32話「忘れられたスター」

Forgotten Lady / 1975

泣けるコロンボ作品…

「忘れられたスター」は私が最も好きな刑事コロンボ作品のひとつ。解決編では、この作品ならではの結末を迎えます。それはコロンボ作品中、最も涙を誘うものです。

永遠のスター「ジャネット・リー」

往年の大女優グレース・ウィラー(ジャネット・リー)は輝きを放っていました。14話「偶像のレクイエム」のアン・バクスターの大女優も悪くはないのですが、私の好みも加味すると「格別」の感があります。

殺しの序曲のウエイトレス

また40話「殺しの序曲」に登場するウエイトレスは「ジェイミー・リー・カーティス」で、ジャネット・リーの娘です。

コロンボシリーズで最も重要な「犯人ではない登場人物」

かつての名優ネッド・ダイヤモンド役ジョン・ペインの存在も際立っています。スターでありながらジェントルマンでもありましたね。犯人でも被害者でもない登場人物として、ピカイチの存在感ですね。大好きです。

コロンボはネッドに何を託したか

コロンボ警部がネッド・ダイヤモンドに事件の全てを説明するのは、意味深いです。グレースが執拗な捜査にいらだちつつも、好意的な態度に変わっていくことから、「通常の殺人犯人とは違う」ことには気付いていたでしょう。そのようなグレースに対し「自白に導く」というコロンボ特有の手法が不可能となりました。ネッドの前でグレースを追いつめることで、身代わり犯人を持ちかけたとも想像できます。

忘れられたスターの魅力

原題と邦題はほぼ同意味で、この作品を端的に表すグッドなネーミングです。「ファンは自分を決して忘れていない」女優復帰に並々ならぬ意欲をみせる主人公:グレースですが、当人は記憶を失う病気で、余命幾ばく。それを知っている夫ヘンリーは復帰に反対するが、愛情とは理解されず妻に殺されてしまう…。グレースを心から愛する元パートナーの俳優ネッドは、身代わりとなり逮捕される。

憎しみを感じさせない、悲しい殺人事件

もはやコロンボの名前すら覚えられないグレース。財産をはたいてまで復帰を目指しますが、プロデュースを買って出たネッドでさえ、復帰の難しさを感じていたでしょう。生きているうちに…と世界旅行を提案する夫の優しさも虚しい。幸せとは何であるか?を考えさせられました。

覚えていないという主題

グレースは記憶を失う病気で、シーン各所にその伏線が見えています。ブログゲストさんのコメントにもありますが、何を覚えていて…何を忘れてしまったのか…その焦点もこの作品に不思議な魅力を加味しています。

夫ヘンリーはこの時84歳!

夫のヘンリー・ウィリスは俳優「サム・ジェフ」で、この時なんと84歳。妻のグレースが48歳ですので、36歳の年の差婚なわけです。ちなみに23話「愛情の計算」、ニコルソン博士(66歳)妻マーガレット(33歳)、33歳の年の差婚なのでこっちの勝ちです!

人気ランキングで常に上位を獲得

コロンボ作品の「人気ランキング」では、確実に「5位以内の座を獲得する作品」だと断言しておきましょう。(笑)1位は、やはり「別れのワイン」の指定席。32話ということで、決して傑作ぞろいの初期作品‥ではないのですが、まだこのような斬新なストーリーがあったのだと、びっくりします。

これもひとつのスタイル

私は刑事コロンボの王道的なスタイルとして「成功者の転落劇」にこだわっています。もちろん、そこに刑事コロンボの醍醐味が存在するのですが、この「忘れられたスター」のような「決して悪人とは思えない」犯人によるストーリーも感慨深いですね。19話「別れのワイン」、41話「死者のメッセージ」などに同じ雰囲気を感じます。

執事レイモンドはザイアス博士

ウィリス(グレース・ウィラー)家の執事レイモンドは、その可愛い風貌も含めとても素敵でした。奥様のアルマさんはとても若かったですね。これらの登場人物が、すべて良い味を出してると思います。コロンボ作品で名作と呼べるものには、このように脇役が作品の魅力を高めているものが多い気がします。

猿の惑星や奥さまは魔女などで活躍

執事レイモンド役はモーリス・エヴァンスで、映画「猿の惑星」の「ザイアス博士」でもお馴染みの俳優。またテレビドラマ「奥さまは魔女」では、主人公サマンサのお父さま「モリース」を演じています。

バーク刑事Bではない!

