- 「オスカー俳優レイ・ミランド」の主演映画「失われた週末」を観て。
- 「ウイルソン刑事」が初登場。
- コロンボ警部は「ビリヤードが得意」の記事。
- ジャービス・グッドイン「ベントレーS2」
- トニー・グッドイン「ジャガーXK-E」
ランの栽培家ジャービス・グッドウィンは、莫大な遺産を受け継いだ甥トニーの狂言誘拐を計画。成功の後、甥を射殺し身代金を横取りしたというお話。事件の背景にはおそらく「ランの栽培で儲かっていない」「甥の嫁の素行に腹を立てていた」ということもあるのでしょう。(原語では「グッドランド(Goodland)」という姓が正式なようです)
レイ・ミランドがピカイチ!
グッドウィン伯父さんは毒舌を連射
犯人のジャービス・グッドウィン伯父さん(レイ・ミランド)は、数在るコロンボシリーズの犯人中、もっとも「ひねくれた性格」だったとも言えます。口を開く度に「憎まれ口」を連射。とにかく口が悪い人でした。それがミランドの表情・台詞と相まって、独特な悪人像を作り出していましたね。日本語版の臼井正明さんも良かったのでしょうね、音声言語を切り替えてみても違和感が全くなかったです。車の襲撃を偽装するために銃を構えたグッドウィン伯父さんがトニーに向かって「どいてくださらんか、坊や」と吐き付ける台詞は見事。
オスカー俳優レイ・ミランド
決め手となった「第3の弾」
コロンボがジャービスの温室で「金属探知機」を使って発見した「第3の弾」は事件解決の決め手になりました。が、よく考えてみますと‥ジャービスの銃(未登録)とキャシーの銃(登録済)をすり替えても、銃違いでバレちゃうのでは?とも、思いますね。銃本体にシリアル番号など、あるでしょう?
ウイルソン刑事
事件現場での転落シーンは早回し?
テレビ番組で三谷幸喜氏が語っていた「転落シーン」は、何度見ても笑えますね。自分には少し早回しで再生しているのではないか?と思えました。転落後にそのまま撮影が続いていることから、アクシデントではなく「狙って作ったシーン」だと考えましたが、それにしても凄い!刑事コロンボはアクションシーンに頼らず、ストイックな程「犯人と刑事の会話」にこだわったドラマですが、こうした「ユニークで笑えるシーン」を盛り込むことにも情熱を注いでいますね。
グローバー刑事は万年ヒラか?
被害者の夫人キャシーの家宅捜査で年下のウイルソン刑事から手足のように使われて、少し気分を害していたのでしょう。その後コロンボ警部の言いつけで弾道検査の報告を持ち込みむ際に、少し自慢げな顔を見せていました。
被害者のトニー・グッドウィン
妻のキャッシーも強者(つわもの)
ストーリー後半で夫殺しの容疑(濡れ衣)をかけられた妻キャシーが警察本部に連行される途中に、ジャービス・グッドウィン邸に呼び戻されて…
コロンボ警部「奥さん今晩は。お疲れでしょう、とにかく…おかけください」
キャシー「いいえ結構、私立ってます。(どうせ)刑務所に入ればゆっくり休めるんではありませんこと?」と突っ込んだのは、鋭い切れ味でした。
邦題は「悪の温床(おんしょう)」のパロディ
悪の温床とは、悪人・悪事や悪い思想を助長する場所のような意味で使われます。それを「温室」とかえて邦題化したのでしょうが、ジャービス・グッドウィンの悪人ぶりとイメージが合致して、こっけいで可愛い印象すら与えています(笑)
「不気味とユーモア」両極端な印象の不思議な作風
お気づきとは思いますが、この作品の特長として「不気味な音楽」を挙げたいと思います。しかしその反面、セリフは皮肉やユーモアに溢れています。この両極端な2つの要素が独特な雰囲気を醸しています。
可愛らしい「グロリア・ウエスト」
宇宙大作戦とサンドラ・スミス
宇宙大作戦とアーリーン・マーテル
同じマンションに住んでいる?
マリーナ・デル・レイ
キャッシー夫人のヨットハーバーは「マリーナ・デル・レイ」で、31話「5時30分の目撃者」のマーク・コリアーのヨットハーバーと同じ場所です。
マリーナ・デル・レイ
監督:ボリス・セイガル
脚本:ジョナサン・ラティマー
音楽:オリヴァー・ネルソン
ジャービス・グッドウィン:レイ・ミランド(声:臼井正明)
フレデリック・ウイルソン刑事:ボブ・ディシー(声:野本礼三)
トニー(アンソニー)・グッドウィン:ブラッドフォード・ディルマン(声:山田康雄)
キャシー・グッドウィン:サンドラ・スミス(声:阪口美奈子)
グロリア・ウエスト:アーリーン・マーテル(声:北浜晴子)
ケン・ニコルズ:ウイリアム・スミス(声:津嘉山正種)
グローバー刑事:ロバート・カーンズ(声:寺島幹夫)
加筆:2023年1月4日
犯人「悪の温室」
コロンボのカミさん「趣味の園芸」
コロンボのカミさんがアフリカンバイオレットを枯らしかけて、鉢を犯人のジャービス・グッドウィンの温室に捜査のついでに持っていって「何とかなりませんかねえ?」と相談し、「こんなものは捨てるしかないですなあ」とか何とか、にべなく相手にされなかったのに、物語の最後で、犯人は萎れて哀れに死にかけていたアフリカンバイオレットを見捨てずに密かに見事に蘇らせ、蕾を付けるまで成長させていてコロンボを驚かせ感心させた・・・、その、犯人の一片の優しい真心のこもった行為に、どこか救われる思いでした。
アフリカンバイオレットはセントポーリアの一品種。日本では40年以上前、家庭でセントポーリアを育てるのが大ブームだった時期があると、以前確か『趣味の園芸』を見て知りましたが、アメリカでも同様だったのでしょうか。
・崖から転げ落ちる大げさだが意味がないアクション
・音楽が煩く自己主張が他の話よりも強い
・間男を隠しもしない下品な妻、なぜか居座る図々しい間男
前話「黒のエチュード」人形のようなプラチナブロンドの可憐な奥様を見た後で、
頬骨が目立つあまり綺麗に見えない浮気妻なので何とも
相棒役の登場以外にも、コロンボに対する上司からの評価を語らせたりと、
この話の担当者は妙な感じですね
The Greenhouse Jungle の意味
以前別の方が書いたようにジャングルは弱肉強食の危険地帯です。私はこの作品を見たとき、「温室で誰か殺される」、と思ったら、外れました。平気で浮気をする妻、その愛人、夫とその愛人、そして犯人である叔父その辺の人間関係がジャングルかな。叔父が妻をはめて銃を彼女の家に用意するが、凶器の証拠(弾丸)が温室で見つかったことでやはりジャングルは色々あるんだなと思いました。 高価な蘭の鉢がたくさんある温室なら私なら鍵をかけてコロンボが気軽に入れないようにします。
初めまして、と言いながら実は何年も前に一度だけ、コメント差上げたことがありました。それ以降、たまに思い出しては覗かせていただいております。
さて、実は私、レイ・ミランド氏が主演を務めたヒッチコック作品「ダイヤルMを廻せ」がもしかしてコロンボの原型ではないか、と疑っている人なのです 笑
原題の「dial M for Muder」も何となくコロンボっぽいですね。そんな彼が後年、コロンボ作品に2度も出演しているのは間違いなく何かの縁ではないかと。
レイ・ミランド氏出演の本作「悪の温室」も「指輪の爪あと」も大好きな作品です!!
