コロンボ警部の好き嫌い

好きな食べ物・飲み物・嗜好など

コロンボ警部のトレードマークとも言える葉巻は、葉巻と喫煙…の記事をお読みください。

チリ(メキシコ料理チリコンカン)

2話「死者の身代金
「バーニーズビーナリー」にて、初めてチリを食べているシーンが登場します。シェフはティモシー・ケリーで、会話からもコロンボがこの店の常連であることがわかります。クラッカーを散らしてかけて食べるのが通(つう)だそうで、実際に食べると確かに美味しいです。チリコンカンはぼろんこ家でも度々夕食のメニューとなっています。

5話「ホリスター将軍のコレクション
シェフは2話と同じティモシー・ケリーですが、窓に貼られた店名文字(逆版)で推測しますと「バートの店」だと分かります。ティモシー・ケリーは刑事コロンボに3回登場する重要な俳優さんです。

12話「悪の温室
この回はバートの店ではなく、別のシェフのお店でチリを食べます。この店でも常連のようで、2日連続でチリを注文。同じメニューに飽きたようで「豆抜き」を頼んでいます。クラッカーは添えていません。

22話「第三の終章
高級レストラン「チェイソンズ」でお店のメニューには無いのに、チリを注文しました。この時、ケチャップ、クラッカー、塩を要求しています。会計では6ドル(1800円)を支払っています。

53話「かみさんよ、安らかに
久々に登場したチリを食するシーンでした。馴染みの店だという設定ですが、ひいきのシェフ「ラモン」が辞めてしまい、ドイツ系のシェフ「ハインリッヒ」のチリを食べてがっかり。食べずに店を出ました。

コーヒー

15話「溶ける糸」では、早朝の殺害現場に呼び出され眠そうにしていて、開口一番「コーヒー無い?」部下に要求しています。22話「第三の終章」では被害者のマロリーさんの冷めたコーヒーを持ってくるよう要求しています。第2シーズンから第4シーズンにかけて、コーヒー入りの魔法瓶を携帯しています。コーヒーではないのですが、41話「死者のメッセージ」では紅茶を飲む時に、砂糖をなんと3つも入れています。

ゆで卵

早朝に呼び出されることが多いため、朝食代わりに「ゆで卵」をポケットに入れています。15話「溶ける糸」では現場の遺留品(実は凶器)で無象座に殻を割りました。18話「毒のある花」でも捜査現場にゆで卵を持参。塩を忘れて被害者カールのキッチンで調達しました。新シリーズの62話「恋に落ちたコロンボ」でも殺害現場で部下に「ゆで卵とコーヒー(ジュースも)」を所望しています。

ボウリング

エピソードの中でボウリングが好きだと公言しています。20話「野望の果て」では土曜のボウリング祭りに間に合うようにスポーツジャケットを新調しようとしました。

ゴルフが上手

コロンボは運動が苦手と自評しますが、俳優ピーター・フォークは運動神経がかなり良いと言えます。4話「指輪の爪あと」では、レッスンプロである「ケン・アーチャー」に、その腕前を見せつけています。ネットで調べてみますと、ピーター・フォークは実際に「ハンディ14台」まで到達したという記載もあり、かなりの腕前です。
そして「ピーター・フォーク」以前にコロンボ役の候補であったとされる「ビング・クロスビー」はさらにゴルフ通で、何と「ハンディ0(プロ同様)」。彼は「好きなゴルフが出来なくなる」という理由で、コロンボ役を断ったと言われています。

ビリヤードが得意

ビリヤードは数話で「得意」な様子を見せています。2話「死者の身代金」では「バーニーズビーナリー」で得意のビリヤードの腕前を披露しています。5話「ホリスター将軍のコレクション」ではバートの店にて、玉突きを誘われるが断っています。また、11話「悪の温室」ではジャービス・グッドウィン邸に置いてあったビリヤード台を使わせてもらってます。本人曰く「腕が衰えた」そうです。44話「攻撃命令」でもエリック・メイスン邸でビリヤードをしています。やはりかなりの腕前です。

クラシック音楽

クラシック音楽が好きだということです。9話「パイルD-3の壁」ではエリオット・マーカムと話が弾んでいますし、10話「黒のエチュード」ではシュトラウスのワルツ集を持っているそうです。40話「殺しの序曲」でもチャイコフスキーを聴いています。

48話「幻の娼婦」ではホルンの演奏を披露していますが、これは少し過度な演出かな?と思えました。その割には、68話「奪われた旋律」ではフィンドレー・クロフォードがかけたチャイコフスキーには無関心でした。

