宇宙大作戦(スタートレック)と刑事コロンボ

宇宙大作戦(スタートレック)は1966〜1969年に放送され、人気を博したSF連続ドラマです。幾度となく再放送され、私ぼろんこも夢中になって見ておりました。刑事コロンボがシリーズ化されたのが1970年代ですので、その両方に出演した俳優さんは、宇宙大作戦では若々しく、刑事コロンボでは円熟した演技を見ることができます。
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ウィリアム・シャトナー

William Shatner

ウィリアム・シャトナーは、何と言ってもSFテレビドラマ「スタートレック(宇宙大作戦)」のカーク船長役で一世を風靡した人気俳優です。子供の頃は、「刑事コロンボ」「宇宙大作戦」この2作品は、夢中になって見ていたものです。

ルーサン警部の犯罪

刑事コロンボにはまず最初に、38話「ルーサン警部の犯罪」に出演しました。作品としてはどうでしょう、人気はあまり高くないようです。ウィリアム・シャトナーの良さみたいな部分もあまり感じられませんでした。

4時02分の銃声

いわゆる新シリーズとなりますが、63話「4時02分の銃声」のフィールディング・チェイスの方がハマり役だと感じました。新シリーズというだけで敬遠されがちですが、お時間のある方にはおススメします、ぜび一度ご覧ください(笑)。吹き替えもカーク船長の「矢島正明」さんですしね。

38話「ルーサン警部の犯罪」

Fade in to Murder / 1976

2010年4月2日の放送を不覚にも見逃し、7月1日のNHK BSでの再放送を慎重に録画し無事に見ることができました。これで刑事コロンボシリーズ全69話を全て見たことになります。

カーク船長

ウィリアム・シャトナー犯人ルーサン警部こと俳優ウォード・ファウラーは、ウィリアム・シャトナー:スタートレック(宇宙大作戦)のジェームズ・カーク船長。シャトナーはその後63話「4時02分の銃声」にも出演。2010年のバンクーバーオリンピックの閉会式でも、その健在ぶりを拝見しました。

パベル・チェコフ

ウォルター・ケーニッグトニーの店での初期捜査に参加するジョンソン刑事はウォルター・ケーニッグで宇宙大作戦スタートレックのロシア人将校「チェコフ」でした。コロンボ警部との共演で、すごく楽しそうに演技しています。

ティモシー・ケリー

ティモシー・ケリーデリカテッセンの主人トニーは、2話「死者の身代金」5話「ホリスター将軍のコレクション」などで毎回レストランのオヤジを演じる「ティモシー・ケリー」。いつも存在感のある演技ですね!大好きな俳優さんです。

ジョン・フィネガン

ジョン・フィネガンテレビ局のアシスタント・ディレクター(セットの裏でコロンボ警部と遭遇する男性)は、他の刑事役やバーニーの店の主人を演じる、言わば準レギュラー級の俳優「ジョン・フィネガン」

フレッド・ドレイパー

フレッド・ドレイパーさらに冒頭シーンで大根役者を演じるのは、18話「毒のある花」31話「5時30分の目撃者」37話「さらば提督」と多数出演のフレッド・ドレイパー。こちらもコロンボファンなら見逃せない俳優です。

ビクター・イゼイ

ビクター・イゼイそしてそのテレビドラマ収録(劇中劇)の犯人コンロイ役は、26話「自縛の紐」で検死官、36話「魔術師の幻想」では鍵屋の主人と、本作を含め3作に出演したビクター・イゼイです。今回はメガネなしで少しイメージが違いましたね。

シェラ・デニス(シーラ・ダニーズ)

シェラ・デニスそして、殺害されたクレア・デイリーの旦那(シド)の秘書(愛人)モリーはシェラ・デニス(ピーターフォークの嫁)でした。彼女は42話「美食の報酬」50話「殺意のキャンバス」58話「影なき殺人者」66話「殺意の斬れ味」64話「死を呼ぶジグソー」にも出演。

テレビ局長「ウォルター・グレイ」

フランク・エメット・バクスター撮影を中断して、ウォードのギャラについて議論をしているテレビ局長(ウォルター・グレイ)は、「フランク・エメット・バクスター」。7話「もう一つの鍵」で、犯人ベス・チャドウィックに「自分の方針に逆らうなら再就職を考えなさい」と脅される広告代理店の役員(フレッド)と同一人物。30話「ビデオテープの証言」でもブロンソン巡査にも酷似しているが確証はありません。

