- 「ぼろんこの傑作選」に選ばれています。
- 2021 NHK あなたが選ぶ!思い出のコロンボ[第1位]
- 2011 AXNミステリー 人気ランキング[第1位]
- カッシーニ・ワイナリーの場所が特定できました。
- コロンボシリーズ中、最も有名なレストランは実在しなかった。
- 別れのワインは、「不動の人気投票1位」「不朽の名作」だ。
- 犯行のトリックが難解という意見もあります。
- 脇役俳優「ヴィトー・スコッティ」の出演作品。
- エイドリアン・カッシーニ「ロールス・ロイス・シルバー・シャドーI」
- リック・カッシーニ「フェラーリ・330・GTS」
プロローグ

兄弟の確執

作品としての品格を感じる「別れのワイン」
ストーリーは終止美しく展開しています。イタリア風のBGMを多用した他に、不規則に聞こえる「鐘のような音」がとても印象的で、特にエイドリアンの犯行隠避(いんぴ)の場面で多用されます。犯人のエイドリアンは決して悪人ではなく、怒りにまぎれて殺人を犯した。このまま罪を背負って「美しくない」余生を送るのも、喜ばしいことではないと感じています。その点では、後の作品28話「祝砲の挽歌」のラムフォード大佐の心情にも類似点を感じました。
ジュリー・ハリスは可憐

カレンとジャニスの服がお揃い

リックの婚約者

刑事コロンボをさらに楽しめる俳優

この俳優さんも良い!

リックの死亡原因を解説する専門家

話しかけるものの邪魔にされる

ワイン屋のオヤジ

コロンボ警部がワインの銘柄を当てるシーン。バーガンディというのは、ブルゴーニュの英語名、ピノ・ノワールとギャメイ(ガメイ・ノワール)はその地方のブドウの品種です。クラレットとはいわゆるボルドーの英語名、カベニ・ソーヴィニオンはそのブドウの品種です。
ポーの小説でナントカの樽
コロンボ「ここで閉じ込められらコトですなぁ。」から始まり、エイドリアンが「アモンティラード」と答えた印象的なシーン。これはエドガー・アラン・ポーの「アモンティラードの樽」を差しています。
ワイナリー見学のガイド

フランク・パグリアが可愛い

ラストシーンも良い
「別れのワイン」と言う邦題の意味はラストシーンで見られます。コロンボとエイドリアンは車の中でワインを酌み交わします。エイドリアンはこれまでに収集したワインを全部ダメにして、海に捨てようとしました。犯行を自供し刑務所行きを覚悟する。これも俗世にさよならを言うような心境だったのでしょう。
YouTube「別れのワインのエンディングの曲」をパソコン演奏で再現しています。ワインやイタリアの雰囲気が漂う曲ですが、なぜか日本の大正ロマンにも通じる雰囲気がします。音楽もお好きな方は、こちらもご覧ください。(*ご注意:YouTubeへのリンクは音が出ます!)
人気ランキングで不動の1位獲得。
「別れのワイン」はどのような人気ランキングでも、常に1位を獲得してしまうという、不動の人気を誇ります。犯人役のドナルド・プレザンスを筆頭に、素晴らしい俳優陣。王道的なテーマ「ワイン」を扱った点でも、それが有利に働いています。
「別れのワイン」は刑事コロンボシリーズの最高傑作か?
この「別れのワイン」という作品は、コロンボシリーズの中で最高傑作であるとの呼び声が高いです。作品評を集めたサイトでは、数多くの意見が交わされています。概ね「作品としての品格や味わい」において非常に評価が高く、多くの人の支持を集めています。犯人役のドナルド・プレザンスが醸す高貴な雰囲気も好印象で、他の作品と別格であるとも感じさせます。題材がワインであることも、この作品の風格を持ち上げています。様々な意味で、この作品は味わい深いのです。
→人気作品ランキング
もちろん、私の考える「刑事コロンボシリーズの醍醐味」は、味わい深いことだけに終始しません。4話「指輪の爪あと」6話「二枚のドガの絵」15話「溶ける糸」などに登場する「憎たらしいほど強烈な犯人像」も見逃せませんよね。
おそらくチチアンにも、この美しい赤は出せなかったでしょう。

