51話「だまされたコロンボ」

Columbo Cries Wolf
1989[第9シーズン 51話]

邦題「だまされたコロンボ」は、てんでイケません

「だまされたコロンボ」という邦題が残念。原題は「Columbo Cries Wolf」で「狼少年コロンボ」といったところ。これでも残念。「コロンボ」がタイトルになるようではね~、困ったものです。
有名雑誌「バチェラーズ・ワールド」の共同経営者が仕組んだが失踪劇が実は狂言で、コロンボが騙されてしまいます。前半で容疑者となるスターカメラマン「ショーン・ブラントリー」は自身満々で憎らしい程ですが、実はもう一人の経営者ダイアン・ハンターに手玉に取られ、結局彼女を本当に殺してしまいます。

イアン・ブキャナンは印象的

犯人ショーン・ブラントリー役のイアン・ブキャナン(声:中尾隆聖さんはテレビ版「あしのジョー2」のカーロス・リベラ)は小憎らしい役を好演しています。ゲストスターが微妙な存在の新シリーズの中では、かなり良い感じでした。

コスナー役:マーク・マーゴリス

運転手コスナー役のマーク・マーゴリスは、カッコ良かったです。この作品、新シリーズの中ではキャストが良かった気がしますね。

外見の美醜がクローズアップされた作品

共犯で被害者のダイアン役:ディードル・ホールは今回のテーマ「雑誌モデル業界」らしく美しい女性でした。モデル役のレベッカ・スターブも美しく描かれていました。グラビアモデルたちがコロンボ警部を、まるで汚いものを見るように見下していた様子も興味深いです。やはり外見に自信がある人間はそうでない人間を馬鹿にしているのでしょうね。

カメラマンという職業としては、イマイチ

私の感想では、このように外見の美しさをテーマにした作品はあまり好きではありません。今回は犯人がスチールカメラマンだったのですが、彼の職業そのものにはスポットは当たりませんでした。むしろ、モデル業界の華やかさが前面に出ていましたね。同じ成功者でも、その道の一流としての主人公の方が魅力は上回る気がしています。

懐かしい面々が登場する、豪華なキャスティング

クレーマー刑事が登場か!

記者会見の場面で、クレーマー刑事「ブルース・カービー」が出演しています。最後にお目にかかった37話「さらば提督」から早13年ですが、若々しいですね!ノンクレジットで、クレーマー刑事だとは断言できませんが、そう思っても良いでしょう。

大出世?いや、別人?

さらには、コロンボシリーズの名脇役として有名な「ジョン・フィネガン」がロス警察の本部長として登場。これは「ダフィ警部」のその後であるとは言い難いですが。(笑)

名前だけ再登場、こっちは本当に出世してた

13話「ロンドンの傘」で登場した、ロンドン警視庁の「ダーク刑事部長」が名前だけ再登場しています。部長から局長に出世してます!この作品を見て「ロンドンの傘」を見ていない人は少ないと思いますが、念のために説明しました。

旧作の焼き直し的な作品

後半の展開はスピーディで、ひょっとしたらこの後半だけでも十分作品ができたかも知れませんが、旧作の焼き直し的にも見えコロンボ作品中、最も長く感じるものの一つでした。成功者が保身のために人を殺すという、コロンボ作品の原点みたいな部分は好きです。

追記:BS Hiで「パイルD-3の壁」放送を見て

旧作の焼き直しと先述しました。9話の「パイルD-3の壁」がその作品です。パイルD-3の壁は数十年前にNHKの放送で見て、その後小説本まで読みました。パイルD-3の壁では、犯人マーカムの作戦に「引っかかった振りをした」コロンボ警部だったはずですが、そのずっと後の事件で「本当に引っかかっちゃう」のは不自然ですかね~。

哀愁を感じるエンディング

gotcha.jpgそれでも、エンディングはカッコ良いですね。ピタっと決まった印象です。「GOTCHA」は「ガッチャ」と発音し「わかった!」みたいに使われる口語表現。一説によると「ガッチャマン」の語源でもあると言います。(他の説もあります)
監督:ダリル・デューク
脚本:ウィリアム・リード・ウッドフィールド
ショーン・ブラントリー:イアン・ブキャナン
ダイアン・ハンター:ディードル・ホール
クレーマー刑事:ブルース・カービー
本部長:ジョン・フィネガン
加筆:2014年5月2日加筆
 

52話「完全犯罪の誤算」

Agenda for Murder
1990[第9シーズン 52話]

政界入りを目論む弁護士オスカー・フィンチが自分の過去の汚点を知るステイプリンを殺害。フィンチは下院議員ポール・マッキーを支援し将来の司法長官を目指すが、無名時代にマッキーと共に犯した「証拠書類隠滅」をネタにステイプリンより脅迫されて犯行に至ります。

パトリック・マクグーハンが登場

犯人役のパトリック・マクグーハンはコロンボ作品中最も重要だとも言えるゲスト俳優。異常な程時間にシビアな犯人フィンチが、日本人には理解し難い下ネタジョークに大笑いしたり、タイヤを鳴らして急発進したりする場面はこっけい。このフィンチの最大の欠点が「つまみ食い」であるというのも、かなり計算された笑いどころだと感じます。

殺しの場面に血を使わないコロンボシリーズだったが…一滴だけ

殺人シーンの描き方は緊張感が漂うものでした。けど、撃たれた後に血が一滴?は若干違和感があります。それでもフィンチの工作シーンや、殺害後オフィスに戻って濡れた髪を乾かす仕草など、良く描かれていました。

新シリーズ中では最高ランクの作品

音楽の使い方も好きでした。冒頭のシーンの「デキシーランドジャズ」は印象的ですし、撃たれた時の効果音的な音楽も絶妙でした。エンディングの「命取りでした」というコロンボの言葉で画面が固まる場面など、新・刑事コロンボの作品の中ではダントツの出来だと言えます。

オスカー・フィンチの人物像は、強烈!

弁護士としての名声を博したオスカー・フィンチ。執拗につきまとうコロンボ警部に「死後硬直のアドバイス」をしたり、不敵な笑みを浮かべて自信満々に「電話じゃ人は殺せんよ」とマッキー議員に豪語したり、とても魅力的な描かれていました。

 
吹き替えは俳優の久米明さん。やはり流石です。選挙に勝利した祝賀ムードの中でコロンボ警部に「濡れちゃったズボン」と大声で指摘され、「失望したよ、キミ」という台詞を吐くあたり、最高潮です。また「下ネタジョーク」でアイリッシュのジョークは聞きたくないと答えるフィンチ氏。パトリック・マクグーハンはおそらくアイリッシュ系ではないでしょうか?自分はこの手の話には詳しくないので、勉強する必要がありそうです。

マッキー議員

ポール・マッキー下院議員役のデニス・アーント[Denis Arndt]もなかなかの好演です。表ではコロンボ警部に敬意を表しながらも、裏では「猿芝居」呼ばわりしていますね。でも、やはりそこは議員。うっとうしいサインの要求にも笑顔で応えていました。

フランク・ステイプリン

オスカー・フィンチの弱みに付け込み殺害されるフランク・ステイプリン役はルイス・ゾリック。声優さんの吹き替えもぴったりでとても良い味を出していました。

邦題「完全犯罪の誤算」について

「完全犯罪の誤算」という邦題は原題「Agenda for Murder(殺人の計画?)」とかけ離れますが惜しいですね~。フィンチ氏の「忙しさ」を表現すると思われる「Agenda」にこだわった題名が欲しかったと悔やまれます。
監督:パトリック・マクグーハン
脚本:ジェフリー・ブルーム
オスカー・フィンチ:パトリック・マクグーハン
ポール・マッキー議員:デニス・アーント
フランク・ステイプリン:ルイス・ゾリック
クレーマー刑事:ブルース・カービー
加筆:2011年2月19日

