「ミッキー・ゴールデン(Mickey Golden)」はなんと12回以上刑事コロンボに出演しているエキストラ俳優さんです。相当なコロンボファンでも、すべて肉眼で確認した人は稀でしょう。(ぼろんこは現在12回を確認済。2024年の2月に、45話「策謀の結末」の登場を確認。)
“ミッキー・ゴールデン” の続きを読む
6話「二枚のドガの絵」
- 「ぼろんこの傑作選」に選ばれています。
- 「人気投票では2位」「忘れられたスター」も肉薄!
- 2021 NHK あなたが選ぶ!思い出のコロンボ[第2位]
- 2011 AXNミステリー 人気ランキング[第8位]
- 特集記事「マシュー・コレクション」
- デイル・キングストン「メルセデス・ベンツ・300B・アデナウアー」
- トレーシー・オコーナー「フォルクスワーゲン・ビートル・タイプ1・コンバーチブル」
ぼろんこの考える「傑作コロンボ作品:二枚のドガの絵」
犯人の誘いに乗って、最大のチャンスをモノにする。
コロンボ警部はデイルから自宅の鍵を渡された時が最大のチャンスだと見切っていました。その時のデイル宅には、全く証拠が無いとデイル自身が教えているようなものです。しかも、コロンボが捜査した直後が、絵を持ち帰るもっとも安全なタイミングであると考えたのでしょう。しかし、コロンボ警部が部屋で寝ていたのは誤算でした。それにしても…デイルはうかつでした…トレーシー殺害後、絵をもう一度「包装紙にくるんで」持ち帰るべきだったですね。
犯人が自分から行動を起こすように誘導。
ラストシーンは圧巻です。
コロンボ警部はエドナの屋敷に登場する場面から、ずっとポケットに両手を突っ込んでいますね。しかも、犯人をトン死状態に追い込む会話術(指紋の割出しのくだり)も抜群です。そして、手を広げてみせるあの顔とポーズ。ピーターフォーク以外の俳優では決まらない、まさに完璧なラストです。俯瞰(ふかん)気味の静止画もきれいでしたね。
ちょっとした疑問、意味の無い行動?
作品冒頭の殺害現場を演出する場面では、デイル・キングストンは飾られた絵画や家具を荒らしますが、これは全く意味のない行動だと思いませんか?絵画を盗難する行為と結びつきませんし、あんなことをすれば物音がするので誰かに気付かれる危険が非常に高くなります。殺害時間帯に「近辺に誰もいない」ことを確認済みであったとしても、理解に苦しみますね。ましてやエドナを真犯人に想定しているのであれば…言うまでもありませんね。
ロス・マーティンの演技力に乾杯!
デイル・キングストンという人物。
デイルは美術評論家として成功をおさめますが、少し屈折した性格に描かれています。あまり幸せな幼少期を過ごしていない設定で、言葉遣いや素行は決して上品ではありません。業界でも煙たがられていました。
犯人の心理をよく表現している
「コロンボを敵視する」「記憶力が良い」「説明が上手」
デイルはこの3点を備え持っていました。自分にやましい部分がなければ必要以上にコロンボを敵視しません。人の記憶は曖昧で時間の経緯などをなかなか覚えていないもの。自分に容疑がかからない方向の状況説明をぺらぺらとしゃべること。これらは全ては、コロンボが容疑を深める行動なのです。
コロンボ警部はそんなデイルに対し、ラストシーンで「キミ」と呼んでいます。おろかな濡れ衣工作に奔走したデイル。すべてお見通しのコロンボ。二人のパワーバランスが完全に逆転している表現です。
特殊メイクなしでも、魅力的な演技。
ロザンナ・ホフマン
ロザンナ・ホフマンには新シリーズでも会える。
新シリーズの53話「かみさんよ、安らかに」で、ロザンナ・ホフマンさんに再会できます。家を買いに来るお客さんご夫妻の奥さま役です。ぜひご確認ください。また彼女は実生活で、刑事コロンボ作品の原作家「リチャード・レヴィンソン」の奥様でありました。
場面転換にナイスプレー
殺害計画の中に「自分の口封じ」も含まれているとは気づかないトレーシー・オコーナーは、マリブ山中で殺されてしまいます。その殺害シーンは、岩を持って襲いかかるデイルに恐怖する彼女の表情から、「キャ〜」という絶叫もに聞こえる「(デイルが帰宅する)クルマのタイヤ音」で場面転換しています。見事な手法ですね〜。
画廊の女主人マチルダ
画家のサム・フランクリン
ヌードモデルのクリス
ドン・アメチー
捜査一課のワイラー課長
画廊のご婦人
トレーシーの大家さん
サリー巡査
植木屋
原題は「フレーミングにふさわしい」
