6話「二枚のドガの絵」

Suitable for Framing / 1971

ぼろんこの考える「傑作コロンボ作品:二枚のドガの絵」

何の前振りも無く、犯人の美術評論家デイル・キングストンが、ピアノ越しに叔父マシューズ氏をズドンと一発やった時には、やはり初期のコロンボは凄いと感じました。徐々に見えてくる殺害動機や犯人デイル・キングストンの人間像。言動などから卑屈な性格も見え隠れします。最初から「誰に濡れ衣を着せる」つもりで犯行を計画した‥などなど、良く練られた素晴らしいシナリオです。この「二枚のドガの絵」は私の好きな作品のトップランクです。

犯人の誘いに乗って、最大のチャンスをモノにする。

コロンボ警部はデイルから自宅の鍵を渡された時が最大のチャンスだと見切っていました。その時のデイル宅には、全く証拠が無いとデイル自身が教えているようなものです。しかも、コロンボが捜査した直後が、絵を持ち帰るもっとも安全なタイミングであると考えたのでしょう。しかし、コロンボ警部が部屋で寝ていたのは誤算でした。それにしても…デイルはうかつでした…トレーシー殺害後、絵をもう一度「包装紙にくるんで」持ち帰るべきだったですね。

犯人が自分から行動を起こすように誘導。

真犯人デイルは叔母のエドナを犯人に仕立てます。相続人が被相続人を殺害した場合、相続権が自分に移るためです。そのためエドナが逮捕されないと、犯行が完成しません。それに目を付けたコロンボはデイルに「絵が出てくるまで、積極的に動くのをやめよう。」と、事件解決を長引かせる提案をします。それでは困るデイルは、急いで行動を起こすのです。

ラストシーンは圧巻です。

コロンボ警部はエドナの屋敷に登場する場面から、ずっとポケットに両手を突っ込んでいますね。しかも、犯人をトン死状態に追い込む会話術(指紋の割出しのくだり)も抜群です。そして、手を広げてみせるあの顔とポーズ。ピーターフォーク以外の俳優では決まらない、まさに完璧なラストです。俯瞰(ふかん)気味の静止画もきれいでしたね。

ちょっとした疑問、意味の無い行動?

作品冒頭の殺害現場を演出する場面では、デイル・キングストンは飾られた絵画や家具を荒らしますが、これは全く意味のない行動だと思いませんか?絵画を盗難する行為と結びつきませんし、あんなことをすれば物音がするので誰かに気付かれる危険が非常に高くなります。殺害時間帯に「近辺に誰もいない」ことを確認済みであったとしても、理解に苦しみますね。ましてやエドナを真犯人に想定しているのであれば…言うまでもありませんね。

ロス・マーティンの演技力に乾杯!

ゲスト俳優ロス・マーティンの演技、台詞、表情が抜群です!特に無名画家のパーティに呼ばれ、ご婦人方に囲まれて「人間万歳!」とはしゃぐ場面や、コロンボ警部の執拗な捜査にいら立ち「おまわり」呼ばわりで激怒する場面は良いですね~。

デイル・キングストンという人物。

デイルは美術評論家として成功をおさめますが、少し屈折した性格に描かれています。あまり幸せな幼少期を過ごしていない設定で、言葉遣いや素行は決して上品ではありません。業界でも煙たがられていました。

犯人の心理をよく表現している

「コロンボを敵視する」「記憶力が良い」「説明が上手」
デイルはこの3点を備え持っていました。自分にやましい部分がなければ必要以上にコロンボを敵視しません。人の記憶は曖昧で時間の経緯などをなかなか覚えていないもの。自分に容疑がかからない方向の状況説明をぺらぺらとしゃべること。これらは全ては、コロンボが容疑を深める行動なのです。

コロンボ警部はそんなデイルに対し、ラストシーンで「キミ」と呼んでいます。おろかな濡れ衣工作に奔走したデイル。すべてお見通しのコロンボ。二人のパワーバランスが完全に逆転している表現です。

特殊メイクなしでも、魅力的な演技。

ところでこの作品に出てくるエドナ夫人、猿の惑星に出演しているチンパンジーのジーラに似ている気がしてました。と思って、インターネットで調べたら、本当にそうでした。顔の輪郭や仕草がそっくりだったので、もしやと思ったらズバリ!

エドナ夫人を演じた女優は「キム・ハンター」。この後の作品、8話「死の方程式」にはコーネリアスやシーザーを演じた俳優「ロディ・マクドウォール」やアーサス将軍役の「ジェームズ・グレゴリー」も出演しています。

ロザンナ・ホフマン

犯行現場に遅れてきて「誰にも見られなかったか」念を押された共犯の美人美術学校生トレーシー・オコーナー(ロザンナ・ホフマン)の返事「モチよ!」は最高、完全に死語ですよね。

ロザンナ・ホフマンには新シリーズでも会える。

新シリーズの53話「かみさんよ、安らかに」で、ロザンナ・ホフマンさんに再会できます。家を買いに来るお客さんご夫妻の奥さま役です。ぜひご確認ください。

愛川マキを連想するのは…どうか?

トレーシー・オコーナーのキャラクターが、なぜか漫画「エースを狙え」の愛川マキに似ているのでは?と連想してしまうのは、ぼろんこだけでしょうか…。

場面転換にナイスプレー

殺害計画の中に「自分の口封じ」も含まれているとは気づかないトレーシー・オコーナーは、マリブ山中で殺されてしまいます。その殺害シーンは、岩を持って襲いかかるデイルに恐怖する彼女の表情から、「キャ〜」という絶叫もに聞こえる「(デイルが帰宅する)クルマのタイヤ音」で場面転換しています。見事な手法ですね〜。

ドン・アメチー

マシューズ氏の顧問弁護士の紳士(ドン・アメチー)も良かったです。18話「毒のある花」のラング社長役の「ビンセント・プライス」と雰囲気が似ていますね。

原題は「フレーミングにふさわしい」

原題の「Suitable for Framing 」は直訳「フレーミングにふさわしい」ですが、エキサイト翻訳では「二枚のドガの絵」と出ました。凄いですね、コロンボの作品名が辞書登録されているようです。他にもこのような例が多くありました。