後の作品、41話「死者のメッセージ」、43話「秒読みの殺人」、47話「狂ったシナリオ」に登場するバーク刑事Bの「ジェローム・グアルディノ」ですが、今回はまだバークではなくハリス刑事としてちょい役で出演しています。

ランズバーグ先生とコリアー先生は同僚だ!

31話「5時30分の目撃者」の精神科医コリアー先生と、32話「忘れられたスター」の外科医ランズバーグ先生(ロス・エリオット)の病院は同じでした!詳しくは「廊下に色ラインが描いてある病院」をご覧ください。

この病院で登場する女性警察官

この女性警察官レフコウィッツ巡査部長は、フランシーヌ・ヨーク。制服がよく似合う素敵な女性でしたね。これをきっかけに、ラティ警部など数人の警察署員が顔をだして賑やかになります。

本屋の店員

自殺した(ようにみえる)夫のヘンリー・ウィリスが読んでいた本「マクトウィグ夫人の変身」について、詳しく教えてくれる店員さんは、31話「5時30分の目撃者」のコリアー先生の友人の一人です。

アンダーソン検死官

「アンダーソン検死官」「ハーヴェイ・ゴールド」。33話「ハッサン・サラーの反逆」でも検死官、27話「逆転の構図」ではカメラ店のハリー・ルイスを演じています。日本語吹き替えは「ウイルソン刑事」「ドカベンで徳川監督役」の野本礼三さん。

階段の吹き抜けと壁紙が印象的な豪邸

このウィリス邸は、玄関脇から2階に上る階段がとても印象的で、見上げたり、見下ろしたり、いろいろなアングルから撮影されています。また、花柄を基調とした壁紙も素敵です。グレースのお部屋などは白地にに明るい配色の花柄。それに対しご主人のお部屋などはブルーの花柄になっていて、シックな印象を受けます。邸宅が高台にあることから、窓越しの景色にハイウェイが見えたりして、とても素敵です。

監督:ハーヴェイ・ハート
脚本:ウィリアム・ドリスキル
グレース・ウィラー:ジャネット・リー
ネッド・ダイヤモンド:ジョン・ペイン
執事レイモンド:モーリス・エヴァンス
アンダーソン検死官ハーヴェイ・ゴールド(野本礼三)
 
加筆:2020年11月10日

“32話「忘れられたスター」” への161件の返信

  1. 最後のシーンが印象に残りました。嘘の自白を二週間持ちこたえて見せるというダイヤモンドさんにコロンボはやんわりと同意します。
    徹底して悪を憎むだけが刑事のあるべき形ではないのかもしれないと気づかされました。
    犯人を分かっていながら、大義名分を自分に言い聞かせることなく、見逃してしまうコロンボの心が美しいです。

  2. 殺された夫ヘンリー役のSam Jaffe。どなたも言及されませんのでひとこと。
    1960年代の人気TV番組『ベン・ケーシー』で、Dr.ケーシーの上司として、
    とても存在感がありました。当時中学生だった私はリアルタイムで見ていました。
    「そうなのかね、ケーシー君!」が口癖でしたね。再会して嬉しかったです。

    ちなみに、私は認知症を診る医者ですが、グレース(ジャネット・リー)のように
    どんどん壊れていくケースはマレではありません。

  3. 銃社会アメリカにおいて銃を持たないで刑事をやってるコロンボの心意気。木から飛び降りる時、飼い犬に踏んづけちゃうからどけよと言う。愛すべきコロンボ。今回見直して、ラストの試写室でグレースの顔に映像が映ってるくだりは息を呑むほどうまいなぁと思いました。文句なしの傑作。

