1973[第3シーズン 21話]
意識研究所所長で心理学者のケプル博士が、クライアントであるノリス氏を殺害。この作品「サブリミナル効果」を扱った殺人事件として、当時は名称は知らなかったがかなり感動した記憶があります。
大胆な殺害計画
30年前、最初にこの作品を見た当時は主演がロバート・カルプということも知らず、ただただ殺人のトリックに関心したものでした。特に印象的なのは、喉が渇いて廊下に出て来たノリス氏をビデオモニターで確認したケプルが「よし、しめた!」とドアを開けて、「おいノリス」ズドン!と撃つシーン。
でも深く考えてみますと「殺害現場」に第三者が現れる危険性も高く、かなりリスクのある計画でした。もちろん「塩気たっぷりのキャビア」が効いたのでしょうが、他の人も食べるかもしれないし。
本当は、電気スタンドを覗けば見つかってた…
また決定的な結末「サブリミナル効果を使って犯人を捕獲」したことは、この作品の最大の見せ場ですが、拳銃がたくさん展示してある彼の部屋を初動捜査でしっかり調べていれば、証拠の口径変換機が見つかったかも…。しかも、サブリミナル用の写真を撮影しているのですが「この1枚が効いた」という「コロンボ警部が電気スタンドを見ている写真」…。そのまま、電気スタンドを覗けば見つかったのにね。
▲2017年12月加筆 口径変換機の隠し場所をケプル自身の行動で見つけさせることに大きな意味があるのだと再認識。
サブリミナル効果がテーマということで…
証拠の在処を知っていて、犯人ケプルを決定づける行動として、ラストを扱ったらもう少し納得できたかも。小学生(あるいは中学?)当時に見た時は、全然疑問に感じませんでした。今回の再放送を初めて見た人でも、ラストシーンでサブリミナル効果を逆手に取ることが想像できちゃう点も27話「逆転の構図」と比べて、少し見劣りがしました。
正直者を見分ける能力
「呼び出されマグノリアの角に居た。一人だったのでアリバイはない…」というノリス夫人の証言を信じるコロンボ警部。その理由は「犯人ならばもうちょっとマシなアリバイを考える」という。一方では、ノリス氏の浮気話をほのめかすケプル。こっちの方が怪しい…と睨んでいるわけです。

ちょっと間抜けなロバート・カルプ
ロバート・カルプの演技は4話「指輪の爪あと」よりは「憎たらしさ」が抑え気味で、間抜けにも感じました。ただ、どの出演作品よりも「計画性に富んだ殺人」で、その準備段階から緊張感が伝わってくる展開でした。

チャック・マッキャンはグッドな味
この「意識の下の映像」の中で最も光っていた俳優さんは映写技師のロジャー・ホワイト役:チャック・マッキャン。ケプルの犯行だと気付いたホワイト氏は、ケプルを脅迫し逆に「最も良い解決方法」として殺害されます。
これまで真面目に働いて来たと思われるエンジニアが、金づるに目がくらみ命を落とすことになります。銃で撃たれる直前のホワイトの「怯(おび)え」の演技は、リアリティあふれるものでした。
本筋ではありませんが、ケプルが制作した企業アピールのフィルムで、演壇を離れる直前のシーン「脚線美」を表現した写真には大笑いでした。
監督:リチャード・クワイン
脚本:ステファン・J・キャメル
バート・ケプル:ロバート・カルプ
ロジャー・ホワイト:チャック・マッキャン
ビック・ノリス:ロバート・ミドルトン
加筆:2017年12月21日
なかなか面白かったが肝心の犯人の動機がいまだによくわからない
サブリミナル効果を用いて「被害者を犯行予定位置へと誘導する」という趣旨のトリックが奇抜で楽しいです。 コロンボによるトリックのかけ返し解決もスマートな感じ。
