・」
     中盤、同じくジオラマを眺めながらのコロンボとパジェット将軍との会話。
    パジェット将軍:「・・・南軍がロングストリートで半日で敗れ去ったのは作戦構想での致命的失敗だ」
    コロンボ:「致命的失敗もあるのでしょうが、私は南軍を滅ぼしたのは靴のせいだと思います。」
    パジェット将軍:「何だって?」
    コロンボ:「ゲティスバーグに靴工場がありました。リー将軍は南軍の部下の靴を確保するためにあえて戦いました。靴を調達する必要が無かったら、ゲティスバーグにこだわる必要もなかったはずです。」
    パジェット将軍:「こりゃ驚いた。・・・」
     当然、このような会話が、殺人事件現場で靴に付着した泥のエピソードの伏線になっており、そうした部分を、とても興味深く、かつ面白く鑑賞しました。

  12. 初めてカキコミさせて頂きます。
    いつも面白く読ませてもらっています。
    「迷子の兵隊」ですが、アメリカなら仕方ないのかな…とは思いつつも、戦争を賛美するような空気に耐えられずに途中で観るのをやめてしまいました。
    コロンボも、捜査上必要だったのかもしれませんが、戦争の話に目を輝かせたりして、大のコロンボファンの私でも、初めてコロンボに不快感を感じました。
    謎解きと全く関係の無い感想ですみません。

  13. 劇中、時折り流れる曲が「大脱走」の劇中曲とかぶって聴こえて…^^兵隊さんに合うリズムなんかな?

  14. エリザベス・モンゴメリー(奥様は魔女のサマンサ役)の最後の夫だったロバート・フォックスワースの人でなし振りもよかったですが、脇役の俳優陣が、どなたも適役で素敵でした。スティーブン・エリオットは、どんな気持ちでココアを飲んだのか…今回こそ殺されなかったものの、2作とも気の毒な役回りでしたね。

    1. ココアを作って、と妻に頼んで、その間に自決されたのでは、と思います

      1. 作ったココアをもってきたら
        すでに自決していた…
        と。なるほど、す、スゴいな…しかしあり得る、あり得ますね…

  15. 犯人が本並べるとき本棚に人形無かったけど…それと何故本送る箱にMILITARY MIMIATURES と印字されてる? それも含めて兵隊と本の配送時間も本屋に指定してた?なら本屋に確認したらすぐばれるのに。

  16. 新シリーズもけっこう面白くなってきました。
    ただ旧シリーズのコロンボがやるうちのカミさんネタや、ドアを閉めたと思ったら聴き忘れたと戻ってくるのを新コロンボがやるといらっと感じてしまいます。
    おそらく新旧コロンボがまだ同じ人には見えてないんだろうな。
    吹き替えの違いもあるでしょう。
    この先どうなるか楽しんで見続けようと思います。

  17. コロンボは相当に犯人が嫌いなみたいですね。これから愛人それも人妻が来る場所で長時間にわたって居座るんですから、普通では考えられません。
    犯人は被害者の懐中電灯をなぜ岩の下に隠したのでしょうか(ただ遠くに投げただけにも見えましたが)。状況からして懐中電灯があっても不自然ではないように思いますけど。

  18. 旧シリーズに戻ったような面白さ!
    2021年から観ている新シリーズ4話目ですが、今のところ一番楽しく視聴できた作品です。
    犯人も被害者も悪人だなー。
    大きなお屋敷が出てきたところも旧シリーズっぽい。
    コロンボ人形、可愛い☆
    段ボールのトリックは「?」でした。
    ぼろんこさんおっしゃる通り、中身なんてすぐ判るし重量も違う。
    父が転勤族で、子供の頃から引っ越しばかりでした。
    段ボールのシーンはちょっと納得できないな。
    将軍の奥様との関係を取引材料に使うところは女性として許せません。
    不倫であれ、ベッドを共にした女性に対する敬意が感じられない。
    個人的には、死刑にしてほしい犯人です。

    (新シリーズは初見で、なんだかイマイチだな・・・と思っていただけに、今回の作品でテンション上がりました。
    今後が楽しみになりました)

