5話「ホリスター将軍のコレクション」

Dead Weight
1971[第1シーズン 5話]

マーチン・J・ホリスター元将軍(エディ・アルバート)は、不正を働くパートナーである現役軍人ダットン大佐を殺害。私が子供だった頃、この作品を確かに見ました。ヨットハーバー付近が舞台になっている作品で記憶に深く残っていました。

ホリスター将軍のヨットハーバー

将軍の船に「THE IRON HORSEMAN NEW PORT」と書いてあります。おそらくロサンゼルスの南に位置する「ニューポートビーチ」が「ホリスター将軍」の家ではないかと思われます。間違っているかもしれません、鵜呑みにしないでください。
→ホリスター将軍のヨットハーバー

初期の作品としては少し不人気

私が傑作だと推薦する4話「指輪の爪あと」と6話「二枚のドガの絵」に挟まれ、少々不人気な印象の作品です。犯行の目撃者が犯人の味方になってしまうという、凝ったストーリーです。やはりシンプルな展開の方が、かえって優れた作品になるのでしょうか。

実はこの「ホリスター元将軍」は「大悪人」でした。現役軍人ダットン大佐と共謀し不正取り引きで私腹を肥やし、悪事を隠すためにはためらうこと無く大佐を射殺。殺人現場の目撃者ヘレンに接近・誘惑し味方に引き入れるという「卑怯・卑劣のオンパレード」です。

このように戦争において「英雄になれる人物像」とは、決して潔く誠実なものではない。エンディングでコロンボ警部がヘレンに言い聞かせる「将軍がいかなる人物かよく表している物」…見せるための軍服、弾丸を受け止めた本、とてもよく理解できますね。

事件の目撃者ヘレン

ヘレン・スチュワート役のスザンヌ・プレシェットは、とても可愛らしい女性に描かれていました。ホリスター元将軍のことを最後に「カス」呼ばわりしていた場面は、ほのかな笑いを呼ぶシーンでした。

日本語吹き替えは久松保夫さん

ちなみにホリスター将軍(エディ・アルバート)の日本語吹き替えは「久松保夫」さんで、スタートレック(宇宙大作戦)のMr.スポックの声でもお馴染み。でも、Mr.スポックのレナード・ニモイが刑事コロンボ15話「溶ける糸」に出演の際にメイフィールド医師を天田俊明さんが担当した理由は不明(今後調べてみます)。

真珠を散りばめたコルト拳銃

ブログゲストさんから「将軍愛用の真珠を散りばめたピストルが、いつ陳列されたか?」という疑問が寄せられました。ダットン大佐を殺害する時は確かに、木箱から取り出しました。いつ展示室に持ち込んだかは、場面を見るだけでは断定できないようです。大切な「本」も木箱に無かったので、祝典当日に自分で持ち込んだのかな?凶器なので…捨ててしまうか…迷ったか。

木箱の中に無かったことがヒントになってしまう

コロンボが木箱の中味を確かめた際、確かに真珠の拳銃は入っていませんでした。このことが逆に「凶器がこの拳銃である」というヒントになってしまう。45口径であれば大佐殺害の銃である可能性が高いことに、もっと早い段階で気づくのでは?と疑問は残ります。コロンボは既に展示室に足を運んでいるはずですし。
それにしてもやはり、将軍はこの銃を海にでも捨てるべきだった。誇りたいはずの名誉の品だけど、結局はそれが命取りでした。

軍人を扱ったコロンボ作品

戦争の国アメリカ(と表現すると失礼でしょうか?)ならではの題材だと感じます。刑事コロンボには他にも数作品で、犯人役が軍人または軍事関連の作品がありますね。この作品に関してはその色は薄く「過去の栄光」としての「英雄・将軍」を描いています。後の作品28話「祝砲の挽歌」のラムフォード大佐、49話「迷子の兵隊」のパジェット将軍にもこのイメージは通じます。

