- 2011 AXNミステリー 人気ランキング[第3位]
- 舞台版「殺人処方箋」の存在。テレビ版の何年も前に舞台版が人気を博しました。
- レイ・フレミング「クライスラー・インペリアル」
- ジョーン・ハドソン「フォード・フェアレーン」
- 第1シーズン(以前)の登場人物
記念すべき第1作 殺人処方箋
殺人処方箋 は刑事コロンボの第1作目ですが、この1話はTV映画版、2話「死者の身代金」はパイロット版に位置付けられます。刑事コロンボがシリーズ化されるのは3話「構想の死角」からです。アメリカでの放送当時は「殺人処方箋」というテレビ番組であって、「刑事コロンボ」というテレビ番組ではないのだ!と思われます。
オープニングのタイトルバックが凄い!
かつて「舞台劇として演じられた作品」を、TV用に再アレンジして制作されたパイロット版だということです。冒頭の番組名やキャストのクレジットのデザインにはびっくりしました。時代性を物語っていますね~。音楽は有名な作曲家「デイヴ・グルーシン」によるものです。それに比べ、3話「構想の死角」からはお馴染みの「右揃え・黄色のゴシック系書体(注)」という、刑事コロンボシリーズ独特のオープニング画面が定着するようです。
若々しいコロンボ
少々冷酷に映ったか…
嫌気がさすような執拗な捜査、細かい矛盾を逃さない着眼点、さらには犯人を罠にかける「落とし」のテクニック。それらがふんだんに盛込まれています。少し冷酷な印象も残り、後の作品ではドジで人間臭い、愛されるキャラクターに傾いていったのかと思われます。それでも見逃せないのはラストシーン…強烈です。
また、ジョーンの供述をとろうとして、ポケットのペンを探すが見つからず、捜査員に借りている仕草が滑稽です。
主犯と共犯の動機の温度差
その後のコロンボ作品にも数回採用されている「共犯モノ」、初回からそうだったのですね。共犯者の「口封じ」は各話とも重要なポイントになり、第二殺人の被害者になるケースも多いのですが、この「殺人処方箋」のコロンボは共犯者の弱さに目をつけ解決の切り札にしました。コロンボ警部の凄さは、「主犯」と「共犯」の「動機の温度差」を共犯者に示唆し、「主犯者に利用された」という背景を引き出していることです。
普通の刑事ドラマではないですよ~宣言
犯行後に、フレミングが電話の上に手袋を忘れそうで、忘れなかった演出。これは視聴者に「おっと、そんなに簡単にヒントは残しませんよ」と、語っています。また、コロンボ警部がジョーンを脅して落とそうとして「じゃ本部で供述をとりましょうね」の後、拒絶されるシーン。普通の刑事ドラマなら、これらが決め手になっちゃうところ「これくらいじゃ落ちませんよ」という、意気込みを感じました。
最初は強烈なほど「豪腕刑事」の素質があった
可哀想なフレミング夫人
コロンボ警部の刑事哲学が見えてくる
ずっと後の作品40話「殺しの序曲」で、オリバー・ブラントに語る場面や、44話「攻撃命令」での言葉遊びも似たような趣で興味深いです。
計画通りにはことが運ばない
この作品を何度も見返しますと、やはり「予期せぬことが起こる」ということを、細かく描いています。キャロルが死んでいなかった、ジョーンが頻繁に電話や訪問して来ちゃう、警部が約束より早く来るなど。その度に犯行がバレるかも…とハラハラします。
飛行機の機内での夫婦喧嘩
お芝居ですので、かなり声を張り上げてやってましたね。でも声が本物のキャロル奥様とは全然違う気が…。最初から少し無理のある計画だったとも言えますね。夫婦喧嘩なんて恥ずかしいことなので、周囲に聞こえないように‥小声ですべきだった。それでも喧嘩が原因で、キャロルが飛行機を降りたことにできそう。
レイ・フレミングのマンションの風景は「絵」
レイ・フレミングのマンションの窓から見える風景は完璧に「絵」です。古い時代のテレビドラマや映画の笑えるワンシーンですね。フレミングが妻を殺害した後、窓ガラスを割って強盗の仕業に見せかけるシーンで、風景に自分の影が映っています。その他にもアカプルコの釣りのシーンも、もちろん海(背景)とガッツリ合成していますよね。
しかもこの風景は、最低でも3回出現。
ブログゲストさんから情報をいただき検証しました。レイ・フレミングのマンション、ネルソン・ヘイワードのホテルの風景は同じでした!さらに調査した結果、ケイ・フリーストンのオフィスの窓にも出現しています。
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ジョーン・ハドソン邸は「スタール邸」
スペクタクル映画「十戒」
地方検事のバート
バートの奥様
イエロー・グリーンのドレスの女性
トミーの自供
取調室の警官
容疑者を張り込む刑事
タイトル文字など
舞台版「殺人処方箋」について
脚本:リチャード・レヴィンソン&ウィリアム・リンク
音楽:デイヴ・グルーシン
レイ・フレミング:ジーン・バリー(声:若山弦蔵)
ジョーン・ハドソン:キャサリン・ジャスティス(声:高島雅羅)
キャロル・フレミング:ニナ・フォック(声:谷育子)
バート・ゴードン:ウィリアム・ウィンダム(声:寺島幹夫)
トミー:アンソニー・ジェームス
受付ピートリー:バージニア・グレッグ
客室乗務員:シェリー・バウチャー
看護師:エナ・ハートマン
ランズベリー医師:クラーク・ホワット
刑事:クライド・マクロード
病院の警官:ジム・クリーチ
取調室の警官:マーク・ラッセル
クリーニング屋:トム・ウイリアムズ
パイロット:ロバート・ヒッチコック
加筆:2024年11月5日