  19. 羽左間道夫さんが良かったです。
    新シリーズは個性派の声優が続きますね。
    キレは弱いと思います。

  20. 親子三代で、コロンボファンです。こちらのブログも本当に楽しいです!さて、「迷子の兵隊」で、コロンボ刑事がキーガン軍曹の検死をしている画面で、キーガンの睫毛、あるいは瞼がわずかに動いたように見えるのですが。
    少しびっくりさせられて、喜んでしまいました。

  21. 「新コロンボ」のシーズン掉尾を飾るというには、犯人が小者ですね。品格も美学(笑)もない。犯行確証の決め手もイマイチ迫力不足。新シリーズは全体として味わいに欠けますね。タカ派のシンクタンクのセミナーのようですが、新旧通じて「コロンボ」の舞台はタカ派のようですね。他のエピソードのコメントにも昔書いときましたがこれは私の課題です。
    やはり、プロデューサー兼任ピーターフォーク氏はいいシナリオライターを確保できなかったか。

  22. BSプレミアムで観ました。
    大佐と将軍の奥さんとの不倫ですか?フランス&イタリアだったら恋愛に成りますよ。
    JENNYが夫将軍に告白したのは良かったけれど早く言った方がよかったなあと思っています。
    アメリカのお屋敷って本当に広いですねえ。

  23. BSTBSでの本日の再放送を見ていて
    気になった小ネタですが…
    大佐が易の棒の束を振って出した卦、
    画面通りなら「地火明夷」という卦のようです。
    主な意味は「賢明な人が身を隠さざるを得ない時」とか。
    また、その意味を大佐は「井戸に座っている女」と言っていましたが、残念ながらそのような意味は見出せませんでした。

  24. 少し気になったので、書いておきます。
    Stephen Elliottはスティーブン・エリオットとするのが、より原音に近いと思います。
    余談ですが、彼は「ビバリーヒルズ・コップ」(所長役)で紙を丸めて持っていましたが、あれはセリフをなかなか覚えられなかったためにスクリプトを持っていたそうです(笑)。

    1. 私の持っている録画クレジットを確認しました、「スティーブン」とします。

  25. ツァバールさん>「相手に体を近づけ過ぎる」というので…笑ってしまいました。確かにね。

  26. 初めてコメントします。
    BSTBSで放送されていることをたまたま1ヶ月ほど前に知り、それ以降ずっと楽しみに見ています。
    それと併せてこちらのブログも興味深く拝読しています。
    すっかりはまってしまって、初期の作品をじっくり観たいなと思い、先日DVDセットをポチッとしてしまいました。届くのが待ち遠しいです。
    私もところ構わず葉巻を吸うシーンにはいささか違和感を覚えますが、時代の流れでしょうかね。
    今では屋内・館内は全面禁煙が主流ですものね。
    ドラマの本筋からは逸れますが、女性のメイクやファッションにも時代を感じて、見ていて面白いです。

  27. 初めまして。去年からBSで見るようになって病みつきになりました。(現在2回り目)
    そしてビデオに撮ったのを見終わると、ここに来るのがお決まりになりました。いろんな感想、情報が得られて楽しいです。
    しかし最近、コロンボのこんなところがイヤだな、と思うようになりました。私がへそ曲がりなのかと思いつつ、日米の国民性?の違いなのかとも思っています。みなさんはいかがですか?
    1.豪華なお屋敷、オフィス、ブティックなどでも無遠慮に葉巻を吸う
    2.帰ると見せかけての第2、第3のしつこい質問(追及)※お決まりだけどちょっとイヤラシサを感じてしまう
    3.テレビのサイズのせいかもしれないが、相手に体を近づけ過ぎる
    4.後期になるにつれ、(俳優として)富と名声を得たためか、態度が大きくなった。(ベテラン刑事になったから、という以上に)
    5.犯人が証拠品を処分しようとするとき、神がかり的タイミングで現れる 
    6.犯人の仕事と甥っ子が関係し過ぎ ※ネタだけど
    7.最後、どうだ暴いてやったぜ感で終わることが多い。
    などなど。
    と言っても、毎回飽きずに見ちゃうんですけどね。