「ダイヤルMを廻せ!」先日録画したものを鑑賞しました。レイ・ミランドの細かい目の動きや仕草にいたるまで職人芸のような演技、本当に素晴らしかったです。
そして、kiyoさんのこの映画はコロンボの原型ではないかというご意見、全く同感です。
理由として、
①倒叙法である
犯行前に犯人は誰か、また動機も視聴者に明らかにしながら進行していく。
②敏腕刑事が活躍
ひとつひとつの小さな事実を見逃さず、推理を組み立てていく。的を得ているので、犯人はどうしてそう考えるのか?と聞かずには居られなくなる。最後に小細工をして犯人をおびき出し、ボロを出させる手法もコロンボにそっくり。
➂刑事が帰りかけて、また戻り「それからもう一つ。」と犯人に言うシーンがある。
この映画は1954年製作、舞台版コロンボ「殺人処方箋」が誕生したのが1962年。リチャード・レヴィンソン、ウイリアム・リンクは、ヒッチコック劇場のシナリオも提供していたそうなので、ダイヤルM〜がコロンボに影響を与えた可能性は充分にありそうですね。
最近各話のコメント欄で言及しましたが、22話「第三の終章」や44話「突撃命令」でも「ダイヤルMを廻せ!」を意識して制作されているようなので、あの名作が「刑事コロンボ」に与えた、直接、間接的影響は実に大きかったのですね。
元々「刑事コロンボ」の原作者、レヴィンソン&リンクは、『ヒッチコックマガジン』などに短編を数作発表して小説家を目指したり、ヒッチコック全盛時代に脚本家としての腕を磨いていたので、コロンボというキャラクターが影響を受けないはずがないですよね。
今まであまり意識していなかったのですが、私は、ぼろんこ様の、本ブログのコメント欄で、「ミステリー」と「サスペンス」の言葉の混同を時々していたかもしれません。
周知の通り、元々「ミステリー」というジャンは、「犯人やトリックの謎解きをしていく作品」。犯人が最後までわからなかったり、殺人のトリックがラストに解決されたり、あるいは読者に向けて仕掛けられる「叙述トリック」が使われる作品も「ミステリー」。
一方、「サスペンス」というジャンルは、「見る人に犯人や真相が明かされていて、その解決までの緊張感や不安感を楽しむ作品」のこと。視聴者や読者に犯人が分かっていて、「その犯人をいかにして追い詰めていくか」であるとか、「主人公はその過程でどんな恐怖や緊張感を味わうか」などをハラハラしながら楽しむ作品も「サスペンス」。
ヒッチコックは、言うまでも無く「ミステリーの巨匠」ではなく「サスペンスの巨匠」。サスペンス色が強い「刑事コロンボ」がヒッチコックから影響を受けたのも、当然といえば当然ですね。
YC-30さま
「ダイヤルMを廻せ!」を観たときは、「これ、コロンボ!」と心の中で叫びました。物語の展開の仕方が非常に似ていましたから。
DVDの特典映像の解説によると、ダイヤル〜は元々当時評判の良かった舞台劇を映画化したものだそうで、ヒッチコック監督は「舞台ですでに成功しているのだから、映画化するにあたって変更を加える必要は無い。」と言い、舞台劇をそのまま映像化したような映画になりました。確かに、ほとんどのシーンがマンションの一部屋の中で終始しています。しかし監督の的確な演出、カメラワークにより、まったく閉塞感が無い仕上がりとなっています。
そして、「刑事コロンボ」の殺人処方箋も、同名の舞台劇から始まりましたよね。
脚本を手掛けたウイリアム・リンクが、この舞台劇を構想する際に、ダイヤル〜から直接ヒントを得たかどうかは、そういった情報を目にしてないので私には分かりません。
しかし、コロンボの他のエピソードにもダイヤル〜がしばしばオマージュとして登場したり、ダイヤル〜に出演していたレイ・ミランドが「指輪の傷跡」「悪の温室」、またヒッチコック映画の常連だったジョン・ウイリアムズが「ロンドンの傘」に出演したりということを考え合わせると、影響力を持っていたことはほぼ間違い無いと思っています。
またコロンボの第一作目「殺人処方箋」は、すでに成功している映画、また舞台劇をベースに作られていることから、非常に完成度が高かったということですね。
tempus fugitさまのこのエピソードに向けてのコメント(2022年7月31日 7:00 PM)の中の「これぞコロンボのアルファでありオメガ、原点にして究極のコロンボ、との感を強くしました。私にとっては現時点で全エピソード中の最高傑作との位置づけです。」というご意見はごもっともだと思います。
後年、シリーズ化してから様々な創意工夫がされていくことになるのですが、ある程度のバリエーションを経た後、さらに高みを目指すのは至難の技だっただろうと、あらためて感じます。
まさこ さま
>後年、シリーズ化してから様々な創意工夫がされていくことになるのですが、ある程度のバリエーションを経た後、さらに高みを目指すのは至難の技だっただろうと、あらためて感じます。
同感です。
『刑事コロンボ』シリーズを、新しい作品から過去に遡って鑑賞していくというのは、今回やってみましたが実に不思議な体験でして、1話「殺人処方箋」こそが最高の最終回であるような錯覚に陥ってしまいそうなんです。
変な喩え話で恐縮ですが、熱帯魚を飼うのが趣味の人が、色んな変わっていたり、美しい種類の魚を飼ってはみたが、結局「熱帯魚の飼育はグッピーに始まりグッピーに終わる」っておっしゃる言葉を思い出します。クラシック音楽の趣味で喩えれば、私はまだ到底その心境にはなりきれませんが、色々聴いてきた方が、よく、結局西洋音楽はバッハが究極の音楽で最高であったとおっしゃいますが、それにも似ているのでしょうか?
