59話「大当たりの死」

Death Hits the Jackpot
1991[第11シーズン 59話]

ありそうで無かったテーマで楽しい!

3000万ドルの宝くじを当てた甥のフレディ・ブラウアー[ゲイリー・クローガー]を叔父のレオン・ラマー[リップ・トーン]が殺害。投資の失敗で破産を免れなくなった宝石商レオンが、宝くじで大当たりした甥フレディを巧みに騙し、賞金を横取りします。もしもこのような場面に遭遇すれば、誰しも陥りそうな心境を表現しています。

賞金額は約30億円

1ドルを100円と考えて計算すると、3000万ドルは約30億。フレディは気前よくレオンに10%をプレゼントすると言っています。3億円ですね。投資で大失敗したら、3億円では物足りないか…。ナンシーとの共犯で、分け前(1/2)で15億円になってしまうことを考えると「共犯者の始末」も、構想にあったかな…恐ろしい。
※執筆当初、1ドルを300円強で計算しましたが、100円程度で再計算して文章を訂正しました。(2013年4月)

大当たりを甥から強引に奪い取った男

コロンボ警部から次々に「ひっかかる点」を指摘され、当然のごとく無理矢理「肯定」しまくるレオン・ラマー。「当たり番号=カメラの絞り値」を発見され「その通り」と認めるシーンは爆笑。「宝くじで大当たり」を甥から強引に奪い取った男の心理描写も面白く描かれた作品でした。

音楽の使い方が実にうまい

オープニングから場面転換などで使われている音楽がとても可愛いですね。フレディが「オレは金持ち」と鼻歌を歌う曲です。甥っ子が宝くじに当たったというストーリーの始点をうまく表現しています。その反面、突如シーンが途切れるように感じる場面もあり、不思議でした。

レオン・ラマー役のリップ・トーンが素晴らしい

犯人役のリップ・トーンは素晴らしいです。発する台詞のあちこちで「可愛さ」を発見できます。コロンボと初対面で迫真の演技を終えた後「ス~」っと息をつくシーンが特に好きです。吹き替えの阪脩(さか おさむ)さんも素晴らしいのでしょうね。

犯人役のカテゴリーとしては「可愛い系」です。人間臭さがプンプンですね。奥様のピアノの演奏を聞いてあげている場面は上手く表現されています。絶妙の「偽善者」ぶりです。

なかなかの名言

レオン・ラマーが甥のフレディに「お前が悩みをひとつ語り、私がひとつ語る。全部語り終えてまだ持ちこたえている方が、賞金を獲るとするか?」とぼやいたのは名言。

ジェイミー・ローズも可愛い

共犯のナンシー役:ジェイミー・ローズも馬鹿女ぶりを好演しています。コロンボの前で「迫真の演技」を披露しますが、難なく見抜かれてます。これもなかな笑えるシーンです。殺人の共犯者ということで、結局は賞金を受け取ることはできなかったのでしょうね多分。

 

下品な描写が少しだけ残念…

その反面、私が少し残念に感じたのはナンシーとレオンの描かれ方(男女関係)がいかにも下品なこと。性的な描写なしでも成立したと思うのです。ただ、この下品さがこの作品の最も特徴的な面であると考えれば納得です。それを差し引いても、新・刑事コロンボの中では好きな作品のひとつです。

じたばたするラストシーン

またエンディングでは互いを仲間割れさせて、一網打尽にする作戦が見事に成功しています。これは、犯人が潔く犯行を認めるという「コロンボの美学」には反しますが、新シリーズではこのようなラストも多くなりました。

ストローラー刑事

主に後半に登場するジャック・ストローラー刑事はウォーレン・ベイリンガー。コロンボと同年代っぽくて可愛い刑事さんでした。

トライコン工業の警備員が再登場

26話「自縛の紐」のトライコン工業のエレベーターの警備員を演じた「エド・マクレディ」がレオン・ラマーの宝石店の警備員になっています。ラマーが3000万ドルを当てたことをコロンボに教える人です。

監督:ヴィンセント・マケヴィティ
脚本:ジェフリー・ブルーム
レオン・ラマー:リップ・トーン
ナンシー・ブラウアー:ジェイミー・ローズ
フレディ・ブラウアー:ゲイリー・クローガー
 
加筆:2017年12月24日
 
 
 

