刑事コロンボの劇中の音楽

エピソードに沿った音楽

「THIS OLD MAN」に限らず、刑事コロンボの作品は新旧を問わず劇中に流れる音楽も聞き逃せません。作品ごとに音楽の種類や質も異なり、その作品の特長をより際立たせています。場面の緊張感を引き立たせる曲や、アクションに合わせた効果音的な音楽も素晴らしいです。また、その作品のシチュエーションにあった曲を繰り返し流すこともあります。新・刑事コロンボの49話「迷子の兵隊」などはその代表でしょうか。52話「完全犯罪の誤算」では「デキシーランドジャズ」を用い、選挙活動の華やかな雰囲気を巧みに表現しています。

新シリーズではオープニングにPOPS音楽を使用

オープニングシーンに使用される音楽も時代によって変化していて、新・刑事コロンボの時代には流行のポップスがドド~ンと流されることが多くなりました。
51話「だまされたコロンボ」、56話「殺人講義」など。

初期作品 はBGMも素敵

それに比べ、音楽を効果的に使った初期作品はやはり素敵です(「別れのワイン」等)。淡々と流れる時間を楽しむことができる作品ですね。場面の切り替えなどに用いられる「メロディの無い効果音」も好きです。また、無音状態(台詞のないシーン)でも、心理描写を補助するような音が巧みに盛り込まれています。

同一シーズン内で同じBGMを多用

例えば第2シーズンの11話「悪の温室」と17話「二つの顔」、第7シーズンの41話「死者のメッセージ」と43話「秒読みの殺人」。これらの作品は、同じBGMを多用していて、それが作品の味となっています。「死者のメッセージ」と「秒読みの殺人」は監督がジェームズ・フローリーです。

最後から二番目の作品、新・コロンボ作品「68話:奪われた旋律」で、犯人の作曲家フィンドレー・クロフォードは弟子のガブリエルに音楽を直されます。題材の劇中「女性が刺されるシーン」での効果音、直される前は刑事コロンボの初期作品に登場しそうな雰囲気です。参照場面として「20話:野望の果て」で、上院議員候補ヘイワード氏が被害者ストーンの時計をわざと壊すシーン。奪われた旋律は、このような過去の作品をパロったものかもしれません。

劇中に使われた印象的なクラシック音楽

ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」/モーツァルト アイネ・クライネ・ナハトムジーク
10話「黒のエチュード」のコンサートで実際に演奏された曲です。「田園」は第4楽章で激しい雷雨・嵐の場面、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」も第4楽章。

バッハ 平均律第1巻第15番ト長調 BWV860
10話「黒のエチュード」でジェニファー・ウェルズが弾いていたピアノ曲です。タイトルに沿う「エチュード(練習曲)」でなかったのが残念。

ブラームス ピアノ協奏曲第2番
9話「パイルD-3の壁」で、犯人のエリオット・マーカムが事務所で思案中に聴いていた曲は第二楽章の半分あたり。

チャイコフスキー 幻想序曲「ロメオとジュリエット」
40話「殺しの序曲」で、犯人のオリバー・ブラントが殺害トリックで使用した曲です。

 
加筆:2021年11月23日

刑事ぼろんこチャンネル

“刑事コロンボの劇中の音楽” への17件の返信

  1. 「同一シーズン内で同じBGMを多用」にある17話「二つの顔」のリンク先が、16話「断たれた音」になっています…。

  2. カミさんよ安からにで
    ヴィヴィアンがスクリーンに映るピートを
    思いながら泣いているシーンの場面で
    流れている女性の声の曲が気になります。
    どなたか教えて頂けると嬉しいです。

  3. 刑事コロンボ、「別れのワイン」の中で、エイドリアンがリックを殺した後、ニューヨークに着いた直後に流れるラウンジピアノ風の曲の題名をお分かりの方、教えて頂きたいです。

  4. はじめまして、刑事コロンボの「秒読みの殺人」で、冒頭コロンボ警部が、運転しながら鼻歌を歌っている曲の題名ご存知ではありませんか?何年もモヤモヤしてまして(´;ω;`)ご存知でしたら教えて頂きたいです(´;ω;`)よろしくお願いします。

    1. 少なくとも3曲以上メドレーで歌っています(笑)
      「ヤンキードゥードゥル(アルプス一万尺)」「いとしのクレメンタイン(雪山賛歌)」も含まれます。

  5. 36話魔術師の幻想でサンティーニの娘の恋人が歌っている曲は何でしょうか?聞いたことあるのにな思い出せずこの話を観る度にモヤモヤしています。どなたか教えてください(>人<;)

    1. 映画「シャレード(Charade)のテーマ曲です。
      作曲:ヘンリーマンシーニ
      出演:オードリー・ヘプバーン、ケーリー・グラントほか

      えんつおの母さま、メセージありがとうございました。

      1. お返事、ありがとうございますm(_ _)m
        シャレード!そうでした!
        あ〜スッキリしました^_^ヘンリーマンシーニ繋がりということでしょうか。
        これ歌っちゃおうか、という現場の楽しげな雰囲気が感じられますよね。
        この回の楽しみが増えました。
        はじめまして、のご挨拶もなくいきなり質問してすみませんでした。

  6. はじめまして。
    いつも楽しく拝見しております。
    「偶像のレクイエム」で、最後にノーラが連行されるときに流れるBGM、すごく印象的なのですがご存知であれば曲名教えていただけますでしょうか…

    1. さかいさん、初めまして。
      この曲はですね〜私には詳細がわかりません。
      この場面以外にも、使われている曲です。
      コロンボの劇中音楽ではないかな〜という推測ですが‥。
      ブログのゲストの方がご存知かもしれません。

  7. ロンドンの傘に使われていた曲のタイトルを教えて下さい。エンディング等で流れていた曲なのですが…
    もう40年以上モヤモヤしています(*T^T)

  8. はじめまして。
    いつもとても楽しく拝見しています。
    ようやく念願だったブルーレイディスクのコンプリートボックスを買ったので、1話からゆっくり観なおしています。
    劇中音楽がとてもおしゃれで、私もすごく気になっています。
    「祝砲の挽歌」では、食堂を出た後に大佐とコロンボが徒歩で話すシーンに、スーザ作曲の「雷神」がかかっていました。
    翌朝、大砲の近くでゼリグナイトの話をする場面では、まず「聖者の行進」の後に、ハグリー作曲の「国民の象徴」がかかっていました。
    お助けできることはこのくらいしかないのですが、これからも更新楽しみにしています。
    応援してます。
    また拝見させてください。

  9. コロンボの劇中音楽は地味ですが、実は素晴らしいですよね!しかも結構音楽(家)を犯人やトリックに取り上げたものもありますよね。
    だからサントラがあれば是非欲しいのですが、オープニングのマンシーニのものしか見つかりません。リリースされたものがあるかどうか、ご存知でしょうか?

    1. サントラは知りませんが、あれば聞きたいですね。劇中音楽は第7シーズンの41話〜あたりが特に好きです。

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