主演:ピーター・フォーク

刑事コロンボのオープニングで毎回表示される
「PETER FALK」「AS」「COLUMBO」
ピーター・フォークという俳優は、数々のテレビドラマや映画に出演していますが、コロンボという架空の刑事をあたかも実在の人物のように生きた人であったと思います。
イタリア系で葉巻好き、家族を愛し、仕事に生きる。そんなコロンボですが、ピーター・フォーク本人はロシア系の父とポーランド系の母との間に生まれたそうです。コロンボ役に親しんだ私はてっきりイタリア系の人だと信じ込んでいました。

1960年に最初の結婚をし、2女をもうけながらも1976年に離婚、刑事コロンボ38話「ルーサン警部の犯罪」で共演した「シーラ・ダニーズ」(シェラ・デニス、シーラ・ダネーズ)と再婚しています。妻となったダネーズはその後も数回にわたり、刑事コロンボシリーズに出演しています。
また、6話「二枚のドガの絵」のロス・マーティンはかつての演技の師匠、10話「黒のエチュード」のジョン・カサヴェテスや、脇役で活躍したヴァル・アヴェリーなどとは公私にわたる友人関係で、気に入った仲間と作り上げてきたライフワーク=刑事コロンボだったと言えるでしょう。

それぞれの作品は、制作年代とピーター・フォークの実年齢、または見る側の年齢を比較してみると面白い見方が出来ます。私は2010年4月現在46歳ですが、子供の頃に見ていた「コロンボ警部」は丁度今の私くらいの年齢だったと思われます。
あまり映画などには興味を持たない私ですが、生涯を通じ最高に好きな俳優は誰か?という質問をされれば間違いなくピーター・フォークであると答えます。

加筆:2014年2月27日

シェラ・デニス(シーラ・ダニーズ)

Shera Danese
1949年10月9日-
38話「ルーサン警部の犯罪」クレア・デイリーの旦那の秘書モリー
42話「美食の報酬」ジェラード氏の秘書イブ
50話「殺意のキャンバス」マックス・バーシーニの妻ベネッサ
58話「影なき殺人者」ヒュー・クライトンの秘書
64話「死を呼ぶジグソー」
66話「殺意の斬れ味」キャサリン・カルバート

女優シェラ・デニス(シーラ・ダニーズ)は、俳優ピーター・フォークの妻。38話「ルーサン警部の犯罪」で、殺害されたクレアのご主人のアリバイを証言するチョイ役の秘書として初登場。その後は、42話「美食の報酬」で犯人ジェラードのお馬鹿ちゃん風愛人、50話「殺意のキャンバス」ではバーシーニの妻ベネッサを好演。58話「影なき殺人者」では殺人ほう助、66話「殺意の斬れ味」ではついに、共犯役をつとめています。新シリーズでは特に、作品自体が徐々にピーター・フォークの「私物」になっている傾向が強く、ピーターの実妻である彼女が多く登用されています。
その風貌からも若い頃は犯人などの愛人役が多く、年齢とともに「少し意地悪」な役柄もこなしています。しかし本質的には「あまり深く物事を考えない」風にも見受けられ、憎めないキャラクターとして描かれる傾向にあるとも思えます。

本当はなんて読むの?

Wikipediaの刑事コロンボやピーター・フォークの項目では「シーラ・ダニーズ」と出てきます。しかしAXNミステリーの特番では「シェラ・デニス」と読んでいました。加筆した2012年現在では、検索で「シェラ・デニス」が優勢かもしれません。英語では【Shera Danese】で、ちなみに「Shera」で検索すると、シーラでなくシェラが多く検出されます。

豪華な日本語版の吹き替え

ルーサン警部の犯罪=沢田敏子さん(アルプスの少女ハイジのナレーション)
美食の報酬=田島令子さん(ベルサイユのばら:オスカルなど)
殺意のキャンバス、影なき殺人者=塩田朋子さん(映画やドラマの吹き替えで有名)
死を呼ぶジグソー=鈴木弘子さん(ホリスター将軍のコレクション:ヘレン、幻の娼婦:ジョーン・アレンビー)
殺意の斬れ味=藤田淑子さん(一休さん)

