3話「構想の死角」のケン・フランクリン邸と12話「アリバイのダイヤル」のエリック・ワグナー邸は同じ家です。大きな窓に囲まれたリビングルーム。窓にかかったカーテン、白いソファも同じものですね。こうして2作品を見直すと、やはり「構想の死角」のカメラアングルが強調されていることがわかります。
そして、やたらと数多くの絵画が飾られた室内の壁面。よく見ますと、左上の女性の肖像画は全く同じ絵です。
筆者ぼろんこが刑事コロンボの素晴らしさを語る。コロンボ全話解説・出演者研究など。
3話「構想の死角」のケン・フランクリン邸と12話「アリバイのダイヤル」のエリック・ワグナー邸は同じ家です。大きな窓に囲まれたリビングルーム。窓にかかったカーテン、白いソファも同じものですね。こうして2作品を見直すと、やはり「構想の死角」のカメラアングルが強調されていることがわかります。
そして、やたらと数多くの絵画が飾られた室内の壁面。よく見ますと、左上の女性の肖像画は全く同じ絵です。
先日、『The Rockford Files』(邦題 「ロックフォードの事件メモ」)のBlu-rayを、英語が堪能な友人から借りて観ていたら(吹替、日本語字幕、英語字幕とも無し、従って英語の、特にリスニングが苦手な私には、会話の意味の少なくとも半分以上がよく理解出来なかった。「The Complete Series」のBlu-rayはAmazonでも入手可)、その貸してくれた友人の指摘で確認したのですが、ご紹介の「エアオールウェイの豪邸」が、同TVドラマのパイロット版である「Backlash of the Hunter」(邦題「死体と結婚した女」米国初放送日1974年3月27日、日本初回放送日1975年4月5日)と、シーズン4「Dwarf in a Helium Hat」 (米国初放送日1978年1月27日)でもロケで印象的かつ効果的に使用されていて、驚きました。
調べると、どうも1969年に完成した豪邸らしく、メンテナンス不十分もあり、その後老朽化が加速して、残念ながら2014年に取り壊されてしまったようです。
TVドラマ「ロックフォードの事件メモ」は、映画『大脱走』での、通称「調達屋」のヘンドリー役で有名な、ジェームズ・ガーナーが主演で、日本では一部の回が吹替で放送されただけのようです(ジェームズ・ガーナーの吹替は名古屋章さんだったらしい)。
「ロックフォードの事件メモ」についてお詳しい方やお好きだった方は、いらっしゃいますか?
なるほど、こうして二作品を見比べてみると、カメラワークやライティングで、まったく印象が変わりますね。私も、同じ場所とは長い間気付きませんでした。まさに映像のマジックですね。
たとえばスピルバー監督作品「E.T.」では、その徹底したローアングル志向なカメラワークに、しばしば小津安二郎の影響を指摘する声がありますね。3話「構想の死角」では、ぼろんこさんがおっしゃっていた、「俳優同士の顔がくっつきそうになる程、近くで会話していたり、女優の横顔のシルエットでその場面を深く印象づけたり」といったカメラワークには、おそらく偶然だとは思いますが、初期ウルトラ・シリーズでの監督の一人として有名だった、実相寺昭雄に似た趣味を感じました。
3話「構想の死角」の親記事にも書いたのですが、結果的には「スピルバーグ的でない、普通っぽいアングル」の方が、コロンボ的だと思いました。