53話「かみさんよ、安らかに」

Rest in Peace, Mrs. Columbo
1990

殴られるコロンボ警部でした

この作品は決して私の好きな「刑事コロンボ」ではありません。解決手段で、刑事コロンボシリーズ特有の「ひっかけ技」を持ち出していますが、犯人から「人でなし」と殴られる場面も登場しました。2話「死者の身代金」でも、レスリーの娘マーガレットに殴られたのですが、今回はもっとリアルでした。

賛否両論が激しく分かれる

ストーリー展開は一般的なコロンボ作品ではありません。葬式の出席者の回想シーンが繋がっていて、これまでにない独特の味を醸しています。

意外と支持される作品でもある…

一般的なコロンボ作品とは異なる…という点は、発言を撤回できないのですが、この作品がお好きだという方が割と多いのは事実です。コロンボ警部が「かみさんを愛している」風のラストシーンは、私も好きです。62話「恋に落ちたコロンボ」でも、同様の雰囲気を味わえますね。

ラモンが作るチリは最高だった…

コロンボ警部は補佐役の刑事と一緒に入った「行き着けのレストラン」でチリを注文しますが、いつものシェフ「ラモン」がメキシコに帰ってしまったため味が変わってしまい、店にクレームをつけています。果たして、ラモンは「ティモシー・ケリー」なのでしょうか?

ロザンナ・ホフマンが再登場

家を買うお客さんの役で「二枚のドガの絵」の美術学校生トレーシー・オコーナー(ロザンナ・ホフマン)が出演しているとの情報を得ました。前作より約20年後の彼女…次回この点にも注目して見たいです。

トライコン工業の警備員が再登場

26話「自縛の紐」のトライコン工業のエレベーターの警備員を演じた「エド・マクレディ」が後半の葬儀場面で登場する刑事(車に乗ってくる)役で16年ぶりに再登場しています。

ヘレン・シェイヴァー

ビビアンを演じる女優ヘレン・シェイヴァーは、本作の5年前に「ビビアンの旅立ち」という映画に主演しています。何かの縁を感じますね。
監督:ヴィンセント・マケヴィティ
脚本:ピーター・S・フィッシャー
ビビアン・ドミートリー:ヘレン・シェイヴァー
加筆:2017年12月24日

54話「華麗なる罠」

Uneasy Lies the Crown
1990[第9シーズン 54話]

楽しむ意欲を持って見よう!さすれば救われる

歯科医ウェズリー・コーマン(ジェームズ・リード)が妻の愛人である俳優アダムを殺害し、自分の妻の犯行に見せるという話。犯行計画はかなり「きわどい」です。妻や愛人がすべて自分の思い通りに行動しないと成立しませんね。細かな容疑ポイント「車の転落原因」「ポケットのマッチ」など、もっと膨らませるのかな~。
とは言っても駄作揃いの新・刑事コロンボシリーズの中では、秀作の一つと言えるかも知れません。刑事コロンボは45作だ、と断言してしまうと楽しめない作品です。

奥さまは魔女のダーリン!

奥さまは魔女のダーリン役ディック・サージェントが脇役で出演していますが、カミさんと一緒に見ていて「これ誰だっけ?」と一緒に楽しめたことは良い思い出になりそうです。

初期作品には少ない犯人像「馬鹿は死ななきゃ直らない」

ただしストーリー全体を冷静に見直すと、犯人のウェズリーは今後この華麗なる家族と一緒にどうやって余生をすごそうと思っているのか?大疑問です。相変わらずのギャンブル好き、殺人犯人となった妻、自分に愛想を尽かした義父。馬鹿は死ななきゃ直らない…と言った感想です。犯人が「頭が良い」というコロンボ作品の理想からは大きく外れました。

不安な嘘クラウン?

原題は「Uneasy Lies the Crown」は「不安な嘘クラウン」と直訳されました。邦題の「華麗なる罠」は最低レベルのアイデアです。それと比較し「不安な嘘クラウン」は殺害方法と謎解きを引っ掛けたもので、やはり原題を重んじた方が良かったきがします。新・刑事コロンボの作品の中にはこのような「つまらない邦題」が多いですね。作品自体はもっと面白い気がします。
▲と書いたのですが…
直訳は「不安定な状態に歯冠はある」とするのがニュアンス通りで、背景設定からみても、ぴったりの原題とも言えるようです。これを上手に邦題に結びつけられなかった…のでしょうね。(2014年4月18日)

ジョンソン先生はスティーヴン・ギルボーン

検死医のジョージ・ジョンソン先生は「スティーヴン・ギルボーン(Steven Gilborn)」。この「華麗なる罠」の他、56話「殺人講義」、57話「犯罪警報」58話「影なき殺人者」と立て続けに登場します。とても素敵な俳優さんですよね。

同じく鑑識のおじさん

鑑識のおじさん「モーガン・ジョーンズ」も、。この「華麗なる罠」の他に51話「だまされたコロンボ」、56話「殺人講義」にも同役で出演していてちょっと気になる俳優さんです。

なんで、バーニーズ・ビーナリーが駄目だったか?

2話の「死者の身代金」で登場した「バーニーズ・ビーナリー(写真)」。今回は、ウェズリーが義弟のデイヴィッドと一緒に呼び出される際お店を決めるのに、「バーニーズ・ビーナリー、いや駄目…」と、口にしています。夜の11時だったので、もう閉店後だったのかな。

監督:アラン・J・レヴィ
脚本:スティーブン・ボチコ
出演:ジェームズ・リード、ボール・バーク etc.
加筆:2014年4月18日
 
 

55話「マリブビーチ殺人事件」

Murder in Malibu
1990[第9シーズン 55話]

日本のサスペンス劇場みないな…

原題が「Murder in Malibu」ということで、ほぼ直訳の邦題がついています。まるで日本の「サスペンス劇場」みたいですね。よっぽど困っていたのでしょう。その割にストーリーはひねった構成になっています。

どうも好きになれない…

見る側を楽しませるための工夫が随所にあるのだと思いますが、どれにも首をひねりました。犯人ウェイン・ジェニングス(アンドリュー・スティーブンス)もキャラクターとして弱いし、被害者のテレサの「美しさ」の表現も中途半端かな~。犯人のウェインがプレイボーイで無類の女好きという描かれ方なので仕方ないのでしょうが、事件解決の直前にテレサの姉のジェス(ブレンダ・バカロ)にすり寄るシーンは、こっけいを通り越し不快感を覚えました。

伝統的な倒叙法で、作品が作れなくなったのか…

このマリブビーチ殺人事件が作られた1989-1990年あたり、「汚れた超能力」「殺意のキャンバス」「かみさんよ、安らかに」など、変わったアイデアに走りすぎて不快に感じる作品が多いですね。汚れた超能力では生々しい流血、殺意のキャンバスでの懐古シーン、かみさんよ、安らかになどは視聴者を映像的に騙す構成になっています。この作品は犯人のようで犯人でないかも…、でもやっぱり犯人っていう作戦でした。コロンボ作品は原則的に「倒叙法」で良い気がします。ま、偉そうなこと言っても作品を作る側の苦労は並大抵ではないのでしょうね。お察しします。