ロス・マーティンとピーターフォーク

ロス・マーティンはポーランド出身の舞台俳優で1920年生まれ。ピーター・フォーク(1927年生まれ)よりも7歳年上でかつてはピーターフォークの演技の師匠であったそうです。16話「断たれた音」のローレンス・ハーヴェイが監督・主演の映画「脱走計画」にも出演したそうです。その他、警部マクロードやチャーリーズ・エンジェルにも出ているようです。

ドガについて勉強しよう

エドガー・ドガ(Edgar Degas:1834-1917)はフランスの印象派の画家、彫刻家。本作の題材は踊り子のパステル画でドガの得意分野とされます。いわゆる「二枚のドガの絵」は、どこで見ることができるか?現在調査中です(笑)

監督:ハイ・アヴァーバック
脚本:ジャクソン・ギリス
デイル・キングストン:ロス・マーティン
エドナ夫人:キム・ハンター
トレーシー・オコーナー:ロザンナ・ホフマン
顧問弁護士:ドン・アメチー

加筆:2020年1月18日 

8話「死の方程式」

Short Fuse / 1971
スタンフォード化学工業の御曹司ロジャー・スタンフォードが、叔父であり社長のバックナー氏を殺害。バックナー社長は素行に問題がある甥のロジャーを、会社役員の座から降ろし社外に追放しようと考えていて、それを阻止するために、犯行に及びました。その他にも、バックナーが父親の築いた会社を売却する意思があったことも動機となりますが、それ以前に自分が会社から追い出される危険があるので、第一の動機は前者と考えました。

ロケ地

スタンフォード化学工業:旧ユニオンカーバイドの工場ではないか?

爆死という壮絶な殺害手段

殺害方法は、自分の得意分野である「自家製爆弾」による爆死。バックナー社長が大雨の中で山道を移動する最中に起きたので、事故による二次的な爆発と思わせる作戦ですが、普通に考えれば路上での爆発と激突後の爆発では、その違いがわかるはずですよね。

犯人は「お馬鹿ちゃんキャラ」

動機や殺害状況など何れもロジャーを容疑者として、話が分かり易く進展しています。犯人が少々「お馬鹿ちゃんキャラ」な設定で、ちょっと騒がし過ぎかな~とも感じますが、時々見せるシリアスな表情が際立ちました。一説によるとお馬鹿な振りをしているだけなのかも…知れません。

その他のコロンボ作品にも出演する俳優を含め、豪華な顔ぶれ!

面白いので出演者を色々調べてみると…。

犯人役のロジャー・スタンフォード

俳優:ロディ・マクドウォールは、映画「猿の惑星シリーズ」の猿役:コーネリアスやシーザーを演じている有名な俳優さんです。猿の惑星は私も大好きで、シリーズ全作品を見ています。俳優ロディ・マクドウォールは大好きです。

被害者のバックナー社長

俳優:ジェームズ・グレゴリーは12話「アリバイのダイヤル」のコーチ役。しかも、映画「続 猿の惑星」のアーサス将軍役でも活躍したようです。とても好きな俳優さんです。

ロジャー・スタンフォードの秘書ビショップ

女優:アン・フランシスはこの後、15話「溶ける糸」で犯行に気付いてメイフィールド医師に殺される、手術助手のシャロン役でも出演します。とても印象に残る素敵な女優さんです。

ロジャー・スタンフォードの叔母

女優:アイダ・ルピノは、24話「白鳥の歌」で犯人ジョニー・キャッシュに殺害される妻エドナ役。ちなみに日本語の吹き替えは「麻生美代子」さんでサザエさんの母さん「フネ」の声でもお馴染みの声優さん。

クビになりかけたローガン副社長

俳優:ウィリアム・ウィンダムは、1話「殺人処方箋」に出演しています。病院で紹介される犯人レイ・フレミングの友人です。テレビ「スタートレック:宇宙大作戦」の第35話でデッカー准将を演じ、映画「新・猿の惑星」にも出演。→ロープウェイのロケ現場

 
という、ま~なんと奥の深いというか世間が狭いというかの豪華キャストでした~。

6話「二枚のドガの絵」に映画「猿の惑星」シリーズの猿:ジーラを演じたキム・ハンターが出演していることからも、人気俳優は引っ張りだこだったということなのでしょうね。

短い導火線

ブログへのコメントを頂きました。原題の「Short Fuse」は「短い導火線=短気」のようなニュアンスだとのこと。「死の方程式」も良く出来た邦題ですが、「短い導火線」は、まさに犯人像とぴったりですね!

ロディ・マクドウォールの吹き替え

ロディ・マクドウォールの日本語版の声優は野沢那智さん。アラン・ドロン、アル・パチーノなど数々の有名俳優の声を担当されました。新コロンボ作品の46話「汚れた超能力」でも犯人のエリオット・ブレイクを担当されています。
ちなみに猿の惑星の「コーネリアス」は宇宙戦艦ヤマトの古代進役「富山敬」さん、ルパン三世で有名な「山田康雄」さんなどが担当したようです。

バックナーの屋敷で「お晩です」

バックナーの屋敷の運転手クインシーの部屋の外でこそこそ工作をするロジャーに、コロンボが「お晩です」と声をかけたのが面白い。「お晩です」という言葉!

