- 「ぼろんこの名作選」に選ばれています。
お馴染みの俳優、ロバート・ヴォーンが登場。

人の弱みに付け込むことは「命取り」
動機は自分の浮気相手から脅迫されたというもの。今回の犯人ダンジガー氏は、コロンボシリーズの犯人の中でも抜群の「セレブ度」ではない感じ。苦労して中古車販売会社を育ててきた印象です。だから、それを失うことをとても恐れたし、脅迫には屈しないという感情も出たのでしょう。人の弱みに付け込むことは「命取り」に なりかねませんね。18話「毒のある花」21話「意識の下の映像」でも、犯人を脅迫した人が、返り討ちにあってますね。
今回のテーマが「船旅での殺人事件」ということで、まぁ壮大なスケールの中で娯楽性もたっぷりの推理モノテレビ番組~みたいになりがちですが、そんなことそっちのけで「最高傑作クラス」の充実感がありました。コロンボ夫人はアカプルコまでの客船内で一度も登場しません。しかもコロンボ警部はいつも通りのレインコート姿。この設定は疑問を持たずに受け入れるべし…ですね。
濡れ衣工作はほとんどの場合、命取りになっちゃう
29作品目ということで、コロンボ警部の貫禄具合もちょうど良い感じです。医務室で「鳥のはね」を発見したことが、ダンジガーを容疑者として絞ることの決定的な理由ですが、その他にも犯人を被害者のバンドのメンバーロイドに見せかけたい「工作」が、すべてコロンボの「引っかかり」の対象になってしまうという皮肉。
コロンボ作品で犯人が「被害者の自殺にみせかける」「第三者に濡れ衣を着せる」という行動を起こすと、ほとんど「命取り」になります。この作品では顕著ですね。
どんどん手袋が減っちゃいますよね(笑)
事件解決の道筋は大疑問。ダンジガーはコロンボ警部から「犯人は医務室から使い捨てのゴム手袋を拝借して犯行に使った。それは数を数えたから確かだ。」と、説明されているのに、同じ場所から「決め手の証拠を作るための手袋」を、もう一回拝借して濡れ衣工作をした。
ダンジガー役の声優さん
ヘイドン・ダンジガーの声を演じたのは「西沢利明」さんで、刑事物や時代劇で活躍された俳優さんです。今回は少し声が「裏返りそう」になる場面があり、それも私は好きです。(笑)ロバート・ヴォーンの吹き替えは西沢さんの他、矢島正明さんも担われています。
ダンジガー夫人は手袋を忘れた…

鼻歌で犯人を追いつめる珍しいシーン。
ラストシーンでは、コロンボ警部の得意技「犯人の行動から『自分が犯人でございます』と本人に言わせる」という、最もスカっとする手法が見られます。しかも、警部は鼻歌で例の「THIS OLD MAN」を歌いながら、犯人ダンジガーを追いつめます。この時の表情が最高ですね。実際のピーターフォークの鼻歌では「ダンジガーさ~ん♪」は、確認できませんでした。
客船パーサーのワトキンズ

