40話「殺しの序曲」

The Bye-Bye Sky High IQ Murder Case / 1977

刑事コロンボの中では、第6シーズンに属する後期的作品。背景は世界でトップレベルのIQを持つ人が集まる「シグマクラブ」で起こる殺人事件。クラブのメンバーである会計事務所の経営者オリバー・ブラントが友人で共同経営者、しかもシグマクラブのメンバーでもあるバーティを殺害。動機は、オリバーの横領を知ったバーティが、世間に公表すると脅したためです。
“40話「殺しの序曲」” の続きを読む

41話「死者のメッセージ」

Try and Catch Me / 1977
チャールズ・フランク人気女流ミステリー作家の「アビゲイル・ミッチェル」が「ヨットの事故で亡くなった姪」の夫エドモンド(チャールズ・フランク)を殺害。今回は金銭的な利害ではなく、姪のが死んだ責任はエドモンドにあると推理したアビゲイルが、その復讐を企んだもの。

“41話「死者のメッセージ」” の続きを読む

42話「美食の報酬」

Murder Under Glass / 1978

背景

料理評論家のポール・ジェラード氏がレストランのオーナー、ヴィットリオ・ロッシ(マイケル・V・ガッツォ)を殺害。テレビ番組やCMでも有名なジェラードが、その名声を利用してレストランの評価を思いのままに操っていることに腹を立てたビットリオの口を封じたのです。
“42話「美食の報酬」” の続きを読む

43話「秒読みの殺人」

Make Me a Perfect Murder / 1978
ローレンス・ラッキンビルテレビ局の女性プロデューサー:ケイ・フリーストン(トリッシュ・バン・ディーバー)は、支社長であり恋人でもあるマーク(ローレンス・ラッキンビル)を殺害。果たして殺すほどの憎しみがあったのか?
マークの出世に対する嫉妬はありますね。さらにマーク(あるいは社)からの自分への評価が思いのほか低いことを思い知ったからか。それで殺人‥とは短絡的すぎるかな。

“43話「秒読みの殺人」” の続きを読む

44話「攻撃命令」

How to Dial a Murder / 1977

初期シリーズの最後から二番目の作品です。約10年後から再開された新・刑事コロンボシリーズに影響を与えた作品ではないかと感じます。ストーリーの展開や解決編などに、同じテイストを感じます。
“44話「攻撃命令」” の続きを読む

45話「策謀の結末」

The Conspirators / 1978

世界の政治情勢が背景

事件の背景が大げさで、33話「ハッサン・サラーの反逆」34話「仮面の男」などと同様の味を持った作品だったと思います。むしろ、それら以上に「世界情勢」と「殺人動機」が強くからんだ作品でしょう。このアイルランド革命派のモデルになっているのはIRA(アイルランド共和軍)だと思われ、アイルランド全島の独立共和国化をめざすカトリック系の組織です。
“45話「策謀の結末」” の続きを読む

46話「汚れた超能力」

Columbo Goes to the Guillotine / 1989

初期シリーズから一転、高インパクト重視な印象

超能力者、エリオット・ブレーク(アンソニー・アンドリュース)は、かつてウガンダの刑務所で裏切られたマジシャンのマックス・ダイソンをダイソン自作のギロチン装置で殺害。
テーマ・殺害方法・解決シーンなどは、これまでの刑事コロンボシリーズと比較し、やり過ぎと思えるほど劇的です。これも、新シリーズのスタートを強烈に印象づけたい狙いでしょうか。
“46話「汚れた超能力」” の続きを読む

47話「狂ったシナリオ」

Murder, Smoke and Shadows / 1989
レニー・フィッシャー若き天才監督アレックス・ブレイディ(フィッシャー・スティーブンス)が、かつての友人レニー・フィッシャー(ジェフ・ペリー)を殺害。ブレイディが無名時代に自分の妹を見殺しにしたことの復讐にきたためです。広大な映画スタジオが舞台ということでスケール感もあり、エンタテインメント性もあります。新リーズではダントツで好きな作品です。

“47話「狂ったシナリオ」” の続きを読む

48話「幻の娼婦」

Sex and the Married Detective / 1989

この作品は好き嫌いが分かれます

リンゼイ・クローズ女性心理学者ジョーン・アレンビー(リンゼイ・クローズ)が恋人でもあるパートナーのデービッド・キンケードを殺害。2009年BS Hi(現BSプレミアム)での放送を初めてみました。これは私がノーマーク時代のコロンボ作品でした。作風は私の好みではありませんが、紛れもなく刑事コロンボの一作品であります。

“48話「幻の娼婦」” の続きを読む

49話「迷子の兵隊」

Grand deceptions / 1989

犯人が悪人なだけに、殺害動機は十分!