西部劇とギャング映画

映画のジャンルは西部劇やギャング映画が好きです。19話「別れのワイン」で秘書のカレンと「アラン・ラッド」の話で盛り上がっています。32話「忘れられたスター」ではミュージカルよりもギャング映画が好きだと言っており、好きな俳優はエドワード・G・ロビンソン、ハンフリー・ボガードなどの名前を挙げています。

料理

料理は上手な時と下手な時があります。3話「構想の死角」では、被害者ジムの妻ジョアンナのためにオムレツを作っていますが、得意というわけでもなさそう。17話「二つの顔」で料理番組に出演。これも慣れた手つきではありませんでした。しかし料理シーンで最も有名なのは「美食の報酬」で、この時はプロ顔負けの腕前を披露しました。

愛犬ドッグのページをお読みください。犬は好きなようです。

高所恐怖症?

2話「死者の身代金」では、飛行機は子供の頃から大好きだと答えています。ただし着陸後はフラフラ。そして8話「死の方程式」では「ロープウェイ」が大の苦手なようでした。24話「白鳥の歌」でもセスナ機に乗りますが、着陸後は「死者の身代金」の時よりさらに大きなダメージを受けていました。新シリーズの47話「狂ったシナリオ」や、55話「マリブビーチ殺人事件」ではクレーン台に乗りますが、高所が苦手な描写はありませんでした。

拳銃

拳銃は普段携帯しておらず、苦手だと断言できます。4話「指輪の爪あと」で初めて拳銃を持っていないことが明らかになっています。29話「歌声の消えた海」や30話「ビデオテープの証言」でも、発砲が苦手である描写が出てきます。32話「忘れられたスター」では10年近くも射撃テストを受けていないことが署内で問題になりました。

車の運転

車の運転は苦手と言う時もあるが、実はかなり上手。特に新シリーズのはじめ2〜3作は運転が荒いです。「愛車プジョー・403」の記事もお読みください。

船酔い

船酔いをします。5話「ホリスター将軍のコレクション」や29話「歌声の消えた海」で、船が苦手な様子が出ています。

イタリア語

42話「美食の報酬」ではイタリア人同等にイタリア語を喋ります。しかし65話「奇妙な助っ人」では、喋れない様子でした。

歌は決して下手ではない

歌うことは、イタリア系の割には下手だと明言(19話「別れのワイン」)しますが、口笛などは上手だったりします。43話「秒読みの殺人」では、運転中に気分よく歌っていて、追突事故を起こしています。

エピソードのテーマに沿った趣向

好きなものは、そのエピソードの犯人役の職業などにより目まぐるしく変わります。12話「アリバイのダイヤル」ではフットボールに夢中ですし、27話「逆転の構図」ではカメラに挑戦しています。また「愛情の計算」で「コンピュータがテーマ」になっていることから?「メモ代わりにレコーダーに録音」しているのは滑稽です。

書きかけ記事:2021年8月22日

2話「死者の身代金」

Ransom for a Dead Man / 1971

まだ本格的なシリーズ化ではない 死者の身代金

死者の身代金 は女性弁護士レスリー・ウィリアムズが、夫(有名弁護士)のポール・ウィリアムズを殺害し、身代金目当ての誘拐に見せかけるお話。3話の「構想の死角」から本格的にシリーズ化する直前の作品と位置づけられます。タイトルクレジットは細く白色で、いわゆるコロンボ書体ではありません。

犯人レスリー・ウィリアムズ像

物語が進むにつれ「殺害動機」が分かってくる展開が面白かったですね。その過程で彼女の「強欲」「強権的」な性格も見えてきます。娘のマーガレットとの会話はもちろん、失神の演技、法廷で強気の発言…など。著名な弁護士の夫に頼らなくても十分活躍できそうな女性なのでは?と感じさせます。

リー・グラントは怖(こわ)美しい

死者の身代金 リー・グラント犯人役のゲストスター、レスリー役:リー・グラントは2作目にして初の女性犯人。当時44歳頃で、小柄な女性ですが強く美しく描かれています。特にウィリアムズの葬式での横顔が印象に残ります。リー・グラントという出来すぎた芸名は、南北戦争の敵同士「リー将軍」「グラント将軍」から命名されたそうで、納得。

娘のマーガレット

パトリシア・マチック娘マーガレットを演じたのは、女優:パトリシア・マチック。なかなかの強者(つわもの)で、良いキャラクターでした。メガネをかけた若い女性ということで、40話「殺しの序曲」の天才少女「キャロライン」に似ているとの声も上がります。パトリシア・マチックは1971年の映画「白い肌の異常な夜(The Beguiled)」でクリント・イーストウッドとも共演しています。
ウィリアムズ邸