  4. ジャネット・リーの老醜(言い過ぎなのは皆様の意見の通りです)の演技が素晴らしいです。
    大根の印象が有ったのですが、こういう役を演じられるのは女優魂が有りますね。
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    昔見たときは、執事レイモンドの奥様が若くて羨ましいなと思いましたが、
    ※最初は父娘の設定かなと思ったくらいです。
    リマスターされた映像では、そうでも無いのかなと思い直しました。(充分若いですが)
    奥様役のリンダ・ゲイ・スコットはメリル・ストリープに雰囲気が似てるなと
    今回思いました。

  5.  コロンボファンながら、恥ずかしいことに初見でした。撮り溜めた国内外のドラマの録画ストックの多くは、一度観たら消してしまうのですが、この作品は消せませんね。
     ジャネットリーの演技に凄みを感じました。とくに終盤、コロンボ招いての上映会で、フィルム直しからのラストシーンまでが、あまりに切なくて・・・。
     初見で、なおかつこの作品のレビューすら見たことないため、ジャネットリー扮するグレースの難病含め、結末を知らなかったのですが、だんだん不穏に、そして悲しく切ない雰囲気に包まれていく終盤のシーンは圧巻でした。
     まさかのダイヤモンドの突然の行動に思わず号泣です。かみさんはベランダにいたのでバレてません(^_^
     このパターン、コロンボにはなかったと思います。
     そして、やはりコロンボの冷静さです。彼は二人の俳優のファンだった。それは本当だったのでしょう。ドラマ前半は、確かにそのテンションでピーターは演じていました。しかし、発声練習に行く直前のグレースとのある会話の後、一人きりになったコロンボは、おもむろに窓枠に両手を置いて外を眺めます。疲れた雰囲気というか、辛そうな雰囲気が漂ってました。ピーターの背中の絶妙な演技、そこには『あぁ、私はあの女優を逮捕しなくてはならない』が込められていたように感じたのです。
     ある意味修羅場のラストのダイヤモンドとの会話も、コロンボは淡々と交わします。コロンボは決して号泣の視聴者を煽りません。これこそコロンボ。

  6. 初見は1980年代自分はまだ10代だったかと思います。別の方も書かれていましたが、歳くって今観たら非常に良い作品で1番かもしれません。別れのワインも良いですが、こちらも素晴らしい。ラストシーンのジョンペインの男前ぶりには感動しました。男たる者かくありたし。それと、グレースの夫がいかに優しかったかにも心を打たれますよね。夫たる者かくありたい。うちは夫婦で全話みているものですから。
    執事がザイアス議長だったことも感激です。ジーラ 博士もコーネリアスも既出です。可愛いメイドさんが、奥様お綺麗ですわと言うシーンがとても印象的でした。グレースは優しい人達に支えられて見守られて生きていたのです。

  7. 先週録画しておいたものをやっと見ました。
    昔見たときと現在とでは、自分が歳を取ったこともあって
    また違った感慨が湧きました。
    イントロ部分で、妻のミュージカル再デビューに反対する
    だんな様が、彼女を「ロージー」と呼んでいることに
    初めて気付きました。
    これがラストシーンと相まって、だんな様もグレースを愛していたんだなぁと、切なかったです。
    しかし歴代犯人の中で、ある意味一番罪の意識が無い犯人でしたよね。なにせ本人が憶えていないのですもの…

  8. 唯一、コロンボが犯人を逮捕しないストーリー (新コロはあったかな)。
    でもそれも納得してしまうというか、そこがこれを名作中の名作としている、稀有な作品です。

  9. いつものコロンボとは違うパターンの結末で、切なさの残る作品でした。
    復帰に懸ける女優というので「ロンドンの傘」を思い出しました。特にインタビューでの喋り方(テンション)とかが似ていました。
    彼女は記憶力が低下している割には、段取りを忘れることなく手際よく犯行を進めたと思いましたが、そこは執念が勝ったんでしょうか。
     