チチアン→ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
ワインへのウンチクも勉強になる

ダナ・エルカーが可愛い

ワイン仲間のルイス

ステインさんの事務所のビル
事件現場でニックの車について語る警官

バーで天気を尋ねられる客

ワインのオークションを仕切る人

カッシーニ・ワイナリーのロケ地
カッシニー・ワイナリーの詳細記事
カッシニー・ワイナリー(GoogleMaps)
カッシーニ・ワイナリーは海の近くにあったのか?
シリーズ中、最も有名なレストラン
監督:レオ・ペン
脚本:スタンリー・ラルフ・ロス
原案:ラリー・コーエン
音楽:ディック・デ・ベネディクティス
エイドリアン・カッシーニ:ドナルド・プレザンス(声:中村俊一)
秘書カレン・フィールディング:ジュリー・ハリス(声:大塚道子)
エンリコ・ジョセッピ・カッシーニ:ゲイリー・コンウェイ(声:加茂嘉久)
ファルコン(ワイン仲間):ダナ・エルカー(声:神山卓三)
ルイス(ワイン仲間):レジス・コーディック
ステイン(ワイン仲間):ロバート・エレンスタイン
ジョーン・ステーシー:ジョイス・ジルソン(声:北島マヤ)
ビリー・ファイン(リックの友人):ロバート・ウォーデン
アンディー・スティーヴンス(リックの友人):リード・スミス
キャシー・マーロウ(リックの友人):パメラ・キャンベル
レストランのマネージャー:ヴィトー・スコッティ
レストランのワイン係:モンティ・ランディス
バーテンダー:マイク・ラリー
バーの客:ロバート・ドナー
バーの客:ボブ・ハークス
ウイリアム・マルチネス博士:ビクター・ミラン
オークションの人:ウォーカー・エドミストン
オークションの客:レン・フェルバー
警官:ジョン・マッキャン
ワイン店店主:ジョージ・ゲインズ
ワイン醸造所ガイド:ロバート・ドイル
掃除のオヤジ:フランク・パグリア
**********
犯行のトリックが分かり難いという意見もあります。
エイドリアンがニューヨークに発った時点で、殴打されたリックがまだ生きていた点などを見逃すと、全く意味がわからないので、犯行を暴くトリックとしては決して簡単なものでは無いですね。また、エイドリアンはワインのテイスティング(味見)においては、人並みはずれた能力を持っていて、ニューヨークへの往路の機中で「このワインはマズい」という表情をしたのも見逃せません。
頭を殴打された弟リックはまだ生きていた
倒れたリックの様子を伺う兄エイドリアン。「即死してはいない…回復する可能性もある」と想像します。もし彼が一命を取り留めれば「ワイン工場の売却」「傷害罪あるいは殺人未遂」…きっと、全てを失うことでしょう。そこで「このままリックを確実に殺してまおう」と思い立ちます。
ニューヨーク滞在を1週間に延ばしアリバイを作る
頭部損傷で気を失っているリックをワイン貯蔵庫に閉じ込めます。手足を縛って身動きを封じ「空調設備(冷房と換気)を切り、工夫を施しリックが数日以内に確実に死ぬように工作した。ニューヨーク滞在期間を延ばしたことからも、リックが何日後に死ぬか?までは、想定できなかったと思う。「実際には2日以内に死亡」
頭部をカゴのようなもので覆い「さらに息苦しくする」
呼吸を満足に出来ないようにし(声を発することも抑える)、と思われる。そして死亡時期を遅らせる(息苦しくする、死後硬直を遅らせる効果もあったか…)」
リックの死体を海に投げ込み、スクーバダイビング中の事故に見せかける
これにより、エイドリアンは自分のニューヨーク滞在中に、リックが事故死したと思わせた。が、コロンボ警部により様々な矛盾を見抜かれることとなるのです。
**********
加筆:2024年9月4日
こんばんは
ぼろんこさん
日曜日何回めかの別れのワインを観てました 実にささやかなことですが2つ気になることがありました ラストレストランでのシーンです 調理場の前のお席に通されたコロンボ あとからエイドリアンとカレンさんがいらっしゃいます エイドリアンが調理場の前のテーブルとはと憤慨し 支配人が新しいお席を用意します でもそのお席には既に座っていらっしゃる方々が映っておりました 支配人の腕のみせどころでどうにかしたのでしょうか