ウィリアムズ邸

ウイリアムズ邸は、サネット・ブールバード沿いの高級住宅街にあります。一番近いご近所は、会計士のオリバー・プラントさんです。

ロス警察を「この街の警察」と…

FBIの管轄になったことから、コロンボ警部も最初は遠慮がちに捜査に関わっていて、「矛盾に対する困惑」が延々と描かれます。「殺し」の捜査に移行した後は、水を得た魚のようにはしゃぎます。今回はFBIの登場ということで、ロス警察を「この街の警察」と表現していて面白いですね。

後の作品の元アイデアがちらり

ごく初期の作品なのですが、かなり「スッキリ」な仕上がりになっていてびっくりしました。脅迫電話のトリックをレスリーに実演してみせることも興味深いし、娘に一芝居打たせて、犯人を罠にハメるラストは25話「権力の墓穴」、録音テープを使ったトリックは26話「自縛の紐」の原形にも思われ、とても興味深いものです。

確立してゆく捜査スタイル

1話の「殺人処方箋」とこの2話「死者の身代金」で、コロンボの刑事としての捜査スタイルはすでに確立していて「うだつの上がらなそうな風貌を利用して相手を油断させる」「身内の話で手がかりのきっかけを作る」「実はかなりの腕利き刑事」などが見られます。ただ両話とも、コロンボ刑事が事件から外されそうになり、現実の世界でもありそうな展開。

セスナに乗るシーン

レスリーと一緒にセスナに乗るシーンは、大きな場面ですがそれほど重要ではなく、一見無駄に長く感じられます。これは勇敢な女性と頼りない男性を対比させ、コロンボ警部(高所恐怖症)のキャラクターを際立たせているのかな。この飛行場は「バーバンク・グレンデール・パサデナ空港」と呼ばれていたが、現在は俳優の「ボブ・ホープ」に因んで「バーバンク・ボブ・ホープ空港」となっています。

バーバンク・ボブ・ホープ空港

髪が伸びて、ぼさぼさ風に

1話「殺人処方箋」から約3年が経っての2作目です。ですので一気にお馴染みのコロンボの風貌が出来上がっています。髪は伸びでぼさぼさ、レインコートも少しよれよれ度を増します。さらに…スーツは今回からお馴染みの「明るい茶系」に変化し、温かみを感じます。殺人処方箋ではグレー系(ちょっと冷淡)でした。すでに「チリ好き」も楽しめますし、コロンボのキャラクター設定が出来上がってきました。

ティモシー・ケリー

ティモシー・ケリーコロンボ警部が好物のチリを食べる「Barney’s Beanery」の「バート」役のティモシー・ケリーは、その後の作品、5話「ホリスター将軍のコレクション」にも同じ役で登場します。38話「ルーサン警部の犯罪」はトニーで別人の役。

バーニーズ・ビーナリーが初登場

バーニーの店新シリーズに登場する「バーニーの店」の前身として考えて良いのかどうか疑問ですが店名は「バーニーズ・ビーナリー」です。ティモシー・ケリー出演の5話「ホリスター将軍のコレクション」のお店は違うようですね。今回はビリヤード台の置いてある広いお店でした。コロンボ警部のビリヤードシーンは今後もたびたび見られます。→バーニーの店「バーニーズ・ビーナリー」

カールソン捜査官

ハロルド・グールド誘拐事件の捜査の責任者カールソンは俳優ハロルド・グールド。ヒゲがお似合いのジェントルマンでしたね。ハロルド・グールドは長い俳優キャリアを持っており、映画「スティング」、テレビ出演では「0011ナポレオン・ソロ」「逃亡者」「スパイ大作戦」「鬼警部アイアンサイド」など懐かしいタイトルがずらり。

リチャード捜査官

チャールズ・マコーレイもう一人の年配のリチャード捜査官は俳優チャールズ・マコーレイ。コロンボに計3回出演しています。今回の役は他と外見が異なり、同一人物だと断定するのに数年を要しました。今回が一番若いはずなのですが、そうも見えませんし笑。

ハモンド捜査官

ポール・カーカールソンの部下で自宅での盗聴や、身代金をバッグに詰める役のハモンド捜査官は俳優ポール・カー。この人は「宇宙大作戦」34話「光るめだま」に出演しています。

ジェリー(フィル)捜査官

ジェド・アラン黒い髪の捜査官は俳優ジェド・アラン。劇中では「ジェリー」(和英とも)と呼ばれていますが、データサイト等では「フィル」とクレジットされています。

マイケル・クラーク

ジョン・フィンク弁護士レスリーをサポートする男性社員マイケル・クラークは俳優ジョン・フィンク。キャラクターとしては40話「殺しの序曲」のジョージ・カンパネラに通じる感じです。