フロイド・レヴィン

コロンボ警部は久々にゆで卵を食べながらの登場。初動捜査からコロンボ警部と行動を共にするシュルツ警部は、旧知の間柄だと思われます。ちょっと気になるので調べてみたら「フロイド・レヴィン」という俳優さんで、映画やテレビでかなり活躍されているようにお見受けしました。

 

ブログ訪問者さんから情報を得て、検証してみました。

37話「さらば提督」のチャーリー・クレイ邸と、55話「マリブビーチ殺人事件」のテレサ・ゴーレン邸は同じでした。
 
クレイ邸テレサ邸
 

左:チャーリー・クレイ邸 右:テレサ・ゴーレン邸

周囲が車寄せの道に囲まれた円形の花壇が印象的な豪邸です。マリブビーチというロサンゼルス中心から西の方向に位置します。おそらく近くには「マイロ・ジャナス」「ブリマー」「マックス・バーシーニ」「フィールディング・チェイス」などの有名人が住んでいました。実在の「ピーター・フォーク」の家も近かったようです。
 
監督:ウォルター・E・グローマン
脚本:ジャクソン・ギリス
ウェイン・ジェニングス:アンドリュー・スティーヴンス
ジェス・マクディ:ブレンダ・バッカロ
テレサ・ゴーレン:ジャネット・マーゴリン
加筆:2017年12月22日
 
 

56話「殺人講義」

Columbo Goes to College
1990[第10シーズン 56話]

現代に通じる殺人動機…

大学生のロウとクーパーが通う大学の担任教授ラスクを殺害。裕福な家庭に育った不良学生がテスト問題を盗んだことがばれて、口封じに犯行に及びます。これは、21世紀になった今日、日本で起きそうな事件だと思うとゾっとします。

子供のような年齢の犯人と対峙するコロンボ警部

話の進行は、犯人の二人の学生がコロンボを「無能な中年刑事」と見下し、自分たちの都合の良い方向へ捜査を誘導して行きますが、その不自然な行動からすぐさまコロンボに見破られてしまいます。コロンボを尊敬する演技を見せるロウとクーパーですが、影で馬鹿にしていることまで、コロンボに見透かされますね。愚かすぎマス。

コロンボ、大学に行く~

犯人が大学生ということで、私の好きな「成功者の転落劇」ではありません。コロンボ警部が大学の臨時講師として招かれ、その時にちょうど事件が起こるというのもちょっと…強引。原題は「Columbo Goes to College」で私流に訳せば「コロンボ、大学に行く~」となり、ダメの3連発。邦題「殺人講義」はそれと比べ良く出来たタイトルと言えます。

フリーモント大学

舞台となる「フリーモント大学」は「ペパーダイン大学」だそうです。だとすると…31話「5時30分の目撃者」で、コリアー先生が勤める大学病院、32話「忘れられたスター」の外科医ランズバーグ先生の病院と同じロケ地だという可能性があります。→廊下に色ラインが描いてある病院

ロバート・カルプ

物語の後半からは、4話「指輪の爪あと」などで活躍した名優「ロバート・カルプ」が出演しています。犯人の一人ジャスティン・ロウの父親ジョーダン役で、やはりこのような憎たらしいキャラクターが似合います。

ラストの「カミさんの車」は…常套手段化

コロンボ警部が仕組んだ「カミさんの車」は言うまでもなく、25話「権力の墓穴」の再現。53話「かみさんよ、安らかに」でも、同じような手法を用いていて、コロンボシリーズを見続けている人にとっては、またコレか?という印象。
 

それでも合格点

犯人の二人は、落第点をもらってしまうが、新・刑事コロンボのシリーズの中では、良い仕上がりの作品だと言えます。殺害トリックは40話「殺しの序曲」を彷彿とされるような手の込んだものでした。
 
監督:E・W・スワックハマー
脚本:ジェフリー・ブルーム
ジャスティン・ロウ:スティーヴン・キャフリー
クーパー・レッドマン:ゲイリー・ハーシュバーガー
ジョーダン・ロウ:ロバート・カルプ

加筆:2015年3月5日 
 

57話「犯罪警報」

Caution: Murder Can Be
Hazardous to Your Health
1991[第10シーズン 57話]

千両役者:帰ってきたジョージ・ハミルトン

人気司会者のウェイド・アンダースが元キャスターのバド・クラークを殺害。犯人がテレビ業界の有名人、被害者が犯人の過去を知って脅迫、追いつめられた犯人が殺害といった王道のど真ん中をゆく作品。しかも、犯人役にはジョージ・ハミルトンを起用。ということで、背景は文句なしです。

犯罪警報の邦題は絶妙!本当は「健康」がテーマ?

原題の直訳は「警告: 殺人は健康のために危険であるかもしれません」と出ました。これは面白いですね。やはり、「タバコは不健康と忠告しつつ、タバコに無知識であったために、犯罪を暴かれた」という教訓が重要であったという感じでしょうか。これに対し邦題の「犯罪警報」は絶妙。劇中の番組のタイトルまんまですが、ぴったりだと思います。

犯行トリックに関しては、全然駄目でした~

自分が刑事でも「吸い殻の不自然さ」は見逃しませんね。犯人のアンダースは、死に至った被害者クラークに対し「だからタバコはやめろと言ったんだ」的な台詞を吐きますが、実は「タバコの知識に疎いくせにタバコを殺人に利用した」ことが命取りだったというオチですね。
特に印象的なのがコロンボ警部から「ニコチンのシミがフィルターについていない(つまり煙草を吸わない人による工作)の怪」を指摘されるシーンでの顔。半開きの眼で自らのミスを後悔する表情はとても良いです。

ダンディな犯人とヨレヨレ刑事の対比

ウェイド・アンダースの紳士ぶりとコロンボ警部の身なりの対比も面白いです。これは旧作20話「野望の果て」で、上院議員候補ヘイワード氏とのシーンを思い出させます。

バド・クラークの逆襲

殺害されるバド・クラーク役のピーター・ハスケルは好きでした。「まだタバコを吸っているのか?」とアンダースから忠告され「スハ~~~~」って彼の顔に煙を吐きかけて返事をするあたり、なかなかの態度。そのくせ、死ぬ間際に「く苦しい、たすけて~」とアンダースに頼むあたりも憎い。

恥ずかしい過去は、いつかバレたような気も…

ポルノ映画に出ていたことで脅迫される犯人ですが、ビデオ屋の主人もその事実を知っているので、クラークの口を封じでも、やがて明るみになったでしょうね。もう少し頑張ってくれたら、初期作品に匹敵するほど好きになれたと思います。

ジョージ・ハミルトンは1974年の31話「5時30分の目撃者」に続く2度目の犯人役。旧作・新作で何れも犯人役を演じたのは、「パトリック・マクグーハン」「ウィリアム・シャトナー」と、この「ジョージ・ハミルトン」の3人のみ。

監督:ダリル・デューク
脚本:ソニア・ウルフ・パトリシア・フォード・エイプリル・レイネル
出演:ジョージ・ハミルトン、ピーター・ハスケル etc.
加筆:2012年3月20日
 

58話「影なき殺人者」

Columbo and the Murder of a
Rock Star
1991[第10シーズン 58話]

お面をかぶってスピード違反をしてくれ

見て、笑うに限るという作品。「お面をかぶってスピード違反をしてくれ」と犯人ヒュー・クライトン(ダブニー・コールマン)は、共犯者でもない秘書のトリッシュ(シェラ・デニス)にお願いしたそうです。誰かが「このお話には無理がある…」と進言できなかったのでしょうか?