もう一つは メニューに値段が書いていないことでコロンボは心配します でも食べ終わって憤慨したエイドリアンを追いかけすぐ戻ってきたコロンボはお金を支配人に握らせます あの金額はコロンボの予想なんでしょうか ささやかなことですがいろいろ想像しては楽しんでおります
横から口を出し失礼します。カッシーニさんは大事なお客様なので、支配人のスキルで席は譲ってもらえたのでしょうね。コロンボは大体の金額は予想して現金を用意していたようですね。ポケットから一旦札束出しました。でも支配人が「お代は結構」とサインを出したのでTip(チップ)として、またお詫びの気持ちとして一枚握らせてましたね。
わあ
70年代ラバーさん ありがとうございます わたしのささやかな問いに感激いたしてます ありがとうございます なるほどなあとすっかり感心しております 楽しみをありがとうございます
コロンボ大好きです🩷 参考にしながらまた観てみますね
おはようございます
別れのワイン観てまいりました 人間思い込みとはすごい わたしはレストランのシーン コロンボは一旦は引っ込めたものの すぐ引き返して全て払ったものと思ってました 支配人がお代は結構ですとサインしたものの やっぱりそうはいかないやと支払ったんだとずっと思ってました さすがコロンボと Tipだったんですかー
70年代ラバーさんに教えていただけ実に新しい発見でしたー
改めてありがとうございます
だからあとで エイドリアンに食い逃げはこの手に限りますな とつながるんですね わからなかったあ
夜の崖のシーンは昼間に撮影していると思われますが、これについて何か考えはお有りでしょうか。夜だと危ないからかなあ、と考えておりますが。
ぼろんこさん
わたくしにとっては世紀の大発見です
コロンボが吸っていた葉巻が瞬時に消えました
コロンボがエイドリアンとカレンさんを食事に
ご招待したレストランで コロンボが葉巻をくゆらせながらメニューを開いて待っていたところへ 2人が現れ 葉巻をモクモクくゆらせていた次のシーン 立ち上がったら
瞬時に葉巻が消えてました
こういうのぼろんこさんも大好きかしらと
今まで何回もみたのに わたくしには世紀の大発見でめっちゃ嬉しくなりました
こんにちは
ぼろんこさん
いま 別れのワイン
を観ております カッシーニーワイナリーに初めてやってきたコロンボ エイドリアンが出してくれた カベニ・スーべニョンを飲むシーン
のことで気づいたことがありました コロンボがコート
の内ポケットから葉巻を出します でもエイドリアンに葉巻はご遠慮くださいといわれます コロンボにしたら 新しい葉巻も珍しく しかも普段のより高級っぽい コロンボは吸わないで灰皿に何気なく置くのです いつもならどんな吸いかけでも持っていくのに お話しが終わったら置いたまんまお部屋を去りました 珍しいなあと思いました
リックの恋人から行方不明で捜索をお願いされ リックの名前は知っていたコロンボ 海で遭難者の名前を聞いた時のコロンボの表情にもとても優しさが滲みでてました
後半、カレンの自分に対する態度に軽くキレて、これから観るという映画かドラマのネタバレをかますコロンボw
「ああ、あの手首折っちゃうやつね」
本日2024/04/21世間の話題はアニメ「ちびまる子ちゃん」の新声優、菊池こころさんの登場に集中していましたが、なんとその中で、まる子とおじいちゃんが「刑事コロンボ」の結末をお父さんのプロ野球ナイター視聴に阻まれた恨みを話題にしていました。そして翌日まる子が結末をクラスメートの丸尾君に聞くと回答は「犯人は犯行の際家じゅうの電源を切ったため、ワインの貯蔵庫の温度が上がってしまったのです。ズバリそれが決め手になったでしょう」⇒私が何を言いたいか、賢明なる当サイトの閲覧者の皆さんにはお判りでしょう。
最後にこのワイン工場の将来を憂慮するくだりがありますが
ワイン趣味で浪費する兄、スポーツ道楽で浪費する弟
この二人の寄生虫がいなくなることでむしろ経営は健全化するのではないかと思っています
犯人逮捕後(殺人犯は被害者資産を相続できない)、マリノブラザースが取得したとしても、無理に安価なワイン工場にするのではなく
今の施設や従業員を生かしてマリノの高級ブランドとして今の経営方針を継続すれば