影なき殺人者では歌声も披露

58話「影なき殺人者」のオープニングに流れるタイトル曲は、このシェラ・デニスが歌っています。
加筆:2017年12月21日
 

38話「ルーサン警部の犯罪」

Fade in to Murder / 1976

2010年4月2日の放送を不覚にも見逃し、7月1日のNHK BSでの再放送を慎重に録画し無事に見ることができました。これで刑事コロンボシリーズ全69話を全て見たことになります。

カーク船長

ウィリアム・シャトナー犯人ルーサン警部こと俳優ウォード・ファウラーは、ウィリアム・シャトナー:スタートレック(宇宙大作戦)のジェームズ・カーク船長。シャトナーはその後63話「4時02分の銃声」にも出演。2010年のバンクーバーオリンピックの閉会式でも、その健在ぶりを拝見しました。

パベル・チェコフ

ウォルター・ケーニッグトニーの店での初期捜査に参加するジョンソン刑事はウォルター・ケーニッグで宇宙大作戦スタートレックのロシア人将校「チェコフ」でした。コロンボ警部との共演で、すごく楽しそうに演技しています。

ティモシー・ケリー

ティモシー・ケリーデリカテッセンの主人トニーは、2話「死者の身代金」5話「ホリスター将軍のコレクション」などで毎回レストランのオヤジを演じる「ティモシー・ケリー」。いつも存在感のある演技ですね!大好きな俳優さんです。

ジョン・フィネガン

ジョン・フィネガンテレビ局のアシスタント・ディレクター(セットの裏でコロンボ警部と遭遇する男性)は、他の刑事役やバーニーの店の主人を演じる、言わば準レギュラー級の俳優「ジョン・フィネガン」

フレッド・ドレイパー

フレッド・ドレイパーさらに冒頭シーンで大根役者を演じるのは、18話「毒のある花」31話「5時30分の目撃者」37話「さらば提督」と多数出演のフレッド・ドレイパー。こちらもコロンボファンなら見逃せない俳優です。

ビクター・イゼイ

ビクター・イゼイそしてそのテレビドラマ収録(劇中劇)の犯人コンロイ役は、26話「自縛の紐」で検死官、36話「魔術師の幻想」では鍵屋の主人と、本作を含め3作に出演したビクター・イゼイです。今回はメガネなしで少しイメージが違いましたね。

シェラ・デニス(シーラ・ダニーズ)

シェラ・デニスそして、殺害されたクレア・デイリーの旦那(シド)の秘書(愛人)モリーはシェラ・デニス(ピーターフォークの嫁)でした。彼女は42話「美食の報酬」50話「殺意のキャンバス」58話「影なき殺人者」66話「殺意の斬れ味」64話「死を呼ぶジグソー」にも出演。

テレビ局長「ウォルター・グレイ」

フランク・エメット・バクスター撮影を中断して、ウォードのギャラについて議論をしているテレビ局長(ウォルター・グレイ)は、「フランク・エメット・バクスター」。7話「もう一つの鍵」で、犯人ベス・チャドウィックに「自分の方針に逆らうなら再就職を考えなさい」と脅される広告代理店の役員(フレッド)と同一人物。30話「ビデオテープの証言」でもブロンソン巡査にも酷似しているが確証はありません。

同じくテレビ局の重役

マイケル・ラリー同じシーンで登場するテレビ局の重役は俳優「マイケル・ラリー」。この人は、24話「白鳥の歌」で墜落現場のテレビカメラマン、27話「逆転の構図」で、証拠置き場のガードマンとして出演しています。

ちょっと難解なストリーの序盤

ストーリーは面白いと思いました。が、作品の時間が短いので少しヒントが省略されすぎていて、見逃し易いエピソードだった気がします。「クレアがトニーの店でサンドイッチを買う」という電話での話も、聞き逃しそうでしたし、二人の会話を良く聞かないと「クレアがウォードを恐喝している」ヒントには気付きませんでした。

クレアがもう少し悪人に見えたら…

ローラ・オルブライト実際にはクレアはウォードのギャラの半分を奪い取っていました。でも何となく…クレア(ローラ・オルブライト)のキャラクターがそれほどの悪人に見えません。素敵な女優さんですが…すこし残念。

決定的な証拠は不完全燃焼

洋服の弾痕のずれ、マスクの化粧など、捜査段階でのコロンボ警部の「着眼」は見事です。それに対し「証拠」とされた空砲の指紋は、残念です。もっとストーリーの流れの中で「証拠」を引き出したかったですね。例えば11話「悪の温室」のように。

マークはウォードが歳をとったみたい?