もしも「共犯」が前提なら、評価は全然変わってくる

それなら最初から「一緒に愛人を殺してくれ」と秘書に依頼すべきでした。であればグっと真に迫れた気がします。「お面をかぶってスピード違反」は、計算された立派なアリバイトリックです。ただし、毎回共犯者がいるような設定に甘んじては、コロンボ作品としての品格も薄れるでしょうが。

ゲストスターは女優シェラ・デニス

本作のゲストスターはシェラ・デニス。ダブニー・コールマンはスペシャル・ゲストスターとクレジットされていることも興味深い。

ダフィ警部(ジョン・フィネガン)が大出世…?

51話「だまされたコロンボ」で登場した「ジョン・フィネガン」の本部長が、再登場。今回は「クエンティン・コルベット」と名前まではっきり出ていました。

何と本物のリトル・リチャードが登場

全く不要のシーンですが、リトル・リチャードが劇中で登場します、残念と言うしかないです。コロンボ警部はロック音楽が苦手ということでしょう、本来なら「え~~、あの有名なリトル・リチャード本人~?カミさんに話したら卒倒するよ~」って台詞があって自然じゃないですか?
 

コロンボとロック・スター殺人事件…

タイトルに使われている曲(題名:クローザー)ですが、なんと歌っているのは「シェラ・デニス」。劇中では歌手マーシー・エドワーズの作品だということです。受賞歴を重ねたスターシンガーにしては、歌唱力がちょっと…。という声もききましたが…やはり(笑)

エンディングにもこの歌が!

2012年にAXNミステリーで見たのですが、エンディングではコロンボ警部が車を運転しながらタイトル曲を一緒に歌っています。それが、恐ろしく下手なんです。ピーター・フォークの肉声(あるいは吹き替え?)だと思われます。ピーター・フォークは他の作品でも歌を歌っていますが、こんなに下手だっけ?調べることにしましょう!(加筆:2012年3月)
監督:アラン・J・レヴィ
脚本:ウィリアム・リード・ウッドフィールド
トリッシュ・フェアバンクス:シェラ・デニス
ヒュー・クライトン:ダブニー・コールマン
マーシー・エドワーズ:シェリル・パリス
コルベット本部長:ジョン・フィネガン
加筆:2017年12月23日
 

59話「大当たりの死」

Death Hits the Jackpot
1991[第11シーズン 59話]

ありそうで無かったテーマで楽しい!

3000万ドルの宝くじを当てた甥のフレディ・ブラウアー[ゲイリー・クローガー]を叔父のレオン・ラマー[リップ・トーン]が殺害。投資の失敗で破産を免れなくなった宝石商レオンが、宝くじで大当たりした甥フレディを巧みに騙し、賞金を横取りします。もしもこのような場面に遭遇すれば、誰しも陥りそうな心境を表現しています。

賞金額は約30億円

1ドルを100円と考えて計算すると、3000万ドルは約30億。フレディは気前よくレオンに10%をプレゼントすると言っています。3億円ですね。投資で大失敗したら、3億円では物足りないか…。ナンシーとの共犯で、分け前(1/2)で15億円になってしまうことを考えると「共犯者の始末」も、構想にあったかな…恐ろしい。
※執筆当初、1ドルを300円強で計算しましたが、100円程度で再計算して文章を訂正しました。(2013年4月)

大当たりを甥から強引に奪い取った男

コロンボ警部から次々に「ひっかかる点」を指摘され、当然のごとく無理矢理「肯定」しまくるレオン・ラマー。「当たり番号=カメラの絞り値」を発見され「その通り」と認めるシーンは爆笑。「宝くじで大当たり」を甥から強引に奪い取った男の心理描写も面白く描かれた作品でした。

音楽の使い方が実にうまい

オープニングから場面転換などで使われている音楽がとても可愛いですね。フレディが「オレは金持ち」と鼻歌を歌う曲です。甥っ子が宝くじに当たったというストーリーの始点をうまく表現しています。その反面、突如シーンが途切れるように感じる場面もあり、不思議でした。

レオン・ラマー役のリップ・トーンが素晴らしい

犯人役のリップ・トーンは素晴らしいです。発する台詞のあちこちで「可愛さ」を発見できます。コロンボと初対面で迫真の演技を終えた後「ス~」っと息をつくシーンが特に好きです。吹き替えの阪脩(さか おさむ)さんも素晴らしいのでしょうね。

犯人役のカテゴリーとしては「可愛い系」です。人間臭さがプンプンですね。奥様のピアノの演奏を聞いてあげている場面は上手く表現されています。絶妙の「偽善者」ぶりです。

なかなかの名言

レオン・ラマーが甥のフレディに「お前が悩みをひとつ語り、私がひとつ語る。全部語り終えてまだ持ちこたえている方が、賞金を獲るとするか?」とぼやいたのは名言。

ジェイミー・ローズも可愛い

共犯のナンシー役:ジェイミー・ローズも馬鹿女ぶりを好演しています。コロンボの前で「迫真の演技」を披露しますが、難なく見抜かれてます。これもなかな笑えるシーンです。殺人の共犯者ということで、結局は賞金を受け取ることはできなかったのでしょうね多分。

 

下品な描写が少しだけ残念…

その反面、私が少し残念に感じたのはナンシーとレオンの描かれ方(男女関係)がいかにも下品なこと。性的な描写なしでも成立したと思うのです。ただ、この下品さがこの作品の最も特徴的な面であると考えれば納得です。それを差し引いても、新・刑事コロンボの中では好きな作品のひとつです。

じたばたするラストシーン

またエンディングでは互いを仲間割れさせて、一網打尽にする作戦が見事に成功しています。これは、犯人が潔く犯行を認めるという「コロンボの美学」には反しますが、新シリーズではこのようなラストも多くなりました。

ストローラー刑事

主に後半に登場するジャック・ストローラー刑事はウォーレン・ベイリンガー。コロンボと同年代っぽくて可愛い刑事さんでした。

トライコン工業の警備員が再登場

26話「自縛の紐」のトライコン工業のエレベーターの警備員を演じた「エド・マクレディ」がレオン・ラマーの宝石店の警備員になっています。ラマーが3000万ドルを当てたことをコロンボに教える人です。

監督:ヴィンセント・マケヴィティ
脚本:ジェフリー・ブルーム
レオン・ラマー:リップ・トーン
ナンシー・ブラウアー:ジェイミー・ローズ
フレディ・ブラウアー:ゲイリー・クローガー
 
加筆:2017年12月24日
 
 
 

60話「初夜に消えた花嫁」

No Time to Die
1992

この作品は私のような古典的コロンボファンにとっては、許されざる類のお話なのですが、意外と高く評価する人も存在するのです。これは面白い現象です。

賛否両論あります

激しく賛否両論が出ます。酷評が多いのですが、この作品が好きだという意見も頂きます。例えば18話「毒のある花」、22話「第三の終章」などは、比較的「賛否どっちも少ない」作品より話題になるみたいです(笑)
加筆:2015年4月30日

61話「死者のギャンブル」

A Bird in the Hand…
1992[第12シーズン 61話]