雑感 : この作品きっかけで、カセットテープの使い方などを家族に確認しました。 一発の初期化出来ないんですねアレ。 だから犯人はわざわざ録音し直して、元にあった自分のアナウンスを消去する必要があったわけか、と僕だけが遅い理解…… 知りませんでした。
雑記 : 昨日BSで放送された映画 「ヒンデンブルグ」 (1975) の原作スタッフにリチャード・レビンソンとウィリアム・リンクがクレジットされていて、ちょっと「おおっ」てなりました。 いつか機会があったら誰かにシッタカ語りをしてみようと思います。
BSスペシャル投票第17位。潜在意識に訴える、というのはアメリカでもCMに潜在意識に訴える映像は禁止なる法律ができたことがあったそうですし、日本でも報道番組に何を思ったか、そういうことをやったことが話題になったことがありました。でも今となっては古臭くなったトリックですね。テープレコーダーも同様時代の変化を感じます。でも当時の風俗を伝える?ドラマですね。車も大型だしw。ゴルフカートを運転するコロンボも笑えますし、今でもインパクトあるのは、演出よりも名優ロバートカルプの演技。ラストのマッドサイエンティストな笑いが全部持って行った(笑)。
ぼろんこさん、
楽しいブログをありがとうございます。
実は私、英語版のDVDフルパッケージ(30数枚)を入手しまして、字幕(英語しかありません)に頼って数秒おきに止めながらコロンボを楽しんでおります。
前もってストーリーを確認するためにずっとこのブログにお世話になっております。みなさんのコメントも大変参考になります。
私もなぜすみやかに口径変換装置を処分しなかったのか理解に苦しみます。また口径を22に変換できても、コルトガバメントの撃針では22口径のリムファイアの弾丸は打てないと思うのですが。
(25口径の弾丸なら、コルトガバメントと同系の弾丸がありますので発射できると思います)
ところでコロンボが図書館から借りたケブル博士の本が、スーパーマーケットのバックヤードにいたときは4冊だったのに、売り場での会話のシーンでいつのまにか3冊になり、しかも売り場の台の上でテープレコーダーの下敷きにしたとき、一番上の本の背表紙か黄色から緑になりまた黄色に戻っているるように見えます。
このような発見もコロンボを見る楽しみの一つです。
犯行を準備するシーンから始まるのも好きな理由です。
指輪の爪あとも大好きなのですが、本作もなかなか楽しめました!ロバート・ガルプはいい俳優さんですね。
第一の殺害現場に誰か来てもおかしくなかったという危うさや、なぜ口径変換器を早く処分しなかったのかという点については同感ですが、全体としてまとまっていて、ロバート・ガルプや映像技師のホワイトの演技やキャラの良さも相まって、最後まで楽しく観れました。
個人的に、コロンボがゴルフ場にカートで現れて、カートに乗ったまま犯人にまとわりつくシーンがすごく笑えました!
口径変換器…そんなものあるんですね。調べたら、Caliber conversion sleeveとかいうらしい。
いろいろ殺人のトリックにつかわれてよさげなのに、私はコロンボでしか見たことないですね。
コロンボに出てくる車はかっこいいものばかり
石油危機前後の作品なので大排気量で大型のアメリカらしい車で車種を調べるのも楽しみの一つであります
映写技師の殺人現場に向かうケプル博士とコロンボ
殺人現場を告げずに運転させる狸親父なコロンボがたまりません
凄い駄作でビックリした。
コロンボってコロンボに解決させるために(そうじゃなきゃ推理モノにならないけど)
降って沸いたようにネタを与えたり一応それなりに頭が良い(ハズの)犯人が
後半になるにつれ馬鹿になってそれまでの犯人像が崩れるミスをさせたり
ってパターンが多いけどこの回は酷すぎる。
ホワイト映写技師の存在感が
何とも言えず、すごく好きです!
