コロンボ警部の年収

ゲストさんから「コロンボ警部」の年収に関するご質問をいただきました。少し調べてみましょう。
10話「黒のエチュード」の1シーンで、ジョン・カサヴェテス演じる「アレックス・ベネディクト」宅での会話、コロンボ警部の年収は自身が「1万1000ドル」であると口にしています。
1972年当時の1ドルを約305円としますと、約335万円。そして消費者物価指数などを加味すると…600万円弱。という感じでしょうか。同情するほどの薄給ではありません。容疑者の方々がとてもセレブですので、差を感じますが。

コロンボ警部の好き嫌い

好きな食べ物・飲み物・嗜好など

コロンボ警部のトレードマークとも言える葉巻は、葉巻と喫煙…の記事をお読みください。

チリ(メキシコ料理チリコンカン)

2話「死者の身代金
「バーニーズビーナリー」にて、初めてチリを食べているシーンが登場します。シェフはティモシー・ケリーで、会話からもコロンボがこの店の常連であることがわかります。クラッカーを散らしてかけて食べるのが通(つう)だそうで、実際に食べると確かに美味しいです。チリコンカンはぼろんこ家でも度々夕食のメニューとなっています。

5話「ホリスター将軍のコレクション
シェフは2話と同じティモシー・ケリーですが、窓に貼られた店名文字(逆版)で推測しますと「バートの店」だと分かります。ティモシー・ケリーは刑事コロンボに3回登場する重要な俳優さんです。

12話「悪の温室
この回はバートの店ではなく、別のシェフのお店でチリを食べます。この店でも常連のようで、2日連続でチリを注文。同じメニューに飽きたようで「豆抜き」を頼んでいます。クラッカーは添えていません。

22話「第三の終章
高級レストラン「チェイソンズ」でお店のメニューには無いのに、チリを注文しました。この時、ケチャップ、クラッカー、塩を要求しています。会計では6ドル(1800円)を支払っています。

53話「かみさんよ、安らかに
久々に登場したチリを食するシーンでした。馴染みの店だという設定ですが、ひいきのシェフ「ラモン」が辞めてしまい、ドイツ系のシェフ「ハインリッヒ」のチリを食べてがっかり。食べずに店を出ました。

コーヒー

15話「溶ける糸」では、早朝の殺害現場に呼び出され眠そうにしていて、開口一番「コーヒー無い?」部下に要求しています。22話「第三の終章」では被害者のマロリーさんの冷めたコーヒーを持ってくるよう要求しています。第2シーズンから第4シーズンにかけて、コーヒー入りの魔法瓶を携帯しています。コーヒーではないのですが、41話「死者のメッセージ」では紅茶を飲む時に、砂糖をなんと3つも入れています。

ゆで卵

早朝に呼び出されることが多いため、朝食代わりに「ゆで卵」をポケットに入れています。15話「溶ける糸」では現場の遺留品(実は凶器)で無象座に殻を割りました。18話「毒のある花」でも捜査現場にゆで卵を持参。塩を忘れて被害者カールのキッチンで調達しました。新シリーズの62話「恋に落ちたコロンボ」でも殺害現場で部下に「ゆで卵とコーヒー(ジュースも)」を所望しています。

ボウリング

エピソードの中でボウリングが好きだと公言しています。20話「野望の果て」では土曜のボウリング祭りに間に合うようにスポーツジャケットを新調しようとしました。

ゴルフが上手

コロンボは運動が苦手と自評しますが、俳優ピーター・フォークは運動神経がかなり良いと言えます。4話「指輪の爪あと」では、レッスンプロである「ケン・アーチャー」に、その腕前を見せつけています。ネットで調べてみますと、ピーター・フォークは実際に「ハンディ14台」まで到達したという記載もあり、かなりの腕前です。
そして「ピーター・フォーク」以前にコロンボ役の候補であったとされる「ビング・クロスビー」はさらにゴルフ通で、何と「ハンディ0(プロ同様)」。彼は「好きなゴルフが出来なくなる」という理由で、コロンボ役を断ったと言われています。

ビリヤードが得意

ビリヤードは数話で「得意」な様子を見せています。2話「死者の身代金」では「バーニーズビーナリー」で得意のビリヤードの腕前を披露しています。5話「ホリスター将軍のコレクション」ではバートの店にて、玉突きを誘われるが断っています。また、11話「悪の温室」ではジャービス・グッドウィン邸に置いてあったビリヤード台を使わせてもらってます。本人曰く「腕が衰えた」そうです。44話「攻撃命令」でもエリック・メイスン邸でビリヤードをしています。やはりかなりの腕前です。

クラシック音楽

クラシック音楽が好きだということです。9話「パイルD-3の壁」ではエリオット・マーカムと話が弾んでいますし、10話「黒のエチュード」ではシュトラウスのワルツ集を持っているそうです。40話「殺しの序曲」でもチャイコフスキーを聴いています。

48話「幻の娼婦」ではホルンの演奏を披露していますが、これは少し過度な演出かな?と思えました。その割には、68話「奪われた旋律」ではフィンドレー・クロフォードがかけたチャイコフスキーには無関心でした。