ギャンブル好きのハロルドが大金持ちの叔父のビッグ・フレッド殺害を企てるが、実行の直前に交通事故死。自分の仕掛けたトリックで罪の無い庭師を殺害してしまう。実は真犯人はビッグ・フレッドの妻ドロレスというひねり技。
51話「だまされたコロンボ」に近い感覚で「長い作品だな~」という印象はありますが、悪い意味ではありません。叔母と甥が男女関係にあることには多少の嫌悪感を持ったのは本音です。

良い意味で下品なゲストスター

犯人役の「タイン・デイリー」は(良い意味で)下品さを表現しています。タイン・デイリーが嫌いというわけではありません、あくまでコロンボ作品のゲスト俳優としてです。ラストシーンでのファッションコーディネート(緑のやつ)はある意味、絶品でした。

女優タイン・デイリー

彼女は64話「死を呼ぶジグソー」にも娼婦役で出演しています。また有名どころでは映画「ダーティハリー3」でクリント・イーストウッドの相棒「ケイト・ムーア」を演じています。すごく良い役どころです、ぜひご覧ください。
それはそれとして、新シリーズでは、19話「別れのワイン」のエイドリアンとカレンのような品のあるカップルが全く登場しなくなりました。20年という時の流れを感じます。

またしても「馬鹿は死ななきゃ直らない」

私は成功者の転落劇のようなコロンボ作品が好みですので、こういった「馬鹿は死ななきゃ直らない」風の主人公(ギャンブラー:ハロルド・マッケイン)には魅力を感じませんね。

私が自称「努力家」だからかもしれませんが。しかも、罪のない庭師を殺してしまうこともね~。そんなことを言い出したら、二人が同日にビッグ・フレッドの殺害を企てるってのも、無理がありますしね。ま、いっか。

トライコン工業の警備員が再登場

26話「自縛の紐」のトライコン工業のエレベーターの警備員を演じた「エド・マクレディ」がカジノの従業員エドで再登場しています。ハロルドにポーカートーナメントの券の販売した男性です。

監督:ヴィンセント・マケヴィティ
脚本:ジャクソン・ギリス
ドロレス:タイン・デイリー
ハロルド・マッケイン:グレッグ・エビガン
加筆:2017年12月23日 

62話「恋に落ちたコロンボ」

It’s All In The Game
1993[第13シーズン 62話]

大金持ちの美女ローレン・ステイトン(フェイ・ダナウェイ)が婚約者ニックを殺害。かなり異色の作品ですが、あまり深く考えずに楽しもうと思えば美しい作品です。

やはりフェイ・ダナウェイは魅力的

犯人役のフェイ・ダナウェイは、素晴らしいですね~。美しいです。美女という観点ではなくとも、魅力に満ちあふれています。自分がコロンボになったつもりで彼女に惚れてしまえば、二倍楽しめるでしょう。

通常のコロンボ作風ではない

刑事コロンボは毎回ゲストスターが犯人役なのですが、これほどの大スターは居なかったと思います。しかしこの回の主題がコロンボのほろ苦い恋物語であるため、本来のコロンボ作品のような楽しみ方は困難。ブロンディな母と、黒髪でラテン系な娘という似ても似つかない母娘関係も楽しんで見て欲しいです。

見たいようで見たくない、人間コロンボの内面

普通であればコロンボ警部がいつ主人公を犯人だと感づいたかが大きな興味の一つですが、このように心の内を話して歩かれると、今までの作品はいったい何だったんだ?と、悲しくなりますけど。

バーニーの店

バーニーの店のオーナー「ジョン・フィネガン」が登場。かつてダフィー警部としてロス警察で活躍していただけあって、推理もピカイチ(笑)
→バーニーの店「BARNEY’S BEANERY」

恋に落ちた二人の…実年齢。

フェイ・ダナウェイは1941年生まれのハリウッド女優。本作品新・刑事コロンボ「恋に落ちたコロンボ」が1993年の制作ですので、撮影当時で52歳だったと思われます。一方のピーター・フォークは1927年生まれで、66歳。

ニックはゲス野郎か?

ニックの口から出る歯が浮きそうな褒め言葉は、とても本心だとは思えません。その反面独裁者のような威圧感も持っている。時には病的に描かれることもあります。このような男を好きになってしまい…裏切られ殺してしまう。とても愚かなことだと感じます。

コロンボが人間観察される

その愚かさに気づかされ傷つく母娘。そして犯罪捜査に訪れたコロンボ警部に出会います。今回は女性の目線で警部を人間観察するような面白い展開になっています。コロンボの誠実さに触れるローレンは「ニックよりもコロンボを好きになればよかった。」なんて表情に見える時もあります。

想像力を膨らましてみる

ローレン・ステイトンがなぜ大金持ちなのかの背景が描かれていませんが、何となく…彼女自身が築いた富だとは思えません。資産家と結婚したというより、むしろ代々の金持ちだと思われる。目鼻立ちが似ていないから娘のリタはきっと父親(マーチン氏)似なのだろう。ローレンとマーチン氏は随分前に何らかの理由で離婚して(死別ではない)ローレンは現在独身。マーチン氏はイタリアに住んでいるのかも。その関係でリタもイタリア在住。(加筆:2017年12月23日すべて想像です)

ちょいと、雑談。

冒頭のシーンでは噴水が逆流しています。またトイレで口紅を拭う場面で「ピーターフォークも歳をとったな~」って感じたんですけど、良く見ると鏡の上の方が曇っていて、それがより一層彼を「しらが頭」に見せているだけでした。
どうでもよいシーンですが、犯行現場で掃除婦と「ON・OFF」ごっこをする場面は楽しい。お馴染みのバーニーのお店で犯人と食事をする場面も。
原題の「It’s All In The Game」は「それはすべて遊びの中で」とでも訳すのでしょうか。同名の楽曲が存在します。「恋に落ちたコロンボ」と名付けてしまうよりは良かった気がしますが…。いずれにしても、コロンボ風の題名ではないですよね。

トライコン工業の警備員が再登場

26話「自縛の紐」のトライコン工業のエレベーターの警備員を演じた「エド・マクレディ」が刑事役で再登場しています。初期捜査の際に「近くの住人が銃声を聞いた」と伝える刑事です。

監督:ヴィンセント・マケヴィティ
脚本:ピーター・フォーク
ローレン・ステイトン:フェイ・ダナウェイ
リサ・マーチン:クラウディア・クリスチャン
ニック・フランコ:マーマンド・プッチ
バーニー:ジョン・フィネガン
加筆:2017年12月23日
 

63話「4時02分の銃声」

Butterfly In Shades Of Grey
1993[第13シーズン 63話]

ラジオ有名コメンテーターで政治評論家の「フィールディング・チェイス」が養女の友人で元スタッフのジェリーを殺害。

ウィリアム・シャトナー+矢島正明さんが実現

犯人はかのカーク船長ことウィリアム・シャトナー。今回はこの主人公の圧倒的なキャラクター描写に尽きます。しかも吹き替えの矢島正明さんは絶品。短気で怒鳴り散らしたかとおもったら、猫なで声で電話をかけるなど、ばっちり楽しませてくれました。

カーク船長 vs 刑事コロンボ

カーク船長と刑事コロンボの競演というだけでも、他に何も必要ないほど「濃い」状況。冒頭のラジオ番組放送シーンで「カーク船長がチャーリーからの電話を受ける」というシーンにも少し「ニヤリ」でした。

怪物「フィールディング・チェイス」

犯行はかなりリスキーですし、わざと残した証拠のハンカチなど幼稚な面も見逃せません。それにしても、このフィールディング・チェイスという人物像、強烈です!コロンボ警部の「そうそう、もう一つだけ…」の展開に「そんなに物忘れがひどいなら、病院へ行きたまえ」とリアクションした人物は初ではないでしょうか。