同じくテレビ局の重役

マイケル・ラリー同じシーンで登場するテレビ局の重役は俳優「マイケル・ラリー」。この人は、24話「白鳥の歌」で墜落現場のテレビカメラマン、27話「逆転の構図」で、証拠置き場のガードマンとして出演しています。

ちょっと難解なストリーの序盤

ストーリーは面白いと思いました。が、作品の時間が短いので少しヒントが省略されすぎていて、見逃し易いエピソードだった気がします。「クレアがトニーの店でサンドイッチを買う」という電話での話も、聞き逃しそうでしたし、二人の会話を良く聞かないと「クレアがウォードを恐喝している」ヒントには気付きませんでした。

クレアがもう少し悪人に見えたら…

ローラ・オルブライト実際にはクレアはウォードのギャラの半分を奪い取っていました。でも何となく…クレア(ローラ・オルブライト)のキャラクターがそれほどの悪人に見えません。素敵な女優さんですが…すこし残念。

決定的な証拠は不完全燃焼

洋服の弾痕のずれ、マスクの化粧など、捜査段階でのコロンボ警部の「着眼」は見事です。それに対し「証拠」とされた空砲の指紋は、残念です。もっとストーリーの流れの中で「証拠」を引き出したかったですね。例えば11話「悪の温室」のように。

マークはウォードが歳をとったみたい?

バート・レムゼンウォードの家で一緒に野球を見る男性「マーク」はバート・レムゼンです。この男性、なんとなくウォード(ウィリアム・シャトナー)と似てますよね?実際のウィリアム・シャトナーは、この歳になってもこのように老けませんでしたが。

ウォード・ファウラーの身長は?

ウォード・ファウラーの身長が話題になるシーン。演じたウィリアム・シャトナーは公式発表で177cmだということですが、少し…サバを読んでいるかな?

コロンボ警部がテレビ番組に特別出演

ジョン・フィネガンこの時にとばっちりを食い「お陰でNGですぜ」と言うアシスタントスタッフ、白いシャツを着たおじさんは俳優ジョン・フィネガン。ご存知ですね、重鎮脇役です。

そのNGのシーンのスタッフの女性

ドロシー・デルス同じシーンのテレビ局のスタッフで、コロンボの存在にいち早く気づき仲間に教える、黒いセーターの金髪女性は、女優ドロシー・デルス。この人は36話「魔術師の幻想」のジェロームの秘書で、「今夜も大入りですか?」と話しかけると話しかける人です。

超重要な豪邸なのです!

アンジェロドライブの豪邸17話「二つの顔」のクリフォード・パリス邸、34話「仮面の男」のネルソン・ブレナー邸、38話「ルーサン警部の犯罪」のウォード・ファウラー邸は同じ家です。車の入り口〜ロータリー型の車寄せ、アーチ型の白い装飾の門扉(今回改装され白い板の扉に変わっていた!)、大きな暖炉が特徴です。 アンジェロドライブの豪邸
ウォード・ファウラー邸

監督:バーナード・L・コワルスキー
脚本:ルー・シャウ、ピーター・S・フェイブルマン(黄金のバックルで警備員シェイファー)

ウォード・ファウラー:ウィリアム・シャトナー(声:山城新伍)
クレア・デイリー:ローラ・オルブライト(声:岩崎加根子)
マーク:バート・レムゼン
シド・デイリー:アラン・マンソン(声:稲垣昭三)
ジョンソン刑事:ウォルター・ケーニッグ
トニー:ティモシー・ケリー
モリー:シェラ・デニス
役者ジョセフ:フレッド・ドレイパー
役者コンロイ:ビクター・イゼイ
テレビ局長ウォルター・グレイ:フランク・エメット・バクスター
テレビ局の重役:マイケル・ラリー
テレビ局ディレクター:ダニー・デイトン
アシスタントディレクター:ジョン・フィネガン
テレビ局スタッフ:ドロシー・デルス
舞台係:ジョン・ギルグリーン
舞台係:ジャック・バール
舞台係:デビッド・アームストロング
カメラクルー:ジミー・ジョイス

加筆:2024年8月29日

63話「4時02分の銃声」

Butterfly In Shades Of Grey / 1993
ジャック・ラウファーラジオ有名コメンテーターで政治評論家の「フィールディング・チェイス」が養女の友人で元スタッフのジェリー・ウインタース(ジャック・ラウファー)を殺害。フィールディング・チェイスとジェリー・ウインタースの家の場所→刑事コロンボMAP

