- エディングシーンでコロンボの替え玉!
- ダットン大佐「フォード・LTD」
プロローグ
初期の作品としては少し不人気
私が傑作だと推薦する4話「指輪の爪あと」と6話「二枚のドガの絵」に挟まれ、少々不人気な印象の作品です。犯行の目撃者が犯人の味方になってしまうという、凝ったストーリーです。やはりシンプルな展開の方が、かえって優れた作品になるのでしょうか。
英雄は大悪人
このように戦争において「英雄になれる人物像」とは、決して潔く誠実なものではない。エンディングでコロンボ警部がヘレンに言い聞かせる「将軍がいかなる人物かよく表している物」…見せるための軍服、弾丸を受け止めた本、とてもよく理解できますね。
事件の目撃者ヘレン
映画「鳥」の小学校の先生
日本語吹き替えは久松保夫さん
ちなみにホリスター将軍(エディ・アルバート)の日本語吹き替えは「久松保夫」さんで、スタートレック(宇宙大作戦)のMr.スポックの声でもお馴染み。でも、Mr.スポックのレナード・ニモイが刑事コロンボ15話「溶ける糸」に出演の際にメイフィールド医師を天田俊明さんが担当した理由は不明(今後調べてみます)。
真珠を散りばめたコルト拳銃
ブログゲストさんから「将軍愛用の真珠を散りばめたピストルが、いつ陳列されたか?」という疑問が寄せられました。ダットン大佐を殺害する時は確かに、木箱から取り出しました。いつ展示室に持ち込んだかは、場面を見るだけでは断定できないようです。大切な「本」も木箱に無かったので、祝典当日に自分で持ち込んだのかな?凶器なので…捨ててしまうか…迷ったか。
木箱の中に無かったことがヒントになってしまう
コロンボが木箱の中味を確かめた際、確かに真珠の拳銃は入っていませんでした。このことが逆に「凶器がこの拳銃である」というヒントになってしまう。45口径であれば大佐殺害の銃である可能性が高いことに、もっと早い段階で気づくのでは?と疑問は残ります。コロンボは既に展示室に足を運んでいるはずですし。
それにしてもやはり、将軍はこの銃を海にでも捨てるべきだった。誇りたいはずの名誉の品だけど、結局はそれが命取りでした。
軍人を扱ったコロンボ作品
戦争の国アメリカ(と表現すると失礼でしょうか?)ならではの題材だと感じます。刑事コロンボには他にも数作品で、犯人役が軍人または軍事関連の作品がありますね。この作品に関してはその色は薄く「過去の栄光」としての「英雄・将軍」を描いています。後の作品28話「祝砲の挽歌」のラムフォード大佐、49話「迷子の兵隊」のパジェット将軍にもこのイメージは通じます。
ヴァル・アヴェリー
ティモシー・ケリー
テレビ番組のアナウンサー
エディングシーンでコロンボの替え玉
エキストラ俳優ゲーリー・ライト
映画「ローマの休日」
ギル・メレの音楽
冒頭からダットン大佐が登場する前までのBGMにゆったりとしたジャズ音楽が流れます。それに短いですがエンディングシーンのBGM。これらはジャズ音楽家「ギル・メレ(Gil Mellé)」によるものです。ギル・メレの音楽はこの他、4話「指輪の爪あと」 、8話「死の方程式」などにも使われています。
ホリスター将軍のヨットハーバー
将軍の船に「THE IRON HORSEMAN NEW PORT」と書いてあります。おそらくロサンゼルスの南に位置する「バルボア・ベイ・リゾート」がホリスター将軍の家ではないかと思われます。調べによると、このホリスター将軍の家は、実際にはピーターフォークの所有だったらしいです。ここは「さらば提督」のチャーリー・クレイのヨットも停泊しています。間違っているかもしれません、鵜呑みにしないでください。
バルボア・ベイ・リゾート
その他のエピソード
将軍の船に乗せてもらった時に船酔いをしまして、将軍から「コロンブスの子孫のくせにだらしない」と言われています。(コロンボ警部の好き嫌い)また、将軍の家で、ライターを借りています。退役記念に幕僚からプレゼントとされた、とても立派なライターでした。
監督:ジャック・スマイト
脚本:ジョン・デュガン
マーチン・J・ホリスター:エディ・アルバート(声:久松保夫)
ヘレン・スチュワート:スザンヌ・プレシェット(声:鈴木弘子)
ヘレンの母(ウォルターズ夫人):ケイト・リード
ロジャー・ダットン:ジョン・カー
ハリー・バーンズ:ヴァル・アヴェリー(声:清川元夢)
バート:ティモシー・ケリー(声:鈴木泰明)
サンチェス巡査:ロン・カストロ
刑事:ゲーリー・ライト
アナウンサー:クリート・ロバーツ
加筆:2021年9月4日