バート・レムゼンウォードの家で一緒に野球を見る男性「マーク」はバート・レムゼンです。この男性、なんとなくウォード(ウィリアム・シャトナー)と似てますよね?実際のウィリアム・シャトナーは、この歳になってもこのように老けませんでしたが。

ウォード・ファウラーの身長は?

ウォード・ファウラーの身長が話題になるシーン。演じたウィリアム・シャトナーは公式発表で177cmだということですが、少し…サバを読んでいるかな?

コロンボ警部がテレビ番組に特別出演

ジョン・フィネガンこの時にとばっちりを食い「お陰でNGですぜ」と言うアシスタントスタッフ、白いシャツを着たおじさんは俳優ジョン・フィネガン。ご存知ですね、重鎮脇役です。

そのNGのシーンのスタッフの女性

ドロシー・デルス同じシーンのテレビ局のスタッフで、コロンボの存在にいち早く気づき仲間に教える、黒いセーターの金髪女性は、女優ドロシー・デルス。この人は36話「魔術師の幻想」のジェロームの秘書で、「今夜も大入りですか?」と話しかけると話しかける人です。

超重要な豪邸なのです!

アンジェロドライブの豪邸17話「二つの顔」のクリフォード・パリス邸、34話「仮面の男」のネルソン・ブレナー邸、38話「ルーサン警部の犯罪」のウォード・ファウラー邸は同じ家です。車の入り口〜ロータリー型の車寄せ、アーチ型の白い装飾の門扉(今回改装され白い板の扉に変わっていた!)、大きな暖炉が特徴です。 アンジェロドライブの豪邸
ウォード・ファウラー邸

監督:バーナード・L・コワルスキー
脚本:ルー・シャウ、ピーター・S・フェイブルマン(黄金のバックルで警備員シェイファー)

ウォード・ファウラー:ウィリアム・シャトナー(声:山城新伍)
クレア・デイリー:ローラ・オルブライト(声:岩崎加根子)
マーク:バート・レムゼン
シド・デイリー:アラン・マンソン(声:稲垣昭三)
ジョンソン刑事:ウォルター・ケーニッグ
トニー:ティモシー・ケリー
モリー:シェラ・デニス
役者ジョセフ:フレッド・ドレイパー
役者コンロイ:ビクター・イゼイ
テレビ局長ウォルター・グレイ:フランク・エメット・バクスター
テレビ局の重役:マイケル・ラリー
テレビ局ディレクター:ダニー・デイトン
アシスタントディレクター:ジョン・フィネガン
テレビ局スタッフ:ドロシー・デルス
舞台係:ジョン・ギルグリーン
舞台係:ジャック・バール
舞台係:デビッド・アームストロング
カメラクルー:ジミー・ジョイス

加筆:2024年8月29日

42話「美食の報酬」

Murder Under Glass / 1978

ジェラード はあまり聡明ではない…

料理評論家のポール・ジェラード氏がレストランのオーナー、ヴィットリオ・ロッシ(マイケル・V・ガッツォ)を殺害。テレビ番組やCMでも有名なジェラードが、その名声を利用してレストランの評価を思いのままに操っていることに腹を立てたビットリオの口を封じたのです。

ジェラード はあまり聡明ではない…

ルイ・ジュールダン犯人のジェラードは(ルイ・ジュールダン)「頭脳明晰」というよりむしろ脳天気なキャラクターの人物で、切れ味は感じませんでした。ワインによる毒殺が判明した瞬間、ワインオープナーが怪しまれることも当然の成り行きと思えます。彼の愛車「スタッツ・ブラックホーク」はとてもカッコいいです。