「ギル・メレ(Gil Mellé)」の音楽が効いている

ギル・メレはサックス奏者で作曲家。画家や彫刻家としてもも知られるマルチな芸術家です。ギル・メレの音楽は場面にスピード感や緊張感を与えてくれます。その他、4話「指輪の爪あと」5話「ホリスター将軍のコレクション」でも彼の音楽を堪能できます。

監督:エドワード・エイブラムス
脚本:ジャクソン・ギリス
ロジャー・スタンフォード:ロディ・マクドウォール
秘書ビショップ:アン・フランシス
バックナー夫人:アイダ・ルピノ
バックナー社長:ジェームズ・グレゴリー
ローガン副社長:ウィリアム・ウィンダム
ロープウェイの係員:マイク・ラリー

加筆:2020年8月2日

13話「ロンドンの傘」

Dagger of the Mind / 1972

往年の人気舞台俳優、ニックとリリアン夫妻は業界に君臨するプロデューサーのサー・ロジャーを死なせてしまう。それをロンドン視察旅行中のコロンボが解決するというお話。

意外と人気が高い作品…

海外ロケということもあり「ハメを外した」作品と言えるかも知れません。が、何度も見返すと、作品の持った心地よい雰囲気を理解できるようになります。この「ロンドンの傘」は私の個人的な評価よりもはるかに人気の高い作品で、ぼろんこ独自調査の人気ランク8位に入っています。(2015年4月現在)→人気作品ランキング

犯人の俳優夫妻

邦題の印象とは似合わず、犯人役のキャラクターは明るく描かれています。犯人の舞台俳優夫妻「ニコラス・フレイム:リチャード・ベイスハート」「リリアン・スタンホープ:オナー・ブラックマン」のコンビは、落ちぶれた俳優役ですが、息の合ったお笑いコンビのようにも見え、可愛かったです。劇中の台詞は、題材のマクベスをヒントにしたものが多く、この作品をより一層楽しいものにしています。嫁のリリアンは、有名な女優の割には「劇中の芝居がクサい」ですね、これも面白い演出です。

大草原の小さな家

このリチャード・ベイスハートは、テレビドラマシリーズ:大草原の小さな家の「暗い教室」という作品で、アップルウッド先生役で登場しています。厳しくて陰険な先生役を名演しています。

自白したのはニコラスではなく、リリアン。

ラストシーンでは一見、夫のニコラスが自白したと錯覚するが、実は何もしゃべってはいません。気が変になった彼を見て、妻のリリアンが「事故だった、馬鹿なことをした」と自白してしまいました。しかし…事故では済まされません、執事を殺害しています。

コロンボ警部は、証拠をねつ造!

刑事コロンボシリーズの中で、よくある解決方法で「証拠を作ってしまう」というのがあります。これは犯人自身に「証拠を作らせる」「決定的な行動を引き出す」ことが美学であると捉えますが、今回は明らかにコロンボ警部が「証拠をねつ造」しました!ダーク刑事部長の「やったな!」という印象的な台詞で幕を閉じます。

さて、この「証拠ねつ造」ですが、実は蝋人形館のジョーンズ(ロナルド・ロング)も一役買っている気がしますが、いかがでしょうか? ラスト直前のシーンでのジョーンズの仕草は、何か不自然でそわそわしています。サー・ロジャーの人形の腕に展示された傘は「綺麗に巻かれて」いませんしね。これはコロンボに頼まれて、そうしたのでは?

ウィルフリッド・ハイド=ホワイトが素敵

被害者のサー・ロジャーの執事:タナー(ウィルフリッド・ハイド=ホワイト)は素晴らしかったです。イギリス紳士とはかくあるもの…という品格。しかし従順のようで「したたか」。彼の台詞まわしは見事です。ハイド=ホワイトはこの後37話「さらば提督」にも出演します。

バーナード・フォックス

ロンドン警視庁(スコットランドヤード)のダーク刑事部長(バーナード・フォックス)はイギリス出身の俳優さんで、29話「歌声の消えた海」で客船のパーサー:ワトキンス役で出演しています。「ボートではなく汽船で…」が口癖の乗務員ですね。ダーク刑事部長は51話「だまされたコロンボ」で名前だけ再登場しています。

小池朝雄さんは、もの凄く声が枯れていた。

本題には関係ないことですが、今回の小池朝雄は、すごい声でした。お風邪を召されていたのでしょうか。

岸田今日子さんが素敵。

リリアン・スタンホープの吹き替えはムーミンなどでもお馴染みの女優:岸田今日子さん。岸田さん亡き今、このロンドンの傘を見るたびに、この素晴らしい声色と台詞まわしで、彼女を感じることができます。時にはオナー・ブラックマンが岸田さんに見えてくるのです。

空港でスリと間違われる。

ロンドン空港に到着したコロンボ警部は、自分の旅行カバンを見失います。このカバンがカミさんのもので、おそらく凄い花模様で派手な紫色。その後、迎えに来てくれたロンドン警視庁のオキーフ刑事と無事出会えますが、この時の握手はまるで腕が契れんばかりの勢いで、笑えます。

劇団のミス・ダドリー

劇団のスタッフ(稽古中にメモをとる、葬儀で泣いている)の女性「ミス・ダドリー」は女優シャロン・ヨハンセンで、18話「毒のある花」のマーチソン博士の場面で登場するマッサージ師の金髪の女性「オルガ」と同一だと思われます。

楽屋番のフェンウィック

楽屋番のフェンウィックは俳優アーサー・マレット。様々な場面で、ニックとリリアン夫妻の犯罪隠蔽の邪魔(わざとではない)をします。自分のことを「あっし」と呼び、たまにはマクベスのセリフを引用して答えたりと、面白いキャラでした。このフェンウィックは割と短気で、つむじ曲がりな感じもしましたね。

ウォーカー・エドミストン

これまた、どうでも良いほど些細な場面で、サー・ロジャーの車を洗車していた「ウォーカー・エドミストン」なる俳優さんです。タナーの爺さんがうるさいんで、毎日車を洗うと答えている人です。エドミストンはこの後の名作19話「別れのワイン」で、ワインのオークションを仕切る役で再登場します。

人形置き場の部屋は、黒のエチュードでも登場。

ブログゲストさんの発見です。蝋人形が置いてあった部屋は「黒のエチュード」で容疑をかけられるポールが演奏するクラブと同じ場所です。階段をみたらわかります。

監督:リチャード・クワイン
脚本:ジャクソン・ギリス
ニコラス・フレイム:リチャード・ベイスハート
リリアン・スタンホープ:オナー・ブラックマン(岸田今日子)
サー・ロジャー・ハビシャム:ジョン・ウィリアムズ
執事タナー:ウィルフリッド・ハイド=ホワイト
ダーク犯罪捜査局刑事部長:バーナード・フォックス
ミス・ダドリー:シャロン・ヨハンセン
フェンウィック:アーサー・マレット
ジョーンズ:ロナルド・ロング