ギボンズ船長

スーザン・ダマンテ

ロイド・ハリントンはエリック・ワグナー(笑)
ロザンナ・ウエルズ

バンマスのアーティ

ダンジガーの非常階段のテーマ
監督:ベン・ギャザラ
脚本:ウィリアム・ドリスキル
ヘイドン・ダンジガー:ロバート・ヴォーン
ロイド・ハリントン:ディーン・ストックウェル
客船パーサーのワトキンズ:バーナード・フォックス
看護婦メリッサ:スーザン・ダマンテ
ロザンナ・ウエルズ:プーピー・ボッカー
シルビア・ダンジガー:ジェーン・グリア
ギボン船長:パトリック・マクニー
ウエイター:マイク・ラリー
加筆:2021年8月22日
刑事コロンボプーピーボッカーの情報が気になります。他は何に出ていたのかな経歴がわからない女優さんです。
プーピー・ボッカーについて、複数の英語サイトによりますと(抜粋)、
・・・・・・1940年8月15日、米国カリフォルニア州サンディエゴ生まれ。
《TVシリーズ》
刑事コロンボ (1971)
ゲット・スマート (Get Smart 1965)
《映画》
ラスト・ムービー (The Last Movie 1971)
などの出演で知られるイタリア系女優。
生年月日:1940年8月15日 米国カリフォルニア州サンディエゴ
本名 Anna Graziella Boccaccio ・・・・・・
ちなみに、映画「ラスト・ムービー 」(1969)は、アメリカン・ニューシネマの傑作「イージー・ライダー」の後にデニス・ホッパーが再び監督・主演した映画。デニス・ホッパーが配給を巡りユニヴァーサルと衝突、ハリウッドを追放されたことになった、いわくつき作品としても知られています。この映画でもプーピー・ボッカーはナイト・クラブの歌手役で出演していますので、当時、歌唱力は高く評価されていたのでしょうね。
私が、名女優ソフィア・ローレンに似たところがあるなと感じたのは、同じイタリア系女優の顔立ちだからでもありそうです。
訂正
「イージー・ライダー」(1969)
「ラスト・ムービー 」(1971)
ありがとうございます。刑事コロンボの俳優で好きなのがプーピーボッカーさんです。他にも好きな俳優さんは沢山います。
>実際のピーターフォークの鼻歌では「ダンジガーさ~ん♪」は、確認できませんでした。
私も以前気になってオリジナル確認しましたが、「ミスタ~ ダンジガ~ ♪」と歌の続きのように拍子をつけて言って(歌って?)いました。
日本語吹き替えもそれに倣って言い回したんだなー、と思った記憶があります。
病院には羽毛枕はないというのが好きなところです。一言で言うとあれで全部わかってしまいました。
今回改めて観て思ったのは、夏のバカンス、の筈なのになぜコロンボは、いつもの格好をしているの?。冒頭、船に駆け込む際には、わざわざ、暑苦しくも、いつものトレントコートまで着込んでいます。船上ではさすがにコートは来ていませんが、汗が染みるスーツ姿でだらしなく、最初からアロハ来ていればいいじゃないですか(笑)。
歌声の消えた海…久しぶりに見ました。
最後ゴム手袋の内側の指紋検出のシーンのセリフ
今回「ほうらあった」
かなり前「こういうのを証拠っていうんですよ」
だったと記憶してます。
「証拠ってのは、こういうのを言うんです」私も何かの回で聞き覚えが…
思いだしました。「美食の報酬」で、最期にコロンボの毒殺を目論む犯人が入れた毒入りのワイン(炭酸ガスを注入するオープナーにフグ毒を入れるというトリック)コロンボはそれを見越し自分と犯人のワイングラスを入れ替えて「毒入り」のワインが動かぬ「証拠」になってしまうという、「犯人の偽装工作が墓穴を掘る」コロンボあるある(コロンボの殺害を企てるまでの輩はそう多くない。『攻撃命令』とか。)の顛末のとき、でした。
実際に犯行時に使った手袋はどこいった?海に投げた拳銃はなんなん?投げたのは拳銃じゃなかった?それが手袋?結局のところよくわからん。音を小さくして字幕で見ると、全体が見えてないのでたくさん見逃していかんなぁ。
海に投げたのは、手袋です。拳銃は洗濯部屋の中から見つかっていますね。
鍵を作る機械も投げました。しかしプーピーボッカーの情報は全く出てきません。
偽装の手袋を消火栓ホースに隠す時しっかり素手で触ってるのは不注意過ぎるのでは?また犯行時といい偽装手袋入手的といい病室の出入りリスク大なのに運に頼り過ぎの気がします。マジシャンの銃の管理もずさんすぎる。
ダイイングメッセージと消えた手袋は、アガサクリスティのナイルに死すのオマージュでしょうかな?。
