66話「殺意の斬れ味」

A Trace of Murder / 1997

キャサリンと愛人パトリックは、夫クリフォードに殺人の罪をきせるために第三者(セルツァー)を殺害するという話。

「クリフォード・カルバート」は強烈

バリー・コービンまず投資家クリフォード・カルバート(バリー・コービン)のキャラが強烈。日本語吹き替えは内海賢二さん(Dr.スランプアラレちゃん:のり巻千兵衛)で、イメージぴったり。

頂点に達したシェラ・デニス

シェラ・デニスそして共犯のキャサリン・カルバートは、かのシェラ・デニス(シーラ・ダニーズ)。皆さんご存知とは思いますが‥念押しで書いておきます。彼女はピーターフォークのリアルカミさんです。

真面目に生きてりゃ良かったのにね

キンズレーが殺人を犯す動機は、私には理解できません。キャサリンをどれほど愛していたか?というのが大きな疑問ですし、クリフォードが仮に逮捕された後、キャサリンとの仲をどのように維持しようと目論んだのでしょう?大人しく警察官としての人生を全うすべきでした。この事件以外には、全く汚点がなかったのでしょうから。

強引な偽証拠

決め手となるのはむしろ「猫の毛」じゃないでしょうかね?背中にあれほどの猫の毛が着くということも、あり得ないことだと思います。もしもそのような状況になったとしても、細心の注意を払って猫の毛を取り除くでしょうね。葉巻の切れ端を現場に残すなど、もっての他ですね。その反面、犯行現場とコンビニの位置関係の話は面白いです。

バーニーのお店ですが…

重要なシーンで使用されたバーニーのお店ですが、62話「恋に落ちたコロンボ」の時と全然別のお店に見えますね。65話「奇妙な助っ人」では全く雰囲気の異なる「明るい雰囲気の」店でした。
→バーニーの店「BARNEY’S BEANERY」

これも珍しい、コロンボ警部の事件解説

事件解決の場面は面白かったというか、痛快でしたが、最後の解説シーン(バーニーのお店)は必要だったでしょうか?路上シーンの延長で十分表現できた気がします。

女性弁護士トレーシー・ローズはドナ・ブロック

ドナ・ブロック捜査の過程で登場する被害者セルツァーの女性弁護士はトレーシー・ローズと名付けられていますが、深い意味があるのか?疑問。演じたのは「ドナ・ブロック」で、とても美しく魅力的な女性弁護士でしたね。このドナ・ブロックは映画「エアフォース・ワン」にも出演しており、共演者には「ディーン・ストックウェル」もいます。

何度か見直しているうちに気付きました

ビルクリフォードの要望で弁護士を通すことになり、コロンボ・弁護士・クリフォード同席の場で、キンズレーとキャサリンが挨拶をするビル(建物)は、その前の回の「奇妙な助っ人」で牧場経営者マクベイが種馬の契約をするビルと同じです!

 
奇妙な助っ人が1995年の放送に対し、殺意の斬れ味は1997年。ビルを撮影したアングルもそっくりで、同じ日に撮影したものを使い回していると考えられます。→その後の発見で48話「幻の娼婦」(1989年)ですでに登場していること判明しました。6年前のフィルムを流用したかどうかまでは、分かりません。
 

パトリック・キンズレー

デビッド・ラッシュ実行犯のパトリック・キンズレー(デビッド・ラッシュ)は何とロス警察の科学捜査班。そして日本語吹き替えは船越英一郎さん。とても有名な俳優さんの声なのに、気付かなかった人もいたのでは?この船越英一郎さんは大のコロンボ・ファンとしても知られます。

  

高級住宅街に住むセルツァー

レイ・バークちょっと無慈悲なシナリオで‥殺されたセルツァーは、可哀想すぎます。このセルツァーを演じるのは俳優レイ・バークです。セルツァーは高級住宅街「ベル・エア」に住んでいるそうです、そうそう25話「権力の墓穴」のハルプリン次長の。それに結婚式が催されたのは「マリーナ・デル・レイ」付近で、これは「キャシーグッドウィン」や「マーク・コリアー」のヨットハーバー近く。ベル・エアは北、デル・レイは南方面というのも、ポイントになっています。

監督はヴィンセント・マケヴィティ

特に有名な監督だということもなさそうですが、このヴィンセント・マケヴィティ氏は、53話「かみさんよ、安らかに」を皮切りに、59話「大当たりの死」、61話「死者のギャンブル」、62話「恋に落ちたコロンボ」、65話「奇妙な助っ人」、そして本作66話「殺意の斬れ味」と、引っ張りだこ。

監督:ヴィンセント・マケヴィティ
脚本:チャールス・キッズ
 
パトリック・キンズレー:デヴィッド・ラッシュ(声:船越英一郎)
キャサリン・カルバート:シェラ・デニス(シーラ・ダニーズ)(声:藤田淑子)
バーニー:ジョン・フィネガン
クリフォード・カルバート:バリー・コービン(声:内海賢二)
ハワード・セルツァー:レイ・バーク(声:小室正幸)
トレーシー・ローズ:ドナ・ブロック
ウィル巡査:ウィル・ナイ

加筆:2024年8月29日