経営が健全化し安定成長した気がします
マリノが先を見据える真のカネの亡者なら、ですが
レス早すぎですwww
コロンボ警部がバーでテレビのニュースを視たあとに、バーのお客さんに「18日は雨だったかね。」と尋ねるところが好きです。18日の雨、20日の気温がポイントになりますので、この事件の時系列を単純に記します。
16日(日曜日) カッシーニ・ワイナリーでエイドリアンとリックが兄弟喧嘩。
その後エイドリアンはニューヨークへの旅行に出発。
18日(火曜日) ロスの天気は最高気温15℃、東北の風、時に雲低く、
朝のうちところにより驟雨(しゅうう)、午後より本降りとなり夜まで降り続く。
20日(木曜日) ロスで最高気温が40℃を超える暑さ。コロンボ警部、ロス市警で夜勤。
夜勤中の23日午前2時にリックの婚約者がロス市警に行方不明の相談。
23日(日曜日) エイドリアンはニューヨークからロスに戻り、その足でワイナリーへ。
24日(月曜日) 海岸でリックの死体が発見。
夜のニュースで6日前に窒息したという専門家の見解が放送。
警部はそのニュースをバーのテレビで視る。
25日(火曜日) 警部、ワイナリーに出向き捜査。
26日(水曜日) 捜査継続。さらにワインの勉強のためにワイン屋の知見者に相談。
27日(木曜日) 警部、再びワイナリーへ。ワイン貯蔵庫を捜査。
その夜に秘書のカレンのお宅にまで出向き聞き込み。
そこからエイドリアンに電話し、事件解決のお礼として翌日の食事を約束。
28日(金曜日) レストランで警部、エイドリアン、カレンで食事。
その夜エイドリアンはワイン貯蔵庫に行き、さらに翌日の明け方に海岸へ。
29日(土曜日) 警部、愛車403convertibleで明け方の海岸からワイナリーに。
名作である別れのワインは、29日の土曜日に、あまり従業員のいないカッシーニ・ワイナリーの映像でエンドタイトルが流れます。朝早い時間の土曜日なのでしょう。土曜日だから素敵です。理由は、別れのワインの日本初回放送は1974年6月29日の土曜日だったからです。「刑事コロンボ」は土曜日の楽しみでした。
NHK BS1で2022年1月29日に放送しました。この29日も正しく土曜日です。わかっていらっしゃいます。
18日の火曜日については、1974年6月も2022年1月も天気は雨だったとしておきましょう。ロスも、日本も。
管理人様、時系列の記載が書きすぎていますでしょうか。もしそのようにお考えでしたらこのコメント削除してください。詳しすぎるばかりでなく、間違っているかもしれませんから。
でも、間違って土曜日としておいてもいいようにも思えまして。
20日の40℃越えの日はカミさんとピクニックじゃなかったでしたっけ
とっくにどなたか 言及されてるかも
しれませんが
監督のレオ・ベンはショーンのお父さんだったのですね。
コロンボ「ワイン」「策謀」以外にも
当時のヒットドラマ撮っていて。
ショーン監督「プレッジ」「「イントゥ・ザ・ワイルド見て、天才だ!と思っていたので
何か
納得しました。
ドナルド・プレゼスンさんのカッシーニと
大脱走コリン役とのギャップ
ですが、スタージェス監督の「鷲は舞い降りた」ではヒムラー役で驚いたものでしたよ。
ホラー映画ファンとしてはドナルド・プレザンスの声が石田太郎さんじゃないのは最初違和感でしたが、最後まで観たら中村さんピッタリはまってました!哀愁がとても良かったです!
何方か既にアップされてるかもですが(コメントが多過ぎて確認するのが面倒って? その通りです…)、最近放送された映画「The Sting」にファルコン役のダナ・エルカーさんのお顔も見えましたね ニセのFBIの設定でした テレビドラマ中心の脇役俳優さんだったとの事ですが、有名な映画にも出演されてたんですねぇ
「刑務所は、結婚より自由かもしれませんな」について、アイス様が微糖スコッティ様につけた別のコメントでお声をかけていただいたのですが、このセリフについては、以前こちらで書こうかなと思った”そもそも論”があるので、分けたコメントとさせていただきます。
そもそも原語版では、この場面でカッシーニさんはこうした言葉は言っていません。「自白する。肩の荷をおろした気分だ」「どうして」に続く部分、原語および私なりに考えた訳(意味)を書きますと、