ヴァル・アヴェリー

帽子とサングラスを着用していて気付きにくいのですが、犯行を目撃するヨットハーバーで「貸ヨット屋のオヤジ」を演じるのはヴァル・アヴェリー。12話「アリバイのダイヤル」で盗聴器を仕掛けた探偵:ダブス、25話「権力の墓穴」では重要人物:前科者のアーティ、さらには34話「仮面の男」でローウィーを演じています。
監督:ジャック・スマイト
脚本:ジョン・デュガン
マーチン・J・ホリスター:エディ・アルバート
ヘレン・スチュワート:スザンヌ・プレシェット
ロジャー・ダットン:ジョン・カー
ハリー・バーンズ:ヴァル・アヴェリー
バート:ティモシー・ケリー
加筆:2015年10月8日

“5話「ホリスター将軍のコレクション」” への29件の返信

  1. ぼろんこ さま
    ぼろんこさんは、あまりこのエピソードは好きでないのかしらね。ストーリーが単純でないとのことですが、そんなに複雑でもないと思いますが。私がこのエピソードを好きなのは、ヘレン(このころが一番美しかったスザンヌ・プレシェット)と母親(ケイト・リード)のやりとりや背景事情がよく描かれているからかも知れません。最初の犯罪の通報のところから、この親子のけんかが描かれていて、そのうち、この母親は、亭主が逃げた後は、女手ひとつでヘレンを育てた人で、コロンボが初めて訪問したときは、身分証を見せろと言っていたのに、ホリスター将軍が夜会服で訪れると、名前も聞かずにすぐにヘレンを呼んでくるような人だということがわかり、一方ヘレンは、子供がほしいのに欲しくない男と結婚して離婚、今は心理療法で粘土作りなんかして、動物公園のようなところで働いている状況が明らかになります。このメンタル的に脆弱な状況にあるヘレンに付け入るホリスター役のエディ・アルバートは、悪役はめったにやらないため、このホリスター役がアメリカの視聴者にはショックだった、という話を読んだことがあります。日本でも、後に確か「探偵ピート&マック」(原題「Switch」)という探偵コンビ(ピートがロバート・ワグナー、マックがエディ)のシリーズが放映されて、エディは人の良いおじ様風イメージでした。本エピソード事件解決のプロセスとしては、コロンボが初動の際、回転扉に隠されたダットン大佐の死体を見過ごしたり、近所に泊めてあった大佐の車をよく調べなかったりのへまの連続から始まった割には、沈めたはずの死体が浮上したり、凶器の真珠つき拳銃を捨てなかったという将軍のへまのおかげで解決できた、という流れで、コロンボの活躍としてはさほど華々しいものではなかったと思います。ただ、皆さんご指摘のように、コロンボのヘレンに対する優しさが、最後にとても印象に残ることもあり、私としては、コロンボの中では、比較的上の方に置いている作品です。なお、殺されてしまうダットン大佐役のジョン・カーは、50年代の有名な映画「お茶と同情」に準主役で出演し注目された人ですが、知っているのは、私のような昔の映画のマニアだけかも。
    軍人の話が多い、というご指摘、なるほど、あまり気が付きませんでした。
    もう何十回も見たコロンボですが、ブログを読ませていただき、さらに楽しんでいます。ありがとうございます。

    1. ご丁寧なメッセージ、ありがたく読ませていただきました。私が「不人気」などと小見出しに書いたものですから、申し訳ございません。エディ・アルバート、スザンヌ・プレシェットといった俳優陣、すごく魅力的ですね。登場人物のキャラクター像も含めて、ぜひ再評価したい作品だと思います。この作品に1票追加します。

  2. ホリスター将軍が目撃者のヘレンに近づいてきた時は、口封じのために殺すつもりなのでは?と心配しましたが、まんまと口説き落としましたね。
    女性はやはり、軍人という肩書きに弱いのでしょうか…そういえば、最近も軍人の肩書きを利用した詐欺事件がありましたからね。

    皆さんもコメントされてますが、ラストで落ち込むヘレンをさりげなくなぐさめるコロンボの優しさがまた最高です。
    ピーターフォークも、こういう暖かい人柄だったのかなぁと思わせるシーンでした。

    1. 将軍のような「モテる男」と対比し、コロンボが「モテない男」に描かれたエピソードなのかな。ほのぼのして良いシーンですね。

  3. コロンボがいつもチリを食べる食堂のおやじさんが大戦時沖縄に兵役していて、その時の記念品は絶対捨てられないと話したことが解決への糸口でした。死体の現れ方はちょっとグロテスクでしたね。

