3話「構想の死角」

Murder by the Book / 1971

カメラワークやライティングがスピルバーグ的?

演出が若き日のスピルバーグ監督というのは有名ですね。絵作りという着眼点で見ると、他の作品と大きな違いを感じます。まずは、構図の大胆さです。俳優同士の顔がくっつきそうになる程、近くで会話していたり、女優の横顔のシルエットでその場面を深く印象づけたりしています。全体的に画面が暗めなのも特長だと思います。特に夜のシーンでは、不気味な程に室内を暗くし、手前の人物の影が話し相手に重なって不気味な効果を出しています。

やはりこのカメラワークやライティング(照明)は、この1回きりで良かった…とも感じます。そこばっかり気になってしまい、本筋がおろそかになっているように見えてきます。
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6話「二枚のドガの絵」

Suitable for Framing / 1971

ぼろんこの考える「傑作コロンボ作品:二枚のドガの絵」

何の前振りも無く、犯人の美術評論家デイル・キングストンが、ピアノ越しに叔父マシューズ氏をズドンと一発やった時には、やはり初期のコロンボは凄いと感じました。徐々に見えてくる殺害動機や犯人デイル・キングストンの人間像。言動などから卑屈な性格も見え隠れします。最初から「誰に濡れ衣を着せる」つもりで犯行を計画した‥などなど、良く練られた素晴らしいシナリオです。この「二枚のドガの絵」は私の好きな作品のトップランクです。

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32話「忘れられたスター」

Forgotten Lady / 1975

泣けるコロンボ作品…

「忘れられたスター」は私が最も好きな刑事コロンボ作品のひとつ。解決編では、この作品ならではの結末を迎えます。それはコロンボ作品中、最も涙を誘うものです。
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34話「仮面の男」

Identity Crisis / 1975

パトリック・マクグーハン

パトリック・マクグーハン28話「祝砲の挽歌」に続き、パトリック・マクグーハンが犯人:ネルソン・ブレナー役で再登場しました。この後の新シリーズでも登場しますが、この作品「仮面の男」での顔が最もマクグーハン本人らしいかもしれません。このブレナーが運転する「シトロエンSM」もカッコいいですよね。

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