美食の国、日本とイタリアが大きく扱われた作品

初期のコロンボ作品と、新刑事コロンボの中間のようなテイストです。刑事コロンボ作品中、最も「日本」が大きく扱われた作品。「日本」とともに、イタリアンレストランが舞台いということで、イタリアンな雰囲気も全体に漂います。それと、コロンボ警部は食べているシーンが多いですね。

日本人「小津氏」

マコ岩松登場人物の日本人「小津氏」は俳優のマコ岩松氏。映画監督の小津安二郎を連想させるし「OZ」と発音され、アメリカ人にも親しみやすかったのでしょう。襟には「福壽」と書かれています。「刑事というと、警視庁の方ですか?」という発言。ブログ読者さんのご指摘によると、英語では「警視庁」とは言っておらず「lieutenant」警部補と言っているようです。翻訳家の誤訳ではないか?ということです。面白い発見ですね。

ジャパニーズ・ゲイシャ

ミヤコ・クラタ二人の日本人の芸者さんが登場しています。三味線をを弾いているのがミヤコ・クラタさん(写真)。もう一人はミエコ・コバヤシさん。二人とも仕草が奥ゆかしく和風情緒を醸していました。コロンボ警部から「さようなら」と挨拶された時のリアクションも良かったです。

珍味フグ刺し

中居中居さんの名前は残念ながら不明です。この中居さんの所作もとても美しいです。しかしながら、ふぐ刺しを食べるコロンボの箸使いが、かなり下手で笑えます。

あなたの才能は素晴らしいが、後はてんでイケません

ラストシーンは、なかなか印象的でした。ジェラードはコロンボ警部の「誘い」にのる形で「いっそのこと、コロンボを殺してしまえ」と第二殺人計画を思い立ちます。それが、コロンボの狙いでもあっただけに悔しさもひとしおだったでしょう。この後のコロンボの台詞「証拠ってのは、こういうヤツを言うんです」と、ジェラードの仕掛けた毒入りのワイングラスを指差すあたり、爽快です。一連の会話の中で「お互いの才能を評価する」反面、人間としては好きでない、という言葉の応酬があります。ジェラードの方は腹いせ的ですがコロンボ警部の「あなたの才能は素晴らしいが、後はてんでイケません」の台詞は、殺人という短絡的な解決方法に走った犯人に対し「人間失格」の判決を下す裁判官のように見えました。

後のコロンボの「カミさん」シェラ・デニスが再登場

シェラ・デニスジェラード氏の秘書イブ・プルマー役で、シェラ・デニス(シーラ・ダニーズ)が出演しています。新シリーズと比較するとやはり若いですね~。吹き替えの声優も「若い女性風」の声で、後に新刑事コロンボに数多く登場する際の声とは異なります。ジェラード氏の自宅で小津氏と同席するシーン、「松竹梅」と書かれた派手なオレンジ色のハッピを着ているのはこっけい。

不思議なキャラクターのバーク刑事

トッド・マーティンコロンボ警部は初対面の2分後に、犯人はジェラード氏であると疑ったと明言していますが、この時居合わせたのが40話「殺しの序曲」にも登場するバーク刑事(トッド・マーティン)。体格が良く眼光鋭い。画面にいるだけで存在感を感じる素敵な俳優さん。

ヴィットリオはマイケル・V・ガッツォ

マイケル・V・ガッツォマイケル・V・ガッツォはゴッドファーザーPART IIなどにも出演した俳優さん。「美食の報酬」では、豪快なイタリア人シェフを名演しています。毒に苦しんで絶命するシーンは印象的です。日本語版吹き替えは藤岡重慶さん「あしたのジョー」のおっつぁん「丹下段平」役でも有名ですね〜。

どうにも怒りが収まらないアルバート。

ラリー・D・マンヴィットリオの店のシェフアルバートは「代わりにあんたが死にゃよかったんだ」とジェラードを睨みつけたのは、印象深かったです。俳優のラリー・D・マンは太い眉毛に恰幅の良い風貌だが、イタリア系ではなくカナダ人なのだそう。こちらの日本語吹き替えは雨森雅司さん。バカボンのパパで有名です。

