- 「ぼろんこの傑作選」に選ばれています。
- 「人気投票では2位」「忘れられたスター」も肉薄!
ぼろんこの考える「傑作コロンボ作品:二枚のドガの絵」
犯人の誘いに乗って、最大のチャンスをモノにする。
コロンボ警部はデイルから自宅の鍵を渡された時が最大のチャンスだと見切っていました。その時のデイル宅には、全く証拠が無いとデイル自身が教えているようなものです。しかも、コロンボが捜査した直後が、絵を持ち帰るもっとも安全なタイミングであると考えたのでしょう。しかし、コロンボ警部が部屋で寝ていたのは誤算でした。それにしても…デイルはうかつでした…トレーシー殺害後、絵をもう一度「包装紙にくるんで」持ち帰るべきだったですね。
犯人が自分から行動を起こすように誘導。

ラストシーンは圧巻です。
コロンボ警部はエドナの屋敷に登場する場面から、ずっとポケットに両手を突っ込んでいますね。しかも、犯人をトン死状態に追い込む会話術(指紋の割出しのくだり)も抜群です。そして、手を広げてみせるあの顔とポーズ。ピーターフォーク以外の俳優では決まらない、まさに完璧なラストです。俯瞰(ふかん)気味の静止画もきれいでしたね。
ちょっとした疑問、意味の無い行動?
作品冒頭の殺害現場を演出する場面では、デイル・キングストンは飾られた絵画や家具を荒らしますが、これは全く意味のない行動だと思いませんか?絵画を盗難する行為と結びつきませんし、あんなことをすれば物音がするので誰かに気付かれる危険が非常に高くなります。殺害時間帯に「近辺に誰もいない」ことを確認済みであったとしても、理解に苦しみますね。ましてやエドナを真犯人に想定しているのであれば…言うまでもありませんね。
ロス・マーティンの演技力に乾杯!

デイル・キングストンという人物。
デイルは美術評論家として成功をおさめますが、少し屈折した性格に描かれています。あまり幸せな幼少期を過ごしていない設定で、言葉遣いや素行は決して上品ではありません。業界でも煙たがられていました。
犯人の心理をよく表現している
「コロンボを敵視する」「記憶力が良い」「説明が上手」
デイルはこの3点を備え持っていました。自分にやましい部分がなければ必要以上にコロンボを敵視しません。人の記憶は曖昧で時間の経緯などをなかなか覚えていないもの。自分に容疑がかからない方向の状況説明をぺらぺらとしゃべること。これらは全ては、コロンボが容疑を深める行動なのです。
コロンボ警部はそんなデイルに対し、ラストシーンで「キミ」と呼んでいます。おろかな濡れ衣工作に奔走したデイル。すべてお見通しのコロンボ。二人のパワーバランスが完全に逆転している表現です。
特殊メイクなしでも、魅力的な演技。

ロザンナ・ホフマン

ロザンナ・ホフマンには新シリーズでも会える。
新シリーズの53話「かみさんよ、安らかに」で、ロザンナ・ホフマンさんに再会できます。家を買いに来るお客さんご夫妻の奥さま役です。ぜひご確認ください。
場面転換にナイスプレー
殺害計画の中に「自分の口封じ」も含まれているとは気づかないトレーシー・オコーナーは、マリブ山中で殺されてしまいます。その殺害シーンは、岩を持って襲いかかるデイルに恐怖する彼女の表情から、「キャ〜」という絶叫もに聞こえる「(デイルが帰宅する)クルマのタイヤ音」で場面転換しています。見事な手法ですね〜。
画廊の女主人マチルダ

画家のサム・フランクリン

ヌードモデルのクリス

ドン・アメチー

捜査一課のワイラー課長

原題は「フレーミングにふさわしい」
原題の「Suitable for Framing 」は直訳「フレーミングにふさわしい」ですが、エキサイト翻訳では「二枚のドガの絵」と出ました。凄いですね、コロンボの作品名が辞書登録されているようです。他にもこのような例が多くありました。
ロス・マーティンとピーターフォーク
ロス・マーティンはポーランド出身の舞台俳優で1920年生まれ。ピーター・フォーク(1927年生まれ)よりも7歳年上でかつてはピーターフォークの演技の師匠であったそうです。16話「断たれた音」のローレンス・ハーヴェイが監督・主演の映画「脱走計画」にも出演したそうです。その他、警部マクロードやチャーリーズ・エンジェルにも出ているようです。
ドガについて勉強しよう

一枚のドガの絵

リアル二枚のドガの絵



監督:ハイ・アヴァーバック
脚本:ジャクソン・ギリス
音楽:ビリー・ゴールデンバーグ
デイル・キングストン:ロス・マーティン
エドナ夫人:キム・ハンター
トレーシー・オコーナー:ロザンナ・ホフマン
顧問弁護士シンプソン:ドン・アメチー
加筆:2021年8月31日
私の中ではナンバーワン作品です。
初めて小学生の時に見たのが、この「二枚のドガの絵」でした。
伏線の回収とコロンボのキャラクターが忘れられない衝撃となり、
まさにコロンボにハマって行きました。
この作品がきっかけとなり、40年以上たった今でもコロンボの再放送を欠かさず見ております。
ぼろんこさん、作品を見た後ここに来るのをいつも楽しみにしています。
二枚のドガの絵は初めて見たつもりでしたが、最後の最後で両手を掲げるところは明確に覚えていました。まったく記憶はあてにならない(現在68歳です)。
ところで、最近はビデオに撮ったのを見る時、音声は英語、日本語の字幕で見ているのですが、アリバイ作りの時刻を聞くシーンがちょっと不思議でした。
最初の展示会で聞いた時は英語も日本語も「11時5分前」だったのですが、コロンボが画家に聞いた時、日本語では11時5分前と言っていましたが英語では時刻を言いませんでした。まさしく「時間の観念がない」。また駐車した少年は「11時10分前」と言っていましたが、英語では11時5分前でした。それだと辻褄があわないから日本語版で修正したのかな。
あと、コロンボが画家に思い出してもらうために「時計を合わせあったとか」と言いましたが英語では全くそんなことは言っていませんでした。
いずれも日英で違っているというだけで、おかしいいう意味ではありません。
録画したものをゆっくりと見ていくのでまたここに来るのが楽しみです。ありがとうございました。
初めての投稿になります。
最近になってコロンボ・シリーズを観始めましたが、この二枚のドガの絵は本当に切れ味の鋭いオチで、数有るエピソードの中でも素晴らしい作品だと思います。
犯人のデイルをよく観察すると、コロンボが絵についての質問をした時はどんな絵に対しても必ず真面目に対応をしているんですよね。あの、深夜に持ち帰った水彩画以外は。絵に関しては真摯に対応する人物なのに、その時だけは反応が違ったあたり、コロンボは間違いなく違和感を覚えたでしょうね。
初めて投稿しますが、コロンボ放送見てこちらに来て諸々確認して、もう一度ドラマを見直すというルーティンになっております。
この作品は見終わった後の爽快感がいつもにも増してあり面白い!と思いました。こちらでも人気が高い作品であることがわかり納得です。
こちらに書いてないことで気になったのは、コロンボがデイルの撮影現場に行ってコーヒーを買う場面、お金入れてからコーヒー出るの早過ぎませんか(笑)