最近は録画を何度も見返し原語にもすぐ切り替えられてまた見直す、なんて芸当がすぐできてうれしいです(何度も言ってますが。)
この回、冒頭でカミさんとはぐれたコロンボがパーサーと船長(声は柳生博さんだな…)と会話し自分のことを「正確にはコロンボ警部でして(Actually,Lieutenant COLUMBO.) 」と言い、ギボンズ船長はすかさず「内密の捜査で?」と訊き返しますがここは”Navy man?”と言ってます。ご賢察の通りLieutenantが(アメリカ)海軍大尉を指す場合があるからです。ノベライズ版はちゃんとコロンボのセリフ「警部」に「ルテナン」とこの場合だけフリガナをつけ、カッコとじで「海軍大尉も意味する」と注釈しています。さすがに日本語吹き替えではセリフのみのやりとりでコレは無理(笑)でも「内密の捜査で?」はウマイかわし方(?)だと感心しました。
自分で補足します。
よくLieutenantを「中尉」と訳しているのを見聞きしますが
(名作:『陽気な中尉さん』でも 原題 “The Smiling Lieutenant” )
(米)海軍の場合、
中尉:Lieutenant Junior Grade 略称 LTJG
大尉:Lieutenant 略称 LT
少佐 : Lieutenant Commander 略称 LCDR
となります。米陸軍、海兵隊、空軍での中尉はすべて First Lieutenant(1LT)となっており、紛らわしいですがこのあたりで誤用とまではいかないですが中尉=Lieutenant、が通用する遠因であるような気がします。日本は尉官佐官将官すべて大中少で誰もが一瞬で上下が判るように「訳した」のは、ある意味上出来だったかもしれません。
近年、BSNHKで夜9時台や今4時台の番組にハマってます。
昔は面白いと思わず見てませんでした。 今は、とにかくストーリー、時代背景、音楽、服装、飲み物、俳優に興味が湧き一週間が待ち遠しいです。 ブログを拝見すると、かなりの見方、素直なご意見に感服しております。 読んでて思わずわらってしまいますと共に成程なぁ~と感動します。 ナポレオン・ソロのロバート・ボーンさんとプリズナー№6のパトリック・バクグーハンさんが子供の頃の好きな俳優さんです。 本当にカッコいいですよね。
コロンボ警部はいつも通りのレインコート姿と書かれていましたが、いつも着ているスーツ姿でレインコートは着ていないのではないでしょうか?
まず、純粋に娯楽作品としては、当時のクルーズ船旅行の世相風俗を知る上で、とても勉強になり楽しめました。
被害者ロザンナ・ウエルズ役の女優プーピー・ボッカーは、数日前に、ウクライナのひまわり畑がロケ地だった映画「ひまわり」を鑑賞したせいもあり、どことなく名女優ソフィア・ローレンに似ていると思いました。
しかし、犯人が犯行のために乗務員用階段を使って医務室から抜け出すのはリスクが多過ぎて実行するには相当無謀な計画ですよね。何故、そんなに面倒臭い手段を選んだのでしょうか?
もしも、犯行中に奥さんが心配して見舞いに医務室を訪れたらどうなるのか? 乗務員用階段で誰かと出くわす危険はないのか?・・・ 私なら怖すぎて到底無理な計画です。
そもそも犯罪者心理として、不倫相手をわざわざ目立ちすぎる豪華客船内(しかも犯人は常連客)で殺すでしょうか?
それから、人間が背中を撃たれて、あの程度の出血で済むはずがありませんが、これもいつものお約束でしたね。・・・・・・・このところ、現在進行形で続く残虐な大量殺戮の前に、子供騙し的で絵空事な架空の殺人事件を語るのが段々空しくなってきている自分がいます。大好きな「刑事コロンボ」で、特にそう感じるのが悲しいです。
ところで、「看護婦」という言葉、ぼろんこ様の記事本文でもコメント欄でも皆さん当り前のように使われていますが、ポリコレ上の理由により、今は本当は「看護師」と呼ばなきゃいけないんですよね。ブルーレイの日本語字幕も確か「看護師」になっていました。国内外ともに様々な分野で格差は拡大する一方なのに、窮屈で変な世の中になったものです。
かつては「女の腐ったようなヤツ」という男性への蔑称表現があったのだが、いつのまにかこれはジェンダーバイアスとかなんとかでダメだということになり、なぜか「腐女子」という表現は許容されている。おっちゃん知らんことばっかりやわ。
こんな場所があったなんて嬉しいかぎりです。当方も何度も見返し不思議な点や気になった事を調べるのですが。ココに辿り着きました。
疑問な事は、コロンボが最後アロハに着替えてダンディガーを探している時、BGMで流れてる音楽が気になって、以前どこかで聞いた様な気がするのですが、ご存じの方教えていただけないでしょうか。
