Blueprint for Murder / 1972
- 「ぼろんこの名作選」に選ばれています。
- 2021 NHK あなたが選ぶ!思い出のコロンボ[第5位]
- 2011 AXNミステリー 人気ランキング[第7位]
- エリオット・マーカム「メルセデス・ベンツ・コンバーチブル」
- ボー・ウィリアムソン「キャデラック・フリートウッド・エルドラド」

大胆な死体遺棄計画

緊張感の漂う掘り起こしシーン
工事現場でパイルを掘り起こすシーンでコロンボ警部が缶コーヒーのようなものを飲み干す場面には、リアルさを感じます。しかし、マーカムの言動から死体遺棄計画を察知したコロンボ警部は、その作戦に乗じた形で一度パイルを掘り起こし、まんまと罠にかかった「演技をしていた」というのです。それを承知でもう一度見てみると面白いです。
秘書シャーマンさん

わかりやすい手掛かりが…
今回は、割と分かりやすい「容疑者特定」のヒントもあります。ウィリアムソンシティの一件で、建築家マーカムと出資者ウィリアムソンの仲が抜き差しならぬ状況だった証人が、秘書シャーマンさんなど複数存在します。カーラジオの不思議を発見したことは、コロンボ警部ならではの観察眼ですが、殺人(死体遺棄)行為の最中、被害者の車のカーラジオを自分の好きな音楽にチューニングし直すことは不自然で、視聴者にわかりやすくストーリー展開させるために必要だったと想像できます。
無駄だとは思わせないシーン

犯人を捕獲するエンディングは見事
ラストシーンは圧巻です。「指輪の爪あと」「白鳥の歌」でも同じ手法です。暗い中で犯人が決定的な行動を起こす最中に、スポットライト(車のヘッドライト)などが突然照射され、獲物を捕らえるというもの。この効果は絶大で、度肝を抜かれた犯人は、潔く観念します。(指輪の爪あとのブリマーは、それでも抵抗しようと試みましたが…)
このラストシーンのBGMは作曲家「ギル・メレ」によるもので、まさに4話「指輪の爪あと」と同じメロディーなのです!
このラストシーンのBGMは作曲家「ギル・メレ」によるもので、まさに4話「指輪の爪あと」と同じメロディーなのです!
ジャニス・ペイジ

パメラ・オースティン

ジョン・フィネガン
サングラスの作業員
モス医師

建築局では待たされたあげく…

行列に並ぶ男性1

行列に並ぶ男性2

エリオット・マーカムが聴いていたクラシック音楽
マーカムはクラシック音楽が大好き。事務所で血染めの帽子について思案する場面では、ブラームスのピアノ協奏曲第2番を聴いていました。特に第2楽章が印象的。その他、モーツァルトのピアノ四重奏曲第1番-第1楽章、ベートーベンの弦楽四重奏曲第1番-第1楽章も使用されているらしいです。これらは今後確認します。
大草原の小さな家

ウィリアムソンの牧場
ウィリアムソンの牧場は、LA北西部のサウザンド・オークス近くにあります。この辺りは牧場や農場が多くあり、27話「逆転の構図」で「ガレスコ夫人が誘拐された農家」、65話「奇妙な助っ人」のマクベイ牧場もこの付近です。一方、エリオット・マーカムのオフィス、とパイルを掘り起こしたビルの建設現場は、ともにビバリーヒルズの南より(センチュリー・シティ周辺)に位置します。


監督:ピーター・フォーク
脚本:スティーブン・ボチコ
音楽:ギル・メレ(エンディングだけだと思われるが‥)
エリオット・マーカム:パトリック・オニール(声:川辺久造)
ボー・ウィリアムソン:フォレスト・タッカー(声:勝田久)
前妻ゴールディ:ジャニス・ペイジ(声:中西妙子)
妻ジェニファー:パメラ・オースティン
現場監督カール:ジョン・フィネガン(声:加藤治)
モス医師:ジョン・フィールダー
警備員:ニック・デニス
マーカムの秘書シャーマン:ベティー・アッカーマン
行列に並ぶ男性1:マイク・ラリー
行列に並ぶ男性3・工事現場の監視役:レン・フェルバー
建築局の職員:ロバート・ギボンズ(声:水鳥鉄夫)
モス医師:ジョン・フィードラー(声:水矢田稔)
白バイ警官:クリフ・カーネル
パーティ客:キャスリン・ジャンセン
加筆:2024年9月4日
私は初めてNHKでコロンボを観たのが小学5-6年生のときでした。
64歳になった今でも一番好きなドラマです。
戦後の悔しさをバネに父母世代の大人たちがよそ見もせず日本国を押し上げている最中、私はこのドラマでアメリカという国のカッコ良さに憧れていました。そして、よくこんな手の込んだ頭を使わせてくれるドラマを作れるもんだなぁ…やっぱりアメリカってすごい!などと思っていました。
さて、この回でいつも気になってしまうのは前妻がコロンボの前で着替えるシーンです。バスローブの紐を後ろから巻いて着用したのに2-3秒後の全身が映ったときには前だけを絞って結ぶ形に変わっています。いつも「来るぞ来るぞ」とこの場面を観ています😌
小道具第四弾
ウィリアムソン牧場宅のシーンで、マルコポーロっぽい木像が出てきますが、これは『構想の死角』の冒頭でジム・フェリスがタイプライターをうっている部屋にもありました。
こういった話題が大好きですので、検証させていただきます。
この正月にブルーレイで第一話から見ています。これで何度目かな? 何度見ても新しい発見があったりして、新鮮味をもって見られるのがコロンボシリーズの魅力だと思います。
さて、ジャニス・ペイジは昨年(2024年)6月に101歳で亡くなったようです。
本作ではペイジよりも、可愛らしいパメラ・オースティンの方が好きです。テニスルックも見せてくれたし、脚線美だし、吹き替えの声も可愛らしくて。
テニスルックは「黒のエチュード」のジャニスも披露してくれましたけど、小柄でスリムな女が好みなので、やっぱり好みはオースティンかな(笑)?
小柄でスリムといえば、「二枚のドガの絵」の婦人警官のサリー。やはり吹き替えの声も可愛らしくて好き。
そして「逆転の構図」のジョアンナ・キャメロン。「課外教授」も見ましたし、未見ですがインターネットではThe Secrets of Isisも見られます。それにヌードも披露してくれたから(!)好感度が最高度に高いです(笑)。残念ながら2021年10月に73歳で亡くなったそうです。