ウィリアム・シャトナー+矢島正明さんが実現

犯人はかのカーク船長ことウィリアム・シャトナー。今回はこの主人公の圧倒的なキャラクター描写に尽きます。しかも吹き替えの矢島正明さんは絶品。短気で怒鳴り散らしたかとおもったら、猫なで声で電話をかけるなど、ばっちり楽しませてくれました。矢島さんは、ロバート・ヴォーン(29話「歌声の消えた海」のダンジガー、37話「さらば提督」のチャーリー・クレイ)も持ち役としていましたが、この2作とも西沢利明さんが担当されています。

カーク船長 vs 刑事コロンボ

カーク船長と刑事コロンボの競演というだけでも、他に何も必要ないほど「濃い」状況。冒頭のラジオ番組放送シーンで「カーク船長がチャーリーからの電話を受ける」というシーンにも少し「ニヤリ」でした。

怪物「フィールディング・チェイス」

ウィリアム・シャトナー犯行はかなりリスキーですし、わざと残した証拠のハンカチなど幼稚な面も見逃せません。それにしても、このフィールディング・チェイスという人物像、強烈です!コロンボ警部の「そうそう、もう一つだけ…」の展開に「そんなに物忘れがひどいなら、病院へ行きたまえ」とリアクションした人物は初ではないでしょうか。

少し大袈裟なトーンの吹き替えと評される石田太郎さんですが、今回のトーンは矢島正明さんとの絡みもあり、けっこう良い雰囲気だったと感じました。その中でもエンディング近くのフィールディングの自宅で、ビクトリアの母の肖像画に対し「温かい人柄が偲ばれますなー」と、小馬鹿にしたような台詞まわしは絶妙でした。

久々の「こうなったらコロンボを殺してしまえ」

さらには解決シーンでは、コロンボのウソにおびき出されたあげく犯行を暴かれ、この際「コロンボを殺してしまえ」と銃に手をかけるフィールディング・チェイス。可愛すぎます!このシーンで、クラクションを鳴らすピーター・フォークの演技は絶品だと感じました。
原題は「Butterfly In Shades Of Grey」で直訳は「灰色のシェードの蝶」で意味不明。邦題の「4時02分の銃声」もイマイチな気がしますが、どうでしょうか。

モリー・ヘーガンが再登場

モリー・ヘーガン養女のビクトリア(ビッキー):モリー・ヘーガンは、47話「狂ったシナリオ」のアレックスの元恋人で女優の「ルース・ジャニガン」役でも出演していました。二度とも重要な役柄でしたね。このモリー・ヘーガンは映画「ハドソン川の奇跡(Sully)」に客室乗務員ドリーン・ウェルシュ役で出演しています。

傲慢な独裁者が守りたかったもの…恐れたもの…

フィールディング・チェイスは政治アナリストとして成功をおさめていますが、その背景には「独裁者的」「手段を選ばない」ことで、多くの敵をつくります。そして相手から意に沿わない行動を示されると「お前を破滅させる」と恫喝するのです。非常に寂しい立場の成功者と言えます。しかも、溺愛する養女ビクトリアからも「パパに必要なのはパパだけ」と、愛情を拒絶されてしまいます。
自ら多くの敵を作り、敵対意識を糧に成功して来たフィールディングが最も恐れたもの…それは敵対者から及ぶ、愛するものへの復讐…だったんでしょうね。恨まれる人生を生きることは避けたいものです。

ブログ訪問者さんからの情報

監督の「デニス・デューガン」は、37話「さらば提督」で、シオドア・アルビンスキー刑事を演じました。さらには(1973年 – 1987年の間)「ジョイス・ヴァン・パタン」の夫だったそうです。彼女は27話「逆転の構図」、39話「黄金のバックル」に出演している重鎮女優ですね。

フィールディング・チェイスとジェリー・ウインタースの家

フィールディング・チェイスとジェリー・ウインタースの家の場所はコロンボマップでも見ることができます。
マリブ・ピア(フィールディング・チェイス邸)
サンタモニカ(ジェリー・ウインタースの家)

監督:デニス・デューガン
脚本:ピーター・S・フィッシャー

フィールディング・チェイス:ウィリアム・シャトナー(声:矢島正明
ビクトリア・チェイス:モリー・ヘイガン(声:佐々木優子)
ジェリー・ウインタース:ジャック・ラウファー(声:堀内賢雄)
ゴードン・マディソン上院議員:ロビン・クラーク
ディードレ・ロス:ビバリー・リーチ

テッド・マローイ:マーク・ロナウ
ルー・ケイトン:リチャード・クライン
家政婦:デニス・クマガイ

加筆:2024年10月8日