28話「祝砲の挽歌」
28話「祝砲の挽歌」では、犯人役の私立ヘインズ陸軍幼年学校の校長ラムフォード大佐を好演。毅然とした風貌、自分の生き様を信じながらも殺人を犯す「化石的模範人物」を演じています。この作品では、規律に厳しく生きる組織の長が、その厳しさが故に自分の犯罪を暴かれるという矛盾を美しく描いています。
34話「仮面の男」
34話「仮面の男」では、国際謀報部員:ネルソン・ブレナー役。祝砲の挽歌で「軍服に帽子姿」だったため、こちらの方がマクグーハンの素顔がよく分かる作品と言えます。自宅で麻雀セットを披露するシーンでコロンボ警部から「ギャンブルはお好きで?」と質問され「他に何がある」と答えたのは印象的でした。
52話「完全犯罪の誤算」
一方52話「完全犯罪の誤算」では、野望に満ちた犯人「弁護士オスカー・フィンチ」役。祝砲の挽歌が1976年製作、この作品が1990年ということで14年の隔たりがありますが、どちらも秀逸です。一人の俳優がいかに、作品の中で存在感を発揮するのかを再考せざるを得ません。このオスカー・フィンチなる人物、異常な程の合理主義者。Mr.タイムイズマネーとも言える、秒刻みの多忙な中、自らの過去の汚点を消し去るべく、殺人を犯します。成功者の典型とも映るこの弁護士が、その風貌から「無能な人物」とも感じるコロンボ警部に、完全犯罪の盲点を暴かれるのです。
67話「復讐を抱いて眠れ」
67話「復讐を抱いて眠れ」は殺人のトリックには少し甘さを感じますが、マクグーハンの存在感、演技には引き込まれるものがあります。
犯行の準備・工作の演技に引き込まれる…
マクグーハンの演技の見どころは、犯罪を隠蔽するためにせっせと工作する時の仕草、表情。まるでそれを楽しんでいるかのようにも見えるし、強がっているようにも見えます。「復讐を抱いて眠れ」でのハリウッドで葬儀屋の社長エリック・プリンスは、「祝砲の挽歌」のラムフォード大佐「完全犯罪の誤算」の弁護士オスカー・フィンチより、若干キャラクター性を抑え気味でしたが、遺体を担いで入れ替えるシーンなど、十分にマクグーハンを堪能できる作品でした。
一家総出でコロンボに出演
長女のキャサリン・マクグーハンは「復讐を抱いて眠れ」で葬儀屋の秘書役で出演。次女の「アン・マクグーハン」は「奪われた旋律」でガブリエルが転落死するその瞬間に居合わせたご婦人役で出演。
映画「ブレイブハート」
パトリック・マクグーハンは映画「ブレイブハート」のエドワード1世役も大好き。とてもハマり役でした。
・身長は188cmと、かなりの大柄。
加筆:2015年10月2日