tempus fugitさまの
「これぞコロンボのアルファでありオメガ、原点にして究極のコロンボ、との感を強くしました。私にとっては現時点で全エピソード中の最高傑作との位置づけです。」
は、長年このシリーズを愛し深く熟知された方ならではのお言葉であり、重みがありますよね。
グッピーに始まりグッピーに終わる。
バッハに始まりバッハに終わる。
殺人処方箋に始まり殺人処方箋に終わる。
深いですね!
グッピーは分かりませんが(魚の飼育は未経験)、バッハについては、何となく分かるような気がします。YC-30さまに比べたら、つまみ食い程度しかクラシックは聴いていないですけど(笑)
バッハのあのシンプルな美しさは何百年経っても通用しますよね。
殺人処方箋も、コロンボの原型としての基礎的なものが確立されていますからね。
しかし個人的にはまだクラシックもコロンボもその境地には至っていません。クラシックはロマン派が好きなので、それを導いた革命児としてのベートーヴェンも凄いと思いますし、コロンボも目移りするくらい他に好きなエピソードがあるので…まだまだ作品の読み込みが足りないのかもしれません。
YC-30様
まさこ様
こちらのコメントを拝読したら、「殺人処方箋」につけた拙コメントに言及されていたので、気恥ずかしく思っております。
私としては、「『殺人処方箋』、それほど人気があるわけではなさそうだけど、オレにとっては一番凄いと思える作品なんだよぉ!」と言いたかっただけなのですが、いざコメントを書き始めたら何だか身構えてしまいまして・・・。そしてこのシリーズ、ある一作を安易に”最高傑作”と言い切れないほど高水準の作品が目白押しなので、ちょっと大げさな書き方で思慮に欠けたかな?とも反省しております。
「ダイヤルMを廻せ!」は私も見たことがありますが、もうずいぶん前のことで、悲しいことに今や「面白かった!」程度の記憶しか残っておりません。これは再度見なくてはいけないな、と思っていますが、ぜひさらなる比較と分析をおうかがいしたいところです。私は最近読んだ “Shooting Columbo” からの引用をいろいろ書き散らしていますが、作品内容を考察した本ではなく、良くも悪くもしょせんは舞台裏のエピソード集。”Dial M for Murder” についても検索しましたが(Kindle本はこの点便利)、ひと言も触れられていませんでした。
バッハに言及されていたので少し脱線してネタばらししますと、「殺人処方箋」に書いた拙コメントの最後に書いた”たとえ”は、私にとっての”無人島の一曲”であり、自分の葬式でも流してもらいたいと思っているバッハの「ゴルトベルク変奏曲」を連想したので書いたものです。アリアに始まり30の変奏を旅してアリアに回帰して終わるこの作品、すぐ耳をとらえるアリアの主旋律ではなく、その低音部を主題として変奏が繰り広げられますが、「殺人処方箋」ってシリーズでそうした存在なんじゃないか?と感じたのです。
私はそれほど多くのクラシックの作品を知っているわけではありませんし、バッハについては、(私のような)楽理を知らずキリスト教徒でない者には理解できるものではない、とどこかで読んで、考えてしまったこともあります(「コロンボ」でたとえれば、「アイルランド問題とリメリックを正しく理解せずに、『策謀の結末』を味わい評価できるとお考えなのですか?」と突っ込まれたようなものでしょうか)。しかしその昔、大変辛い経験をした時に、「マタイ受難曲」を聞いて救われたような気持ちになったのは、私にとってまぎれもない事実です。バッハに限らず、広い支持を集め高い評価を得ている作品は、必ずしも専門的に理解しているわけではない人をも揺り動かす力があるのではないか、というのは素人の浅はかな考えでしょうか。
脱線が過ぎたうえ長くなってきたのでここらで止めておきます。
tempus fugit 様
まさこ 様
tempus fugit 様より、バッハの「ゴルトベルク変奏曲」や「マタイ受難曲」のお話をしていただけるとは、嬉しい限りです。
私は、旧の最終45話「策謀の結末」でも新の最終69話「虚飾のオープニング・ナイト」でもいいのですが、終わったら1話「殺人処方箋」のテーマに回帰していきたくなるような、円環としての「ゴルトベルク変奏曲」を、「刑事コロンボ」シリーズ全体でイメージしておりました。
クラシック音楽がバッハだけでは極めて寂しいジャンルにしかならないように、「刑事コロンボ」も「殺人処方箋」だけでは、いくら傑作だからといっても、これほど世界中から評価され続けることは無いでしょう。
コメントのやり取りから、「殺人処方箋」にしてもバッハの音楽にしても、「座標軸の原点」と位置付けたくなりました。「北極星」的存在と言い換えてもよいかも知れません。
YC-30さま
>クラシック音楽がバッハだけでは極めて寂しいジャンルにしかならないように、「刑事コロンボ」も「殺人処方箋」だけでは、いくら傑作だからといっても、これほど世界中から評価され続けることは無いでしょう。
まったく同感です。
バッハに関して、「トッカータとフーガ」「G線上のアリア」など超初心者レベルの曲しか知らない私は、あれからWikipediaで調べてみましたら、彼は死後長い間忘れ去られ、19世紀に入ってからようやく再評価されたそうですね。ここに何か「殺人処方箋」に共通するものが感じられます。その後の数々のエピソード群の影に隠れがちですが、もっと再評価されて良い作品でしょう。
tempus fugit さま
>バッハについては、(私のような)楽理を知らずキリスト教徒でない者には理解できるものではない、とどこかで読んで、考えてしまったこともあります
それを言われてしまうと、私たちは海外の文化を楽しむのを全て否定されたような気がしてしまいますね。コロンボにしても、アメリカに居住した経験があり、英語で理解出来なければこの作品は理解したことにならないだろうと言われてしまうようなものです。
文化や言葉の違いにより理解していない部分があるにしろ、何かしら私たちに喜びや感動をもたらしてくれるのであれば、その作品が持つ力でありその魅力に背を向けてしまうなんて勿体ないです。
「ゴルトベルク変奏曲」「マタイ受難曲」ご紹介いただいたのを機会に聴いてみます!