    1. 偶然、こちらのコメントを見つけて面白かったので感想を述べさせて頂きます。

      まず1の葉巻については、私ももし近くにこんなおじさんがいたら、嫌だろうなぁと思います。現にシリーズの中でも度々、周りの人にヒンシュクを買ってますよね。

      4の態度については、どうでしょうか?私はむしろ初期の作品の方が容赦なくグイグイ行っていた感じがします。後期になるにつれ、人間的に丸みを帯びてきたような。
      あと考えられるのは、後期になるにつれて犯人がだんだん年下になってきたので、そういう意味では接する態度とか言葉遣いが変わってきたというのは、あるかもしれないですね。

      5のタイミングは、物語の進行上仕方ないかな(苦笑)

      6の甥っ子については、本当に実在しているのかしら?とさえ思ってしまいます。(どこまでホントの話か分からない)

      他の項目についても、どれも感じがいいとは言えない要素満載ですよね。でもコロンボが葉巻を吸わないで、パリッとしたコートを着て、品行方正で礼儀正しかったら、どうでしょうか?
      抜群の推理力とのギャップがあるからこそ、面白くて愛されるんじゃないでしょうか。

        1.  ずいぶん以前のコメントに対してですが、先日再々再、、、、、、放送(笑)があったので、私も一言コメントしたいと思います。
           やはり、時代が変わって来たのだと思います。私は、小学生、大学生の頃に刑事コロンボを見ていましたが、その頃葉巻など喫煙の場面もそれほど違和感はありませんでした。なぜなら、自分の置かれていた環境も葉巻こそありませんでしたが、煙草なんか皆スパスパやっていたからです。学校の職員室とか、歩きタバコとか。
           しかし、今放送を見ているとやはり、こんな所で吸ったりして!と違和感を覚えます。喫煙以外でも、こんな失礼なこと言って!とか女性蔑視、差別やろ!と憤慨するセリフとか結構あります。
           
           ただあの頃はそういう時代だったのです。4.50年を経て現代は良いように移り変わってきたんだなと感じます。アメリカも同様に。

           今は多少憤慨こそすれ、昔はこんな事もノープロブレムだったなぁ、3.40年経ち、現代は良いように変化して来たんだなと感じています。 刑事コロンボを観ていた小学生や大学生の頃の自分の事や時代の移り変わりを懐かしく思いながら観るようになってきました。