中学生の時に、観たころ初めて
「潜在意識のカット」に驚いたのを、
今でも、良く覚えています。
Youtubeに日本テレビで放送された際の水野晴郎さんの解説と、翻訳の額田さん、演出の左近允さんのインタヴューがアップされていますね。こういう機会が在ったんだ…!この時代我が家にゃヴィデオも無かったから観ても残しておけなかった。
ロバート・カルプ、バート・ケプル博士。語呂似ですな。
「そりゃ分かりませんな」など、ケプル博士の高慢な言い方がサイコーです。
拳銃の硝煙反応を調べるべきでした。
コロンボは一話完結で観るべきで、全体の回に一貫性や整合性を求めるべき
ではないと思います。それを求めると、おかしな世界観になりますから。
とはいえ、重要証拠となる硝煙反応や通話履歴などは共通にしておいてほしい。
状況としてあるにも拘わらず、回ごとに扱ったり扱わなかったりです。
夫人を犯人に仕立てるあたりの工作は、とても雑な感じがした。
コロンボのほのめかしが、どぎつい。
第二の殺人=ホワイト殺しのアリバイが全く分かりません。
2巻目始まりは7:30で終わったのが8時5分前なので、犯行はその間に行われた。
コロンボは、コインが落ちてなかったという。それは2巻目をかけ替えたのは、
ホワイトではなくケプルの証拠だという。
それが何なの??。
ケプルが2巻目を替えたのなら、少なくとも7:30には殺害現場にいた事になる。
潜在意識のカットがメインテーマでも、その周辺もシッカリやってほしい。
トレモニさん>最後の「にやっ」とする表情ですね。
すぴっつさん>子どもの頃に見た時には、かなり感動しました。大人になって見返したら…ま、穴にも気づきます(笑)
トリックは奇抜で面白いですし、犯人像も強烈。いい作品だと思います。ただ、いつでも処分できたはずのあの決定的証拠をずっと隠したままだったというのは迂闊すぎてどうしても引っかかります。というわけで、ぼくの中では傑作に一歩及ばずです。
なんだか病的な終わり方だった。犯人は、気でもおかしくなったのかな?。
自分の理論が自らの犯行の証明になってしまった。
罪の悔恨の念よりも、自らの理論の実現に喜びを感じたのだろうか。
ロバート・カルプも反省するタイプでは無さそうです。
大野さん>カルプはゴルフが下手。笑えますね。でもゴルフ場で見せる「彼のずるさ」が可愛く描かれていました。
子煩悩さん>亡くなったんです…。舶来のキャビアですが「一瓶80ドル(約29000円)」です。
カルプ氏、のっけからスマートでかっこいいですよね。
冷静で抜け目のないインテリ、コロンボ的な犯人の典型を作った名優だと思います。5年前にお亡くなりになってたんですね。残念です。
しかし、いくらおなか空いてるって言っても、キャビアだけモリモリ食べてうまいんでしょうか。
その辺も含めてコロンボ刑事なんでしょうが。
毎晩、仕事で疲れた身体を休めながらコロンボ満喫しております。
そして、見終わったらぼろんこさんサイトのエピソード欄を確認。
至福の10月でした(笑)
しかし、カルプさん、ゴルフはド素人でしたね。
スイングがダサすぎる。
事前に腕前を確認して人選してほしかったですね(苦笑)
タップおばさん>21作中の3作で犯人役ですから、凄いです。
ロバート・カルプが扮するバート・ケプル。
ロバート・カルプは銃のコレクターで、
犯人も何個も銃をコレクションしている。
早いスパンで3度ものゲストスター出演を誇る。
コロンボスタッフのカルプ氏へのリスペクトを感じる作品です。
ジミー頁さん>コメントありがとうございます。細かいご指摘、感銘いたしますー。検証のためもう一度作品を見直そうと思います。本文でも書いていますが、このホワイト映写技師、僕はとても好きです(笑)
やじろべえさん>コメントありがとうございますー。犯人のトリックをコロンボが再現し、それに犯人自身がひっかかった…という、スカッとしたエンディング。初めて見たときは、ほんと感動しました。
しばらく前にみたので詳細は忘れてます。
本記事中にも書かれているように、リスキーな犯行だと感じました。
本当に喉が乾くかどうか、「賭け」の要素を私は感じます。まあ、犯人の読み筋通りに殺害が行われますが、まさか、コロンボに読まれているとは夢にも思っていなかった。そんなドンデン返しの心理を描いた作品でしょうかね。
こんにちは。
某サイトで見たんですが、ホワイト氏が仕込んでるはずのコインが落ちなかったからフィルムをセットしたのは博士だ、という設定には無理があるようですね。
というのも映写機は二台あり、ホワイト氏は2巻目を既にセットしていたはずだからです。
博士がフィルムをセットしたなら話は辻褄が合いますが、ホワイト氏がギリギリまでフィルムをセットせずにほっていたことになり、ちょっと無理がありますね。
それより私が気になったのは、フィルムが後半だったから博士のアリバイが成立する、という下り。
博士が殺人を犯してからそんなに早く事務所に戻れたのでしょうか?車で移動するくらいだから時間がかかるのではないでしょうか?