西部劇とギャング映画

映画のジャンルは西部劇やギャング映画が好きです。19話「別れのワイン」で秘書のカレンと「アラン・ラッド」の話で盛り上がっています。32話「忘れられたスター」ではミュージカルよりもギャング映画が好きだと言っており、好きな俳優はエドワード・G・ロビンソン、ハンフリー・ボガードなどの名前を挙げています。

料理

料理は上手な時と下手な時があります。3話「構想の死角」では、被害者ジムの妻ジョアンナのためにオムレツを作っていますが、得意というわけでもなさそう。17話「二つの顔」で料理番組に出演。これも慣れた手つきではありませんでした。しかし料理シーンで最も有名なのは「美食の報酬」で、この時はプロ顔負けの腕前を披露しました。

愛犬ドッグのページをお読みください。犬は好きなようです。

高所恐怖症?

2話「死者の身代金」では、飛行機は子供の頃から大好きだと答えています。ただし着陸後はフラフラ。そして8話「死の方程式」では「ロープウェイ」が大の苦手なようでした。24話「白鳥の歌」でもセスナ機に乗りますが、着陸後は「死者の身代金」の時よりさらに大きなダメージを受けていました。新シリーズの47話「狂ったシナリオ」や、55話「マリブビーチ殺人事件」ではクレーン台に乗りますが、高所が苦手な描写はありませんでした。

拳銃

拳銃は普段携帯しておらず、苦手だと断言できます。4話「指輪の爪あと」で初めて拳銃を持っていないことが明らかになっています。29話「歌声の消えた海」や30話「ビデオテープの証言」でも、発砲が苦手である描写が出てきます。32話「忘れられたスター」では10年近くも射撃テストを受けていないことが署内で問題になりました。

車の運転

車の運転は苦手と言う時もあるが、実はかなり上手。特に新シリーズのはじめ2〜3作は運転が荒いです。「愛車プジョー・403」の記事もお読みください。

船酔い

船酔いをします。5話「ホリスター将軍のコレクションや29話「歌声の消えた海」で、船が苦手な様子が出ています。

イタリア語

42話「美食の報酬」ではイタリア人同等にイタリア語を喋ります。しかし65話「奇妙な助っ人」では、喋れない様子でした。

歌は決して下手ではない

歌うことは、イタリア系の割には下手だと明言(19話「別れのワイン」)しますが、口笛などは上手だったりします。43話「秒読みの殺人」では、運転中に気分よく歌っていて、追突事故を起こしています。

エピソードのテーマに沿った趣向

好きなものは、そのエピソードの犯人役の職業などにより目まぐるしく変わります。12話「アリバイのダイヤル」ではフットボールに夢中ですし、27話「逆転の構図」ではカメラに挑戦しています。また「愛情の計算」で「コンピュータがテーマ」になっていることから?「メモ代わりにレコーダーに録音」しているのは滑稽です。

書きかけ記事:2021年8月22日

コロンボ警部の言葉遣い

アタシャねぇ

ほとんどのエピソードで「上流階層」の犯人を扱うので、丁寧な言葉遣いを心がけていますが、初期の作品では「アンタ」「キミ」などとセレブを乱暴に呼ぶこともあります。また、自分のことは「ワタシ」ではなく「アタシ」と呼ぶことが多く、語気を荒げた時は「アタシャねぇ」に変形します。
これに対し、同僚の刑事などには少し上から目線の口調が多くなったりして、それなりの威厳を保つ場合もありますし、犯人以外の登場人物には丁寧語は使いません。

労働者階級的な言葉遣い

警察の同僚や労働者たちの口調として「△△です」が「△△でさぁ」「☆☆なんでさぁ」と訛る傾向があるのも面白いです。これらの口調が似合う俳優として「ティモシー・ケリー」が挙げられます。
7話「もう一つの鍵」では犯人ベス・チャドウィックの母親の愛犬「エンリコ」を「ワン公」と呼んで叱られています。

業界用語

また警察の業界用語?として、良くコロンボ警部が口にするのは「被害者=ホトケさん」「犯人=ホシ」「有罪=クロ、無罪=シロ」「刑務所=ムショ」など「事件=ヤマ」など。

よござんすか

「よござんすか」は、コロンボ警部が連発する言葉です。日本の時代劇では賭博の壷振りの台詞「よござんすか?よござんすね?」が思い浮かびますね(笑)いわゆる富裕層の「ざーます言葉」とはニュアンスが異なり、江戸の芸者や下町職人が使った江戸弁の「〜ざんす」に由来すると思われます。

喧し屋(やかましや)

形式通りの捜査を好み、報告書の提出をせかす上司をコロンボ警部は「喧し屋(やかましや)」だと表現しています。小言や理屈を多く言う人「うるさがた」も同じような意味です。

奴さん(やっこさん)

奴(やっこ)さん。コロンボ警部に限らず、「あいつ」「やつ」の軽称として使われます。現代ではあまり使われなくなりましたが、哀愁を感じる言葉ですね。

一言もありません

一言は「いちごん」と読みます。ひとことも弁解できない、弁明する余地がない時に使います。

加筆:2021年8月17日