Karen guessed the truth. She’s turning the thumbscrews on me.
「カレンが真相に思い当たって、私にキバ(直訳:中世の拷問具のネジ)を剥いてきましてね」
She’s quite a little iron maiden, that lady.
「カレンは恐ろしいひとですな(直訳:鉄の処女=中世の拷問具の名称と女性にかけてある」
I guess freedom is purely relative.
「自由とは結局、比較の問題なんでしょうね」
つまり、ここでカッシーニは、「結婚を迫ってきた」とは言っていないわけです。具体的な内容も言っておらず、「歯向かってきた」という意味の言葉だけですが、想像できるのは「ゆすり」だろうと思います。
それに続くセリフは、原語は「カレン」であることを明示しています。日本語版の「女性は怖い」でもそう取れるでしょうが、同時に女性一般について言っているかのように感じる人もいるのではないでしょうか。
そして3つめでは、「刑務所と結婚」ではなく、”自由”について「relative(相対的)なものにすぎない」と言っています。ここも具体的なことは触れてはいませんが、「このあとの人生を、カレンにゆすられ続けながら過ごすか、刑務所で暮らすか」ということに取るのが自然かと思います。少なくとも、結婚は(仮にカッシーニが心の中で思っていても)言葉として表には出てきていません。
日本語版は、具体的な内容に言及されていないことを逆手に取って「結婚」にすることで印象を高めようとしたのではと想像します。上記の私の解釈が間違っていなければ、原語版はずっとドライで、日本語版はウェットに変えられている、というと紋切型の比較文化論になるでしょうか。
なお原語を確かめるため、私が持っているブルーレイ版全集を見たら、ここは日本語字幕も放送された日本語版とほぼ同じにしていて(つまり「刑務所と結婚」が出てくる)、原語に沿った訳にはなっていませんでした。それだけ日本語版のセリフが魅力的ということでしょうね。
これまでも書いたことがありますが、原語が日本語放送版と違うことはちょくちょくあります。すぐに思いついたのは、「パイルD-3の壁」の最後。「カントリーとクラシックでは水と油」というコロンボに対して、犯人が「建築屋と犯人もだ」と言いますが、原語では単に「そうだな」という内容の言葉を言うだけです。
日本語版はこうした”お化粧”があるため、日本語版だけから「コロンボ」という作品や製作陣の意図をとらえようとすると間違うこともありうる、と以前も別のコメントで書いたことがありますが、あまりこうしたことを書くのもどうかと思って控えるようにしています。今回はちょうどこうした例が出てきましたので、書かせていただきました。
なお、私は「刑務所と結婚」について話をするのが無意味だといいたいわけではまったくありません。そうした誤解を受けるのは本意ではありませんので付言させていただきます(「刑務所と結婚」については、考えたことがなかったので、すみませんがアイス様にも的確な答えがすぐには思い浮かびません・・・)。
すみません、「パイルD-3の壁」の犯人マーカムさんのセリフ(日本語版)をなぜか「建築屋と犯人」と書いていましたが、「建築屋と殺人」ですね。訂正します。失礼しました。
ドナルド・プレザンスさんは「大脱走」にも出ていますよね。
名優でした。カレンに脅迫されて困っているときなど、演技が光っていました。
微糖スコッティ様
こんばんは。
偶然、わたしもたった今ドナルド・プレザンスと大脱走のことを書いたところでした。
ぜんぜん違う人みたいですごいなあと思いました。
大脱走のほうは優しい役で最後のシーンも良かったですね。
わたしも中学生のときにはじめて溶ける糸を観まして、やはり一番印象に残っている作品のひとつです。
アイス様
それは嬉しいです! 奇遇でしたね。
確かに大脱走の役とは打って変わって犯人です
もんね。
憎めない犯人という感想もあるようですが、
「刑務所は、結婚より自由かもしれませんな」
のセリフには正直、最低だな、と思ってしまいました。
そこまで結婚が嫌だったんでしょうか・・・