レストラン振興協会の女性会長はロバート・カルプの元カミさん

フランス・ニュイエン葬式のシーンで支払済の小切手を破って、コロンボから目をつけられたメアリー・チョーイはフランス・ニュイエン。彼女は1967年〜3年間ロバート・カルプの奥さんでした。
コロンボマップ
コロンボマップ
ヴィットリオが埋葬された墓地はイングルウッド・パーク墓地で、逆転の構図のロケ地と同じです。

監督:ジョナサン・デミ
脚本:ロバート・バン・スコヤック

ポール・ジェラード:ルイ・ジュールダン(:金内吉男)
ヴィットリオ:マイケル・V・ガッツォ(声:藤岡重慶)
イブ・プルマー:シェラ・デニス(シーラ・ダニーズ):田島令子)
メアリー・チョーイ:フランス・ニュイエン(:瀬能礼子)
マリオ・デ・ルーカ:アントニー・アルダ(:徳丸完)
アルバート:ラリー・D・マン(声:雨森雅司
マックス・デュバル:リチャード・ディサート
調理人ルイス:アルバート・モーリン
ケンジ小津:マコ岩松
芸者:ミヤコ・クラタ
芸者:ミエコ・コバヤシ
銀行のクロフォード:フレッド・ホリデー
銀行スタッフ:キャロライン・マーティン
バーク刑事:トッド・マーティン
マーケットの主人:マイク・ラリー
葬儀参列者:ジェームズ・マイケル
葬儀参列者:アーモンド・ロバーツ
葬儀参列者:ニコ・スティーブンス
葬儀参列者:ジャック・スレート
葬儀参列者:トミー・ダンテ
葬儀参列者:匿名エキストラ
 
加筆:2024年9月4日

50話「殺意のキャンバス」

Murder, a Self-Portrait / 1989

美しい作品ではあると思いますが…

画家マックス・バーシーニ(パトリック・ボーショー)が隣に住む前妻ルイーズを殺害。犯人の存在感、浜辺の豪邸付近で繰り広げられるシーンは、とても美しく描かれています。が、コロンボ作品としてはちょっと不満な面も…。

心理描写のシーンはコロンボ的でないよね

犯人である画家がコロンボの絵を描いてあげる。その被写体の男に犯行が暴かれようとしている‥という変な人間関係。目障りではなかったか(笑)また犯行のきっかけである「前妻と心理学者の再婚」というエピソードは良いのですが、心理描写(夢)のモノクロシーンは、ぼろんこの好みではありませんでした。夢を何度にも分けて説明するのも、引っかかりました。

冒頭の犬コンテストは…

本題とはほぼ無関係と思われる、冒頭の犬コンテストのシーン、名犬「キング・アーチボルド」の飼い主との会話。以前のコロンボ作品にはこのような無意味な仕掛けは少なかった気がします。「アーチボルド」の名は、34話「仮面の男」でネルソン・ブレナーの口からも出ています。→愛犬ドッグ

シェラ・デニス(シーラ・ダニーズ)が久々の登場

シェラ・デニスバーシーニの二番目の妻ベネッサは、ビーターフォークの奥様としても有名な「シェラ・デニス」。42話「美食の報酬」で、料理評論家のポール・ジェラードの秘書を演じてから約10年ぶりの再登場でした。この後にも数回、新・刑事コロンボに登場しますが、今回が一番髪の色が黒かったです。

名優ヴィトー・スコッティが最後の出演

ヴィトー・スコッティまた舞台となるレストランのオーナー「ヴィトの店」の店主は旧作・刑事コロンボシリーズで数回出演している名脇役の「ヴィトー・スコッティ」です。これまでは「ちょい役」が多かったのですが、今回は満を持しての登場で、かなり重要な役割でした。

久々の大物登場

パトリック・ボーショーバーシーニ役のパトリック・ボーショーは流石。日本語吹き替えは「森山周一郎」さんで、むちゃくちゃ存在感ありました。35話「闘牛士の栄光」リカルド・モンタルバンに匹敵する迫力でした。森山周一郎さんは宇宙大作戦(TV版スタートレック)のカーン(演:リカルド・モンタルバン)の声も担当しています。