    メイドさんが可愛かったが、まさかあの執事の奥さんだったとは・・・。

  10. テープが切れるシーンなど見た記憶はありましたが、結末が曖昧だったので、最後まで神妙に見れました。
    ちょっと驚きなのは、主人公のジャネット・リーがこの時まだ48歳だったという事。
    だから、踊ったり、木から降りたり出来た訳で、かなり老け役に挑戦していた事になりますね。

  11. いやぁ、こんなどんでん返しでしたか。

    30年ほど前に見たはずなのに、「犯人が忘れている」というオチを忘れて驚かされてしまいました。
    正に「忘れられた『忘れられたスター』」です(笑)。

  12. 祖父が昔よく観ていたコロンボ、今でも放送していると知り、毎週欠かさず観ています。ちなみに祖父は92歳ですが、現在放送されている分も毎週観ているそうです。

    昔のドラマの吹替っていいですよねえ、話し方に品があって。ただ突然大声になったり小声になったりするので、テレビの音量調節が大変ですがw

    1. 素敵なエピソードですね。
      私は妻と一緒に見ることが増えました。
      彼女は初見が多いので、
      それが楽しみの一つになっています。

      1. 羨ましいですね!
        身近で感想を言い合えるのは、一粒で二度美味しい(笑)
        でも意見が合わないと険悪になったりとかで、逆効果かな。

  13. 初めまして。いつもと雰囲気の違うこの作品を見て感銘を受けたのですが、一つ、気になっている事があります。グレースが犯行後、映画を見終わり執事に「旦那様に用を聞いてね」と言い置いて自室へ戻ります。鏡台に座っていると執事が旦那様、と呼んでいる声が聞こえ、それが段々と大きくなり眉をひそめて立ち上がりますね。この時もう彼女は夫を殺した事を忘れてしまっていたのでしょうか?

    1. この回は初見だったのですが、私もあの時のジャネット・リーの表情は犯人にしては何か変だなと思いました。さっき殺した事すら忘れていたのですね。伏線が多くて見事な作品だと思います。ラストは滂沱の涙でした。
      初コメントですが、ブログ主ボロンコさま、楽しい場の提供、ありがとうございます。

      1. やっぱりそうですよね?もうひと時前の事も忘れるようになっていたのでしょうか…辛いですね。
        同じくブロンコ様、いつも楽しく読ませて頂いています。ありがとうございました。

          1. グレースは、覚えていることと、忘れてしまったことが、
            混在しているような設定であれば、さっき犯した殺人を
            もう忘れているという、表現なのでしょうね。

  14. 皆さんと同じく、哀しくやり切れない気持ちになりました。
    心からグレースに仕え賛美する使用人達の言葉に対し、本気で喜ぶグレースの表情が、結末を知るといっそう哀しく見えました。
    動機や環境は全然違いますが、往年の大女優と彼女を最後まで愛した恋人(夫)という共通点で、クリスティの「鏡は横にひび割れて」を思い出しました。
    犯人を断罪できない結末と、それで良かったんだと思わされるストーリー。どちらも大好きです。

  15. 若い頃にこの作品を観た時は、正直あまり感動しなかったのですが、歳を重ねるにつれ、視聴する度に、不思議と味わいが深まってゆきます。
    ジャネット・リーもジョン・ペインも実生活では共に77歳で生涯を閉じられ、ドラマとはいえ今回は更に感慨深い想いがしました。劇中のジョン・ペインが渋くて、なんだか涙が溢れます。

  16. 観た記憶はあったのですが、こんな悲しく切ない終わり方
    だったということをすっかり忘れてしまっていました。
    あと、コロンボが射撃テストの替え玉に
    若干自分に似てる人を連れてきたのは、ちょっと面白かったです。