微糖スコッティ様
>憎めない犯人という感想もあるようですが、
「刑務所は、結婚より自由かもしれませんな」
のセリフには正直、最低だな、と思ってしまいました。
そこまで結婚が嫌だったんでしょうか・・・
(笑)そこですよね。笑うところではないですね。すみません。
微糖スコッティ様にまったく同感です。
この犯人、ワインと結婚してるんでしょうかね?にしても、いくら脅迫されたとはいえ、このセリフはカレンさんにも、一応カミさんがいるとされているコロンボに対しても失礼ですよね(笑)
そもそも刑務所入ったことないくせにね、と、微糖スコッティ様のおかげで気づきました!
<時代を考えましょう>
よく感想欄を見ると「飲酒運転がー」「喫煙がー」「差別だー」という不満や批判的な意見がありますが、コロンボは古典作品です。例えば当時のカリフォルニアでは過度に酔っぱらっていない(千鳥足でない)限り、飲酒後の運転は合法でした。喫煙についてはもっと緩く、女性秘書さんも作品中のオフィスでスパスパ吸っています。日本企業の東京のオフィスでも戦後から90年代初頭まで事務机でみんな煙草を好きな人はそこで吸ってました。
コロンボを見ていて、「証拠の扱いが雑だな」と思いますが当時は鑑識さんもラフですね。
原題 Any old port in a storm 解題
この題名自体、1908年にケリー・ミルズ作曲・発表されたアメリカのポピュラーソングのタイトルと同じです。窮余の策(この歌でも出てくる「嵐の際はどんな港でも」)を “Any port in a storm” と表現しますが、作品の最後の方で出てくる「1945年のポートワイン port wine」。それとかけているのですね。異常気象で暑い日にエアコンなしではどの(any)古いワインにとっても嵐に会ったようなものですね。
お久しぶりです。「別れのワイン」について以前から疑問があるのですが。
それはエイドリアンもコロンボも、堂々と酒気帯び運転をしていることです。
「ワインじゃ酔えない」という人もいるので笑、ワインは酒の内に入らない?
エイドリアンは食事の後なので(おそらく長い時間を掛けて1本空ける)、帰宅の途に就く運転の際にはもう醒めていた?
しかしコロンボはハンドルを握る身で、しかも犯人護送という重要な仕事中に平気で乾杯しています。
犯人に一杯を勧められて「仕事中なんで」(犯人への警告)と答えたこともありますのに‥‥
米国は酒酔い運転の基準が緩いのかなと思って調べてみましたら逆で、日本よりずっと厳しいのだそうですが‥‥
ここではおそらくとうに話題に上がったことでしょうが、いかがでしょう。
おっしゃること、ごもっとも!
今週NHKで再放送する予定の、35話「闘牛士の栄光」なども酷いもので、昔、一緒に観ていた某大手損保会社に勤務している友人があきれていました。
コロンボ、異国メキシコ観光旅行中に子供を含めた一家数人が乗った自家用車に100:0の追突事故起こして、運転手のご主人が明らかに首を痛めて痛がって体調悪そうなのに、「保険があるから大丈夫だよ、大げさだよ」とか言って全然被害者を心配するそぶりさえ見せない。こんなの現在日本なら、同乗者全員、整形外科を受診し、病院や接骨院に最低3か月は通院されて、高額な通院費+慰謝料や休業損害等を保険から支払わされ、場合によっては弁護士入れられたりするそうですすが、異国メキシコではコロンボが本国で入っている対人・対物保険は使えないらしい? どうするの?
本来なら本国ロス市警にすぐ事故報告すると同時に旅行は取り止め、即帰国し、それなりの処分を受け上司と一緒に改めて被害者家族にお見舞いと謝罪しに行くのが、警察官としてというより、人として最低限とるべき行為でしょうに。
何の権限もない他国で、お気楽に闘牛士の殺人事件にかかわっている場合か!
と友人も私以上に憤っていました。
車は「走る凶器」だという社会常識がコロンボにまるで感じられないのは、いかがなものでしょうか?
学生時代にドイツ語を専攻してた時に、講師から「ドイツで交通事故を起こしても、トゥート ミア ライド!と言え」と聞きました
なんでも、自分は悪くないという意味だとか…
国の考え方の違いかもしれません
規制や取り締まりというのは時代が下るほど強まるものです。