加筆:2021年2月11日

14話「偶像のレクイエム」

Requiem for a Falling Star / 1973

往年の大女優であるノーラ・チャンドラーが長年パートナーとして秘書を務めたジーン・デービスを車ごと爆破して殺害。

シリーズきっての大スター役

原題を私風に直訳すると「落ち目スターの葬送曲」となり、邦題よりもストーリーを素直に言い表す言葉になります。偶像のレクイエムは、今ひとつ…絵が浮かばない邦題かもしれません。

子役時代から一世を風靡し、映画界に君臨して来た銀幕の女王で、刑事コロンボのゲストスターが演じる犯人役の中でも、格別のスター度だと認識した方が良いかも知れません。コロンボ警部も劇中で何度か家に電話して「自分が今、どこにいるか?わかるか?ノーラ・チャンドラーのバンガローだよ」と、自慢気でした。
→偶像のレクイエムのロケ現場(PC)

メル・ファーラーは凄いのだ

ゴシップ記事作家のジェリー・パークスを演じた俳優「メル・ファーラー」は、何とあの大女優「オードリー・ヘプバーン」と14年間の結結婚生活を送っているのだ!本作の制作時期にはすでに離婚しています。それを知って、もう一度見てください。

過去の共演者の名前に驚くなかれ

1956年公開の超有名な映画を2本紹介します。1本目は「十戒」。主演:チャールトン・ヘストン、共演:ユル・ブリンナー、アン・バクスター。アンはラメセスの王妃「ネフレテリ」役。2本目はトルストイの小説を映画化した「戦争と平和」。主演:オードリー・ヘプバーン 、ヘンリー・フォンダ 、メル・ファーラー。とてつもないキャスティングですね。筆者はどちらも見ました!

本当は誰を殺したかったのか、分からない…

14話という初期作品なのですが、倒叙法(最初から犯人が分かっている)を原則としながらも「本当は誰を殺したかったのか、分からない…」という興味深いストリー展開となっています。おそらくこの作品を見た人の多くは、ゴシップ記事作家の「ジェリー・パークス」を殺そうとして誤って秘書を殺してしまった…と思ったでしょう。でも、もしそうであれば生き残ったパークスが「ノーラが自分を殺そうとしていた」と告発すれば、一気に容疑が固まるわけです。この二人の「くされ縁的な不利害関係」が前提として、物語は考えられていて、非常に「深い」ものを感じました。

大女優が演じ続けていたもの

その背景には「ノーラが12年前に当時の夫を殺してしまった」ことも隠れているので、話がさらに複雑になり、ちょっとボケちゃってるのかも。ただ単に「往年の大女優が誇りを守るために殺人を犯した」だけでも、充分ストーリー展開できる気がしました。12年前にすでに殺人を犯していて、その後何喰わぬ顔でスターを演じていた…大女優?というオチでしょうか。

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2020年に、久々に再見して‥

ノーラは盗み聞きにより、今夜がパークスの誕生日で、秘書のジーン(ピパ・スコット)と一緒に過ごす約束を知っていた。「ドロシーを誘って音楽会(8時スタート)」は、ジーンの嘘だったのだ。(午後6時:まだ明るい)

今夜パークスは書店でのサイン会があり、その後ふたりは一緒に過ごすつもりだった。ジーンは約束ようにパーティの準備ができないことを、書店のパークスに伝えに行く。その隙にノーラはジーンの車のタイヤをパンクさせる。(午後8時少し前か:もうけっこう暗い!)

パークス邸に着いたパークスの車を爆破(午後9時ちかいはず)事故が起きた後、警察がノーラの居場所をやっと突き止めて、レストランに現れた。エビの注文を変えたいくらいなので、まだ食事は始まって間もない。(午後10時ちかいはず)となると株主(ケビン・マッカーシー)との食事会のスタートが、遅すぎないですか?お店お雰囲気では7時台に感じますよね?

パークスの証言では本屋でジーンに会った点、まだお使いを何も済ませていなかった様子。このシーンがもっと明るかったら、良かったかもね!同じ夜の出来事とは思えない。

考えられるシナリオ‥

パークスとジーンの二人とも死んでもらわないと、リスキーな証人が残ってしまいます。先にジーンを殺す。パークスはずる賢いからノーラを犯人としてしまうより、もっと本格的に恐喝してくると踏んだ。(本当にはジーンを愛していないから)そして時期をずらして、パークスを殺す。

車が全部違う‥

ジーンの殺害に使った車が濃いグリーンメタリック(に見える)、ノーラの車が褐色のメタリック、パークスを跳ねた車がブルーメタリック(に見える)。

結局、考え出したら夜も眠れなくなりそうです(笑)

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愛車プジョーの汚れ方が尋常でない

セレブな犯人たちは、こぞってこの車を「ボロ車」と見下しますが、大女優:ノーラ・チャンドラーがこの「愛車プジョー・403コンバーチブル」に同乗したのは奇跡かもしれません。しかもこの時のボディの汚れ具合は尋常ではありません。どう見ても演出上、わざと汚しています(笑)

ジェフリー刑事

この駐車場で事件当夜や車のことを説明する刑事は、ジェフリー巡査部長(ウイリアム・ブライアント)。この刑事さんは23話「愛情の計算」でフィールズ刑事とて再登場しています。名前は違うのですが同じようなキャラクターです。

Tクラブ会員とは?

Tクラブとはフリーメーソンの外郭団体「シュライン」を意味するそうです。

第2~第3シーズンの不思議なピアノ曲

YouTube「不思議なピアノ曲」刑事コロンボの第2~第3シーズン「黒のエチュード」「偶像のレクイエム」「絶たれた音」「毒のある花」などで多用された「不思議な雰囲気を持ったピアノ曲」を再現しています。音楽もお好きな方は、こちらもご覧ください。(*ご注意:YouTubeへのリンクは音が出ます!)

