24話「白鳥の歌」

Swan Song / 1973

犯人役にカントリー歌手として有名な「ジョニー・キャッシュ」を起用。自分は吹き替え版を見たので、演技の良し悪しはわかりません。犯人であるカントリー歌手トミー・ブラウンよりも、被害者である妻のエドナ(アイダ・ルピノ)の方が悪人であるため、少し悲しさが漂う作品。

刑事コロンボの一つのパターン、犯人に対する同情も表現[41話「死者のメッセージ」など]されています。さらにはラストシーンで、「自分が犯人でございます」と犯人自身に言わせるパターン[9話「パイルD-3の壁」25話「権力の墓穴」など多数]も登場し、楽しめる作品だと思います。

音楽家魂を感じます…「ギターは壊したくない」が「命がけの殺人トリックを敢行」

ポイントは2つだと感じました。1つめは歌手トミー・ブラウンが「自分のギターは助かるようにセスナに載せなかった」こと。ギターを演奏する人なら、この気持ちが分かると思うんです。楽器というのは世界に同じものが二つと無いんですよね。

もう1つは、自家用セスナを墜落させるという大技です。自分の命の保証も無いというかなりリスキーな殺害方法です。しかも、同乗していたコーラスガールのメアリーアン(ボニー・ヴァン・ダイク)も一緒に殺してしまいます。口封じの意味もあるでしょうが、こりゃ罪が重いです。

テーマ曲は「I saw the light」

トミーは「I saw the light〜 I saw the light〜」と歌います。このブログの訪問者さんの書き込みがヒントで気づきました。トミーはラストシーンで、コロンボ警部の車のヘッドライトに照らされます。まさに「I saw the light〜私は光を見た」なのでしょうね!流石です。(加筆:2013年9月24日)

悪妻役はアイダ・ルピノ

被害者のエドナ夫人は8話「死の方程式」でバックナー社長夫人を演じる「アイダ・ルピノ」。犯人のトミー・ブラウンは、飛行機の整備士のジェフに優しく接します、それを邪魔しようとするエドナ夫人。この夫妻の関係をかいま見る瞬間でした。
妻からまるで強制労働のようにライブステージを押し付けられ、しかもギャラのすべてを十字軍に寄付。逆らえば過去を暴くと脅迫されるという始末。それでもトミーは妻を殺害した後、懲りずに新しいコーラスガールのティナ(ジャニット・バルドウィン)に手を出そうとしてます。ティナはあまり乗り気でない雰囲気ですが、そこを強引に迫る様には、悪人というより動物的なパワーを感じました。

ヴィトー・スコッティ

本題とはあまり関係ない葬式のシーンでは葬儀屋グリンデル役で刑事コロンボシリーズに何度も出演した脇役の名優「ヴィトー・スコッティ」が出演しています。(初期TVバージョンではカット)

ニック・ソールカントはソレル・ブーク

またこれは嬉しい発見だったのですが、後半に登場するレコード会社プロデューサー(または編曲者?大きな丸形のサングラスの人)は40話「殺しの序曲」で拳銃で撃たれて死ぬバーティ役の「ソレル・ブーク」でした。

パングボーンは重要人物

セスナ墜落事故の捜査班の指揮をとる専門家のパングボーン氏は「ジョン・デナー」。37話「さらば提督」のオーティス・スワンソン(提督)を演じている重要人物です。ダンディで存在感がありますね、やはり只者ではありません。

墜落現場のカメラマン

同じく墜落現場でコロンボに文句を言うカメラマンは「マイケル・ラリー2」。有名なエキストラ俳優と同名なので2です。このラリー2は何と、27話「逆転の構図」のラストシーンに立ち会う警官と同一人物。その他、もう一回出演しています。

ミシンのおばちゃん

コロンボファンの方より教えていただいた情報ですが、「ミシンのおばちゃん」の役で良い味を出している女優さん「ルシール・メレディス(Lucille Meredith)」は、第20話「野望の果て」でヘイワード夫人の親友「ルーシー」と同一人物です。

二人にバルビタールを飲ませたことが命取りになったか?