少し大袈裟なトーンの吹き替えと評される石田太郎さんですが、今回のトーンは矢島正明さんとの絡みもあり、けっこう良い雰囲気だったと感じました。その中でもエンディング近くのフィールディングの自宅で、ビクトリアの母の肖像画に対し「温かい人柄が偲ばれますなー」と、小馬鹿にしたような台詞まわしは絶妙でした。

久々の「こうなったらコロンボを殺してしまえ」

さらには解決シーンでは、コロンボのウソにおびき出されたあげく犯行を暴かれ、この際「コロンボを殺してしまえ」と銃に手をかけるフィールディング・チェイス。可愛すぎます!このシーンで、クラクションを鳴らすピーター・フォークの演技は絶品だと感じました。
原題は「Butterfly In Shades Of Grey」で直訳は「灰色のシェードの蝶」で意味不明。邦題の「4時02分の銃声」もイマイチな気がしますが、どうでしょうか。

モリー・ヘーガンが再登場

養女のビクトリア(ビッキー):モリー・ヘーガンは、47話「狂ったシナリオ」のアレックスの元恋人で女優の役でも出演していました。二度とも重要な役柄でしたね。

傲慢な独裁者が守りたかったもの…恐れたもの…

フィールディング・チェイスは政治アナリストとして成功をおさめていますが、その背景には「独裁者的」「手段を選ばない」ことで、多くの敵をつくります。そして相手から意に沿わない行動を示されると「お前を破滅させる」と恫喝するのです。非常に寂しい立場の成功者と言えます。しかも、溺愛する養女ビクトリアからも「パパに必要なのはパパだけ」と、愛情を拒絶されてしまいます。
自ら多くの敵を作り、敵対意識を糧に成功して来たフィールディングが最も恐れたもの…それは敵対者から及ぶ、愛するものへの復讐…だったんでしょうね。恨まれる人生を生きることは避けたいものです。
 

ブログ訪問者さんからの情報

監督の「デニス・デューガン」は、37話「さらば提督」で、シオドア・アルビンスキー刑事を演じました。さらには(1973年 – 1987年の間)「ジョイス・ヴァン・パタン」の夫だったそうです。彼女は27話「逆転の構図」、39話「黄金のバックル」に出演している重鎮女優ですね。
監督:デニス・デューガン
脚本:ピーター・S・フィッシャー
フィールディング・チェイス:ウィリアム・シャトナー
ビクトリア・チェイス:モリー・ヘイガン
 
加筆:2011年1月29日

64話「死を呼ぶジグソー」

Undercover
1994

「初夜に消えた花嫁」と同様です。インターネットでこの「死を呼ぶジグソー」と「初夜に消えた花嫁」の情報を探してみますと、やはり諸事情により、自分が理想とする刑事コロンボ路線の作品が作りにくい状況だったようですね。また、この作が好きだとおっしゃる方も意外と多くいらっしゃるようです。
▼追記予定(BS2での再放送を見た後に書こうと思います)
2011年1月にもう一度見直しました。「初夜に消えた花嫁」は相変わらず理解不能でしたが、この64話「死を呼ぶジグソー」はピーター・フォークが、俳優ピーター・フォーク=コロンボという、世界中に知られた固定イメージがある中で、俳優としてこんなこともやりたかったという願望を一気に披露した作品だと感じました。(あくまでも私感です)
イタリア系であることを強調しています。が、フォーク自身はイタリア系ではありません。しかしイタリアン・マフィアの格好良さに憧れている風の表現がありました。他の作品にも出てきます。また、少しアクション映画めいた暴力シーンも含まれます。そして「お金のために生きているのではない」という哲学も。新・刑事コロンボシリーズと、旧作の大きな違いは新しくなるにつれ「フォークがコロンボを私物化」するようになってきた…ことも大きいです。

シェラ・デニス

おぉ、ここにもシェラ・デニスが出てきましたね。忘れていました。シェラ・デニスはピーター・フォークの奥様として有名な女優さんですが、50話「殺意のキャンバス」58話「影なき殺人者」64話「死を呼ぶジグソー」66話「殺意の斬れ味」と、新シリーズだけでも4回出演しています。

シェラ・デニス

原作:エド・マクベイン
監督:ヴィンセント・マクヴィティ
アーヴィング・クラッチ:エド・ベグリー・ジュニア
モー・ワインバーグ:バート・ヤング
ブラウン刑事:ハリソン・ペイジ
ジェラルディン・ファーガソン:シェラ・デニス
ドロシア・マクナリー:タイン・デイリー
加筆:2017年12月23日

65話「奇妙な助っ人」

Strange Bedfellows
1995[単発 65話]

マクベイ役のジョージ・ウェントが可愛い

牧場経営者マクベイが弟のテディを殺害。マクベイ役のジョージ・ウェントは、なかなかの存在感を見せました。大柄な体格が目につきますが、実は臆病そうでマフィアのボスに暴言を吐き付ける度胸もあったりして、とても可愛く描かれています。

また、レストランのオーナーであるロマーノを犯人に仕立てて殺害した後、「今、殺されそうになった」と警察に通報する時の顔が絶妙ですね。それにしてもマクベイさんは「スコッチ&ソーダでソーダ少なめ」を懲りずに連発するところは可愛いです。

残念な展開…でも、それが主題

「奇妙な助っ人」の邦題のごとく協力者を得て事件を解決しますが、こんな展開はこれが最初で最後。オチが「マフィアに殺されるよりも、殺人犯で刑務所に入った方がマシ」ということですが、33話「ハッサン・サラーの反逆」のイメージがちらつきましたね。さらに残念なのが、多少の暴力シーンがあり、コロンボ警部も殴られました。

捨て難い面も…

カリフォルニア尾長ネズミの話や、犯人を徐々に追い込んで行く駆け引きなど、意外と悪くない要素も多いことに気付きました。

みなさん同じビルでお仕事?

マクベイが種馬の契約をするビルは、66話「殺意の斬れ味」で、キンズレーとキャサリンが挨拶をするビルと同じです!。さらに後日発見しましたが、48話の「幻の娼婦」ですでにこのビルが登場していました。

ブリンドル刑事って?

今回ブルース・カービーは役柄ではほぼクレーマー刑事なのに、なぜか「フィル・ブリンドル刑事」として出演しています。これは「グローバー刑事=バーノン刑事」よりも深い意図を感じます。

トライコン工業の警備員が再登場

26話「自縛の紐」のトライコン工業のエレベーターの警備員を演じた「エド・マクレディ」がバーでネズミに驚いた女性を助ける男性客役で再登場しています。

→バーニーの店「BARNEY’S BEANERY」

 
監督:ヴィンセント・マケヴィティ
脚本:ローレンス・ヴァイル
グラハム・マクベイ:ジョージ・ウェント
テディ・マクベイ:ジェフ・イエーガー
ビンチェンンゾ・フォテーリ:ロッド・スタイガー
ブリンドル刑事:ブルース・カービー
加筆:2017年12月24日
 

66話「殺意の斬れ味」

A Trace of Murder
1997[単発 66話]