「ダイヤルMを廻せ」はまだ見ていませんで、ぜひ見たいです!!
こんにちわ。
蘭の栽培家、皮肉な物言い、豪奢なライフスタイルと、犯人とレックス・スタウトが著した名探偵ネロ・ウルフの姿がオーバーラップしたミステリファンは少なくないのではないでしょうか。
レイ・ミランド、圧巻の犯人役。すべてが露呈したときの表情もよかった。
また、ドライブのバックに流れる軽快なBGMが耳に残ります。
放映は中学の時でしたが、一時学校で「ハリキリ坊や」というフレーズが流行りましたっけ。
ドライブのバックに流れる軽快なBGM、私も大好きです。
よく聞くと「ベース(低音楽器)」のアレンジがかっこいいです。
犯人が「指輪の爪痕」に出てきたご主人と同じでした。前の誠実な新聞社主の印象が強いので犯人役をやるにはもっと間を置いてからの方が良かったのでは?
今回は殺人動機がよく分かりませんでした。 金目当てなのかしょうも無い甥とおさらばしたかったのか? しかしあれだけの蘭を栽培し豪邸に住み高級車も持っている。あの人にこれ以上のお金が要りようとも思えません。
やはり刑事物は殺人動機がクリアなことと登場人物が少なく人間関係が分かり易い方がいいですね。当時はどれくらいの間隔を開けて放映されたのかは知りませんが、今連続して1話から見ていくと以前の作品との類似点(脚本上の繰り返し)が目に付きます。
1.偽装誘拐と30万ドル(死者の身代金)
2.証拠品を家に持ち込み犯人に仕立て上げようとする(二枚のドガの絵)
3.信託財産のひきだし(死者の身代金、パイルD3)
今回の特徴は若手刑事の登場と科学捜査を取り入れようとしたことでしょうか? コロンボ自身が金属探知機で証拠を見つけるなど今までなかったことです。あっけない幕切れで「黒のエチュード」のようにしつこくコロンボが会話の中で追い詰めていく場面が見られませんでした。このやりとりがコロンボの醍醐味なので今回は50点です。
そうですね〜殺人の動機となると、かなり壁が高いのですが。
ジャービスはトニーの妻キャッシーが大嫌い。
なので、彼女を殺人犯に仕立て、頼りない甥を殺させ、
彼らの財産を奪いたかった‥。
すみません、あらすじ解説になってしまいました。
今回BS放送とブルーレイで、原語、小池吹替、石田吹替で三回視聴しました。少し変化球的な面白いストーリー展開で、とても楽しめました。
最後、私がジャービスなら、こう釈明して言い逃れしようと試みます。
「この温室(日光浴室)に誰かが侵入する事件があってから後、トニーが我が家に来る時は必ず自分の拳銃を携帯するようになっていたんだ、護身用にね。私はそんな物騒なものは持ってくるんじゃないと毎回きつく叱ったのだが、トニーは疑い深くてね。密売や趣味目的で、希少で高価な植物を盗もうとする輩は多いから、伯父さんの家は危険だと言って聞かなかったんだ。
ある時、温室(日光浴室)の中で蘭を眺めながらトニーと雑談をしていたら、一匹の大きなネズミが走っているのを目にした。トニーが自分の拳銃で仕留めようと発砲したが、上手くいかなかった。
ここでトニーが所持していた拳銃の銃の弾が発見された理由は、ただそれだけのことさ」
照る民さんの、往生際が悪く見苦しい言い逃れ(笑)を、読んで、いくつか疑問点が残りました。
① キャシーの銃=トニーの銃と考えていいのでしょうか? それとも、アメリカの家庭では夫婦で別々な銃を保持することは、一般的なのでしょうか? その場合、一家に二台自動車がある家のように、夫婦でお互いの銃を交換して持ち歩くなんていうこともあるでしょうか?
あるいは、一家で登録済の銃と未登録の銃を両方所有するなどということも、普通なのでしょうか?
⓶ ぼろんこ様のブログ本文に記載されているように、キャシーの銃は本当に登録済だったのですか? ドラマ中にそうした台詞がありましたでしょうか? これは私の聞き逃しかもしれません。
③ ぼろんこ様ご指摘のように、銃本体にシリアル番号など、あるのでしょうかね。連邦制であるアメリカの場合、州によっても法律が違いますし、どうも、銃社会ではない日本に住んでいる我々にとって、細部の事情に分かりかねるところがあります。
たしか1968年ごろから、全米で銃にシリアルナンバー刻印は義務付けられていたはずです。
ですので、私も引出しに入れていたキャシーの銃は未登録だと思います。登録済だったら、靴から見つかってもシリアルナンバーも照合しないうちから刑事や警官が大騒ぎする必要などないし、フィナーレに向けた、どんでん返しのストーリー自体、成立しなくないですか?
音頭丸殿さん
往生際が悪くて、それは悪うござんしたねえ(笑)。
トニーの受付嬢グロリア・ウエストがジャービスとの深夜の温室での会話の中で、「トニーが以前、32口径持っていたけど、奥さんにやったと言ってた」と打明けたところから、妻のキャッシーが机の引出しにしまっていた拳銃は、夫トニーから貰ったものだと推察できます。しかし、この夫婦間譲渡は届け出をしたのでしょうか?
他方で、より分からないのは、もっと前のシーンで、何者かが温室に侵入してジャービスが威嚇射撃をして警察に届け出た事件があったのに、ジャービスがコロンボに、彼がトニーから貰ったと主張する未登録の拳銃を家に置いたままにしていたことを自白して謝ったこと。当然、警察に温室侵入被害事件を届け出た時、未登録の武器を威嚇に使用したのなら、この事件を機に、警察から登録させられたとみるのが自然なのですが、この流れの辻褄が合わず、よく理解できません。
言いたいこと、わかります?