  4. ネットフリックスで再度コロンボにハマり、こちらのブログを見つけました。
    こちらを読んでから見るともっと楽しめるので大変参考にさせていただいています。
    ホリスター将軍のヨットハーバーはカリフォルニアのニューポートビーチで合っていますよ。
    ここでは観光船が豪邸クルーズを催行しておりコロンボの撮影に使われたホリスター将軍の家は当時ピーター・フォークの実際の別荘だったとガイドが説明しています。

    1. ホリスター将軍のヨットハーバー情報、感謝いたします。想像で書いている文章も多くありますが、細かく読んでいただき、嬉しく存じます。

  5. 最後に、観てるこっちが「おいおい警部w」とツッコミたくなるくらい
    コロンボが口説きながらフェードアウトするので、
    「ひょっとして、この女性が後に『カミさん』になる人なのかな」
    と思って気になっていたので調べてここに辿り着きました。
    でも、相当に詳しい方がご指摘されていないということは、
    そういう説すら無さそうですねw
    —————
    もちろん子供の頃に観ていましたが、最近またコロンボにハマりまくっています。
    フィルムの発光具合と70年代独特の部屋の色使い・調度品が良いんですよね。
    観ていなくても、流しているだけで癒しになるんです。

  6. みなさん、コメントありがとうございます。
    「ウソを扱うのが刑事の仕事でねえ・・」は印象的ですね。

  7. 管理人さん
    コロンボをみるときは、一回ひとととりみて、こちらのブログを読んでからもう一度みて…と、こちらのページはいつもじっくり読ませていただいています!
    本編とは関係ない話なのですが…
    ホリスター将軍役のエディアルバートさん、なんとローマの休日に出ていたんですね!カメラマン役です。
    最近知ってびっくりしたのでつい書き込みしてしまいました。。

  8. 将軍がヘレンへコンタクトしたのは、良くなかった。これは買収工作だ。
    買収工作は「指輪の爪あと」「狂ったシナリオ」でも出てくるが、
    犯罪の露見が始まる糸口になっている。
    コロンボは、最初ヘレンを疑っていたが、状況の進展や将軍の買収工作に
    よって、考えを一転させる。ヘレンの変化は、更にそれを加速させる。
    唐突感ある終わり方で、流れとしても物足りなさを感じる。
    「ウソを扱うのが刑事の仕事でねえ・・」とのコロンボの最後の言葉が印象的。

  9. 「銃をどこに隠したのか」を除けばこれといってアイディアが無いのはちょっと物足りないですが、主役をホリスター将軍でなくヘレンであると考えれば、彼女の心の動きが見どころの意外と深いエピソードなのかな、とも思えます。しかし、最初期にけっこう異色なエピソードを作ってたんですね。

  10. トレモニさん>ありがとうございます、この作品への賛辞だと理解し、1票入れておきます。(不人気作品なので…)
     
    富士子さん>エディ・アルバートは、ローマの休日でカメラマン役でしたか。良い映画ですものね、もう一度見たくなりました。

  11. エディ・アルバートは、ローマの休日でカメラマン役でしたね。
    ロンドンの傘のリチャード・ベースハートは、「道」でザンパノに殺されてしまう芸人役でした。彼は、白痴の主人公の少女に、「こんな小さな道端の石でも、きっと何かの役に立っているんだよ」と声を掛けます。おちゃらけていて、剽軽者ものでしたが、彼女はその言葉に励まされます。
    二人とも、名わき役でした。

  12. 強みが弱みに変わった瞬間、その双方をコロンボは見抜いていた。
    殺人を犯す人の心のヒダの隅々まで見通していた。
    優秀な詐欺師は、優秀な刑事になれるかも??。
    彼女に対して最後に詫びた、それは、清々しい最後だった。

  13. 大野さん、コメントありがとうございます。今後もBS-TBSで続々放送予定ですので、ご期待ください。
     
    ピストルをいつ展示室に持ち込んだか…は、わかりませんでした。詳しくは、本書き込み(ページ上)に追記しましたので、お読みください。

  14. ぼろんこさん、はじめまして
    小学生の頃、母の影響でコロンボファンになりました。
    時々TSUTAYAでレンタルしてましたが、今回たまたまテレビ欄で見つけてびっくり!
    昨日、ホリスター将軍を見て、どうしても解らないことが。
    将軍愛用の真珠を散りばめたピストル。
    いつの間に陳列されたのですかね?
    持ち込む箱には入ってませんでしたよ~って警部が言ってましたし。
    凶器のありかは物語の大事な要素であるはずですよね。
    そこが引っ掛かり、ヘンリーへの警部のやさしい言葉が頭に入りませんでした。