ロバート・フォックスワースこれは初回放送時に見ています!国防関連財団の幹部ブレイリー大佐(ロバート・フォックスワース)が部下のキーガン曹長を殺害。殺害動機は十分でブレイリー大佐が財団を利用し私腹を肥やしていたり、名誉会長であるパジェット将軍の妻との愛人関係を暴露すると脅迫されたためです。

“49話「迷子の兵隊」” の続きを読む

50話「殺意のキャンバス」

Murder, a Self-Portrait / 1989

美しい作品ではあると思いますが…

画家マックス・バーシーニ(パトリック・ボーショー)が隣に住む前妻ルイーズを殺害。犯人の存在感、浜辺の豪邸付近で繰り広げられるシーンは、とても美しく描かれています。が、コロンボ作品としてはちょっと不満な面も…。
“50話「殺意のキャンバス」” の続きを読む

51話「だまされたコロンボ」

Columbo Cries Wolf / 1989

邦題「だまされたコロンボ」は、てんでイケません

「だまされたコロンボ」という邦題が残念。原題は「Columbo Cries Wolf」で「狼少年コロンボ」といったところ。それでも残念。「コロンボ」がタイトルになるようではね~、少し物足りませんね。
“51話「だまされたコロンボ」” の続きを読む

52話「完全犯罪の誤算」

Agenda for Murder / 1990

政界入りを目論む弁護士オスカー・フィンチが自分の過去の汚点を知るステイプリンを殺害。フィンチは下院議員ポール・マッキーを支援し将来の司法長官を目指すが、無名時代にマッキーと共に犯した「証拠書類隠滅」をネタにステイプリンより脅迫されて犯行に至ります。
“52話「完全犯罪の誤算」” の続きを読む

53話「かみさんよ、安らかに」

Rest in Peace, Mrs. Columbo / 1990

殴られるコロンボ警部でした

この作品は決して私の好きな「刑事コロンボ」ではありません。解決手段で、刑事コロンボシリーズ特有の「ひっかけ技」を持ち出していますが、犯人から「人でなし」と殴られる場面も登場しました。2話「死者の身代金」でも、レスリーの娘マーガレットに殴られたのですが、今回はもっとリアルでした。
“53話「かみさんよ、安らかに」” の続きを読む

54話「華麗なる罠」

Uneasy Lies the Crown / 1990

楽しむ意欲を持って見たくなる作品

歯科医ウェズリー・コーマン(ジェームズ・リード)が妻の愛人である俳優アダムを殺害し、自分の妻の犯行に見せるという話。犯行計画はかなり「きわどい」です。妻や愛人がすべて自分の思い通りに行動しないと成立しません。しかしこれは、新・刑事コロンボシリーズの中では私が好きな作品の一つ。刑事コロンボは旧作の45作のみだ、と断言してしまうと楽しめません。
“54話「華麗なる罠」” の続きを読む

55話「マリブビーチ殺人事件」

Murder in Malibu / 1990

工夫のないタイトル

原題が「Murder in Malibu」ということで、ほぼ直訳の邦題がついています。あまり海岸には関連しておらず、ビーチは要らなかったような気もしますね。題名がストレートな割に、ストーリーはひねった構成になっています。
“55話「マリブビーチ殺人事件」” の続きを読む

56話「殺人講義」

Columbo Goes to College / 1990

現代に通じる殺人動機…

ジェームス・ストリウス大学生のロウとクーパーが通う大学の担任教授ラスク(ジェームス・ストリウス)を殺害。裕福な家庭に育った不良学生がテスト問題を盗んだことがばれて、口封じに犯行に及びます。これは、21世紀になった今日、日本で起きそうな事件だと思うとゾっとします。

“56話「殺人講義」” の続きを読む

57話「犯罪警報」

Caution: Murder Can Be Hazardous to Your Health / 1991

千両役者:帰ってきたジョージ・ハミルトン

ジョージ・ハミルトン
人気司会者のウェイド・アンダースが同業者のバド・クラークを殺害。犯人がテレビ業界の有名人、被害者が犯人の過去を知って脅迫、追いつめられた犯人が殺害といった王道のど真ん中をゆく作品。しかも、犯人役には「ジョージ・ハミルトン」を起用。ということで、背景は文句なしです。

“57話「犯罪警報」” の続きを読む

58話「影なき殺人者」

Columbo and the Murder of a Rock Star / 1991

もしも「共犯」が前提なら、評価は全然変わってくる

「お面をかぶってスピード違反をしてくれ」と犯人ヒュー・クライトンは、共犯者でもない秘書のトリッシュにお願いしたとのこと。誰かスタッフの一人でも「このお話には無理がある…」と進言できなかったのでしょうか?
“58話「影なき殺人者」” の続きを読む

59話「大当たりの死」

Death Hits the Jackpot / 1991

ありそうで無かったテーマで楽しい!

ゲイリー・クローガー3000万ドルの宝くじを当てた甥のフレディ・ブラウアー[ゲイリー・クローガー]を叔父のレオン・ラマー[リップ・トーン]が殺害。投資の失敗で破産を免れなくなった宝石商レオンが、宝くじで大当たりした甥フレディを巧みに騙し、賞金を横取りします。もしもこのような場面に遭遇すれば、誰しも陥りそうな心境を表現しています。

“59話「大当たりの死」” の続きを読む