監督:リチャード・クワイン
脚本:ジャクソン・ギリス
ノーラ・チャンドラー:アン・バクスター
ジェリー・パークス:メル・ファーラー
聴取される女性:ダイアン・ ターレイ・トラヴィス
殺人現場の男性:マイク・ラリー

加筆:2020年8月2日

16話「断たれた音」

The Most Dangerous Match / 1973

チェスのチャンピオンである「エメット・クレイトン」だが、かつてのチャンピオン「トムリン・デューディック」氏が復帰し、自分に挑戦して来たことに恐怖し、夢にうなされる有様。対決前夜にレストランで二人きりで勝負するが、あえなく敗北したクレイトンはデューデックの殺害を決意します。密会対決での敗北に、二人の実力差の大きさを思い知ったためです。

最高級の犯人役:ローレンス・ハーヴェイ

犯人役のローレンス・ハーヴェイは、全コロンボ作品中最高級の存在感を見せてくれました。作品としてもかなり好きです。短期間に犯行を計画したクレイトンですが、そこはやはり抜群の記憶力に裏付けされています。

しかし、それを上回るコロンボ警部の「着眼点」には恐れ入ります。「便せんでなくメモ用紙」「入れ歯なのに歯ブラシ」など、被害者をよく知らなければ気がつかない点を見逃しません。さらに「ボールペンのインク」への着眼は流石だと言えます。

卑怯な勝負師

冒頭の夢のシーンでもわかるように、クレイトンは自分の今の地位「チェスのチャンピオン」からの陥落を非常に恐れ、半ばノイローゼ気味になっています。自分は将棋が好きで名人戦など良くテレビで観戦するのですが、勝負ごとには必ず勝者と敗者ができるわけで、負けた時の潔さも含めた品格を問われる分野でもあると思います。クレイトンはそれを逸脱していました。今回の挑戦者トムリン・デューディック氏は、好敵手とて堂々と闘った結果に破れたとしても十分納得できた相手であったはずです。

頭が良く、自信過剰な犯人との対決劇

ストーリー展開の中で、しつこいコロンボ警部と頭脳明晰な犯人とのやりとりも、刑事コロンボシリーズ中で最高評価に近い醍醐味を与えてくれました。それにしてもクレイトン氏はもちろん相当な頭脳の持ち主ではありますが、棋士としてはかなり「短気で怒りっぽい」性格ですね。将棋などのテレビ中継を見る限り、戦いの後はどちらが勝者・敗者であるか見分けられないこともあるほど、棋士はあまり本当の感情を出さないものですが、これは日本人特有なのでしょうか。

逆・筆記用具忘れ!

普段筆記用具を忘れて人から借りる癖があるコロンボですが、今回は何と、記憶力抜群のクレイトンがボールペンを忘れ、それをコロンボが本人に届けます。しかも…こっそり「試し書き」をしてから返すところが流石。
→コロンボはよく「筆記用具を忘れる」件

名台詞「縦から見ても、横から見ても」

この話で興味深い展開となってい最大の要因は「殺そうと思ったが失敗した」点につきるかと思います。なぜ失敗したか?はラストシーンに集約されます。解決編では、決定的な物的証拠を見せるには至りませんが「縦から見ても、横から見ても、耳の聴こえない人物が犯人である」という、コロンボの警部の名台詞で結ばせたことで、この作品の品格を決定的に高めてくれていると感心します。

元チェス王座のトムリン・デューディック

トムリン・デューディック役のジャック・クリューシェンは最高級の被害者役を演じてくれました。勝負師としての厳しさと人間としての弱さ(御馳走好き)、それでいて茶目っ気もあります。

対戦前夜の非公式戦の後、落ち込むクレイトンの部屋から去る時の仕草に「それほど落ち込まなくても…」という思いも見られます。これは、デューディックはクレイトンほど「勝つことが全て」とは感じていないことを表現しているのでしょうか?

デューディック氏一行はチェコ人?

デューディック氏はチェコ人(当時の国名ではチェコスロバキア)であったと何かの文献で読みました。当時の世界情勢で「東側の国名」をあえて台詞に入れなかったのでしょうね。側近(コーチと呼ばれていた)ベロスキー氏(ロイド・ボックナー)の「階級」発言などから、当時の共産主義国の厳格な姿勢も感じ取れて面白かったです。

元婚約者の名前が不可解

クレイトンの元婚約者はデューディック氏と同じ母国語の女性だということですが、名前が「リンダ・ロビンソン」ってのが‥どうも。ひっかかりますな。英語も堪能な感じですよね?でも、デューディックに代筆してもらう必要があるので‥これ以上は突っ込みません(笑)

同行する医師

デューディック氏の健康を管理する医師は俳優「マティアス・レイツ」。あまりセリフなどはないのですが、顔で心情を表現しているように見え、なかなか良い感じのキャラクターでした。

ダグラス刑事

デューディックのホテルの部屋でコロンボ警部の補佐をするダグラス刑事は、ポール・ジェンキンス。誇り高きコーチのベロスキー氏から見下されていました(笑)なかなか刑事らしい風貌で、好きなキャラクターです。

フランス料理店のオーナー

デューディックとクレイトンの二人が密会するレストランのオーナーは俳優「オスカー・ベレギ・ジュニア」この人こそ、フランス人ではなく東欧のハンガリー出身。ちなみにベロスキーのロイド・ボックナーはカナダ出身。

獣医ドクター・ベンソンが可愛い

「愛犬ドッグ」を診てくれる獣医のドクター・ベンソン(俳優:マイケル・フォックス*Michael J. Foxではないですよ)は、今回も良い味を出してくれています。10話の「黒のエチュード」ではクラシック好き、今回は「チェッカー(バックギャモンではない)」でコロンボ警部と遊んでいます。参照:刑事コロンボの脇役俳優