  28. 見終えてから、英語の原題の意味を調べてみました。
    Grand = 堂々とした → ぬけぬけとした・ふてぶてしい
    deceptionns = 欺瞞
    と解釈した時に、ストーリーの人間模様が浮かび上がりました。
    パジェット氏以外の登場人物が皆、<ぬけぬけとした嘘・欺瞞>の態度で生きている。
    氏に対して・・・。
    妻は言うに及ばず、被害者も氏の全幅の信頼を裏切った。
    犯人に至っては、裏切りを独善で解釈した結果、<必要悪だ。>とまで信じるようになっていた。
    皆が欺瞞の人間模様。
    どうにもならない。
    コロンボの執拗な責め苦にあった妻が、夫に真相を打ち明けるのも、とっても欺瞞に感じてしまう。
    「優しい嘘は時に真実よりも価値がある」
    と、過去にコロンボは言っていた。
    彼女に私も言いたい。
    自己の十字架は、一人で死ぬまで背負わなくては駄目!と。
    なのに、途中で重いから、辛いからと十字架を下ろし、事もあろうに半分を夫に背負わせてしまう。
    泥を吐いた貝はラクになることでしょう。
    でも夫は、妻の吐いた泥をかぶり、呻吟することになるのです。
    もちろん裁判ともなればすべてはばらされます。
    でもあのシーンでの告白は、許せません。
    自己がラクになりたいがための偽善です。
    ああ、私やっぱり真実を伝える強い女よ!
    と、正義をかざすその内面がとても醜いです。
    むしろシラをきって、嘘を貫きとおしてみせる気概ある人間がいいなぁ。
    告白の動機が大切だと思うのです。
    自己の安逸を求めるためだけなのか?
    責め苦を背負う覚悟で、離婚覚悟で、すべてを捨てる覚悟で告白するのか?
    「夫を愛するようにはあなたを愛せない」
    と言いながら愛人とベッドを共にする彼女は、誰に対しても欺瞞で接している。
    性的な角度から見ると。
    夫と居ると愛人を思い、愛人と居ると夫を思う。
    心の安らぐ時がないだろうに・・・。
    本当の愛を知ってほしい。
    でないと幸せになれない。
    夫の元で、気高い精神性を培い、人間として魅力的に成長し、深い愛を体得してほしい。
    若い人々に伝えられるほどの愛を。
    迷子の兵隊とは、この物語の主要登場人物すべてにあてはまるんだな、と感じました。
    誰かの手によって正しい場所に戻されることで、安心して使命を全うできる、という点で。
    コロンボの果たした役割は、皆を正位置につかせてあげた、ということだと感じました。
    パジェット氏は理想を求めるだけでなく、もっと現実を直視して、実務的に生きることをしないと、皆彼を英雄視するだけで人間臭さを知らぬままに終わってしまう。
    妻の告白、部下の裏切り、すべてを背負って、余生を努力し続ける人として生きて欲しい。
    過去の栄光だけが彼の魅力じゃない。
    知性、ユーモア、人情味、、溢れる人徳をもっと現実に生かしてほしい。
    また沢山教わりました。
    ありがとう。

    1. コメントを頂いてから、三年半ものお時間をいただき、今日お返事を書いています。「堂々とした欺瞞(ぎまん)」…その深さに感動いたしました。当時このコメントを読んですぐの時も、そう思ったのでしょうが、お返事が書けなかった覚えがあります。
      まさに悪人だらけのようなシチュエーション。それなのに皆、美しく生きているようにみせかけていますね。だからこそ、キーガン特務曹長のように「汚く生きてきた」ものに、足元を救われそうになったかな。

    2. 「deceptions」と複数形になっている、しかも「The」がついていないことから、すごく意味深な解釈ができる原題だというご指摘に今更ながら脱帽です。この回は、決め手の弱さで私も好きでなかったのですが、よく観てみると犯人の犯行以外にも意味深なシーンの連発に、不思議な感触が残る異色作だったような気がしてきました。
      そうそう。パジェット将軍だけは善人のように見えますが、よくよく考えて、あんな財団とやらの会長に据えられて、表向きの報酬だけでもいくら貰っているのでしょう? キーガン曹長が嗅ぎつけたブレイリー大佐の行為は、飽くまで個人の不正のように見えますが、いくら地位を利用したといっても、アフリカへの武器密輸なんて工作が個人でできますか? 私には、財団とやらの正体がペンタゴンかCIAのダミー団体のようにも思えます。イラン・コントラ事件の発覚は1986年のこと。脚本家がそこまで深く考えていなかったとしても、怪しい資金(出所は? 寄付ですか? どこの誰が、あれだけの施設や人員を維持できる金を寄付してくれるのですか?)で怪しい工作をしている団体のトップとしてその軍歴を誇示しているわけですから、パジェット氏が無辜の被害者とは、私にはとても思えません。
      スメドレー・バトラー退役海兵隊少将(平時編成の最高位は少将。つまり最高に出世した人)の講演録「War is a RACKET(戦争はいかがわしい商売だ)」を思い出します。これもtheがついてない、つまり凡そ戦争とは自分が従軍したのもしてないのも全部そうだ、と断言したのです。
      ブレイリー大佐もキーガン曹長もパジェット夫人も、自身の行為に悪の自覚は持っていましたが、将軍だけは疑問の一つも持ってないように見えます。それこそが本作中最大の、「ぬけぬけとした欺瞞」ではないでしょうか。今回の観賞で、私はそう思いました。