ブログ読者さんからのご意見を検証しました。隙をついて飛行機から飛び降りれば「バルビタール:睡眠効果のある薬物」は不要だったと。
積み込んだはずの魔法瓶が見つからない疑惑、死体を解剖され大量のバルビタールが検出された疑惑。コロンボはこの「バルビタールと関係のありそうな魔法瓶」を、草の根を分けてでも探すという作戦を匂わせて、犯人を捕獲しました。

しかも…この魔法瓶は、22話「第三の終章」でグリーンリーフが取り調べを受ける警察で使われていたものと同一でした!(加筆:2017年12月22日)

礼拝(れいはい or らいはい)について

これもブログ読者さんからのご意見をもとに調査しました。劇中に出てくる礼拝(らいはい)という表現について、仏教においてのみ「らいはい」、それ以外は「れいはい」と発音するようです。ですので厳密には間違って使われています。(加筆:2017年12月22日)

ロケ地

セスナ機墜落の調査現場:Nichols Canyon Road(PC)

監督:ニコラス・コラサント
脚本:デビッド・レイフェル
トミー・ブラウン:ジョニー・キャッシュ
妻エドナ:アイダ・ルピノ
メアリ・アン:ボニー・ヴァン・ダイク
レコード会社プロデューサー、ニック・ソールカント:ソレル・ブーク
葬儀屋:グリンデル:ヴィトー・スコッティ

加筆:2020年7月27日

“24話「白鳥の歌」” への55件の返信

  1. 人気歌手であったというジョニー・キャッシュが犯人役で、オープニングで彼の実際のコンサートシーンが短く挿入されているようです。英語版エクスペディアの彼のサイトに彼が使っていた黒いギターの写真がありますが、エピソードに登場するのとそっくりです。それにしてもこれ以上ないというくらい思い切ったリスキーな殺害方法でした。最後は、指輪の爪痕やパイルD3の壁と似ていて新規な感じはないですが、コロンボが一人で待ち構えていたというのが違うのですね。

  2. 細かいですが、吹替えだと礼拝堂をらいはいどうと言っているのが気になりますね。
    仏教関連なららいはいで良いですが、
    キリスト教関連なられいはいどうが正しいです。
    作品自体は面白いです。

  3. 最後、絵的には、
    指輪やパイルと、似てはいますが、
    コロンボと二人だけって、言うところが
    まさに、別れのワインに並ぶ、
    名ラスト・シーンと思います♪
    「パトカーは夕飯食いに、先に返しちゃった☆」
    が、
    普通に考えたら、この状況で、
    「んな、バカな!?」的な、口実ですが、
    (→あなたと一緒に帰るつもりだった。
     →人殺しと二人っきりで危険を~ちっとも。)
    白々しさ?がかえって、すがすがしく思えます。
     
    この二人きりで、静かに話し、
    虫の声がする場面が、何ともステキです^^
     
    ジョニー・キャッシュに、気を使ったので、
    綺麗な犯人像になったのでは無いか?
    と言う、見方もあるとは思いますが、
    それで作品が、悪くなってる
    ~綺麗事や、底が浅くなってる~
    わけではないと思うし、
    配慮で美しくなるなら、私はむしろ歓迎です。
     
    今は「Johnny Cash I Saw The Light」で、
    白鳥の歌バージョンの I Saw The Lightが、
    すぐ見れますね♪
    (検索候補で、
     johnny cash i saw the light columbo
     すら、出てきますし。)
     
    普通に良い曲ですし、一度見ると当分、
    私は、脳内再生が、止まらなくなります♪
    いやー、刑事コロンボって、本当に良いなあ♪
     
    あ、そ~ざ、ら~~~い♪ 
     (ノ´▽`)ノ(ノ´▽`)ノ(ノ´▽`)ノ
     
    あ、そ~ざ、ら~~~い♪
     └(´▽`└)└(´▽`└)└(´▽`└)

    1. 素敵なコメント、ありがとうございます。「パトカーは夕飯食いに、先に返しちゃった」みたいな、普段的な台詞も効いていますね。

  4. ナンナン様:
    睡眠薬を飲ませたのは、
    「ダイイングメッセージを残されて犯人がわかってしまうことに対するオソレ」と「知らない間に死なせてあげたいという犯人のやさしさ」とではないでしょうか。