赤いヘルメットが似合う男

赤い(オレンジ)ヘルメットが似合う男、それは俳優「ジョン・フィネガン」。9話「パイルD-3の壁」に引き続き、今回もヘルメット姿が見られましたね、ちなみに今回は新しい綺麗なヘルメット。この後は刑事に転職するようです(笑)

病院の女性看護師

ま〜これはほんのささいな画像です。病院でデューディックの容態について語る女性女性看護師(ナース)は、女優「アビゲール・シェルトン」。なんとなく強いインパクトを残しました(笑)それだけ。

第2~第3シーズンの不思議なピアノ曲

YouTube「不思議なピアノ曲」刑事コロンボの第2~第3シーズン「黒のエチュード」「偶像のレクイエム」「絶たれた音」「毒のある花」などで多用された「不思議な雰囲気を持ったピアノ曲」を再現しています。音楽もお好きな方は、こちらもご覧ください。(*ご注意:YouTubeへのリンクは音が出ます!)

監督:エドワード・M・エイブラムス
脚本:ジャクソン・ギリス
エメット・クレイトン:ローレンス・ハーヴェイ
トムリン・デューディック:ジャック・クリューシェン
ベロスキー:ロイド・ボックナー
獣医ドクター・ベンソン:マイケル・フォックス
粉砕機の作業員:ジョン・フィネガン

加筆:2020年8月2日

18話「毒のある花」

Lovely but Lethal / 1973

化粧品会社「ビューティー・マーク社」の女社長であるビベカ・スコットが、自社の研究者カールを殺害。人間の普遍的な願望「若返り」に愛憎が絡んだ面白い作品です。

ゲストスターのヴェラ・マイルズは素敵

犯人役のビベカ(ヴェラ・マイルズ)さんが素敵です。まさに「毒のある花」を連想させます。それに犯行解明のカギとなる「毒ヅタ」を引っ掛けた邦題だと思えます。日本語版吹き替えの伊藤幸子さんも良かったです。

大草原の小さな家

ヴェラ・マイルズは、ほぼ同時代に人気を博したテレビドラマ「大草原の小さな家」シーズン9「最後の夏」にルーシー・リーランド役で出演しています。最後の夏は1983年の作品でちょうど「毒のある花」より10年後の彼女に再会することができます。

容疑者の第一候補に立候補

犯行が計画的でなかったこともあり、些細な矛盾点を次々に暴露されます。まずはコロンボ警部との初対面で、「警察に隠すことは無い」と断言しながら、メモ書きが黒い眉毛のペンシルにより書かれた時に誤摩化そうとして、さっそく容疑者の第一候補に立候補していました。ホクロの付け方について突っ込まれ、自分から進んで釈明していましたね。

なんと、クレイマー刑事が研究員で出演!

失敗した研究の残骸を焼却する係の男性。どこかで見たことのある俳優ですね。その後何度もコロンボシリーズに出演する「クレイマー刑事:ブルース・カーヴィ」です。今回はちょい役でしたが、愛嬌があって素敵な俳優です。→クレイマー刑事

しつこいコロンボにうんざり…

コロンボ警部の「しつこい聞き込み」も炸裂しています。容疑者を褒めながら接近し、お得意のカミさん話、化粧品会社の人間関係の話など、まわりくどい話術で犯人をどんどん追い込んでゆきます。投げ矢の的の話など、嫌味まじりの話題も多かったですね。

ビベカは崖っぷちの連続でも、したたか

今回のお話は殺人と同時に社運もかかっていて、ビベカ(女社長)は大きな不安と期待の両方を背負って、混乱していました。自分の犯行だと感づいたラング化粧品の秘書シャリー電話する際のに「声色」や、彼女に接する時の「したたかな女の演技」も見逃せません。

異彩を放つシアン・バーバラ・アレン

シャリーを演じた「シアン・バーバラ・アレン」という女優は、とても印象に残りました。登場シーン(風変わりなドレスも不思議)から何か含みのある表情で、重要な登場人物であることを予感させます。やはり刑事コロンボの脇役はすごいですね。

大物俳優が出演

殺されるゲストスターとして「マーティン・シーン」(地獄の黙示録等)が出演していることは有名。出来れば…犯人役も見たかった。息子さんはご存知「チャーリー・シーン」(プラトーン等)という超セレブ父子。

ビンセント・プライス

ラング社長役の「ビンセント・プライス」も良い味を出しています。言葉の節々にひねた性格が表れます。6話「二枚のドガの絵」の弁護士役「ドン・アメチー」と良く似た風貌ですが別人でした。

マーチソン博士

マーチソン博士役:フレッド・ドレイパーが素敵でした。特にビベカ社長を「女王陛下」と呼んで服従したり、「薬の調査を誰にも言わないで」と念を押され、「言ったことがあるかね?」と答えた場面は心に残りました。

覚えたい脇役のひとり「フレッド・ドレイパー」

この俳優さん「フレッド・ドレイパー」は37話「さらば提督」でスワニー・スワンソン役で出演しています。またちょい役では、31話「5時30分の目撃者」で目撃者のお兄さんのデビッド・モリス、38話「ルーサン警部の犯罪」ジョセフでも出演。気付きにくいが、その他にも出演作があります。

相棒刑事はジョン・フィネガン

そしてラストでは、警察の家宅捜査を察知し、身の危険を感じたビベカが大切な「奇跡の薬」を海に放り投げてしまうシーン。その後、計画がすべて台無しになったことで、感情をむき出しにし悪態をさらします。このシーンを始め、事件の捜査を共にするのはジョン・フィネガン扮する刑事です。

マーティン・シーンの吹き替えは伊武雅之さん

現在の芸名は「伊武雅刀(いぶまさとう)」さんです。伊武さんは宇宙戦艦ヤマトのデスラー総統の声も担当。私は「スネークマンショー」というコメディ作品のファンでもあった。刑事コロンボではこの役の他に、白鳥の歌(ルーク・バスケット)、ビデオテープの証言(バクスター、バンクス巡査)、黄金のバックル(時計店の店員)秒読みの殺人(ジョナサン)などがある。*ウィキペディア参照

マッサージ師のオルガ

マーチソン博士の場面で登場するマッサージ師の金髪の女性「オルガ」は女優シャロン・ヨハンセンで、13話「ロンドンの傘」の劇団員(稽古中にメモをとる、葬儀で泣いている)の女性と同一だと思われます。

旅行会社のボス(バートン)

被害者カールが予約した旅行会社のボスを演じるのは「リチャード・スタル」という俳優さん。何気ないシーンですが、この俳優さんは12話「アリバイのダイヤル」でも旅行会社のフレモント氏、21話「意識の下の映像」にも登場しますので要チェックです!

