刑事コロンボの劇中音楽

初期はジャズやフュージョン系の音楽が多い

初期の刑事コロンボの劇中のBGMは「ジャズやフュージョン系」が多用されています。音楽担当にはビッグネームも含まれ、音楽と映像が一体化して刑事コロンボの世界を作り出しています。

デイヴ・グルーシン

1話「殺人処方箋」のタイトルバックのBGMは「デイヴ・グルーシン」です。何かすごい物語が始まる…そんな予感がしますよね。デイヴ・グルーシンはかなり有名な音楽家であり、グラミー賞10回、アカデミー賞も1回受賞しています。
1話「殺人処方箋」

ギル・メレ

「ギル・メレ」は第1シーズンの4作品を担当しています。特に素敵なのが8話「死の方程式」です。ギル・メレの音楽がこの作品のテイストを作っていると言っても良いでしょう。4話「指輪の爪あと」でケニカット夫人の死体を捨てに行くシーンもギル・メレで、印象深いです。9話「パイルD-3の壁」も音楽:ギル・メレのクレジットがありますが、これはエンディングだけ4話「指輪の爪あと」の音楽を流用しているように思えます。
4話「指輪の爪あと」
5話「ホリスター将軍のコレクション」
8話
「死の方程式」
9話「パイルD-3の壁」

ビリー・ゴールデンバーグ

ビリー・ゴールデンバーグが音楽を担当した、2話「死者の身代金」のセスナシーンやエンディングと、15話「溶ける糸」のメイフィールド邸でのパーティのBGMは、メロディーが同じです。70年代っぽいポップなサウンドなので、聞いてみてください。

また、6話「二枚のドガの絵」の後半家宅捜索が行われるエドナ・マシューズ邸に車で到着するシーンと、7話「もう一つの鍵」でユージン美容室に向かう車のシーンも同じBGMです。

2話「死者の身代金」
3話「構想の死角」
6話「二枚のドガの絵」
7話「もう一つの鍵」
15話「溶ける糸」
22話「第三の終章」

ディック・デ・ベネディクティス

ディック・デ・ベネティクティス(作曲家)は多くの第2シーズン以降の音楽を担当しています。黒のエチュードでは「Music Score」と、大きくクレジットされています。ぼろんこが気になっていた「不思議なピアノ曲」もおそらく、このディック・デ・ベネティクティスによるものです。

10話「黒のエチュード」
12話「アリバイのダイヤル」
13話「ロンドンの傘」
16話「断たれた音」
17話「二つの顔」
18話「毒のある花」
19話「別れのワイン」
20話「野望の果て」
21話「意識の下の映像」
23話「愛情の計算」
24話「白鳥の歌」
25話「権力の墓穴」
26話「自縛の紐」
29話「歌声の消えた海」
39話「黄金のバックル」

ベルナルド・セガール

第4シーズンからはベルナルド・セガールが多用されました。

27話「逆転の構図」
28話「祝砲の挽歌」
30話「ビデオテープの証言」
31話「5時30分の目撃者」
33話「ハッサン・サラーの反逆」
34話「仮面の男」
35話「闘牛士の栄光」
36話「魔術師の幻想」
37話「さらば提督」
38話「ルーサン警部の犯罪」

パトリック・ウィリアムズ

41話「死者のメッセージ」以降の音楽を担当しているのはパトリック・ウィリアムズです。
→詳しくは、「刑事コロンボと作曲家パトリック・ウィリアムズ」をお読みください。

加筆:2021年9月17日(この記事は書きかけです)

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第2~第3シーズンの不思議なピアノ曲

ディック・デ・ベネディクティス

ディック・デ・ベネティクティス(作曲家)は多くの第2シーズン以降の音楽を担当しています。ぼろんこが気になっていたこの「不思議なピアノ曲」もおそらく、このディック・デ・ベネティクティスによるものです。(2021年10月加筆)

10話「黒のエチュードで多用されています。ベネティクトが犯行現場に向かうシーン、自殺した後にジェニファーの家から出るシーンなど。

14話「偶像のレクイエム」でノーラ・チャンドラーとコロンボ警部が警部のプジョーで駐車場に到着するシーンで使用。コロンボの愛車がいつになく汚く「わざと」汚したようにも見える…が。このシーンでの使われ方は重要でない気がします。

18話「毒のある花」でも多用されています。この作品では頻繁にこの「ピアノ曲」が背景に流れて、作品自体に独特の不思議な雰囲気を持たせています。

16話「断たれた音」のラストシーンは印象的。この場合は話が終結して回想シーンと制作スタッフのクレジットが入った後に1回のみこのフレーズが流れ、とってつけたようなエンディング音で締められています。とても効果的です。