照る民さん、君もしつこい男だな、まだ何かあるのかね?
こっちは忙しいんだ!(笑)
2SC372さんが指摘されたように、1968年ごろから全米で銃にシリアルナンバー刻印が義務付けられていたのなら、「悪の温室」初オンエア当時の1972年は、まだまだシリアルナンバー刻印が義務付けられる前に作られた古い拳銃が市中に多く出回っていたと考えていいのでは? 当時警察に古い拳銃を登録したって、シリアルナンバーは発行するだけで、登録時に拳銃に刻印まではしなかったんじゃないですかね? だから、型式が同じ2丁の古い拳銃なら、登録の有無にかかわらず、外観上は区別が付かなかったのではないでしょうか?
ましてや、線条痕までは、事件が起きないと調べないと思います。
>分からないのは、もっと前のシーンで、何者かが温室に侵入してジャービスが威嚇射撃をして警察に届け出た事件があったのに、ジャービスがコロンボに、彼がトニーから貰ったと主張する未登録の拳銃を家に置いたままにしていたことを自白して謝ったこと。
とおっしゃるが、当該箇所の台詞をよく確認してみてください。
ジャービス「よろしい、自白するよ」
コロンボ「自白って何を?」
ジャービス「未登録の武器を置いてあったことをだよ。それを言いたかったんだろ?」
コロンボ「めっそうもない、目じゃありませんよ。町じゅうの未登録の武器所有者を引っ張て来て御覧なさい、住民の半分はブタ箱入りですよ!」
つまり、「未登録の武器を置いてあった」のは過去のことで、コロンボとの会話時には登録済と解釈してもよろしいのでは? だから、コロンボも「一応登録しておいてくださいね、市民の義務には違いないんだから」などとは言わなかったのでは?
アメリカの「1968年銃器統制法」を調べてみられるといいですよ。
「米国が認可した製造業者によって製造された銃、または新たに米国に輸入された銃には、シリアル番号を刻印をしなければならない。ただし、この銃規制法の制定前に製造された銃は、シリアル番号の要件が免除される。銃に刻印されたシリアル番号を改ざんまたは消去した者は、重罪に科せられる」といった条項があります。
これは、「刑事コロンボ」旧シリーズの、他の回をご覧になられる場合も、時代背景として知っておいたほうが良いかも知れません。
先日、私の古くからの友人が、
「そもそも、アメリカ国民が銃を手放さないのは、俗説に言う『ガンロビーの暗躍』ゆえにではなく、銃規制は憲法問題、つまり改憲問題だからだ。
これは憲法9条の改正や武装権の明記に、日本国民が頑強に抵抗するのと同じだ」
と述べていました。
私はその解説に、妙に納得しています。
ご承知のように、The Second Amendment (Amendment II) to the United States Constitution(アメリカ合衆国憲法修正第2条)には、
A well regulated Militia, being necessary to the security of a free State, the right of the people to keep and bear Arms, shall not be infringed.
「規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有しまた携帯する権利は、これを侵してはならない」
とあります。
>>実は再放映の機会が少ない不運な佳作では?⇒と昨年の感想に私、書き込んでますが、今回の視聴で、脚本のジョナサン・ラティマーの貢献ではないかと思いました。私は翻訳ミステリファンではないし、同作家の小説未読ですが、かつてはハヤカワや創元推理文庫から出ていましたし、一寸検索してみたら近年では論創社のミステリ叢書から刊行されて再評価が試みられているので、昔の米国では所謂、流行ミステリ作家のひとりだったので読ませる(ここでは視聴者を引き付ける)ツボを心得ていたのだと思います。
この回は何度か観ていますが、今回も車がいいです。
ジャガーeタイプのロングもいいが、ベントレーのクーペが好きです。
あんな車に乗ってて、あの家に住んでてお金がないジャービスは惨め。
30万ドルの為にはリスク多すぎ。
車、蘭、家具等なんか売れよと思ってしまう。
豪邸や高級車の維持費のために金に困って、今回の犯行を発案したとは考えられませんかね。あのベントレーも、最新型じゃなく10年ぐらい前の型らしいし。自営業の社長とか芸能人とかだと、世間体のために無理して豪邸や高級車の維持にこだわって、実は借金に苦しんでるなんて珍しい話じゃありません。見栄なんか捨てて人付き合いもしなければともかく、社交界なんてところに出入りしたいのなら、必須アイテムというものがある。
この回は、音楽もいいんですよね。車が走るあのシーンの不気味なBGM、山田康雄氏の好演にも負けない存在感が耳に残ります。
最後のシーンに皆揃い踏みして大団円を迎えることはオペラ的な演出だと感じました。
レイ・ミランドの名優ぶりは存分に味わえるものの、「蘭のコレクション愛好家」という設定は、コロンボに登場する才能と社会的地位あるエリートな犯人たちの顔ぶれの中では、やはり、ちょっと物足りないですね。
ウィルソン刑事に焦点を当てて、36話「魔術師の幻想」を続けてご覧になると面白いですよ。36話では、見事にワトソン君的役割を担っています。
今回、小池朝雄 吹き替え版で気になったところがひとつ。夜、ジャービスの行動を追っているシーンで、ウィルソン刑事が、以前から自前購入し愛用している高級な暗視装置付カメラ(夜間望遠レンズ)のことを説明した後、コロンボの羨ましそうな台詞「おまえさん独りもんだろう」(だったかな?)だけが、銀河万丈さんの声に差し替えられているように聞こえました。ここは、前の回でどなたかが指摘されていた「一部の配慮すべき用語」を差し替えた可能性が高いのではないでしょうか? では、元はどんな台詞だったのか?
当時なら「チョンガーはいいね!」みたいな感じだったかもしれません。
あっ、それからもうひとつだけいいですか?(コロンボ風)
ピーター・フォークの運動神経だったら「蒲田行進曲」の階段落ちでもやれたかも!
「伝説的な名警部」「ヨレヨレコートのブ男」
という両極の評価が語られる回。
坂を転がる所、僕にも早回ししているように見えましたが、なんとタバコを離してませんね!