  17. 非常に感動しました!とても気持ちが入った回でしたね。
    見終わってから数日経ち、感動したラストシーンを振り返り、グレースが思ったより長く生きたらどうなるか考えてしまいました。
    ネッドは殺人犯として裁かれるのか又は、グレースが召喚されるのか?
    ドラマとして大好きな部類に入るし、簡単に恋人やパートナーを殺してしまうことが多いなかで、ネッドの生き様は印象的です。

  18. ぼろんこさんのブログを見つけてコロンボを観るのがまた楽しくなりました。ありがとうございます。

    忘れられたスターは大好きな話です。
    ジャネットリーはサイコの面影がありますね。
    ウォーキングマイベイビーで一人で踊っている脚が綺麗な人は彼女なんでしょうね。サイコでは気がつかなかったが綺麗な脚ですね。
    コロンボに出てくる家はビバリーヒルズやベルエアの豪邸ばかりですが、この家も庭も含めて素敵ですね。それにしてもアメリカの豪邸は映画室がある率高いですね。
    エンディングもコロンボの中でも特に好きです。

  19. 私はコロンボと言えば父を思い出します、小学校のころ「これは始めに犯人がわかるんだよ」と言って愉快そうに教えてくれました。
    それ以来私は大ファンで、今現在AXNテレビでずっと追ってみていると所々部分的に記憶が蘇り感動します。結構な本数を父とみていたんだなあと懐かしく思い出し、私にとってはコロンボは父との懐かしい思い出です。
    この32話忘れられたスターと6話の二枚のドガの絵19話別れのワインが大好きな父でした。

  20. 執事役のモーリス エヴァンズさんは 「奥さまは魔女」のサマンサの父親役の俳優さんですよね。 今まで何度も見てきたのに気づきませんでした。

  21. 最後ダイヤモンドは何と言ったのですか?(聞きとれなくて)。
    コロンボが喧嘩のドアを開けた時です。
    コロンボはその言葉に驚いた様子で、少し間を置いて「そう…」と言いました。

  22. こころに残った作品ですねえ。
    犯行を忘れている(だろう)犯人と、
    意図的に悪びれもせず射撃訓練に替え玉を送るコロンボ、
    どっちが悪人なんだか(もちろん殺人犯ですが)。

    ご指摘どおり、執事さん・立ち代わり来る警察官も普段のしぐさが想像できるような
    それぞれの見事なキャラ立ちが印象的でした。
    身代わり希望の大俳優さんもダンディーでしたねえ。

    距離感が取りにくい義眼で木登り(降りる)したのはすごいなあ。
    さすが、スポーツ少年だったピーター・フォーク。
    それにしても、わんこ、何度も出ますね。

  23. 昨晩、現実に照らし合わしながら観直して凄い皮肉を感じました。
    グレースが頻繁に観ている若い頃の自分が主演のミュージカル映画フィルムが
    古く痛み易くなっていた事が事件解決の糸口になりますが、
    夫を殺害した事すら忘れてしまう彼女が忘れられない自分が最も輝いてた古き良き時代を
    周囲の人達はどんどん忘れていくという哀しみの演出でもありました。

    ところが「刑事コロンボ」は主演のピーター・フォークが晩年に認知症を患い
    自分がコロンボであった事すら忘れてしまうのに作品自体はデジタル&リマスター化が
    進んで周囲の人達に全く忘れられず新規ファンすら獲得していく。

    1. 確かに晩年のピーター・フォークは肥満体型になっているように感じます。肥満は認知症のリスクを高めるようです。
      グレースも、素人判断ですが、認知症を患っていたのでは。脳動脈瘤は、確かに当時の技術では手術不可能の不治の病になり得たようですが、病気の進行に伴って記憶力が低下する、と言った症状は出ないようです。
      脳動脈瘤は遺伝で発症しやすい血管構造だった、それとは別に認知症を患っていた、と考えると、納得しやすい。
      喫煙者である、とか、思ったような芸能活動が出来なかった、などによるストレス。このような状況も若年性の認知症を発症させた一因なのではないか、と考えています。

