好きな作品…佳作。

主題テーマは良いのですが…ちょっぴり難アリ

全69作のコロンボシリーズ。1作を1本の映画と考えれば、傑作から駄作まで出来て当然の結果。テーマは良いんだけど、ほんの少し残念な出来映えになった作品もあると思います。

13話「ロンドンの傘」
初の海外ロケ作品。ロンドンとその周辺で描かれる美しいドラマです。ゆったりと進行していて、何度見ても飽きることありません。が!オチが異常にせこいです。しかし「ロンドンの傘」という邦題も素敵だし、この作品のファンも多いのです。

21話「意識の下の映像」
「サブリミナル効果」を扱った殺人事件として有名な作品。「この1枚が効いた」という「コロンボ警部が電気スタンドを見ている写真」…。犯人が証拠の品をずっと隠し持っていた件(廃棄できたはず)がひっかかり減点です(笑)

33話「ハッサン・サラーの反逆」
ハッサン・サラー役:ヘクター・エリゾンドが素晴らしいです。国際問題に発展しそうな大きなテーマですが、それほどの嫌悪感もなく楽しめる作品に仕上がっています。

36話「魔術師の幻想」
リアルタイムで見ていた時は、違和感は少なかったのですが、タイプライターのリボンが決定的な証拠になるということで、時代を超えた「名作レベル」には届かない作品です。ジャック・キャシディは素晴らしかったです。

38話「ルーサン警部の犯罪」
時間が短かかったのか…。面白い展開は見せていたものの、決め手となった指紋が「まるでノーマーク」だったのがとっても残念。犯人役のウィリアム・シャトナーも、「溶ける糸」のレナード・ニモイと比較すると、弱々しい。

42話「美食の報酬」
コロンボの醍醐味として「頭脳明晰な犯人との対決」を挙げたいのですが、その点では少し劣る(犯人が頭脳明晰でない)気がします。コロンボがあれほどイタリア語を話すのも、すこしイメージが崩れました。

44話「攻撃命令」
11話「悪の温室」にも似た「不気味な雰囲気」を醸す作品ですが、よくまとまった佳作です。犯人のエリック・メイスンの性格がちょっと暗すぎる?と感じましたが皆さんはどうでしょう。

45話「策謀の結末」
とても素敵な作品で大好きなのですが、犯行現場で犯人がコロンボと鉢合わせしたり、コロンボと親しくなりすぎ次々にボロを出すなど、少しストーリーの脇が甘い感じ。

62話「恋におちたコロンボ」
大物女優フェイ・ダナウェイが登場します。やはり素敵です。ピーター・フォーク自身が脚本を手がけ、彼のやりたいように作った作品だとも言えるでしょう。すごく良い雰囲気を持っていますので、ぜひ楽しんで見てもらいたいです。

67話「復讐を抱いて眠れ」
パトリック・マクグーハン最後のゲストスター作品。割と地味な背景ながら、初期作品に近いテイストも持っていました。ただし骨壺から認識標(金属)が出てきたのは…。入れる時に気付くと思うんです。

68話「奪われた旋律」
期待値の低い新シリーズの中では、数回みても飽きない「美しさ」をもった貴重な作品。なのですが、ラストでは状況証拠だけで、犯人が観念してしまいます。本当に惜しい作品です。

※「自縛の紐」はもっと上位に位置づけしたくなり「名作カテゴリー」に移動しました。

ちょっと難あり?まあまあの佳作。

まあまあ良い作品なんですが…。

良く出来たものを秀作と考えるとそれ以下のものですが、決して嫌いな作品ではありません。

8話「死の方程式」
賛否両論?の作品かもしれません。この作品を一番好きだと言う人もいます。ぼろんこが重んじる「犯人のキャラクター」が、ここでは裏目に出ています。意味のない「はしゃぎ笑い」が多く、淡々と展開してゆくのが好みの人にとってはうるさい作品と感じてしまいます。

17話「二つの顔」
双子の兄弟が容疑者で、どっちが真犯人か?という、有りそうで無さそうなテーマが残念。犯人の兄弟デクスターとノーマンも、どっちが真面目でどっちが不真面目なのか?よく分からなかったですが、どっちもキャラクターが弱かった気がします。俳優陣はとても良かったです!

22話「第三の終章」
シリーズ中、唯一この作品だけ、殺害犯に殺し屋を雇っています。それはNG!「犯罪の素人」が完全犯罪を目論まなければ、刑事コロンボでなくなっちゃう。

30話「ビデオテープの証言」
当時のハイテクとして、防犯カメラを登場させていますが、その解像度からみても、証拠の特定が可能なのかが大疑問。しかも現代では「防犯ビデオに証拠が映っていた」のでは、感動しませんよね。これは仕方ない。

31話「5時30分の目撃者」
目撃者を取り違えるというラストシーンは面白いものですが、テーマに催眠術を用いたことが、ぼろんこ美学にはひっかかります。また、真に愛人のために殺害に至ったとは思えず、不毛の殺人事件と感じさせました。

34話「仮面の男」
CIAの大物スパイ(オペレーター)が、遊園地で密会し、記念写真をバチバチ撮られているということがまずかったですね。それ以外は大好きです。中国のオリンピック不参加のラジオニュースが決め手になっただけに、惜しいエピソードでした。

35話「闘牛士の栄光」
メキシコロケで展開する大きなスケールの作品。プライベートな海外旅行で訪れた地で、事件解決するコロンボ警部…というのが、ぼろんこ的には「出来過ぎ」。旅行中に仕事を始めた警部に、かみさんはカンカンに怒っていると思われます。この作品が大好きだという人がいても当然だと言えるほど、よい雰囲気ももっています。

39話「黄金のバックル」
作品として良い味を持っているし、犯人役のジョイス・ヴァン・パタンも良かったのですが、殺害トリックの「電話での狂言」が無茶すぎます。過去に遡るストーリー展開も、悩ましいです。

51話「だまされたコロンボ」
9話「パイルD-3の壁」を焼き直したような作品で、それなりに興味深いものでした。犯人たちに振り回されるコロンボ警部を見ることができます。新シリーズ中では「正統派」の一つかもしれませんね。

54話「華麗なる罠」
犯人がその職業におけるプロフェッショナルで、それをテーマとしてエピソードが成り立っている…のが理想なのですが。この作品では、犯人がギャンブル狂でお馬鹿ちゃんということで減点しました。

57話「犯罪警報」
新シリーズですが、旧作のテイストを感じさせる作品です。とても好感度が高いのですが、吸い殻の矛盾は素人でも見破れるもので、とても惜しいですね。またバド・クラークを殺したところで、いつかはばれる前歴だったとも思えます。

61話「死者のギャンブル」
発想は面白いものですが、同日に二人の容疑者がビッグ・フレッドを殺害しようとしたというのが、何とも滅茶な設定でした。それでも新シリーズの中では比較的楽しめる作品です。

63話「4時02分の銃声」
犯行の幼稚さはシリーズ中、最低に近いのですが、何と言っても犯人で政治評論家のフィールディング・チェイスの存在感が強烈で、佳作の仲間入りです。「コロンボを殺してしまえ」と思っちゃった犯人は他にもいますが、今回が最高の演出だったと言えるでしょう。

66話「殺意の斬れ味」
共犯者を仲間割れさせて事件を解決するという、新しい手法は見事。でも、犯人たちが非常に幼稚で、名作とはとても呼べない雰囲気を作ってしまっています。それでも可愛い作品とも呼べる気がして、それなりに好きです。

加筆:2021年2月27日

▼異色作選へ続く