ウィルソン刑事に火をつけてもらい、坂を降り始めて転がり、立ち上がった時点でちゃんと指に挟んだまま。( ゚Д゚)y─┛
レイ・ミランドの眼の演技が絶品です。眼だけで色々な感情を表現しています。こういうのを上手い役者と言うのでしょうね。ちなみにピーター・フォークはジェスチャーによる演技が個性的ですね。
お早うございます。
度々皆さんの指摘がありますが、コロンボの坂落とし(10秒足らずのシーン)は印象的で、彼の愛すべき人柄を感じてしまうシーンですね、何故かほのぼのします。
●『悪の温室』は暗転スタートからピーター・フォークのタイトルが入るまで、5分かかってる。
いつもドラマが始まってすぐタイトルが出るのがだいたいだと思うんですが、5分は長い(悪い意味でなく)意図的で面白いですね。
●殺人が行われる前にコロンボが登場した初の作品だそうです。
→コロンボ登場は9分前後
→犯人ジャービスが第3段階だと言って甥のトニーを殺害するのが36分半前後
ストッキング被ったトニーがジャービス運転の車のトランクに隠れてるところを、コロンボ&ウィルソン刑事が車停めさせてるんですよね………トランク開けさせてたら殺されずに済んだのに。トニーじゃなくてジャービスがヒヤヒヤしたんだろうなぁ。
本当に坂転げは、よくぞスタッフ方々も許可を出してくれましたよね~
ビックリです。NGで何度もチャレンジしちゃったら笑えますね・・
何故トランクの見なかったのか・・・・
よく見ますと、転げ落ちる前のコロンボの顔は、かなり緊張していまます。
急坂を下りるので思い出すのは「レッドサン」の三船敏郎です。このとき付き合わされたチャールズ・ブロンソンが「だって、三船が自分でやると言うから俺もやらざるを得なくなった」とぶつくさ言ったとか。
三船はこの映画で馬にも乗っているがその乗馬のうまさでもスタッフを唸らせたそうです。
ジャービスさん、イマイチ、蘭に対する愛情が無いみたいですね。
蘭の美しさや、栽培の難しさ等のウンチクは云わず、価格の事しか言わないし、商売に徹している感じです。
「別れのワイン」のエイドリアンさんとは大違いで、面白いです。
コロンボが持ち込んだ「アフリカン・バイオレット」も、ジャービスさんが手を入れた、というより、温室設備の良さで勝手に?蘇生した感じです(笑)
私もそんな感じがしました。
蘭のお世話は庭師がやってたのでは?盛んにコロンボさんが庭師に聞いて温室に入って来ましたよ。
ジャービスさんは買ったり売ったりだけではないかなあ。
そうそう・・・勝手に成長(笑)
でも。。蘭を愛する人は私の知ってる限り
愛情深い人が多いんですが・・・
本作品、崖を転がり落ちるコロンボが印象的ですが、崖から落とされる黄色いジャガーも印象に残ります。昔のヨーロッパ車のデザインは美しいですね。フェラーリやシトロエンなど、今では見られない曲線美の欧州車が出てくるのもコロンボを観る楽しみの一つです。逆に当時のアメリカ車はとにかく幅広く直線的でマッシブでお国柄が出ています。 別の作品では信号待ちの古いサニークーペが写っていて、日本車のコンパクトさが際立っていました。 ところで、犯人が乗る車に欧州車が多いのは、アメリカの自動車メーカーに気遣ってのことだったのでしょうかね。
崖から落ちた黄色いジャガー、なんだか、ボディとシャシだけの「大道具さん作成」の様に観えるんですが...
賛成です。ヘッドライトなんか跡形もなくなっていましたよね。あそこまで壊れるかっていう。
明らかに別物ですが、制作予算の都合でしょう。ジャガーは確かヘップバーンのおしゃれ泥棒にも使われてましたね。 品があって美しい車です。
同感(笑)
はじめまして。
途中クルーザーのシーンで5万ドルで別れる云々の話をコロンボがしたと思いますが、それはあの一緒にいた男が本当は貴方を愛してなんかいないんだよって事を女性に伝えるためだったのでしょうか?どうも、しっくり来ないのですが。
そうですね。コロンボは自由奔放な振る舞いを見せるキャシーに対し「あなたの夫トニーは手切れ金として5万ドルを何とか工面してケンと別れさせてあなたに戻ってきて欲しかったんですよ」と伝えて諭したかったのと、ケンに対し「おまえさんにとってキャシーは5万ドル程度の女だったんだな」と皮肉を言いたかったのと両方だと思います。
メル・ファラーはヘップバーンの元ご主人でしたよね
本当に今でも着れそうな素敵なファッションでした
二人から道徳がなんだとか結構言われていますんで、
応酬的に、グロリアの言葉「5万ドルで別れる」話を出したように映りますが、
どうでも良い会話というわけでもなく、
トニーが偽装誘拐の話に乗った理由がここにあるわけですね。
被害者妻はおばさんくさいが、ファッションはかなりセクシーでごちそうさまでした。浮気症だが旦那も大切?
けっこう魅力的なキャラクターだと思います。
甥っ子はどうみてもシュワルツェネッガーに見えるのは拙者だけぇ??
妻さんのアフリカバイオレットを忘れかけた時のコロンボの最後のセリフ 「かみさん、おっかないから〜」でしたが、 原語は「If I forgot. my wife kill me!」と聞こえました。 間違っていたらごめんなさい。 はにかみながらのこのセリフ、いいですね。
アメリカ人は深い意味もなくI’ll kill youってよく言いますね。日本人が聞くとびくっとしますが。
物騒ですね(笑)
レイ・ミランドの若い頃の代表作「ダイヤルMを廻せ!」を数年前に観ましたが
浮気した妻に殺人の罪をなすりつけようとして破滅する主人公。
「指輪の爪あと」と本作のキャスティングはここに由来?