マックス・バーシーニの家

海岸沿いのマックス・バーシーニの家は、言わずと知れたマリブ地区。刑事コロンボ歴代の犯人たち(笑)が居を構えます。
マリブ〜ヴェンチュラ(コロンボマップ)

マックス・バーシーニの家

監督:ジム・フローリー
脚本:ロバート・シャーマン

マックス・バーシーニ:パトリック・ボーショー(声:森山周一郎)
ルイーズ:フィオヌラ・フラナガン(声:沢田敏子
バネッサ:シェラ・デニス(シーラ・ダニーズ)(声:塩田朋子)
ジュリー:イザベル・ロルカ(声:土井美加)
ヴィト:ヴィトー・スコッティ(声:村松康雄)
ハマー医師:ジョージ・コー
ラルフ:デビッド・バード

加筆:2024年8月29日

58話「影なき殺人者」

Columbo and the Murder of a Rock Star / 1991

もしも「共犯」が前提なら、評価は全然変わってくる

「お面をかぶってスピード違反をしてくれ」と犯人ヒュー・クライトンは、共犯者でもない秘書のトリッシュにお願いしたとのこと。誰かスタッフの一人でも「このお話には無理がある…」と進言できなかったのでしょうか?

それなら最初から「一緒に愛人を殺してくれ」と秘書に依頼すべきだった?‥そうであればグっと真に迫れた気がします。「お面をかぶってスピード違反」は、計算された立派なアリバイトリックです。ただし、毎回共犯者がいるような設定に甘んじては、コロンボ作品としての品格も薄れるでしょうが。

これは知っておきたい!

ダブニー・コールマン犯人ヒュー・クライトンの俳優は「ダブニー・コールマン」。なんとこの人は17話「二つの顔」でマレー刑事役として出演しています。クリフォード家の現場検証のシーンで、けっこうセリフも多く印象に残るキャラクターです。18年前のことで風貌も一変しています。

ゲストスターは女優シェラ・デニス

シーラ・ダニーズ本作のゲストスターはシェラ・デニス(シーラ・ダニーズ)。それに対し犯人役のダブニー・コールマンは「スペシャル・ゲストスター」とクレジットされていることも興味深い。
※ゲストスターとスペシャル・ゲストスターのクレジットは自然でした。(加筆訂正:2022年11月1日)

ダフィ警部(ジョン・フィネガン)が大出世…?

ジョン・フィネガン51話「だまされたコロンボ」で登場した「ジョン・フィネガン」の本部長が、再登場。今回は「クエンティン・コルベット」と名前まではっきり出ていました。本部長(Chief)と言っても、一番偉い警察本部長ではないような気がしますが、どうでしょう?。

ハバック巡査

ソンドラ・クリー一緒に捜査に当たるハバック巡査は女優ソンドラ・クリーです。彼女は55話「マリブビーチ殺人事件」でジェニングスの恋人の一人、ロッカ夫人(電話をかけてくる女性)を演じています。ぜんぜん雰囲気が違いますよ。

検死医のジョージ

鑑識のジョージ鑑識のジョージは新シリーズではお馴染みの俳優:スティーヴン・ギルボーンです。54話「華麗なる罠」、56話「殺人講義」、57話「犯罪警報」にも登場します。

何と本物のリトル・リチャードが登場

リトル・リチャードが劇中で登場します、私の大好きなビートルズのポール・マッカートニーが、リトル・リチャードのカバーをレパートリーにしています。

コロンボとロック・スター殺人事件…

タイトルに使われている曲(題名:クローザー)ですが、なんと歌っているのは「シェラ・デニス」。劇中では歌手マーシー・エドワーズの作品だということです。受賞歴を重ねたスターシンガーにしては、歌唱力がちょっと…。という声もききましたが…やはり(笑)

エンディングにもこの歌が!