      1. 成程、脳動脈瘤の症状に記憶障害とか、あったかなぁ…と思っていましたが
        認知症の併発という発想が当時のアメリカ医学界にまだ無かったのかも。
        ちなみにピーター・フォークの認知症は記憶機能や感情表現等が全般的に
        低下するアルツハイマー型と言われていますが、グレースが認知症なら
        脳血管性で典型例では症状はまだら状で初期は物忘れに対する自覚もある、
        人格は保たれるが感情が不安定になり易い等で描写が一致しています。
        本作は前立腺癌への外科と内科のアプローチの違いや、
        拳銃自殺により死体に残る症状等、医学方面の見識が脚本から窺える等
        レベルの高いエピソードである事を再認識させられます。

  24. この作品の質はネッドが高めていますね、良いですね、漢です。
    記憶を失うという設定をもっと掘り下げればよりお涙頂戴に出来そうですがあまり弄りすぎるのも良くないのでしょう。

    気になったのはコロンボが11分の空白の推理を4つ挙げていますが、第4のケースで最も単純かつありがちで納得も出来る解釈が抜けていることです、それはうとうと居眠りをしてしまった、です、お気に入りの映画だったら決して眠ったりはしない、なんてことはないですからね、人間は。

    コロンボがダンススタジオで葉巻を吹かすのは感心しませんね、昔は今よりおおらかだったとは言え場所が場所ですからね。

    1. 「グレース・ウィラーは居眠りをしていた」、これをこれからネッド(とコロンボ)は主張していくのでしょう。

  25. 初カキコです。再放送1話から74歳の母と一緒に欠かさず見ています。母はピーターフォークのファンです。毎週水曜日の9時を楽しみにしています。コロンボを見終わった後、どんなラストシーンでもいつも幸せな気持ちになります。高齢の母親と一緒に見ることができる、今みても色あせないコロンボの世界観が大好きです。

    1. いい話ですね。私も母親と見たいのですが離れて暮らしているので叶いません。
      ですが、放送していることはLINEでお知らせしました。

      1. フラメンコダンサーさん、ありがとう!
        コロンボは親子で共通の娯楽です。離れていても同じ放送を見ていられたら幸せな事と思います。

    2. 私も80半ばの父と、80手前の母とよく一緒に見ています。
      いつも早寝の父が、コロンボの夜だけは頑張って夜更かししています。
      ですが、複雑なラストのときなどは、見終わって「これ、分かった?」と聞かれることが多くなりました。(この辺りに親が年をとったことを感じます。。)
      なので毎回スッキリとした解決であることを願っています!
      横綱さんもみなさんも、いつまでも家族で楽しくコロンボを見られるといいですね。

      1. Bloomさん素敵なお話ありがとうございます。親子で同じ放送を見ている、コロンボを観賞している事がどれだけ幸せな事か、自分も中年になりそれがよく解ります。ささやかな幸せかもしれませんが、これからもそういう時間を大事にしたいと思います。

  26. 際だっていい作品です!何度か見ましたが刑事物にしてはなんとも深みがあります。
    劇中のミュージカル映画、”Walking My Baby Back Home”もぜひ見てみたいですね。歌もいい!
    ところで、亡き夫が妻グレース・ウィラーを別名にしての診断書。その名前が「「ロージー」でしたね。Jannet Leighの出演した別のミュージカル映画”Bye Bye Birdie” (1963)では、彼女の役名がこの「ロージー」です。もしかしたらこんなところにも、洒落があったのかも知れません。心に残るいい作品です。

  27. いつも楽しく拝見させていただいてます。
    細かな点からグレースの病状に気が付くなど、観るたびに発見があります。
    コロンボ警部の人間味ある対応、人気作であるのも納得です。

    正装のコロンボ警部、ポケットに葉巻を差していましたが、この葉巻は本作以前の作品で、どなたからの頂き物….のような気がしましたが、勘違いですよね。
    (31作まで再度観て観ます)