第2~第3シーズンの不思議なピアノ曲

YouTube「不思議なピアノ曲」刑事コロンボの第2~第3シーズン「黒のエチュード」「偶像のレクイエム」「絶たれた音」「毒のある花」などで多用された「不思議な雰囲気を持ったピアノ曲」を再現しています。音楽もお好きな方は、こちらもご覧ください。(*ご注意:YouTubeへのリンクは音が出ます!)

監督:ヤノット・シュワルツ
脚本:ジャクソン・ギリス
ビベカ・スコット:ヴェラ・マイルズ
カール・レーシング:マーティン・シーン
ラング社長:ヴィンセント・プライス
シャリー・ブレイン:シアン・バーバラ・アレン
マーチソン博士:フレッド・ドレイパー
刑事:ジョン・フィネガン
オルガ:シャロン・ヨハンセン
美容体操のインストラクター:ダイアン・ ターレイ・トラヴィス

加筆:2020年7月30日

37話「さらば提督」

Last Salute to the Commodore / 1976

完全に倒叙でない刑事コロンボ作品です。私のような保守的な刑事コロンボファンの場合、受け入れ難いのですが、普通に考えれば面白い作品なのだと思えます。

提督はジョン・デナー

提督(オーティス・スワンソン)役の俳優さんはジョン・デナーで、24話「白鳥の歌」のパング・ボーンも演じています。今回は帽子をかぶっているので、パング・ボーンとはまた別の印象が強いですね。このように作品をまたいで出演している俳優さんの発見は、とても楽しいです。

ロバート・ヴォーン

死体遺棄の犯人(チャーリー・クレイ)として、29話「歌声の消えた海」のロバート・ヴォーンが再登板。今回は、いつもに増して馴れ馴れしく接近してくるコロンボ警部にタジタジな感じでした。私としては‥ロバート・ヴォーン=ダンジガーさんがお気に入りですが。

フレッド・ドレイパー

18話「毒のある花」31話「5時30分の目撃者」等、数々のコロンボ作品に出演のフレッド・ドレイパーがスワニー・スワンソン役で登場。また、お馴染みの「クレーマー刑事:ブルース・カーヴィ」が重要な役を務めるなど、華やかでした。

シオドア・アルビンスキー刑事

でも、事件解決編で新米エリート刑事のシオドア・アルビンスキー:デニス・デューガン(なぜか通称マック)と一緒に、声高に説明をし出すシーンは、日本のサスペンス劇場顔負けの演出で楽しめました(笑)。

ブログ訪問者さんからの情報(1)

この「デニス・デューガン」は、その後の作品63話「4時02分の銃声」で監督をつとめています。さらには(1973年 – 1987年の間)「ジョイス・ヴァン・パタン」の夫だったそうです。彼女は27話「逆転の構図」、39話「黄金のバックル」に出演している重鎮女優ですね。

執事のタナーを発見!

弁護士の老紳士ケタリングは。13話「ロンドンの傘」でサー・ロジャーの執事タナーを演じた俳優「ウィルフリッド・ハイド=ホワイト」でした。アリバイの証言内容など、ちょっと一癖ある人物を好演しています。

金太郎あめのような俳優

それは「ジョン・フィネガン」。今回はガードマンの役で出てました。調べてみたら合計12回出演しているようです。おそらくコロンボシリーズ最多出演(セリフあり&クレジット)の俳優と考えて間違いないでしょう。

最終回的な匂いの漂う作品

ラストシーンのクレーマー刑事との会話「やめたんじゃないですか?」「まだまだ。まだやめられませんよ。もうちょい、やらせてもらうよ」。と煙草の話に引っ掛けた台詞があります。これは本作品が最終回になる予定であったと伝えられるが「ピーターフォークはやる気満々」という意思表示に映ります。「カミさんも乗せてやろうと思って…せめてこのボートに」と海に去って行くコロンボ警部でした。しかし…残念なことに、BGMの「THIS OLD MAN」のメロディが間違っているんです!

後の第6シーズンに秀作が続く!

しかし本作が意外に好評だったのか? 第6シーズン以降の8作品が制作されることになりました。その中には41話「死者のメッセージ」43話「秒読みの殺人」など私の好きな作品も含まれています。

ブログ訪問者さんから情報(2)

37話「さらば提督」のチャーリー・クレイ邸と、55話「マリブビーチ殺人事件」のテレサ・ゴーレン邸は同じでした。

クレイ邸テレサ邸

左:チャーリー・クレイ邸 右:テレサ・ゴーレン邸

周囲が車寄せの道に囲まれた円形の花壇が印象的な豪邸です。マリブビーチというロサンゼルス中心から北西に位置します。おそらく近くには「マイロ・ジャナス」「ブリマー」「マックス・バーシーニ」「フィールディング・チェイス」などの有名人が住んでいました。実在の「ピーター・フォーク」の家も近かったようです。
それに対しヨットハーバーは、ロス中心からずっと南の方で、家とはぜんぜん近くないのです。

監督:パトリック・マクグーハン
脚本:ジャクソン・ギリス
提督:ジョンデナー
チャーリー・クレイ:ロバート・ヴォーン
ジョアンナ・クレイ:ダイアン・ベイカー
スワニー・スワンソン:フレッド・ドレイパー
ケタリング:ウィルフリッド・ハイド=ホワイト
クレーマー刑事:ブルース・カーヴィ
シオドア・アルビンスキー刑事:デニス・デューガン
ガードマン:ジョン・フィネガン