ちなみに彼の頭髪云々のご指摘がありますが
本作初登場のウィルソン刑事も「魔術師の幻想」で再登場した時には…(涙。
「ダイヤルMを廻せ!」 (論創海外ミステリ211)は戯曲版の翻訳です。コロンボ、古畑の文学的祖先のひとつがこの作品らしく、コロンボ研究家の町田さんの詳しい解説が付いているので、書いてあったような記憶があります。
ジャービス・グッドウィンの愛車はベントレーですよね。ずっとロールスだと思い込んでいましたが。
それから、トニー・グッドウィンって何の仕事をしていたのでしょうか。グロリア・ウエストが「トニーの受付をしていた」と何回も言われていたので、何をやっていたんだろうと不思議で仕方なくって。
【原題解釈】
The Greenhouse Jungle
直訳すると、「温室の密林」。
お馴染みのもじりとか引っ掛けがない面白みに欠けるタイトルに思えましたが、お気づきの方がいらっしゃったらどうぞ教えてください。
Jungleの中には猛獣やらいろいろな生き物が棲息している訳でありまして、そういう意味でこのグッドウイン一族周辺の人たち(ひとりとしてまともな人がいない感じ)がそれを表しているのかもしれません。
『刑事コロンボ完全捜査ブック』(町田暁雄著、宝島社)の解説によりますと、
「アスファルト・ジャングル」(1950年)や「コンクリート・ジャングル」(1960年)といった映画が元ネタのようです。”弱肉強食な密林のような都会”という意味合いで犯罪映画に使用されていて、それに”温室”を結び付けた、と解説されています。コロンボのエピソードはタイトルごとにそれぞれ何か意味合いがあるようで、それを推理する楽しみもありますね。
そんな背景があったのですね。ありがとうございます。邦題については、管理人様の「悪の温床」のもじり説を採りたいと思います。
「コロンボのエピソードはタイトルごとにそれぞれ何か意味合いがある」と考えて間違いなさそうです。雑誌The Economistの記事のタイトルなども、ほぼ100%何か(聖書やシェイクスピアやマザーグースや最近の流行り言葉など)の言葉遊びです。欧米のインテリ層の好みなんでしょう。
なるほどね。
毎回書いてますが、今回放映も「巣ごもり生活」でリアタイ視聴です。さて、トニーの表情の終始情けなさは役者の地かしら?。今回は特にピーターフォークの左目が生き生きして右義眼のクールさが際立つ、ように感じます(?)。光ると言えばピーターフォークの運動神経を見せる転落アクション、ビリヤードの腕前初披露ナイスですねw。そう「蘭」私は花は素人なんですがw、今じゃ日本でもすっかりポピュラーなようですね。ジャービス役のレイ・ミランドの悪っぷりいいですねえ。そうそう、ウィルソン君、dogに続くコロンボの「バディ(相棒)もの」なんですねえ。キャシーのファッションと「変さ」が映えてますねえ。ドラマの展開としては終盤、グロリアが犯人にも予想外の絡み方をして、コロンボが犯人の愚行を誘導するパターンとは一味違うのが私には文字通り「面白い」ですし、「第3の弾」の伏線とその回収が「鮮やか」です。あれ、実は再放映の機会が少ない不運な佳作では?
最後の銃弾のくだりは「野望の果て」につながっているようにも見えます。
最後コロンボがどうして温室に入り込めたのか知りませんが、動かぬ物的証拠の結末は、「死者の身代金」同様スッキリしたものでした。刑務所を覚悟していた夫人が、目の前で急展開された事の顛末にあっけにとられる表情と、コロンボが元気になったアフリカンバイオレットを奥さんのために忘れずに持ち帰るシーンが印象的です。ウィルソン刑事が導入したハイテクが事件解決の鍵となります。捜査におけるコロンボの柔軟性ですね。米国では今でも似たような金属探知機で公園なんかで結婚指輪を探しているヒトを見かけることがあります(おそらく商売)。
う〜ん面白い情報!ありがとうございます。
金属探知機ネタは「虚飾のオープニング・ナイト」につながっているようにも見えます。
ウィルソン刑事いいですよね!彼とコロンボの掛け合いだけで、このエピソードの魅力はぐっと増していると思います。
事件は「死者の身代金」以来二度目の偽装誘拐殺人ですが、計画の細部に粗いところが目立ちますね。車の弾丸だったり、偽装した基地にわざとらしさがあったり。同じテーマでもこの後の「逆転の構図」の方がより巧妙なシナリオになっています。
それにしても「指輪の爪あと」のケニカット氏は人徳を持ち合わせている好人物でしたが、今回のジャービスはかなりいやなやつでしたね~。
ジャービスは、口が悪すぎ(笑)
奥さんに死なれて、しかもその前に浮気までされていた、というスキャンダルが暴露され、ケニカット氏は没落してしまったのでしょうか? それともケニカット氏はあの後失意のまま死去、前妻の子であるトニーに信託財産を残したのか、つまりジャービスはケニカット氏の弟なんだろうか、ということを想像してしまいます。
本作で個人的に印象強いのはウィルソン刑事!!
ホントかわいすぎます^^しかも野本さんの吹き替えがあまりにハマりすぎ!!ホント、本人が日本語で喋ってるんじゃないかというくらいで、お見事としかいいようがないです。吹替版を見るのは、コロンボシリーズは特に、多くの声優さんの力量を見る思いがするので大好きです。勿論小池朝雄さんがきっかけで吹き替えの面白さを知ったのはいうまでもありません。
野本さんの吹き替え>実にお上手です!
ピーターフォークは、現場で本当に坂を転がっていました。驚きました。
結果的に受身らしい格好でしたが、ヘタすると後ろ頭を打ち付けていたでしょう。
いつもの事だが、出先においてコロンボに電話がかかってきた場合、
「こちらへ伺うと言ってきたので」という言い訳をしますね。
どうという事でもありませんが。
ウイルソン刑事のコロンボ以外の刑事に対する高圧的な物言いが滑稽です。
事件の解決としては唐突な感じもありました。
最後のコロンボの優しい一言が印象的でした。
これ、三谷幸喜さんもびっくりしています。
本当にウイルソン刑事・・何故あんなに高圧的なの??
皆さん、感じてますよね・・・
日本語版ではよくわかりませんが、ウィルソン刑事はSergent(巡査部長)なんですよ。他の刑事より、実際に格上なんです。経歴にも触れられてるように、明らかに出世コースに乗ってます。だから張り切って、他の刑事に高圧的になるのは不自然じゃありません。
久々に見ました。
とにーの奥さんと愛人どちらも目が大きく可愛らしいですね。
旧コロンボはあまり綺麗な人少ない気がするのでこれはよろしいなあ。
タップおばさん>山田康雄さんのトニー、良いですよね。おじさんとの掛け合いが最高です。
akikoさん>はじめまして!「出会いは小学生」「現在!かなりハマってます」は、どちらも私と同じですー。お好きな作品など、ありましたらまた書き込んでください!
