トライコン工業社の女性社員

アン・コールマンAnn

スーザン・ジャコビーSusan

トライコン工業社の女性社員

26話「自縛の紐」に登場するトライコン工業社の女性社員は女優「アン・コールマン」であることが判明しました。かつては本サイトで彼女を「スーザン・ジャコビー」であると記載しておりまして、それは間違いでした。これはブログ・ゲストさんからのご指摘を受け、本格調査に乗り出したのですが、とても面白いエピソードがわかりまして、本記事を書きました。

ローズとは誰?

26話「自縛の紐」の執筆当時、まずIMDbの情報で、女性(ローズ):スーザン・ジャコビーというクレジットの記載を確認し、ネットで検索をしたとことろ、トライコン工業社の女性社員(ローズ?)=スーザン・ジャコビーであると掲載しているサイトを複数発見し、私もそう信じていました。
しかし、それは間違いでした。女性(ローズ)は、ストーリー後半で登場する、マイロ・ジャナスの健康クラブの女性社員でした。私はこの「自縛の紐」については日本語版しか持っておらず、この場面の会話、ローズ「おはようございます」マイロ「おはよう」としか、聞き取れないのですが、英語版ではマイロ「おはようスーザン」と言っています。(注1)

スーザンとは誰?

なぜマイロが「スーザン」と呼んだ女性が、役名:女性(ローズ)で、演者がスーザン・ジャコビーなのか?これは、海外のサイトで書かれていましたが、おそらく「カメオ出演」なのではないか?という説です。ロバート・コンラッド(マイロ)と、女優スーザン・ジャコビーは知り合いだった可能性がある‥との考えです。だから本来「ローズ」という名の女性を間違えて本名(注1)で呼んでしまったと。しかしそれは、女性(ローズ):スーザン・ジャコビーとクレジットされたようです。このほとんどちょい役の人物が、クレジットされたことも、「カメオ出演」の裏付けであるとされています。

女優アン・コールマン

今回の情報源のサイト「THE COLUMBOPHILE BLOG」の筆者(の関係者)が彼女の所在をつきとめ直接インタビューしたらしいのです。下記は彼女自身の言葉を要約したものです。

「人々から『ピーター・フォークと仕事ができて、良かったですね!』と言われますが、ちょっとわかりませんね。彼は私との撮影シーンの途中で昼食に出てしまい、多くのシーンは別撮りだったのです。私はその場にいない相手と演技をしたのです。」

と非常に残念がっています。ピーター・フォークは彼女が去った後に、自分のカットを撮影したようです。何度も試技を続け、あの素晴らしいシーンが出来上がったようです。ではなぜ、とても記憶に残るトライコン工業社のシーン、名演している女優「アン・コールマン」はクレジットされなかったか?不思議ですよね?これについて彼女は「わかりません」と回答しています。今となっては「残りのキャスト」扱いではありますが、「トライコン工業社の女性社員=アン・コールマン」と明記され、彼女のことを確認することができました。素晴らしい演技を見せてくれた「アン・コールマン」に心より感謝いたします。

加筆:2023年12月22日:(注1)実際に英語版を見ました。早口で聞き取りづらいですが…「スーザン」と言っているのでしょう。

“トライコン工業社の女性社員” への4件の返信

  1.  去年こちらのコメント欄につけた小生の投稿に応えていただきまして、ありがとうございました。短いけど印象的な場面なので、アン・コールマンがクレジットされなかったのはなぜなのか、残念ですね。
     投稿のきっかけとなった海外サイトの記事には、「ロックフォードの事件メモ」に出演した際の彼女の写真が載っていますが、トライコン社の社員同様、きりっとした印象ですね。そちらでは Kathy Tillison という役名をつけられています。
     ぼろんこさんが関連記事で触れている、「フォークと共演できてよかったですね」と言われることに対する彼女の返答ですが、原文では I say ‘I wouldn’t know.’ と言っているので、「そうは思っていません」というより、「ちょっとわかりませんね」という感じの、ソフトでそつのない答えと私は受け取りました。そして、別撮りにしたからこそ、フォークはコロンボが徐々にいらいらしていく様子を時間をかけて表現することができたとの筆者の見方が書かれています。コールマンにとっては残念かつ残酷なことでしょうけど。
     スーザン・ジャコビーが演じている方の社員は「ローズ」という役名のはずなのに、持っているブルーレイを観てみたら、関連記事で指摘されているように、マイロは彼女に Morning, Susan. と呼びかけていますね。

    1. tempus fugitさん、コメントありがとうございます。以前コメントが投稿できなかった件は、理由がわかりませんが、せっかくですのでこちらに移植いたしました。
      I say ‘I wouldn’t know.’についてもアドバイスありがとうございます。本記事に加筆いたします。

  2.  興味深く拝読しました。
     日本語吹替の、ローズ「おはようございます」マイロ「やあ、おはよう」のところ(小池版・石田版、共)、
    Blu-rayやDVDの映画字幕で念のため確認しても、確かに聴いた通りの、
    ― Good morning, Mr. Janus.
    ― Morning, Susan.
    になっていました。

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