キャサリンと愛人パトリックは、夫クリフォードに殺人の罪をきせるために第三者(セルツァー)を殺害するという話。

クリフォード・カルバート は強烈

まず投資家クリフォード・カルバート(バリー・コービン)のキャラが強烈、それに比較すると犯人のパトリック・キンズレーは一見弱く感じるが、実はロス警察の科学捜査班。共犯のキャサリン・カルバートは、かのシェラ・デニスということで、かなりエンタテインメント性があり楽しめる作品です。

真面目に生きてりゃ良かったのにね

キンズレーが殺人を犯す動機は、私には理解できません。キャサリンをどれほど愛していたか?というのが大きな疑問ですし、クリフォードが仮に逮捕された後、キャサリンとの仲をどのように維持しようと目論んだのでしょう?大人しく警察官としての人生を全うすべきでした。この事件以外には、全く汚点がなかったのでしょうから。

強引な偽証拠

決め手となるのはむしろ「猫の毛」じゃないでしょうかね?背中にあれほどの猫の毛が着くということも、あり得ないことだと思います。もしもそのような状況になったとしても、細心の注意を払って猫の毛を取り除くでしょうね。葉巻の切れ端を現場に残すなど、もっての他ですね。その反面、犯行現場とコンビニの位置関係の話は面白いです。

バーニーのお店ですが…

重要なシーンで使用されたバーニーのお店ですが、62話「恋に落ちたコロンボ」の時と全然別のお店に見えますね。65話「奇妙な助っ人」では全く雰囲気の異なる「明るい雰囲気の」店でした。
→バーニーの店「BARNEY’S BEANERY」

これも珍しい、コロンボ警部の事件解説

事件解決の場面は面白かったというか、痛快でしたが、最後の解説シーン(バーニーのお店)は必要だったでしょうか?路上シーンの延長で十分表現できた気がします。

どうでも良いけど調べてみた

捜査の過程で登場する被害者セルツァーの女性弁護士「ドナ・ブロック」はトレーシー・ローズと名付けられていますが、深い意味があるのか?疑問。とても美しく魅力的な女性弁護士でしたが、それだけの役でした。

何度か見直しているうちに気付きました

クリフォードの要望で弁護士を通すことになり、コロンボ・弁護士・クリフォード同席の場で、キンズレーとキャサリンが挨拶をするビル(建物)は、その前の回の「奇妙な助っ人」で牧場経営者マクベイが種馬の契約をするビルと同じです!

 
奇妙な助っ人が1995年の放送に対し、殺意の斬れ味は1997年。ビルを撮影したアングルもそっくりで、同じ日に撮影したものを使い回していると考えられます。→その後の発見で48話「幻の娼婦」(1989年)ですでに登場していること判明しました。6年前のフィルムを流用したかどうかまでは、分かりません。
 

パトリック・キンズレー

犯人のパトリック・キンズレー(デビッド・ラッシュ)の日本語吹き替えは船越英一郎さん。とても有名な俳優さんの声なのに、気付かなかった人もいたのでは?

 
監督:ヴィンセント・マケヴィティ
脚本:チャールス・キッズ
パトリック・キンズレー:デヴィッド・ラッシュ
キャサリン:シェラ・デニス
バーニー:ジョン・フィネガン
 
加筆:2013年10月8日 
 
 

67話「復讐を抱いて眠れ」

Ashes to Ashes
1998[単発 67話]

最後のパトリック・マクグーハン

今回で四度目の犯人役となったパトリック・マクグーハン。殺人を暴かれた詰めの部分には少し甘さを感じますが、マクグーハンの存在感、演技には引き込まれるものがあります。

犯罪工作の名手マクグーハン

特に犯罪を隠蔽するためにせっせと工作する時の仕草、表情は絶品。まるでそれを楽しんでいるかのようにも見えるし、強がっているようにも見えます。「復讐を抱いて眠れ」でのハリウッドで葬儀屋の社長エリック・プリンスは、28話「祝砲の挽歌」のラムフォード大佐、52話「完全犯罪の誤算」の弁護士オスカー・フィンチより、若干キャラクター性を抑え気味でしたが、十分にマクグーハンを堪能できる作品でした。
後半でコロンボ警部が語気を急に強める場面は、他の回と比べて嫌悪感を露にしていない犯人に対して、すこし唐突な態度に感じました。おそらく、遠く離れた相手に向かって、大きめに喋ったのでしょう。執拗に付きまとうコロンボ警部に対し、今回のエリック・プリンス氏は忍耐強かったと思いますね。

灰から灰でも良かったかも…

原題「Ashes to Ashes」の直訳は「灰から灰」で、邦題の「復讐を抱いて眠れ」よりも内容に直接的な題名です。復讐を抱いて眠れは間違っていませんが、ベリティの復讐心が殺される引金になったとしても、その後の展開ではあまりクローズアップされていないのでピンと来ません。
また決め手となった金属製の砲弾の破片ですが、プリンス氏が骨壺に灰を入れる際にもっと慎重に行っていれば、入っていなかったでしょうね、割と慎重そうな人物ですけど。

サリー・ケラーマンが可愛い

最初の葬式の喪主でヒューストン夫人役の「サリー・ケラーマン」はとても可愛い役どころ。彼女はかなり長身の女優さんなのでしょうね。彼女はとても有名な俳優さんで、数多くの作品で会うことができます。

ルー・マクラナハンが憎まれ役を好演

被害者の芸能リポーター、ベリティ・チャンドラーはルー・マクラナハン。かつての男女関係の恨みを晴らすため、テレビでエリックの秘密を暴露する「復讐」を本人に宣告するが、その口調が強烈に意地悪。ピッタリのハマり役でした。

葬儀屋の秘書役は長女のキャサリン

また、葬儀屋の秘書役で長女のキャサリン・マクグーハンが出演しています。品のある素敵な女優さんだと思いました。さらに、葬儀場でベリティが遺体(ヒューストン)の頬にキスする場面で、遺体がハッキリ「まばたき」しています。(笑)

初期型のマック

余談ですが、作品中に殺害されたベリティ・チャンドラー(ルー・マクラナハン)が使用していたパソコンは初期型のマックですね。マウスにアップルマークを確認できます。また、電子メールや「.com」などが登場し、時代性を感じさせます。

イニシャルS.B.の登場人物

ベリティのメモの解読の過程で候補にあがったイニシャルの中で「スティーブン・ボチコ」は、1話「構想の死角」7話「もう一つの鍵」9話「パイルD-3の壁」10話「黒のエチュード」17話「二つの顔」などを手掛けた脚本家。

デガルモ刑事

コロンボ警部を補佐するのはデガルモ刑事[リチャード・リール]で、68話「奪われた旋律」にも出演しています。このように年配の刑事が登場する回は、捜査シーンに落ち着いた雰囲気を感じさせ、けっこう好きです。

監督:パトリック・マクグーハン

脚本:ジェフリー・ハッチャー
エリック・プリンス:パトリック・マクグーハン
ヒューストン夫人:サリー・ケラーマン
ベリティ・チャンドラー:ルー・マクラナハン
デガルモ刑事:リチャード・リール

加筆:2013年8月28日
 
 

68話「奪われた旋律」

Murder With Too Many Notes
2000[単発 68話]

サスペンス映画音楽の巨匠フィンドレー・クロフォード(ビリー・コノリー)が弟子のガブリエルを殺害。ガブリエルはクロフォードの弟子だが、実際にはクロフォード名義の作品のゴーストライターで、彼が師匠に愛想をつかし、反逆しそうになったので犯行に及んだ。