作品としてはかなり良質ですね。
私にとって何より印象的なのは被害者役を吹き替えた山田康雄さんです。
あの口調でスラスラスラーっとセリフを回したり、トニーの情けない性格をナチュラルな声ではっきり表したり、
今の「アニメ声優」がどうやっても到達できないであろう「老若男女に覚えられる名職人」の域を感じます。
初めての投稿です!!
私もボロンコさんと同じく初めてのコロンボ刑事との出会いは小学生でした。
それから現在!かなりハマってます\(~o~)/
すみません、こんなコメントで。。。
エースさんコメントありがとうございます。「口の悪さ」では旧シリーズ中ベスト(ワースト)ですね!新シリーズでは、もう一人「フィールディング・チェイス」も手強いです。
どうもジャービスの口の悪さが犯人としての品格を落としているように思います
“指輪の爪あと”のケニカット氏はいい感じのおっちゃんだったのに残念です
ジャービスに限らず登場人物のダメっぷりが“新”刑事コロンボに近い印象を受けています
しかし引っかきまわし役に見えた“はりきりボーイ”ウィルソンの存在が金属探知機につながりあの解決に導く脚本はお見事で、こちらはさすが“旧45作の威厳”といったところでしょうか
とっしーーさん、4話と別人だったでしょ(笑)それにしても今回のグッドウィンさん、口が悪いですよね~~。それがゆえに、どんどん自分の首を絞めています。
おぉ壁打ちのおじさんのために「指輪の爪あと」に1票入れておきますね!
ウイルソン刑事とグローバー刑事の人間関係も、この回の見どころのひとつですね!
いや~今見終わりました(´ー`*)
レイミランドは、4話の指輪の爪あとの殺された奥さんの亭主だったんですね!
4話ではハゲてたのに、11話では髪の毛が・・
これは聞かない方がいいでしょうか?(笑)
僕が今回印象深かったのは、ミランド扮するジャービスが妙に高圧的で、性格悪そうだな~と思った事でした(笑)
背が高いからでしょうか?なんか、渡哲也さんを悪人風にした感じ?!ちょっと似てましたね^^
トニーの奥さんの浮気相手のケン、ごつかったですね^^;トニーの相談相手(?)の艶やかな女性もミステリアスな表情を隠し持っているし・・
不思議な印象です。
しかし、アメリカは女性の部屋着(?)はセクシーすぎますね(笑)
ほぼ胸見えてますし、日本ではNGでしょうねww
さて、レイミランドが4話に出てた事を知って、また見たくなってしまい、ラストシーンを見てしまいました(笑)
コロンボとのジャガイモの話をするシーン、ここだけで両者の演技の素晴らしさ、表情の細かさが出ている気がしました♪
カッコイイ!!
さて、皆さんが仰っているように、コロンボの坂をこけ落ちるシーン(笑)
こういうユーモアさ&抜けている感が、コロンボの人気の秘訣なのかな~(´ー`*)
関係ないですが、僕がテニスの壁打ちに行った時に、知り合いの70代のオジサンがいるんですが、コロンボの話で好きなのは何ですか?
って聞いたんです。
そしたら「指輪の爪あと」ってお答えされたんです^^
僕と同じで、ちょっと嬉しかったです♪♪
そうそう、グローバー刑事は相棒の前のシリーズの捜査一課トリオで右京を「警部殿」っていう人に似ていますね!
ウイルソン刑事のハリキリボーイぶり(笑)と
グローバー刑事との掛け合い、こういう設定や随所に出てくる微妙な演技の細かさが、他のアメリカドラマや日本のドラマと、大きく違う気がします。
ここが素晴らしい所だと思うんですが、大雑把すぎず細かすぎず・・絶妙なバランス感覚が
僕は大好きです!!
見どころたっぷりでした。
◇被害者宅の庭がものものし過ぎて、警察の介入が犯人にばればれ。
◇コロンボが警察内で一目置かれていることが分かる貴重な作品です。
◇グロリア・ウエストの吹き替えは「奥様は魔女」のサマンサ役でおなじみの北浜晴子さんでした。
◇たしかにレイ・ミランドはいかにもなカツラを被っています。
◇キャシーの胸元がずっと気になって仕方がないです。
◇ジャービスは「かつて自分が持っていた拳銃をキャシーが盗んだのだ」と抗弁できそう。
◇コロンボのウイルソン刑事に対する態度はいただけない。あれじゃ後輩は育ちません。
yasさん、コメントありがとうございます。
駆け出しだが、今後はかなり出世の望めるエリート、ウイルソン刑事。それに対し、叩き上げであまり出世できなさそうなタイプのグローバー刑事。どちらもコロンボ警部をたいへん尊敬していることが表現されていて、嬉しいですね。
コロンボの転落シーン、何度も戻して見てしまいました(笑)
ウイルソン刑事、グローバー刑事の微妙な立ち位置や人間関係が良いアクセントになっていて楽しめました。
marrさん、おっしゃる通り不気味な人間関係が描かれていますね。面白いのは、コロンボが何度もジャービス氏に「なぜ、そんなに妻のキャシーが不利になるように考えるのか?」指摘しているのに、ジャービス氏は全く気づかないことですね。
一般社会と隔絶されたような?不思議な人ばかりが登場していますね。
ジャービス氏もランの栽培が職業じゃなさそうだし。
口を開けばトニーの奥さんへのしつっこい皮肉ばかりで、嫌味じじいっぷりが印象深いです。
トニーの奥さんキャシーも、亭主公認のボーイフレンドいたり、コロンボに別の愛人の存在もばらされるし(これは余計なセリフ)。家にいるときはグラス片手にずっと色っぽいランジェリー姿。それでいて失踪した亭主を本気で心配しているようで。よくわからない奥さんです。
仕事をして稼がないカネモチたちの精神的な腐敗を描いたのかな。あまり登場人物に感情が向けられませんでした。
あと面倒を見なくなった高価なラン、どうなったんでしょうね?