不思議なピアノ曲

追記:2020年10月16日

刑事ぼろんこチャンネル

コロンボ警部の鼻歌や口笛「THIS OLD MAN」

コロンボ警部の鼻歌や口笛の音楽は「THIS OLD MAN」という曲でした。マザーグースの数え歌らしいです。ずっと前から気になっていて、今日インターネットで本気で調べたら、分かりました。

刑事コロンボの作品中では、コロンボ警部の意思(または無意識)で、鼻歌や口笛で登場します。もっとも印象的な場面の一つとして29話「歌声の消えた海」のラストシーン、犯人のヘイドン・ダンジガー(ロバート・ヴォーン)に指紋の採取を迫る際に鼻歌で「♪ダンジガーさ~ん」と語りかけます。まんまと自分の策にはまった犯人を目の前にして、嬉しくてついつい悪のりしていますね。

19話「別れのワイン」でカッシーニ・ワイナリーから被害者リックの恋人の家に電話する時にかなり名調子(ビブラートをつけている)で口笛を吹くシーン。イタリア系のくせに「音痴」だと自己分析するコロンボ警部ですが決して音痴ではありませんでした。

26話「自縛の紐」で犯人マイロ・ジャナスの家の近くの海岸を歩くシーンでは、吹き替え版でもピーターフォーク自身の生歌の「THIS OLD MAN」を確認できます。

37話「さらば提督」のラストシーンでこの「THIS OLD MAN」が初めて「印象的に使用された」と思われます。が、メインメロディが間違っています!

41話「死者のメッセージ」で、犯人アビゲイル・ミッチェルの自宅のリビングで「無断で」ピアノ演奏します。その後庭に出た後も口笛を吹いています。かなりご機嫌な様子でした。

42話「美食の報酬」では、レストランで行われた授賞式のシーンで、料理が運び込まれるBGMとしてこの「THIS OLD MAN」が流れます。場面を可愛らしく演出するのに便利だったと考えられます。

52話「完全犯罪の誤算」では、選挙運動の華やかなイメージを演出する「デキシーランド・ジャズ」とともに、この「THIS OLD MAN」もBGMとして多用されています。

67話「復讐を抱いて眠れ」写真からドロテア・ペイジの家をつきとめるまでのシーンで、オーケストラアレンジされたBGMが流れます。

68話「奪われた旋律」(日本語吹き替え版)のラストシーンでは、このメロディーで「おもちゃで遊ぼう」と歌っています。この場面での使われ方は、少しわざとらしさも感じられますが。

刑事コロンボの劇中の音楽

エピソードに沿った音楽

「THIS OLD MAN」に限らず、刑事コロンボの作品は新旧を問わず劇中に流れる音楽も聞き逃せません。作品ごとに音楽の種類や質も異なり、その作品の特長をより際立たせています。場面の緊張感を引き立たせる曲や、アクションに合わせた効果音的な音楽も素晴らしいです。また、その作品のシチュエーションにあった曲を繰り返し流すこともあります。新・刑事コロンボの49話「迷子の兵隊」などはその代表でしょうか。52話「完全犯罪の誤算」では「デキシーランドジャズ」を用い、選挙活動の華やかな雰囲気を巧みに表現しています。

新シリーズではオープニングにPOPS音楽を使用

オープニングシーンに使用される音楽も時代によって変化していて、新・刑事コロンボの時代には流行のポップスがドド~ンと流されることが多くなりました。
51話「だまされたコロンボ」、56話「殺人講義」など。

初期作品 はBGMも素敵

それに比べ、音楽を効果的に使った初期作品はやはり素敵です(「別れのワイン」等)。淡々と流れる時間を楽しむことができる作品ですね。場面の切り替えなどに用いられる「メロディの無い効果音」も好きです。また、無音状態(台詞のないシーン)でも、心理描写を補助するような音が巧みに盛り込まれています。

同一シーズン内で同じBGMを多用

例えば第2シーズンの11話「悪の温室」と17話「二つの顔」、第7シーズンの41話「死者のメッセージ」と43話「秒読みの殺人」。これらの作品は、同じBGMを多用していて、それが作品の味となっています。「死者のメッセージ」と「秒読みの殺人」は監督がジェームズ・フローリーです。

最後から二番目の作品、新・コロンボ作品「68話:奪われた旋律」で、犯人の作曲家フィンドレー・クロフォードは弟子のガブリエルに音楽を直されます。題材の劇中「女性が刺されるシーン」での効果音、直される前は刑事コロンボの初期作品に登場しそうな雰囲気です。参照場面として「20話:野望の果て」で、上院議員候補ヘイワード氏が被害者ストーンの時計をわざと壊すシーン。奪われた旋律は、このような過去の作品をパロったものかもしれません。

ちなみに、40話「殺しの序曲」で、犯人のオリバー・ブラントが殺害トリックで使用したクラシッ曲は -チャイコフスキー作曲の幻想序曲『ロメオとジュリエット』
 
加筆:2010年7月27日

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