Jaguar
ジャガーはイギリスの高級車メーカーで、刑事コロンボにも数々の名車が登場します。
Jaguar XK-E
日本ではジャガー・Eタイプとも呼ばれ、美しいカーブ・シルエットを持つスポーツカーです。かの有名なエンツォ・フェラーリも「世界一美しい車」と賛辞を贈りました。コロンボでは10話「黒のエチュード」のアレックス・ベネディクトの愛車(美しいシルバー)、続く11話「悪の温室」ではトニー・グッドウィンが所有し、狂言誘拐の小細工として崖から突き落とされるイエローの車体も印象的です。
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14話「偶像のレクイエム」でジェリー・パークスのジャガー・Eタイプは炎上してしまいました。ぐっと時代は下って55話「マリブビーチ殺人事件」ではウェイン・ジェニングスが真っ赤なジャガー・Eタイプ・ロードスター(オープンカー)を乗り回していました。
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Jaguar XK120 Roadster
45話「策謀の結末」のジョー・デブリンの愛車は、ジャガー・XK120・ロードスター(オープンカー)です。1952年式ということで1961に登場したEタイプ(上記)よりクラシック感が強いです。
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Jaguar XJ
13話「ロンドンの傘」のダーク刑事部長のジャガーは1973年式のXJ6・シリーズIでした。こちらは4ドアサルーンの高級車で一般的にジャガーと聞くとこのモデルが頭に浮かびます。
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54話「華麗なる罠」のウェズリー・コーマンは1989年式のジャガー・XJ-S。61話「死者のギャンブル」のドロレスは1992年式のジャガー・XJS。
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62話「恋に落ちたコロンボ」のローレン・ステイトンのジャガーは1989年式のXJ-Sというモデルで2ドアのコンバーチブル。一方67話「復讐を抱いて眠れ」のエリック・プリンスのジャガーは1995年式のX300で、「ロンドンの傘」から20年以上経っても伝統的なフォルムを維持しています。
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*記事は書きかけ・研究中です。誤りや気付き等はコメント欄にお書きください。
投稿:2024年1月13日
小ネタです。
記事中の、
>13話「ロンドンの傘」のダーク刑事部長のジャガーは1973年式のXJ6・シリーズIでした。
についてですが、
ロンドン警視庁前でコロンボが乗せられたジャガーXJ6が、現場に着いたときには、なんと、XJ12に入れ替わっています。
私が最初に発見したのではなく、ぼろんこ様の別記事「コロンボ警部の愛車プジョー・403」(2010年4月28日 )のコメント欄で、すな様のコメント(2020年6月13日 12:42 PM)中に、
<ネットで「クルマの博物誌 配役される車」で検索すると、『M-BASE クルマの博物誌』というトヨタ博物館学芸員である山田(講)二氏の記事が見つかります>
とありまして、その山田講二氏の記事【第5回 配役される車 ―「刑事コロンボ」の場合―】中の指摘を読み、実際の映像を観て確認しました。
山田講二氏の記事のほうも大変な力作で、ぼろんこ様記事同様、とても勉強になります。
前回のコメントを、少し訂正・追加します。
ロンドン警視庁前でコロンボが乗せられたジャガーXJ6シリーズIは、現場に着いたとき、ナンバーは「BG32449」で同じなのに、ホイールや左後のアンテナの有無など、いくつかの特徴に差異があり、明らかに最初と別な車です。そして、その現場に着いたときの車種は、XJ6と車後部のマークにあるにもかかわらず、より車格が上がり、XJ6の直列6気筒DOHCエンジンに代えて、5.3リッターV型12気筒SOHCユニットを搭載したXJ12に、私にも見えます(ぼろんこ様の写真も後のシーンのものですがXJ12に見えます)が、どうでしょうか?
13話「ロンドンの傘」の初オンエアは、1972年11月26日、ジャガーXJ12シリーズIが初登場したのが1972年7月で、微妙な時期ですが、ナンバー同様、車の後ろマークも、別な車同士ですが、視聴者の混乱を避けるためにXJ6に統一させた可能性はありそうです。
補足
ジャガーは、発表したばかりで自慢のXJ12をアメリカ国民に見せたい意向があって撮影用に準備した。しかし、発売当初でまだ台数が少なかったので、急なロケ日変更などに対応できなかった。そこで、やむを得ずXJ6を併用、アップが多いシーンの日はXJ12を使ってインパクトを与え、車体後部のマークは、既に名前が浸透して見慣れたXJ6のほうに統一する・・・、映画ではあるまいし、それでもジャガーのカッコよさは十分伝わるし、当時のブラウン管テレビの解像度では、そんな細かいところまでは視聴者に気付かれるはずがないだろうと制作側は提案し、ジャガーも合意した・・・、というのが私の仮説です。