と思って調べたら、ノベライズ版では死んだホワイトになりすましてノリス夫人に電話で話すというトリックまで使って死亡推定時刻を遅くしたらしい。その辺の細かい描写を省略されると混乱しますね。他にもありそう。
とっしーーさん>ロバート・カルプは良いですよね~。今回は、ラストシーンの顔が、面白いですよね。
ロバート・カルプ、好きな俳優さんの1人ですな~^^
説得力ある声や態度、「アリバイのダイヤル」に雰囲気が似ていて、好きな作品の1つです。
違う点は、カルプのキャラクターですね。
今回の、冷静沈着で頭がキレる感じが好感持ってしまって・・
最後は捕まらなければいいのにっと、なぜか犯人目線になっていました(笑)
第一話の「殺人処方箋」の感想に似ていて、なぜか犯人を応援したくなり、逆にコロンボを
嫌いになりそうな(笑)
どうやら、冷静な犯人物に弱い様です(苦笑)
車のシーン、何気ないシーンでしたが、とても秀逸で素晴らしいですね!!(´ー`*)
ついつい場所まで行きそうな感じでしたが、さすがカルプでした。
キャビア・・食べたいですな~~(笑)
ァ ‘`,、(‘∀`) ‘`,、
こういっては何ですが、今回のコロンボは犯人に負けていたと思います。
状況証拠や証言、刑事のカンで目星は着けますが、決定力にかけるのと、犯人いわく「僕の手法を取り入れたから解決した」感がありましたね。
狂四郎さん、コメントありがとうございます。「どっちへ曲がれば」…ですよね!犯人がすでに疑われていることを自覚しているという設定でして、とても面白いシーンでした。
「口径変換装置」を放置した件ですね。確かに…そうなんです。40話「殺しの序曲」では、同様の設定で、公園のゴミカゴに捨てるシーンが上手に描かれていました。
本作では「サブリミナル」の逆手で、犯人を特定するというシナリオ上、証拠をそのまま残しておいたのですかね。リスクはあるにせよ、見つかる前に口径変換装置を処分した方が良かったですね。
小学生の頃にNHK総合でこの作品を見て、サブリミナル効果なるものに非常に感動したことを覚えています。総合評価として「傑作」とまではいかないと思いますが、大好きな作品の一つです。ホワイト氏殺害現場に車で向かう際、運転するケプルが「どっちへ曲がればいいんだ?まだ現場がどこだか聞いてないから教えてくれ」というシーンなんか、目立たないけど、実にいいネタだったと思います。これは「古畑任三郎」で明石家さんまが犯人役を演じたエピソードで、そっくりそのまま使われていました。
ところで、初見の時から30年以上にわたって疑問なのですが、なぜケプルは口径変換装置をさっさと捨ててしまわなかったのでしょうか?事件当日はランプシェードの中に隠しておくとして、翌日以降、さっさと始末しておけばよいものを。物的証拠がこれしかないから、ストーリー展開上の都合で放置させたと解釈すればよいのでしょうか。ご意見を伺えれば嬉しいです。
ステレオさん、コメントありがとうございます。「塩辛いキャビア」の件、勉強になりました~。次回はここに注目して見てみます。また楽しみがひとつ増えました!
塩辛いキャビアは被害者が来てから別室で被害者だけに与えていました。塩辛いキャビアを被害者以外が食べる機会は全くありませんでした。