女性社員ナンシー

リサ・ムーア女性社員ナンシーはリサ・ムーア。ウィリアムズ事務所で鉛筆をピンピンしながら歩いてくる女性です。何ともオシャレなファッションの女性で、ちょい役ですが印象に残っています。

レスリーのご友人グロリア

セレステ・ヤーノール葬儀の後レスリーの自宅で「私なら叩き出しちゃう」とマーガレットを非難した女性グロリアは女優セレステ・ヤーノール。この女優さん「宇宙大作戦」34話「死のパラダイス」にもヨーマン・マーサ・ランドン隊員として出演しています。

この3人の事務所が同じビルに!

刑事コロンボに登場のビル2話「死者の身代金」のレスリー・ウィリアムズ弁護士事務所、7話「もう一つの鍵」のチャドイック宣伝広告社、19話「別れのワイン」のステインさんの事務所はすべてこのビルの中にあります。

LOS ANGELES COUNTY COURTHOUSE

裁判所また、裁判の開かれる「LOS ANGELES COUNTY COURTHOUSE」も「もう一つの鍵」のベス・チャドイックの裁判所と同じ場所です。(映像アングルは異なります。)

クローウェル原告

ビル・ウォーカーこの裁判でプレス工(こう)として臨時に雇われ、階段を踏み外して怪我をした原告です。レスリー弁護士にこっぴどく追及されてましtね。でも可愛い感じの俳優さんでした。

裁判長

ジャドソン・モーガンさらには裁判長の俳優ジャドソン・モーガン。この俳優さんは、25話「権力の墓穴」のクラブで「ローレンス様がたいへんついていらっしゃいまして」と話すマネージャー風の男性チャールズと同一人物。

傍聴人の一人

バート・グリーンさらにさらに、この裁判を傍聴するこの男性はエキストラ俳優のバート・グリーン。何とコロンボに計回も出演していることがわかりました。2回目は9話「パイルD-3の壁」のサングラスの作業員、3回目は15話「溶ける糸」の病院で掃除機をかける人と、割と美味しい役どころでした!

グレープジュースはルートビア

裁判所
空港のカフェでコロンボ警部が飲む「グレープジュース」は、葡萄色じゃないので変だな~と思って英語で聞き直したら「ルートビア(root beer)」を注文していました。ノンアルコールの炭酸飲料だそうです。(ウエイトレスの女優はロイス・バトル)

お金を持っているのに払えない…

また同シーンで、3ドル50セントの飲み物代を支払うお金を持っておらず、警察手帳を見せながらサインをします。これは大金の札束(身代金)を手にしながら支払えない…という矛盾に加え、筆記用具も持っておらず、ウエイトレスに借りるという始末。こっけいなBGMも加わり、微笑ましい締めくくりです。

音楽担当はビリー・ゴールデンバーグ

タイトルバックのシーン、中盤でセスナに乗るシーン、それと空港でのエンディングには、「死者の身代金のテーマ」とでも名付けたい印象深いメロディが登場します。これは何と、15話「溶ける糸」のメイフィールド邸でのパーティのBGMにも使われています。作曲家は「ビリー・ゴールデンバーグ」。70年代っぽいポップなサウンドなので、聞いてみてください。

監督:リチャード・アーヴィング
脚本:ディーン・ハーグローブ
音楽:ビリー・ゴールデンバーグ

レスリー・ウィリアムズ:リー・グラント(声:山東昭子
マーガレット:パトリシア・マティック(声:上田みゆき)
カールソン捜査官:ハロルド・グールド(声:北村弘一)
リチャード捜査官:チャールズ・マコーレイ
ハモンド捜査官:ポール・カー
ジェリー(フィル)捜査官:ジェド・アラン
パーキンス銀行員:リチャード・ロアト
バート:ティモシー・ケリー(声:鈴木泰明)
男性社員マイケル・クラーク:ジョン・フィンク(声:納谷六朗)
女性社員ナンシー:リサ・ムーア
クローウェル原告:ビル・ウォーカー(声:雨森雅司
裁判長:ジャドソン・モーガン
空港のウエイトレス:ロイス・バトル
セリア(依頼人):ノーマ・コロニー
グロリア(レスリーの友人):セレステ・ヤーノール
パット(電話の女性):ジーン・バイロン
傍聴人:バート・グリーン

加筆:2024年11月21日

刑事コロンボマップ