2012年にAXNミステリーで見たのですが、エンディングではコロンボ警部が車を運転しながらタイトル曲を一緒に歌っています。それが、恐ろしく下手なんです。ピーター・フォークの肉声(あるいは吹き替え?)だと思われます。ピーター・フォークは他の作品でも歌を歌っていますが、こんなに下手だっけ?調べることにしましょう!(加筆:2012年3月)

監督:アラン・J・レヴィ
脚本:ウィリアム・リード・ウッドフィールド

トリッシュ・フェアバンクス:シェラ・デニス(シーラ・ダニーズ)(声:塩田朋子)
ヒュー・クライトン:ダブニー・コールマン(声:小林清志
マーシー・エドワーズ:シェリル・パリス(声:弘中くみ子)
コルベット本部長:ジョン・フィネガン
ハバック巡査:ソンドラ・クリー
鑑識のジョージ:スティーヴン・ギルボーン

加筆:2023年12月17日

64話「死を呼ぶジグソー」

Undercover / 1994

この作品も賛否両論タイプ

「初夜に消えた花嫁」と同様で賛否両論、出ます。インターネットでこの「死を呼ぶジグソー」と「初夜に消えた花嫁」の情報を探してみますと、やはり諸事情により、自分が理想とする刑事コロンボ路線の作品が作りにくい状況だったようですね。また、この作が好きだとおっしゃる方も意外と多くいらっしゃるようです。

▼追記予定(BS2での再放送を見た後に書こうと思います)
2011年1月にもう一度見直しました。「初夜に消えた花嫁」は相変わらず理解不能でしたが、この64話「死を呼ぶジグソー」はピーター・フォークが、俳優ピーター・フォーク=コロンボという、世界中に知られた固定イメージがある中で、俳優としてこんなこともやりたかったという願望を一気に披露した作品だと感じました。(あくまでも私感です)

イタリア系?

コロンボはイタリア系であることを強調しています。が、ピーター・フォーク自身はイタリア系ではありません(ロシア系だそう)。しかしイタリアン・マフィアの格好良さに憧れている風の表現がありました。他の作品にもこの傾向は出ます。またこの作品には、少しアクション映画めいた暴力シーンも含まれます。そして「お金のために生きているのではない」という哲学も感じました。

シェラ・デニス(シーラ・ダニーズ)

シェラ・デニスおぉ、ここにもシェラ・デニスが出てきましたね。忘れていました。シェラ・デニスはピーター・フォークの奥様として有名な女優さんですが、50話「殺意のキャンバス」58話「影なき殺人者」64話「死を呼ぶジグソー」66話「殺意の斬れ味」と、新シリーズだけでも4回出演しています。

愛犬ドッグが登場

死を呼ぶジグソーのドッグラストシーンでもドッグが登場していました。「犬を公園に連れて行く」という車の中にドッグがいます。(2022年ブログ・コメンテーターさんの発見)

原作:エド・マクベイン
監督:ヴィンセント・マクヴィティ

アーヴィング・クラッチ:エド・ベグリー・ジュニア(声:納谷六朗
モー・ワインバーグ:バート・ヤング(声:大塚周夫)
ブラウン刑事:ハリソン・ペイジ(声:池田勝)
ジェラルディン・ファーガソン:シェラ・デニス(シーラ・ダニーズ)
ドロシア・マクナリー:タイン・デイリー(声:弥永和子)

加筆:2022年9月2日

66話「殺意の斬れ味」

A Trace of Murder / 1997

キャサリンと愛人パトリックは、夫クリフォードに殺人の罪をきせるために第三者(セルツァー)を殺害するという話。

「クリフォード・カルバート」は強烈

バリー・コービンまず投資家クリフォード・カルバート(バリー・コービン)のキャラが強烈。日本語吹き替えは内海賢二さん(Dr.スランプアラレちゃん:のり巻千兵衛)で、イメージぴったり。

頂点に達したシェラ・デニス

シェラ・デニスそして共犯のキャサリン・カルバートは、かのシェラ・デニス(シーラ・ダニーズ)。皆さんご存知とは思いますが‥念押しで書いておきます。彼女はピーターフォークのリアルカミさんです。

真面目に生きてりゃ良かったのにね

キンズレーが殺人を犯す動機は、私には理解できません。キャサリンをどれほど愛していたか?というのが大きな疑問ですし、クリフォードが仮に逮捕された後、キャサリンとの仲をどのように維持しようと目論んだのでしょう?大人しく警察官としての人生を全うすべきでした。この事件以外には、全く汚点がなかったのでしょうから。