天才作曲家が実は無能で脳天気

冒頭のシーンでフィンドレーが、ガブリエルのアドバイスで、音を消した場面。ガブリエルの死後にエンディングの音楽演出で、監督からこっぱみじんに全否定される場面、どちらも「天才作曲家が実は無能」を意味していて、笑える設定でした。フィンドレーの人物像は好きでしたが、かなりヤバイ状況で鼻歌を歌いながら殺害計画を練っている姿など、大胆不敵な人物とも感じます。

容疑者特定の瞬間が見えない

しかし警部はいったいどのタイミングでクロフォード氏を犯人とにらみましたかね~。狂言ガス欠をしたくらいなので、その前ということになりますが、私はそれほど怪しく感じませんでした。

序盤が延々と続き、急に投了(負けを認める)シーン

コロンボが犯人を徐々に追いつめて行く雰囲気もなく、将棋で言えば長い序盤が延々と続き、急に投了シーン…という雰囲気。しかも、えらく楽しそうに犯行を認めているし。普通だったら認めません、殺人容疑ですから。「復讐を抱いて眠れ」も同じく、こんなにあっさり片付けないでほしい気がします。演出のパトリック・マクグーハンの好みでしょうか。
コロンボ作品のラストシーンは、犯人がじたばたしながらも完全に敗北を認ざるを得ない…ってのが美しいと思ったりしますが、今回は動機と状況証拠だけで逮捕してます。「音楽クラブのある刑務所があったら紹介してくれ」が自供ですね、楽観的な人です~。

現実逃避型の自供か?

でも何度か見るうちに気付いたのですが「クロフォードは捕まりたかった」のかも知れません。番組後半でリッター監督(チャールズ・チョフィ)に「正気か?観客が眠っていまう」とまで酷評され、「起こしてみせる」と突き返すが、おそらく全く解決策を見いだす自信はない。もう才能は枯れているのです。演奏家にもカッコつかないし、一夜で「マジック」を起こせる弟子は自分が殺してしまいました。殺人を暴かれて苦しみから逃れられたのかも。

This Old Man

最後のシーンで故ガブリエルの恋人レベッカに、ピアノを教えてもらうシーン。この音楽は刑事コロンボシリーズの劇中で頻繁に耳にします。コロンボ警部の鼻歌や、ちょっとおどけたシーンでのBGMとして多用されています。ここではコロンボは「♪おもちゃで遊ぼ」と口ずさみますが題名は「This Old Man」

またまたマクグーハンの娘

ガブリエルが転落死するその瞬間に居合わせたご婦人マーシアはパトリック・マクグーハンの次女「アン・マクグーハン」との情報が寄せられました。
原題「Murder With Too Many Notes」の直訳は「あまりに多くの音符との殺人」
監督:パトリック・マクグーハン
脚本:ジェフリー・ケーヴァ、パトリック・マクグーハン
フィンドレー・クロフォード:ビリー・コノリー
ガブリエル・マッケンリー:チャールズ・シオッフィ
レベッカ:ヒラリー・ダナー
シドニー・リッター:チャールズ・チョフィ
デガルモ刑事:リチャード・リール
加筆:2011年3月2日

69話「虚飾のオープニング・ナイト」

Columbo Likes the Nightlife
2003[単発 69話]

最後の刑事コロンボ

刑事コロンボの最後の作品(になるだろう※注1)です。前作が1999年であることから、「最後にもう1作」という気持ちが込められた作品であると感じられます。音楽、映像処理などに、2003年という時代背景が出ています。それにしても、事件を解決に導くコロンボの着眼点、そして犯人を徐々に追いつめて行く捜査手法は健在で、集大成的な意気込みもありますね。2003年にレイヴ・プロモーターがポケベルを使っていたかどうかは、疑問ですけど。

輝いていたピーター・フォークの演技

▼これまでの私の「刑事コロンボ論」は、こうでした。
主人公のピーター・フォークは、毎回のドラマのナビゲーター。強烈なキャラクター性を持っているとはいえ、毎度お馴染みの風貌、台詞、立ち振る舞いを貫き、いわば変わらぬ要素を保ち続けます。それにより、毎回の犯人役のキャラクターや犯人の職業、立場などが際立つのです。政治家、学者、音楽家、俳優など、華やかな世界で頂点に登りつめた人物の転落劇が鮮やかに見えてきます。
しかし最終回の「虚飾のオープニング・ナイト」では、そのカラーは抑制されました。そのことにより、コロンボ警部の捜査手法の原点「些細なひっかかりを逃さない」「自分の足で情報を集める」「入念な聞き込み」などが強調されていた気がします。

コロンボ警部の頭は、まだまだ冴えている

随分とお年を召した容貌。地べたを這いつくばって手がかりを得てゆきます。まずは自殺者のお洒落、タイヤの塗料。そして階段を上り、被害者のオフィスで、爪切りと爪を発見。日めくりのページ抜けから関係者の住所を入手、パソコンキーボードの指紋で他殺と断定。ゆっくりと動きながらも、まるで隙のないスリリングな展開を見せます。

容疑者の絞り込みも素早い

ジャスティンとの初対面、コロンボの問いに対し、ハキハキと答えるジャスティン。その言葉尻に殺されたタブロイド記者「リンウッド・コーベン」の自殺を肯定したい願望が強く出ています。これで容疑者の最有力だと目星を付けられます。

最後の秀作

タブロイド記者の不可解な行動、ヴァネッサの元夫のホテル滞在の怪など。どんどん手掛かりを入手し、殺害動機を掴んでゆきます。初期のコロンボ作品のような昔の風情はありませんが、この「虚飾のオープニング・ナイト」は、最後に相応しいよく出来た作品ではないかと、再評価したいです。(2014年6月21日)

若い警察官に「何か」を伝えている気がする…

以前にも増して取り巻きの捜査班と、コロンボ警部の捜査手腕の「差」は大きくなるばかり。コロンボ警部以外の全ての警察官は、「無能集団」と化しています。コロンボ警部引退後のロス警察殺人課の検挙率の低下が心配ですね。初動捜査の場面もかなり面白いと感じました。警部を見て何かを学んで欲しいと願ったのは私だけでしょうか。

最終回のお宅も、オシャレ

ヴァネッサの家は現代風でオシャレな建築でした。私がもし住めたとしたらあんな家が好みです。大きなガラスを多用した開放感あふれる設計でしたね。それほどの成功者ではない犯人でしたが、元亭主がマフィアの御曹司ということもあり、お金は十分持っていたのかな?それにしても、犯人のジャスティンがコロンボ警部にシャツをプレゼントしたのは意味不明。そのシャツの店でヴァネッサに遭遇するのも不思議です。

二つの邦題

原題は「Columbo Likes the Nightlife」。ここで採用した邦題「虚飾のオープニング・ナイト」は日本テレビ版、「殺意のナイトクラブ」というWOWOW版の邦題も存在します。

お疲れさまでした~

コロンボの吹き替えは「銀河万丈」さん。ピーター・フォークの年齢相応の渋さが出ていたと思います。ピーター・フォークは1927年生まれで、1話「殺人処方箋」が41歳、この69話「虚飾のオープニング・ナイト」が76歳という計算になります。35年間お疲れさまでした~。(36年かもしれないけど)
 

監督:ジェフリー・ライナー
脚本:マイケル・アレイモ
ジャスティン・プライス:マシュー・リス
ヴァネッサ・ファロー:ジェニファー・スカイ
注1:俳優ピーター・フォーク氏は2011年6月23日に他界され、刑事コロンボの最後の作品となりました。
加筆:2018年3月24日