加筆:2020年12月5日 

55話「マリブビーチ殺人事件」

Murder in Malibu / 1990

工夫のないタイトル

原題が「Murder in Malibu」ということで、ほぼ直訳の邦題がついています。あまり海岸には関連しておらず、ビーチは要らなかったような気もしますね。題名がストレートな割に、ストーリーはひねった構成になっています。

これも賛否両論あります

見る側を楽しませるための工夫が随所にあるのだと思いますが、どれにも首をひねりました。犯人ウェイン・ジェニングス(アンドリュー・スティーブンス)は若いキャラクターですし、被害者のテレサの「知的な美しさ」の表現は、もっと見せて欲しかったです。

犯人のウェインはプレイボーイ

犯人のウェインがプレイボーイで無類の女好きという描かれ方なので仕方ないのでしょうが、事件解決の直前にテレサの姉のジェス(ブレンダ・バカロ)にすり寄るシーンは、ウェインの下品さを強調する演出ですね。

伝統的な「倒叙法」で作品が作られていない

このマリブビーチ殺人事件が作られた1989-1990年あたり、「汚れた超能力」「殺意のキャンバス」「かみさんよ、安らかに」など、突飛なアイデアに走りすぎた感のある作品が多いですね。汚れた超能力では生々しい流血、殺意のキャンバスでの懐古シーン、かみさんよ、安らかに‥などは視聴者を映像的に騙す構成になっています。

この作品は犯人のようで犯人でないかも‥、でもやっぱり犯人っていう作戦でした。私はコロンボ作品は原則的に「倒叙法」が好きですね〜やっぱり。ま、偉そうなこと言っても作品を作る側の苦労は並大抵ではないのでしょうね。お察しします。

ロッカ夫人

ジェニングスの恋人の一人、ロッカ夫人(電話をかけてくる女性)は女優ソンドラ・クリーです。彼女は58話「影なき殺人者」でコロンボと一緒に捜査に当たるハバック巡査を演じています。二人はずいぶん雰囲気が違って見えて、一見気づきません。

フロイド・レヴィン

コロンボ警部は久々にゆで卵を食べながらの登場。初動捜査からコロンボ警部と行動を共にするシュルツ警部は、旧知の間柄だと思われます。ちょっと気になるので調べてみたら「フロイド・レヴィン」という俳優さんで、映画やテレビでかなり活躍されているようにお見受けしました。

お父さんは

ケーブルテレビの映りが悪かったと文句を言うお父さんは、俳優:ビル・ザッカートです。彼は27話「逆転の構図」や33話「ハッサン・サラーの反逆」に刑事役で登場しています。前作から15年が経っていてほぼ面影はありません。

ブログ訪問者さんから情報を得て、検証してみました。

37話「さらば提督」のチャーリー・クレイ邸と、55話「マリブビーチ殺人事件」のテレサ・ゴーレン邸は同じでした。

クレイ邸テレサ邸

左:チャーリー・クレイ邸 右:テレサ・ゴーレン邸

周囲が車寄せの道に囲まれた円形の花壇が印象的な豪邸です。マリブビーチというロサンゼルス中心から西の方向に位置します。おそらく近くには「マイロ・ジャナス」「ブリマー」「マックス・バーシーニ」「フィールディング・チェイス」などの有名人が住んでいました。実在の「ピーター・フォーク」の家も近かったようです。

監督:ウォルター・E・グローマン
脚本:ジャクソン・ギリス
ウェイン・ジェニングス:アンドリュー・スティーヴンス
ジェス・マクディ:ブレンダ・バッカロ
テレサ・ゴーレン:ジャネット・マーゴリン

加筆:2020年8月18日

61話「死者のギャンブル」

A Bird in the Hand… / 1992

ギャンブル好きのハロルドが大金持ちの叔父のビッグ・フレッド殺害を企てるが、実行の直前に交通事故死。自分の仕掛けたトリックで罪の無い庭師を殺害してしまう。実は真犯人はビッグ・フレッドの妻ドロレスというひねり技。
51話「だまされたコロンボ」に近い感覚で「長い作品だな~」という印象はありますが、悪い意味ではありません。叔母と甥が男女関係にあることには多少の嫌悪感を持ったのは本音です。

良い意味で下品なゲストスター

犯人役の「タイン・デイリー」は(良い意味で)下品さを表現しています。タイン・デイリーが嫌いというわけではありません、あくまでコロンボ作品のゲスト俳優としてです。ラストシーンでのファッションコーディネート(緑のやつ)はある意味、絶品でした。

女優タイン・デイリー

彼女は64話「死を呼ぶジグソー」にも娼婦役で出演しています。また有名どころでは映画「ダーティハリー3」でクリント・イーストウッドの相棒「ケイト・ムーア」を演じています。すごく良い役どころです、ぜひご覧ください。
それはそれとして、新シリーズでは、19話「別れのワイン」のエイドリアンとカレンのような品のあるカップルが全く登場しなくなりました。20年という時の流れを感じます。

またしても「馬鹿は死ななきゃ直らない」

私は成功者の転落劇のようなコロンボ作品が好みですので、こういった「馬鹿は死ななきゃ直らない」風の主人公ギハロルド・マッケイン(俳優:グレッグ・エビガン)には魅力を感じませんね。

私が自称「努力家」だからかもしれませんが。しかも、罪のない庭師を殺してしまうこともね~。そんなことを言い出したら、二人が同日にビッグ・フレッドの殺害を企てるってのも、無理がありますしね。ま、いっか。

エド・マクレディ

26話「自縛の紐」のトライコン工業のエレベーターの警備員を演じた「エド・マクレディ」がカジノの従業員エドで再登場しています。ハロルドにポーカートーナメントの券の販売した男性です。

監督:ヴィンセント・マケヴィティ
脚本:ジャクソン・ギリス

ドロレス:タイン・デイリー
ハロルド・マッケイン:グレッグ・エビガン
カジノの店員:エド・マクレディ

加筆:2020年8月2日