強引な偽証拠

決め手となるのはむしろ「猫の毛」じゃないでしょうかね?背中にあれほどの猫の毛が着くということも、あり得ないことだと思います。もしもそのような状況になったとしても、細心の注意を払って猫の毛を取り除くでしょうね。葉巻の切れ端を現場に残すなど、もっての他ですね。その反面、犯行現場とコンビニの位置関係の話は面白いです。

バーニーのお店ですが…

重要なシーンで使用されたバーニーのお店ですが、62話「恋に落ちたコロンボ」の時と全然別のお店に見えますね。65話「奇妙な助っ人」では全く雰囲気の異なる「明るい雰囲気の」店でした。
→バーニーの店「BARNEY’S BEANERY」

これも珍しい、コロンボ警部の事件解説

事件解決の場面は面白かったというか、痛快でしたが、最後の解説シーン(バーニーのお店)は必要だったでしょうか?路上シーンの延長で十分表現できた気がします。

女性弁護士トレーシー・ローズはドナ・ブロック

ドナ・ブロック捜査の過程で登場する被害者セルツァーの女性弁護士はトレーシー・ローズと名付けられていますが、深い意味があるのか?疑問。演じたのは「ドナ・ブロック」で、とても美しく魅力的な女性弁護士でしたね。このドナ・ブロックは映画「エアフォース・ワン」にも出演しており、共演者には「ディーン・ストックウェル」もいます。

何度か見直しているうちに気付きました

ビルクリフォードの要望で弁護士を通すことになり、コロンボ・弁護士・クリフォード同席の場で、キンズレーとキャサリンが挨拶をするビル(建物)は、その前の回の「奇妙な助っ人」で牧場経営者マクベイが種馬の契約をするビルと同じです!

 
奇妙な助っ人が1995年の放送に対し、殺意の斬れ味は1997年。ビルを撮影したアングルもそっくりで、同じ日に撮影したものを使い回していると考えられます。→その後の発見で48話「幻の娼婦」(1989年)ですでに登場していること判明しました。6年前のフィルムを流用したかどうかまでは、分かりません。
 

パトリック・キンズレー

デビッド・ラッシュ実行犯のパトリック・キンズレー(デビッド・ラッシュ)は何とロス警察の科学捜査班。そして日本語吹き替えは船越英一郎さん。とても有名な俳優さんの声なのに、気付かなかった人もいたのでは?この船越英一郎さんは大のコロンボ・ファンとしても知られます。

  

高級住宅街に住むセルツァー

レイ・バークちょっと無慈悲なシナリオで‥殺されたセルツァーは、可哀想すぎます。このセルツァーを演じるのは俳優レイ・バークです。セルツァーは高級住宅街「ベル・エア」に住んでいるそうです、そうそう25話「権力の墓穴」のハルプリン次長の。それに結婚式が催されたのは「マリーナ・デル・レイ」付近で、これは「キャシーグッドウィン」や「マーク・コリアー」のヨットハーバー近く。ベル・エアは北、デル・レイは南方面というのも、ポイントになっています。

監督はヴィンセント・マケヴィティ

特に有名な監督だということもなさそうですが、このヴィンセント・マケヴィティ氏は、53話「かみさんよ、安らかに」を皮切りに、59話「大当たりの死」、61話「死者のギャンブル」、62話「恋に落ちたコロンボ」、65話「奇妙な助っ人」、そして本作66話「殺意の斬れ味」と、引っ張りだこ。

監督:ヴィンセント・マケヴィティ
脚本:チャールス・キッズ
 
パトリック・キンズレー:デヴィッド・ラッシュ(声:船越英一郎)
キャサリン・カルバート:シェラ・デニス(シーラ・ダニーズ)(声:藤田淑子)
バーニー:ジョン・フィネガン
クリフォード・カルバート:バリー・コービン(声:内海賢二)
ハワード・セルツァー:レイ・バーク(声:小室正幸)
トレーシー・ローズ:ドナ・ブロック
ウィル巡査:ウィル・ナイ

加筆:2024年8月29日