“59話「大当たりの死」” への19件の返信

  1. コロンボは映像だけでなく小説版もあるのは多くの方が知っておられると思いますが、
    二見書房から出版されたこの作品(小説)には2016年に合衆国大統領に就任する
    ドナルド・トランプの名前が出てきます
    甥のフレディの死をラマーに伝えに来たコロンボ
    当日はハロウィンだったため会場への来場者はみな仮装
    そこに現れたレインコート姿のコロンボを見て、参加者の一人がこう言います
    「面白い仮装だこと。あれはドナルド・トランプかしら?ねえ、ジョン。あの仮装はミスター・トランプなの?」(121ページ)
    映像版でもトランプと言っているのでしょうか?
    この作品を持っていないので分かりません
    そしてなにより、コロンボのあの姿がなぜトランプ氏を連想させるのか?
    詳しい方いましたら教えてください
    二見書房小説版のこの作品の初版は1994年2月です

  2. コロンボがチンパンジーに語りかけるシーンが大好きで、何度も聴き直してしまいました!
    「こわかったね~。でももーーー、大丈夫だよー。こわくないよ~~。」
    って、これこれ。これがコロンボの情味溢れる魅力たっぷりの部分!と、一人で大喜びです(笑)。
    きっとコロンボは普段も、道ばたで猫がニャーニャーしてくると、しゃがんで語りかけてるんだろうなぁ、と想像できてしまう。
    石田さんの言い回し、本当にいい!
    そのチンパンジーが解決への道しるべになっている。
    犯人が被害者にプレゼントしたカメラで写されたショットがヒントになって。さらには、露出表示の数字までもがセットで、ダイイング・メッセージになってしまっていた。
    犯人自らが、己の首を絞めたことになって。
    ここが面白いポイントだな、と感じました。
    被害者宅に集まって、「何となく声かけたら、なんだか偲ぶ会になっちゃって。」という台詞もステキでした。このアパートはきっと、人情長屋ならぬ、<人情アパート>なんでしょうね。お金は無いけど、みんなで助け合う、という風な。
    詩人のお姉さんが不思議な雰囲気で良かったです。シルバーの髪色というのが何とも風流で。。
    歌と詩と、芸術的な雰囲気を持った女性でした。コロンボに好意的でもあり。この女性のおかげで和めるお話になっていたのかもしれません。清潔感と芸術性のエッセンスを一滴、添えてくれたおかげで。。。
    仮装パーティが登場する話も、個人的には好きです。
    でも殺人に至る理由は、分かち合うことをせず、独り占めしたい!!という執念のような思いだと、再度感じました。
    分け合うことで何だか損をしたような気分になる。
    そんな邪な心の隙に、魔が付け入るんですね。
    ものすごい大金をゲットした被害者は、アメリカンドリームの代表者だったのでしょう。
    日本人にとっては額が大きすぎてなじめないケタ違いの金額ですが、でも、製作者側の意図は伝わりました(笑)。
    それにしても犯人役の役者さん、素晴らしい存在感で、まるで舞台を見ているようでした。
    人間的にも味のある方だったのでしょうね。
    ・・・こんな風に、ほんの1シーン、一言、一瞬の登場人物の表情など、とても印象にのこるシーンが刑事コロンボには沢山あって、それだけでも、「ああ、見て良かった!」と思えるのです。
    本当に有難いことです。

  3.  リップ・トーンが『メン・イン・ブラック』に出演した際、TV放映版では石田太郎さんが吹き替えました。『ミラクルマスター』も石田トーンです。
     BS-TBSのシリーズ最大の難点は二ヶ国語放送でない点と思いますが、原音と並べて視聴出来ればピーター・フォークがもっと阪脩さんそっくりに、レオン・ラマーが石田太郎さん似の声に聴こえたかも知れません。
     アベコベだなこりゃ。

  4. 前のコメントで、レオン、ナンシーそれぞれが無罪を勝ち取ることを考えた。
    だが無罪を勝ち取る最も重要なのは、共犯同士の信頼関係ですね。
    コロンボは、この信頼関係へクサビを打ち込み崩すことで逮捕のキッカケを
    作ります。信頼関係を完全にすれば逮捕されないと言いたいところですが、
    この信頼関係は、殺人や横領というヨコシマな行為がベースなので、
    クサビを打ち込み易いものです。コロンボの最も得意とする状況です。
    安全策は、やはり共犯者までも殺害することでしょう。

  5. コロンボ特有の知的な雰囲気は感じられませんが、金に目が眩む醜い人達のドラマとして面白く見れました。

  6. 「花はどこへ行った」ですね。
    非常に有名なフォークソングなので、ちょっと検索すればいくらでも情報が出ますよ。

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