- 宇宙大作戦(スタートレック)と刑事コロンボ。
- フィールディング・チェイス「メルセデス・ベンツ・500SL」
- ビクトリア・チェイス 「BMW・325i・クーペ」
ウィリアム・シャトナー+矢島正明さんが実現
犯人はかのカーク船長ことウィリアム・シャトナー。今回はこの主人公の圧倒的なキャラクター描写に尽きます。しかも吹き替えの矢島正明さんは絶品。短気で怒鳴り散らしたかとおもったら、猫なで声で電話をかけるなど、ばっちり楽しませてくれました。矢島さんは、ロバート・ヴォーン(29話「歌声の消えた海」のダンジガー、37話「さらば提督」のチャーリー・クレイ)も持ち役としていましたが、この2作とも西沢利明さんが担当されています。
カーク船長 vs 刑事コロンボ
カーク船長と刑事コロンボの競演というだけでも、他に何も必要ないほど「濃い」状況。冒頭のラジオ番組放送シーンで「カーク船長がチャーリーからの電話を受ける」というシーンにも少し「ニヤリ」でした。
怪物「フィールディング・チェイス」
少し大袈裟なトーンの吹き替えと評される石田太郎さんですが、今回のトーンは矢島正明さんとの絡みもあり、けっこう良い雰囲気だったと感じました。その中でもエンディング近くのフィールディングの自宅で、ビクトリアの母の肖像画に対し「温かい人柄が偲ばれますなー」と、小馬鹿にしたような台詞まわしは絶妙でした。
久々の「こうなったらコロンボを殺してしまえ」
さらには解決シーンでは、コロンボのウソにおびき出されたあげく犯行を暴かれ、この際「コロンボを殺してしまえ」と銃に手をかけるフィールディング・チェイス。可愛すぎます!このシーンで、クラクションを鳴らすピーター・フォークの演技は絶品だと感じました。
原題は「Butterfly In Shades Of Grey」で直訳は「灰色のシェードの蝶」で意味不明。邦題の「4時02分の銃声」もイマイチな気がしますが、どうでしょうか。
モリー・ヘーガンが再登場
傲慢な独裁者が守りたかったもの…恐れたもの…
フィールディング・チェイスは政治アナリストとして成功をおさめていますが、その背景には「独裁者的」「手段を選ばない」ことで、多くの敵をつくります。そして相手から意に沿わない行動を示されると「お前を破滅させる」と恫喝するのです。非常に寂しい立場の成功者と言えます。しかも、溺愛する養女ビクトリアからも「パパに必要なのはパパだけ」と、愛情を拒絶されてしまいます。
自ら多くの敵を作り、敵対意識を糧に成功して来たフィールディングが最も恐れたもの…それは敵対者から及ぶ、愛するものへの復讐…だったんでしょうね。恨まれる人生を生きることは避けたいものです。
ブログ訪問者さんからの情報
監督の「デニス・デューガン」は、37話「さらば提督」で、シオドア・アルビンスキー刑事を演じました。さらには(1973年 – 1987年の間)「ジョイス・ヴァン・パタン」の夫だったそうです。彼女は27話「逆転の構図」、39話「黄金のバックル」に出演している重鎮女優ですね。
フィールディング・チェイスとジェリー・ウインタースの家の場所はコロンボマップでも見ることができます。
マリブ・ピア(フィールディング・チェイス邸)
サンタモニカ(ジェリー・ウインタースの家)
監督:デニス・デューガン
脚本:ピーター・S・フィッシャー
フィールディング・チェイス:ウィリアム・シャトナー(声:矢島正明)
ビクトリア・チェイス:モリー・ヘイガン(声:佐々木優子)
ジェリー・ウインタース:ジャック・ラウファー(声:堀内賢雄)
ゴードン・マディソン上院議員:ロビン・クラーク
ディードレ・ロス:ビバリー・リーチ
テッド・マローイ:マーク・ロナウ
ルー・ケイトン:リチャード・クライン
家政婦:デニス・クマガイ
加筆:2024年10月8日