  5. 昨日BSで観ました
    なんか犯人が気の毒にも思えましたなあ
    ところで、睡眠薬は飲ませなくても良かったんでは・・・?
    黙らせなくても機体から脱出すればふたりは死んでしまうし
    死体から睡眠薬の成分が出たら疑われるし

    1. 確かにね〜。私が思うに、自分(トミー)が死なない殺害計画だけに、他の二人が生き残ってしまう可能性もありますね。なので寝ている間に墜落する必要があったのかな。起きていたら、ばれちゃうね。

  6. 二度目のコメント、失礼します。
    この作品も『仮面の男』と同様に、二回見てそのすばらしさに気が付きました。以前、トリックに問題があると指摘しました。しかし、外れたシートベルト、大事なギターを置いて行ったこと、睡眠薬入りのコーヒーなど、コロンボの鋭い着眼点が相変わらず冴えています。また、パラシュートの犯行を解明するに至る流れがとてもスムーズで、そこもまた緊密にできています。
    人情味溢れるコロンボとトミーのラストのやりとりも味わいある余韻を残し、ファンが多いのも頷ける出来です。刑事コロンボはおそらく、トリックのディテールにこだわって観るべきではないのでしょう。本作はまさに、一個のドラマとして非常に上質であることを評価すべきなのだと思います。

  7. 航空局パングボーン役のジョン・デナーは、「さらば提督」の提督(第一被害者)オーティス・スワンソン役の俳優さんだと思います。

  8. ヴィトー・スコッティが、もう一つでした。
    長めの意味のまとまったセリフを言わせると、破壊力が減少します。
    わたし的に破壊力があったと思えるのは「別れのワイン」レストランマネージャ
    「野望の果て」紳士服店マネージャの2本です。
    表情、身振り、手振り、腰の回し方、セリフ、斜に構えたこういう感じが
    コロンボとの会話でよりいっそう引き立ちます。

  9. よく考えると、これも完璧に言い逃れ可能。
    パラシュートを持っていたのは、元軍人としての常日頃のたしなみ。
    飛行機故障によって、不本意ではあるが自分だけ脱出した。
    それを隠していたのは、スターである自分の評判を考えてのこと。
    遺体から睡眠薬が検出されたのは関わりない。
    暖房が故障したので、恐らく、2人は自らの判断で睡眠薬を飲んで
    寒さを忘れたかったのだろう。
    わざわざ山中へパラシュートを処分しに行ったのは、やはり最後まで
    評判を考えて隠し通したかったから。
    これで、あくまで事故だったと言い通せます。

  10. 子煩悩さん>そりゃ、なに「スター」だからですよ。…に思わず笑ってしまいました。楽しいコメントありがとうございます。
     
    タップおばさん>ジョニー・キャッシュへのリスペクト作品。なるほど。やはりジョニーは存在感あります。
     
    トレモニさん>この作品もまた、コロンボらしいと言う点で、僕は大好きです。
     
    すぴっつさん>「パラシュートとセスナの落下地点」ですよね!実際には、相当離れちゃう気が…。

  11. このエピソード、最初観たときはトリックが腑に落ちませんでした。パラシュートとセスナの落下地点はどう考えてももっと離れるものではないか、と。
    しかし、宝島社の解説本を読んで考えが変わりました。このトリックは自分の命の保証もない決死の犯行にすることで、ふたり同時の殺人という本来ならつきまとう残忍なイメージを払拭するという狙いがある、と考察されていました。
    トリックのディテールに問題があっても、それは単なる手落ちではなくちゃんとした狙いがあって使っているのだと考えを改めました。その点は「別れのワイン」も同様でしょう。

  12. 最後はいただけないとしても、流れとしては良かったと思います。
    ・完全犯罪の筋書きには隙がなく、専門家すら騙されている
    ・コロンボの捜査は的を射ており唐突感が無い
    ・犯人を追いつめていった事が、犯人の愚かな行為を生んでいる
    ・犯人との間で、人生観につての深い交流があった
    ・最後は、余人にできない信頼関係を結んだ
    コロンボは短時間で完結させなければならないので、上記内容を満たすため
    には時間配分が大事になってくると思う。
    ただ、いつも同じような内容では飽きられるので、新シリーズのような
    斬新な筋書きや演出もアリだとは思う。ただ、だからと言ってあまりにコロンボ
    の本質を損ねるような筋書きや演出があっては困る。
    コロンボは、犯罪の動機、チャンス、方法について捜査で詳らかにしていく。
    この三要素は、必ず明確になっていなければならないが、これに加えて
    決定的な動かぬ証拠が決め手としては必要だ。
    まあ、時間の関係上、どれかが疎かになる場合も多い。
    そういう場合は、犯人を精神的に追い詰めた結果、犯人が気持ち負けして
    泥を吐くという結果にもっていくようだ。そういう時は裁判に不安がある。