  15. タップおばさん>コロンボ作品にも、人気・不人気はありますね。それを加味しても、コロンボシリーズより好きな刑事ドラマが無い…という事実。私も一つくらいストーリーを考えてみたいと思うのです(笑)

  16. ホリスター将軍という人物がかなり大胆不敵な人物であることはわかります。
    その割には比較的地味だし、決め手も魅力に欠けた感じですよね。
    不人気なのはそこが原因だと思います。

  17. とっしーーさん>いつも、ありがとうございます。コロンボのモノマネ、私も小学生の頃、よくやったもんです!
    真田さん>コメントありがとうございます。私もこの将軍の生き様には、あまり共感できません。当然ですね(笑)
    でも、ホリスター将軍のコレクションというタイトルは好きです(笑)

  18. わたしは、この作品、ちょっと苦手なんです。
    ヘレンがが可哀そうすぎるというか、人物像があまりにも、なんかわかるなーって感じでよく描けているので、辛いですね。
    ひるがえって、とにかく将軍がヒドイ!最悪です。絶対いないよこんなやつ、、、ではなくて、
    たまにいるんだよなー、心底からの悪党なのに、無意味にダンディで、芯があって、っていう、、。
    ほめてるんだか、けなしてるんだかですが、つまり、作品としてはほめられるんですが、出てくる人たちが、リアルなので苦手、、。
    それだけ、名作の域に入ってきてるのでしょうね。あ、でも、一票は絶対いれませんから。

  19. こんにちわ^^
    久々にこの回を見ました♪
    なかなか面白かったのですが、舟屋のオヤジがまさかヴァル・アヴェリーだったとは!!
    「権力の墓穴」のイメージが強かったので、驚きました(笑)
    勇気があり過ぎる人間・・逆に怖いですね^^;
    躊躇いもなしに、人を撃つのですから(怖)
    しかし、今回は証拠を隠したけども、なんかピンとこなかったですね ( ゚,_ゝ゚)
    目撃者を誘惑するのも、かなりアヤフヤだし・・
    まぁ~でもラストのウソを扱う職業というセリフは、スッキリ感があってイイと思います^^
    さて、実は10年くらい前からコロンボの声真似(初期作品)をしているのですが、コツとかってありますかね?(笑)
    よくマネするセリフとしては
    「あたしゃねぇ~」「うちのかみさんがね~」
    「やっちゃったねぇ~~!」
    「刑事なんて因果な商売してるとね~」
    あたりでして、「やっちゃったねぇ~」はどの回かお分かりですか?(´ー`*)

  20. ようさん、コメントありがとうございます。ヘレンには、人生にちょっとつまづいた女性の哀愁を感じます。この作品に1票加えますね~。

  21. 事件の担当がほかの刑事ではなく、コロンボでなければならない必要性の描写が自然で、冒頭から引きこまれました。
    また、焼き物(?)の失敗シーン、将軍にディナーに誘われた後の帰宅時のはにかみ具合と言った、ヘレンの人物像の説明も制作側の彼女に対する意図がうまく表現されていたと思います。
    そして何といってもラストのコロンボの慰め方。
    自分のためではなく、人のためにウソ(かどうかは曖昧ですが)をつくやさしさ。
    この直前に、コロンボがヘレンの腕に手をかけて、それを払われる場面がありますが、それでも最後まで懐の広さを見せる振る舞いにジーンと来てしまいました。

  22. えりさんコメントありがとうございます。港付近が舞台になる作品は、とても情緒がありますね。「さらば提督」も似た雰囲気を感じます~。「ホリスター将軍のコレクション」に1票加えておきますね!

  23. 管理人さん、お疲れさまです。
    トリックうんぬんというよりストーリーとキャラクターが好き!ファンには人気ないのかな?
    ヘレンがかわいそうでしたが、コロンボの慰めがよかったですね。

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