日本でも飲酒運転取り締まりというのは、悪質な事故が起こる度に強化されてきました。
ちょっと注意して番組を観ると、ロサンゼルスというのは大都市のはずなのに地下鉄も路面電車も全く存在せず、誰も彼もが自家用車を運転して移動しています。「逆転の構図」では、共犯者がタクシーで駆け回るという不自然さが注目されますが、電車どころかバス路線すらないも同然、という彼の地の公共交通の貧弱さもまた浮き彫りになっています。日本でも都市部を離れると自家用車なしでは生活できないと聞きますが、アメリカでは大都市でさえその状態(例外はニューヨーク市ぐらい。あそこは地下鉄の路線網が古くからある)に、70年代にはとっくに突入していたのです。
ですので、飲酒運転を厳しく咎めると、バーどころかレストランさえ商売にならない。だから、飲酒運転なんてよほど泥酔しないかぎり誰も問題視しなかった。マイケル・ジャクソンは1984年に大統領から表彰されていますが、その理由が「飲酒運転撲滅運動への貢献」です。つまり、その少し前ぐらいに悲惨な事故が社会問題になり、キャンペーンがあったのです。
「走る凶器」という意識がないのも、生活必需品すぎていちいち神経質になってられない、という事情によるものでしょう。もちろん、それはそれで良くないことです。
相棒Season 5 第9話「殺人ワインセラー」は見事な「別れのワイン」のオマージュです。佐野史郎の登場シーンでワイングラスの底を持っているのは、「別れのワイン」の試飲会のシーンの皆さんのグラスの持ち方を真似しているようです。グラスの柄を持つのがマナーのはずが、更に徹底してワインを体温から遠ざけています。最高の当たり年のワインの「香りを目覚めさせるため」デカンターに移すという手順、ワインセラーで殺害した被害者を別の場所で事故死に見せかける工作、最後に刑事(警部)がくすねたワインに容疑者が気づくのが決め手になるという結末が共通です。「別れのワイン」ではデカンターに移す際に濾過までしていますが、澱を完全に取り除いたので見事な赤色が出現するというわけでしょうか?
「殺人ワインセラー」には被害者の社内の愛人が裏帳簿をシュレッターに掛けようとしたり、刑事の目の前でタバコを吹かしたり、コンプライアンス遵守のかけらもないのですが、刑事コロンボで容疑者周辺に魅力的な悪女や愚かな女性がよく登場するのに倣っているようです。
最後にコロンボと犯人がワインで乾杯するのは、相棒Season 6 第14話「琥珀色の殺人」で警部と容疑者と犯人がカクテルで乾杯するのに対応していますが、これらは1974年の映画「オリエント急行殺人事件」(クリスティの原作は知りません)のラストに倣ったものと思います。
昔はビデオもDVDもなく、音声多重さえなかった(字幕もないのに原語に切り替えちゃったら解らなくなりますしw)今は何度でも見返し気が向けば「オリジナルはなんて言ってるのかな?」と音声切り替えも望むまま。良い時代です(笑)この回の、ドナルド・プレザンス演じるエイドリアンの中村俊一氏による吹き替えは私の中ではシリーズ1、2を争う素晴らしさです。コロンボが酒屋に教えを請いにわか仕立ての知識とハッタリでワインの銘柄を当てるシーンなどは、英語に切り替えてもドナルド・プレザンスの含み笑いや間合いの微妙なタイミングを見事に再現していて何度観ても感動すら覚えます。調べてみるとミセス・コロンボの「殺しの日は雨」でやはりドナルド・プレザンスの声をあててるんですね。
久しぶりに見ての個人的な感想ですが、
エイドリアンにはコレクターあるあるの嫌な側面が出ちゃってますね。
それと、これは超個人的な事なんですが、
私の兄は脳梗塞のサバイバーで寝たきりになってしまったのですが、
エイドリアンが生きてる弟を倉庫に閉じ込めた行為は冷静に見れなくなってしまいました。
憎らしくない犯人と思える皆さんが羨ましいですね。
>憎らしくない犯人と思える皆さんが羨ましいですね。
著しく同意します。
この話に惹かれるのはエイドリアンが猛烈な仕事人間であることでは、と思うようになりました。コロンボもそこには終始敬意を表しています。秘書が言いよっても迷惑そうですし。最後にの…freedom is purely relative…は哲学的ですらあります。