  13. 「これほどの歌を~」というラストのコロンボのセリフ。
    古畑任三郎におけるSMAP回、イチロー回と同じですね。
    SMAP:本人に全く非がないことでメンバーを脅迫し、今なお苦しめている憎むべき脅迫者を殺害。
    古畑に全てを見抜かれると恐れが出ると、リーダーは全ての罪を自分が被るための細工を行った。
    イチロー:兄を強請る脅迫者を毒殺。それも下手をすれば自分が毒を飲むかも知れないという、あくまでも「フェア」な状況で殺人を遂行した。
    これは古畑においても異例の描写です。
    やったことが殺人とはいえ、美談のオンパレードなのはSMAP、イチローへのリスペクトの表れ。
    「白鳥の歌」も要は、ジョニー・キャッシュへのリスペクト回ということでしょう。
    同じ匂いを、フェイ・ダナウェイ出演の回「恋におちたコロンボ」でも感じますね。

  14. マネージャーの圧政に苦しみ反旗を翻す大物歌手、という感じでしょうか。
    しかし不思議ですね、稼ぎ手はトミーなわけですから普通は力関係逆になるんじゃないかと思うんですが。
    女の一人や二人囲うぐらい大物芸能人の嗜みみたいなもんですから、世間がそれを知ろうがどうってことないし、とやかく言うなら教団の仕事しねえぞ、とすごんでもよさそうなものです。
    出演のジョニーキャッシュの経歴をWIKIで見ると、この作品に出たころは、一線でキャリア20年超の大物(今でいう「レジェンド」ってやつでしょうか)でしたし、最後のコロンボのコメントも含めて、相当周りの配慮があった設定なんじゃないかと思います。
    なんで、墜落機と同じところに墜落できるかって?なんで昔軍隊でちょっとかじった程度なのに無茶な自作パラシュートで骨折ぐらいで助かってるのかって?
    そりゃ、なに「スター」だからですよ。

  15. まとめてお返事します。
    ジョニー・キャッシュ>歌声が良いです!
    アイダ・ルピノ>殺されても仕方がないほどのクソババア(笑)
    最後の「自首」発言の賛否両論。美しいシーンでファンも多いのだが…とてもそのような善人とは思えない、のもわかります。

  16. これですよ、終わり方が不自然なのは。
    いつかは自供しようと思っていただなんて、流れからはあり得へん。
    ジョニー・キャッシュが悪人で終わるのは好ましくないという、
    そういう事情ではないだろうか?。

  17. なぜか一番心に残ったのが、コロンボの最後の言葉の、あなたは自首したんじゃないですかの旨のセリフです。気に入ってるシーンです

  18. ジョニー・キャッシュ。
    その歌声に惚れまして、彼の「アイ・ウォーク・ザ・ライン」をカラオケのレパートリーに加えました。
    2度目の出演、アイダ・ルピノが印象的。
    今回は、殺されても仕方がないほどのクソババアっぷりです。
    サザエさんでは長年に渡り舟さんを演じた麻生美代子さんが悪妻を吹き替えるイメージがないので新鮮に感じました。
    冒頭の歌唱シーンで、コーラスガール集に入っている図々しいこのババアなんなんだ?
    と思いましたが、
    わざわざここに紛れさせたのも、あえてでしょうね。

  19. poipopさん、「朝メシ食いっぱぐれちまって…」「カミさんのは、どってことない車だから」どちらも、流石のご意見です。コロンボの人間臭さ…それが大きな魅力なのですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿はできません。

どうぞ悪戯の書き込みはお控えください。
私の大切なものを壊さないでください。あなたにも、私にも大切なものがあるのです。
I ask foreigners.
Please do not write a comment. Please do not break my important thing.
I think that you can understand. I appreciate your self-control.