「さっき誰々さんにお会いしましたが、あなたのこと、褒めてましたよ」
この台詞は刑事コロンボの作品中、コロンボ警部や口達者な犯人役がよく口にする台詞です。これはおそらく、警戒心を持った相手の心を開かせるための巧妙な褒め言葉と思われます。やはり人間というもの「褒められて気を悪くする人はいない」ということでしょう。
それにひきかえラストシーンなどで犯行を暴かれた犯人の悪態に対し、「あまたの才能は認めます、でもその他はてんでいけません」(参照:美食の報酬)と、人格否定するのも見逃せません。多くの場合、コロンボ警部は殺意の種類により、同情したり、怒ったりすることがあると思われ、犯人が自分の犯行を突き止めたコロンボに対し「いっそ、この刑事を殺してしまえ」と短絡的解決方策に走った場合「人格否定」の発言が見られる気がします。
生きていく上で、「褒める」が相手と闘う上で最大の武器になることがありますね。
劇作家、菊田一夫氏の、
「役者殺すにゃ刃物はいらぬ、ものの三度も褒めりゃいい・・・」
とかいう言葉は有名ですね。
「褒め殺し」なんていう言葉が流行った時代もありました。
「ハニートラップ」も一種の「褒め殺し」・・・、ああ、それだったら私も殺されてみたい!!