子どもの頃見て感動したけれども内容は忘れていた「別れのワイン」。
先の再放送を「ながら見」したためトリックがよく分からず、最後どうしてワインがまずかったことでトリックを暴かれたことになったのか追いつけず、こちらの解説がとても助かりました!!
昔は「コロンボは一瞬でも見逃したらわからなくなるので勿体ない!」と思いながら見ていたのに、反省。そしてこちらのいろいろな説明を読んで、さらにいろいろな魅力が詰まっていたことを知り、つくづくながら見するのはもったいなかった…と反省しています。
原題の 「Any old port in a storm」の解釈で悩んでいます。
格言は「Any port in a storm」です。
警察(storm)から逃れるためにはカレン(old port)からの求婚に応じる手が
有り、それが格言に従った行動です。
エイドリアンは警察に捕まること承知でカレンを退けた訳なので、格言どうりにはしない例という意味で使われた原題だと思いますが自信がありません。
カレンを「old port」と表現するのは、女性に対してあまりにも失礼でしょうから、その解釈は無いでしょう。「old maid」つまり「オールドミス」同様、侮辱的と受け取られかねない言葉です。
普通に格言に「old 」を加え、古い港と古いポートワインをかけて、「嵐の時には(事件解決のためなら)どんなに古い港(古いポートワイン)でもありがたい」だけに留めるほうがいいのではないでしょうか?
補足
ポートワインは、英語で「Port Wine」です。
有難うございます
ご指摘どおり old port は old wine でしょう。
次のような解釈は出来ないでしょうか。
エイドリアンは危ない状況(in the storm)なので、portの選り好みできないはず(any old wine で良しとすべき)なのに、その格言を忘れたというのが「落ち」ではないかと思いました。
>any old wine で良しとすべき
なるほど、そうかも知れませんね。
殺された弟さんが同じ立場だったら、逆に、
A Girl in Every Port
(港々に女あり)
という超ポジティブ思考になれたかも(笑。
ダナ・エルカーは映画「スティング」で大掛かりな詐欺現場に踏み込む凛々しいFBIの役が印象的でした。熱で味の落ちたワインの味を確かめるヴィトー・スコッティとモンテ・ランディスの仕草にいつも笑ってしまいます。
50年近く前、子供のころに観た印象と、最近久しぶりに鑑賞した後の余韻がまったく変わったのですが、これは作品が熟成したからなのか、私が経年劣化したからなのか、どちらなんでしょうか?
作品のフィルムは冷暗所で保管されて綺麗にリマスターもされて美味しく味わえますが(赤ワインの赤はリマスターで鮮やかに色補正し過ぎですが…)、私は長年高温多湿や厳しい温度差の環境下に晒されて、相当酸化が促進されている粗悪なだけの年代物になったのではないかと内心非常に危惧しております。
殺人に至る兄弟喧嘩の場面だけは、原語の方が真に迫って迫力がありました。兄弟比較すると、弟の方が遊び人ながら会社を良い方向に変革する行動力と積極性や社交性はあって経営者として上手くいく可能性が大きいことを父親は見抜いていて、どちらに継がせるか迷っただろうな。しかし兄弟ともに浪費家なのが問題ですね。私は金は無いけれど性格的に兄に近いかなあ、女心にも鈍感だし…だめだこりゃ。
照る民さん
モハメド・アリの言葉でも噛みしめて、せいぜい精進することですな。
「50歳になった時、20歳の時と同じように世界を見ている人間は、人生の30年を無駄にしたということだ。」
照る民 さま
Man are like wine, some tern to vinegar, but the best improve with age.
「男はワインのようなものだ。ある者は酢に変わってしまうが、一番良い事は、年齢とともに良くなるって事だ」
って言葉もあります。
2SC372 様
それ、ローマ教皇ヨハネ23世のお言葉だったんですね!
何だか凄いこと、おっしゃいますね。
キリスト教では、葡萄酒やパンがキーワードになるようですが、そうした文脈の中でのお言葉だったんでしょうかね。
はい、頑張ります!