      1.  「ぬけぬけとした欺瞞」の件、おっしゃる通りでしょうね。
         前回のコメントで、他の回を厳しく書き過ぎた反省から、本作の多くの穴を知りながら、あえて悪い部分は書きませんが、両軍合わせて50万人近くの戦死者を出し、民間人死者を合わせると70~90万人に上るとされている、アメリカ最大の内戦「南北戦争」の時代から、現代人は、ほとんど何も学んでいないように見えます。アメリカ人も例外ではありません。
         「ぬけぬけとした欺瞞」は、我々今の日本人も総じて酷いものです(無論私も)。
         そのことに無自覚であるなら、罪はもっと重いですよね。

  29. ジェニーが夫パジェット氏へ告白する場面。
    ジェニーの悲しげな心情は、名作「指輪の爪あと」のケニカット夫人に通じる
    ところがある。ケニカット夫人は悔い改め、犯人の誘いを退けた至誠があった。
    しかし、生前、夫へ悔い改めを告白できなかった。さぞ無念だったろう。
    その至誠は犯人の善い魂を呼び覚ますという奇跡を起こさせ、ドラマとして
    屈指の名場面を現出させた。
    ジェニーは、生きて悔い改め猛省した心情を夫へ示そうとする。
    それは、不倫が明るみに出るとかっこ悪いから、その前に自分の口から・・
    などというヨコシマなものでは決してない。
    夫からの深い愛情と、男としての真情とを吐露され何も言えなくなる。
    ジェニーは、夫の愛情の深さが、自分のそれを遥かに超えていることに気付か
    される。夫に比べれば、ジェニーは、独りよがりな女でしかなかったことが
    よく分かる。
    「愛情の計算」では、ニコルソン博士は「若い奥さんが浮気もしないで・・」
    と寛大な発言をする。こういう人格者は、似たようなところがあるらしい。

  30. エピソードの良し悪しは、一度見て記憶に残るか否かで決まると思う。
    このエピソードなどは、何回見ても「アレ何だっけ?」ってなり見直さないと
    コメントもできない。
    エピソード評価基準について、細かく挙げると、
    ・トリックが巧妙で隙が無いこと
    ・殺害動機に同情できるか、全く同情できないこと
    ・コロンボの捜査進捗に唐突感が無く、小さな状況証拠を積み上げていって
     犯罪の全体像を鮮明に描き出せていること
    ・追いつめられた犯人が焦りを伴ってくること
     (追加証拠ねつ造による自爆は、無くても良い)
    ・決定的証拠を暴きだして、それが裁判でも勝てる内容であること
    ・最後、犯人との間で深い信頼関係を結ぶか、又はそうでないことがハッキリ
     している
    つまり、メリハリがあって切れ味鋭い筋肉質の内容であってほしい。
    新シリーズでは、どうも贅肉が多いような気がする。
    このエピソードに戻して・・・
    演習なのに、即死するような危険な火薬量を使うのだろうか?。
    そこから疑問がある。
    夫人へ事情聴取する場面がある。大佐との関係を突き付けられる場面。
    最後、大佐との関係を捜査上、夫へ伝えるかどうかを夫人から問われたときの
    コロンボの切ない表情が印象的で、思わずウルウルしてしまった。
    その続き、夫人の夫将軍への告白は、とても切なく悲しいものでした。
    これは、大佐の悪らつさを引き立てるものですね。
    大佐は、最後でなぜ観念したんでしょうか?。全然分かりません。
    動機、方法、チャンスが揃ったら犯人なんですか?。違いますよ。
    決定的証拠に欠ける、さえない終わり方でした。

  31. タップおばさん、新作まできちんとご覧になっているようですね。私はこの作品、割と好きです。

  32. トリックの疑問、同感です。
    新シリーズ特有の、雑なトリックですよね。
    今作の犯人は極めて悪質なのは間違いないですが、何故かそれが表情に表れないですね。
    羽佐間さんの吹き替えも随分と落ち着いていた印象です。

    1. 迷子の兵隊で段ボールのトリックを明かすシーンで後ろのカーテンが少し開いて人が半身を出した後、カーテンに消えました。

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