初めまして。
私はこの話、水曜だか金曜だかロードショーで見たのですが、
水野晴郎氏が終わった後の解説で
「詳しい人に聞きましたら、ゴム手袋の中に指紋は付くのだけど、
手袋を脱ぐときにズレてしまい、詳しいことは解らなくなるそうです」
と言ってまして、コロンボのハッタリだとしたら、
あんなに堂々とやるからには語られてない他の事件でも使っているのかな、と想像します。
自己レスです。
銃の名称と弾を誤って書いていました。正しくはエンフィールドNo.2 Mk.I*でした。
口径は.38口径で、使用弾薬は.380エンフィールド弾または.38S&W弾。
画面で見るとハンマーの指掛け部分のないデホーンドハンマーを装備しているので、後期型の*(スター)型と思われます。
コロンボの作品を鑑賞するたびにこのブログで楽しく振り返らさせていただいています。
久しぶりに見て思ったのですが、犯行前にダンジガ―が階段を駆け下りていくシーン、歌を挟んで二回あるのですが全く同じカットに見えます(一回撮った分の使い回し?)。
どうにも細かいことが気になる質ですので確認して見たくて……(笑)
リーフムーン さん>確認しました、同じですね笑。踊り場の全く同じ場所にワゴンが置いてありました。犯行後に昇っていくシーンは、2回別のようです。腕の位置が違いました。
殺人前からコロンボが出てくる作品でしたね。他にもこのパターンはあるのでしょうか?
鉛筆の芯削って指紋採取しているシーンは子供の頃のテレビ放映でみたなあ。
何気に、コロンボ観てると
見た事ないのに懐かしさ、や
雰囲気が楽しいんですよね。
ワイン飲みながら観たりすると。
最後に犯人がマジック用の拳銃を借用して、証拠の手袋をでっち上げようとして墓穴を掘るのですが、マジックで使う拳銃に実弾が入っていたとは・・・
いくら巧妙なトリックを使ったとしても、あの近距離で実弾が発射されれば、マジシャンは即死なのでは?(笑)
それとも、実際のマジックでは空砲を使っていて、実弾が入っていたのは、本編とは別のマジシャン殺人事件の為の細工だった?
コロンボによる新たな捜査が始まる?(笑)
楽しく鑑賞いたしました。
憧れの船旅ですが、うちのカミさんが酔いやすい体質なので実現は難しいのが残念。
劇中のVolareとかイパネマの娘等々、誰でも知ってるような選曲が設定にピッタリだったし、新しいお友達がすぐに沢山出来ることでしょう。
でも、食べて飲んで、プールでシェイプアップして、また食べて飲んで、合間にバカラかスロットやって、そんな生活してみたい。
ところで刑事コロンボは時々、妙にマニアックなところがあって不思議に思うことがあります。
今回、犯行に使用された凶器の弾丸が.38口径らしいということでしたが、発見された拳銃はクラシックなウェブリー・リボルバーです。
そこで、あれれ?ウェブリーの口径は.455の特殊なモノだったのでは?と思って調べてみると、.38口径のモデルも存在しておりました。
※ドラマではウェザビーと言ってますが、何か差しさわりでもあるのでしょうかね?
ロバート・ボーンの吹き替えが矢島さんだったらなお良かったけど、西沢さんの声も素敵です。コロンボ氏が孤軍奮闘の本作、人気ランキングが上位なのに納得しました(^^)
ところでついでにもう一つだけ、
エンディングで、も一回、アホの坂田を流すってのはダメかしら?
えっ???アホの坂田を流す?すみません・・・
意味がわからない
『ルート66』『サンセット77』
懐かしい~
刑事コロンボは一杯やりながら鑑賞することが多いのですが、当方の書き込みを不快に思われた方にはお詫びいたします。
ラテン音楽で”Jarabe Tapatio”というものがありまして、これに着想を得て作られたのが、坂田さんの行進曲だと言われております。
以後、注意いたします。
[ハラベ‥タパティーオ🎶]✌️🆗⤴️
凶器のリボルバーですが、あれは19世紀のウェブリーではなくて、20世紀になってからウェブリーを元に小型化したエンフィールドNo.2*ですね。口径は380ブリテッシュ(.38口径)ですから間違いないと思います。
これは想像ですが、19世紀の古典的ミステリーを思わせる客船での殺人事件のイメージを出すため、英国製の古い銃であるウェブリーを使いたかったけど、入手できなかったので比較的入手しやすいエンフィールドを使ったのかも知れません。作中でウェザビー(ウーズリー、とも聞き取れます)と呼んでいるのは商標の関係で、似た語感の名称をでっち上げたのかも。