  28. ちなみに本を折り込むことを英語でdog ear と言うのが何度も繰り返されていて、ワンちゃんとかぶって微笑ましかったです。

  29. これは最後にグレースの顔が映画上映の光線に照らされるところ、さらにラストの恍惚の表情が当時から印象的で記憶に残り続けている名作ですね。
    ネッドが今日はショーンコネリークラスに見えました。そして製作側の映画愛、華やかに見える芸能界やスターの陰を描きながらも、なお愛で包んでいることが伝わります。

  30. 今回も相棒ドッグ登場w。自分が年を取るほどに沁みる、哀愁に満ちた一篇。役者さん達がみんな人生酸いも甘いもかみ分けた、味わいのある顔してますねえ。そしてコロンボの正装w。

  31. 他のエピソードの所にも書いたかもしれませんが第五シーズンは「自供せざるを得ない状況」を工夫したのだと思っています。このブログでもよく証拠不十分、確証を得るに過ぎない、と指摘されますが多分本国でもそうだったんでしょうね。そこで逆に「ここで自供しないともっと辛い、屈辱的、恐ろしい目に遭う」から殺人罪で逮捕された方がシャバで生き恥をさらすよりましだ、とか命だけは保障される、という状況設定に追い詰められる展開を凝らしたのではないでしょうか?

  32. このエピソードはジョン・ペインがいなかったらこれほど感動的な作品にはならなかったと思います。グレースを見る目がとにかく素晴らしいです。それから脇役の執事とメイドの雰囲気も抜群で作品に華を添えています。

  33. 本作は、公開年度からもThat’s Entertainmentの影響大ですよね。ミュージカル映画のリバイバル、からすでに50年近く経っている訳ですが・・・私も大好きな作品でアメリカのノスタルジーを感じる点からも、No.1に一票です。

  34. 本題とは関係ないのですが、ジャネット・リーと言えば、私はヒッチコックの「サイコ」のシャワー・シーンが頭に浮かびます。
    この映画でジャネットの妹役をしていたのが、ヴェラ・マイルズ。そう、第18話 毒のある花 の主役です。
    どちらも華のある女優さんですね。

  35. この夏のAXNミステリーで連続でコロンボ全シリーズを録画し、少しずつ見ているうちに、このブログに出会いました。

    どのシリーズもぼろんこさんの解説を読みながら、楽しませて頂いてます。

    この「忘れられたスター」の「忘れられた」は
    、初め「世間に忘れられた」という意味だと思ってましたが、最後の泣きながらも自分の過去の映画をキラキラした笑顔で見ているグレースを見て、旦那を殺してしまったという事実を「忘れることができた」という意味にも捉えることができると思いました。

    勝手な解釈かもですが、そう考えると秀逸な邦題だなと思いました。

  36. 財産を好きにつかうために、長年連れ添った夫を射殺するとは許せない犯罪です。だが皆さん仰っているように、病の進行で善悪の判断力も衰えていたと思うと哀れです。夫の思いやり、ダイヤモンド氏の自己犠牲、そしてコロンボの人間味ある対応など何度観てもいいですね。
    ただし1つだけ皆さんが指摘されない疑問があります。寝台で読書中の主人に執事のレイモンドがミルクの入ったコップと睡眠薬1錠がのった小皿をお盆に乗せて持って行きます。
    ところが私の見間違いでなければ、ご主人のサイドテーブルには既にミルク入りのコップがのっています。
    これはフィルム編成のミスかと思っていますが、ストーリー上の必然でしょうか。どなたか謎解きをお願いします。

  37. 前置きが長くなってしまいますが、ひょんなきっかけ(「殺人処方箋」で妻のキャロルの衣装を着たジョーン・ハドソンがアップになるシーンでソフトフォーカスというカメラ技法を使っていました。あやちゃんさんも同作へのコメントとして「女優さんがすごく綺麗で、アップになるとベールがかかっているようで?一段と綺麗でした。」と残されていました。)
    ならば、ジャネット・リー主演の本作品ではどうだろうかと気になり見直したところ、やはり随所で使われていました。これって、キャメラマンの女優さんへの敬愛の念なのかもしれませんね。
    付け加えますと、映写機の光の中でのコロンボの洞察についてもなかなか見応えを感じました。
    ただ、今回見終わって一番強く感じたことは映像表現もさることながら皆さん同様コロンボの刑事としての姿勢、ネッドの侠(オトコ)気、ヘンリーの慈愛、どれもがとても際立っており、棚から牡丹餅と言いましょうか今まで見えなかったものが見えた気がしました。

    1. お返事が遅くなりました。
      この作日も、独特な雰囲気を持っています。
      ミュージカル女優だということで、音楽もマッチしていますしね。
      私はウィラー邸の部屋の壁紙も素敵だと思いました。
      こんど見てみてください。

  38. CSで久しぶりに視聴してました。このエピソードの、ファンである往年の大スターが犯人と確信し、しかしその犯人が自分の罪すら自覚できないでいるという状況におかれて、それでも「刑事」であることから逃げまいとするコロンボは、なかなか「ハードボイルド」に見えました。
    そういえば、射撃テスト受けろと最初に通告に来た婦人警官が「写真と印象が違う」と言ってましたが、その写真ってひょっとして「殺人処方箋」時代のものなんじゃないでしょうか。そうだとしたら、そりゃ戸惑いますよね。

      1. 銃社会のアメリカで殺人課の刑事が射撃の定期訓練から10年も
        逃げ回っているのって、向こうの人にはどんな風に映っているのやら。
        ちなみに「忘れられたスター」が日本初放映された同年の時代劇
        「新必殺仕置人」では主人公の中村主水が裏稼業と奉行所の剣術定期訓練が
        重なってクビになりそうになるエピソードがありますが「コロンボ」を意識?
        愛妻家、恐妻家の違いはありますがコロンボと中村主水は
        最初は主役で無かったのが風体の上がらないオッサンが実は凄腕というキャラ
        が人気を獲得して息の長いシリーズの主役になった点が共通しています。

  39. 事情があって在宅していたので、久々に見ました。いやあ、やっぱりこの作品は名作ですね。
    内容の素晴らしさはみなさんお書きになっているので書きませんが、とにかくコロンボが犯人を逮捕しない唯一の作品であることがこのドラマを感動的傑作たるものとしているのですね。
    ジャネット・リーが当時48歳…老けて見えました。昔はあんなものだったのかなあ?妻が「若草物語」を知っていて感慨深そうでした。
    一方、ダイアモンド役のジョン・ペイン氏は63歳で、この作品を最後に俳優を引退したのですね。早いなあ。これも昔はそんなものだったのかな?

    1. 最近の女優さんは、アンチエイジングに熱心ですので、
      このような昔の女優さんより、若作りなのでしょう。

    2. へえ! 48歳ですか。
      という事は、「サイコ」の時は33歳。こちらは逆に若く見えますね。
      ヒッチコックの演出かな?

  40. ぼろんこさん
    初めまして。
    突然失礼します。
    とっても素敵なブログです。
    子供の頃刑事コロンボにハマり今も好きです。
    事情により暫く日本を離れ最近やっとDVDを手に入れ10年ぶりに32話「忘れられたスター」を見ました。
    唯一コロンボが犯人を捕らえない作品という記憶でした。ノベライズ版の記憶と映像の記憶がごっちゃになっていました。がラストはやっぱり涙しました。
    大人になってみる観るとジャネト・リーが素敵で、ジョンペインが渋い役者さんだと言うことがわかりました。
    劇中映画は、ジャネト・リー自身の出演作品で、ちょっと調べたら、音楽がヘンリーマッシーニ!
    あっすみません、そんなことは、こぼろんこさん始めここに書き込まれる方々既にご存知ですね。

    1. コメントありがとうございます。
      昔みて、今また、ハマっている〜
      という方が多いですね。
      私もそのひとりです。

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