原題の「Suitable for Framing 」は直訳「フレーミングにふさわしい」ですが、エキサイト翻訳では「二枚のドガの絵」と出ました。凄いですね、コロンボの作品名が辞書登録されているようです。他にもこのような例が多くありました。
ロス・マーティンとピーターフォーク
ロス・マーティンはポーランド出身の舞台俳優で1920年生まれ。ピーター・フォーク(1927年生まれ)よりも7歳年上でかつてはピーターフォークの演技の師匠であったそうです。16話「断たれた音」のローレンス・ハーヴェイが監督・主演の映画「脱走計画」にも出演したそうです。その他、警部マクロードやチャーリーズ・エンジェルにも出ているようです。
ドガについて勉強しよう
一枚のドガの絵
一枚の絵画が、二箇所に展示
リアル二枚のドガの絵
サム・フランクリンの画廊は [La Cienega Blvd.]ラ・シェネガ通りにあるそうです。ちなみにルディ・マシューズ邸は[Pineview 417]パイン・ビューにあるそうです。
監督:ハイ・アヴァーバック
脚本:ジャクソン・ギリス
音楽:ビリー・ゴールデンバーグ
デイル・キングストン:ロス・マーティン(声:西沢利明)
エドナ・マシューズ:キム・ハンター(声:関弘子)
ルディ・マシューズ:ロバート・シェイン
トレーシー・オコーナー:ロザンナ・ホフマン(声:杉山佳寿子)
フランク・シンプソン:ドン・アメチー(声:八奈見乗児)
マチルダ・フランクリン:ジョアン・ショーリー(声:麻生美代子)
サム・フランクリン:ヴィック・テイバック(声:西尾徳)
ヌードモデルのクリス:キャサリン・ダーク
ワイラー課長:バーニー・フィリップス(声:たてかべ和也)
ガードマン:レイ・ケロッグ
駐車番:デニス・ラッカー
画廊のご婦人:サンドラ・ゴールド
エバンス執事:カート・コンウェイ(声:矢田稔)
大家のマーサ:メアリー・ウィックス
庭師:レイ・バラッド
サリー巡査:不明
画廊の老婦人:レオダ・リチャーズ
画廊の紳士:ミッキー・ゴールデン
加筆:2024年11月4日
7話「もう一つの鍵」
- 脇役俳優「フレッド・ドレイパー」の出演作品。
- 刑事役で大草原の小さな家の「オルソンさん」が登場。
- ベス・チャドウィック「フェラーリ・365・GTB/4」
ベス・チャドウィックが美しく(実は醜く)変貌してゆく
もう一度最初から見返せば、なるほど冒頭近くに庭で朝食を食べるシーンでも、どこか歪んだ心をもった女性の表情が見え隠れしてますね。
時代性を感じる映像処理
意外な展開となったのは「画面が揺れているような描写」のシーンで、最初に見た時には「睡眠薬か麻薬かで、精神が普通でない表現」なのかと、勘違いしました。実際には「こうなる予定」を表現していたのでしょうね。初期の作品(特に第1シーズンまで)には、このような「頑張った映像処理」が多く登場します。テレビドラマの特殊効果に限界のあった時代の産物でしょう。
決め手はピーターの記憶力…ではなくベスの性格?
事件解決シーンでは「婚約者のピーターが、犯行の時の鮮明な記憶を語った」こととなりますが、実際には犯人特定の証拠とは言いきれず、その後のベスの行動「コロンボを銃で撃ってしまえ」というアクションが決め手となりました。これもベスの性格を見抜いたコロンボの切り札だったと言えます。びとつ間違えれば、撃たれて死んでしまうのですが。
これがひっかかるんです、「ピーター」の人間像。
裸の銃を持つ男
大草原の小さな家のオルソンさん
フレッド・ドレイパーを見逃すな
この3人の事務所が同じビルに!
LOS ANGELES COUNTY COURTHOUSE
ちょい役でお馴染みのフランク・エメット・バクスター
美容室の受付係はバーバラ・ローデス
ブティックの店員はキャサリン・ダーク
監督:ノーマン・ロイド
脚本:スティーブン・ボチコ
ベス・チャドウィック:スーザン・クラーク(声:小沢紗季子)
ピーター・ハミルトン:レスリー・ニールセン(声:柴田昌宏)
ブライス・チャドウィック:リチャード・アンダーソン(声:小林恭治)
チャドウィック夫人:ジェシー・ロイス・ランディス(声:鈴木光枝)
タクシー運転手:フレッド・ドレイパー
チャールズ:ジョエル・フルエレン
ヒルダ:フランセズ・ニアリー
重役フレッド:フランク・エメット・バクスター
重役:ミッキー・ゴールデン
美容室の受付係:バーバラ・ローデス
美容室の荷物運び:マイク・ラリー
バーテンダー:ジョン・フランシス
ブティックの店員:キャサリン・ダーク
ブティックの店員:コスモ・サルド
ブティックの客:レン・フェルバー
ウエイトレス:スーザン・バリスター
審査官:レイ・バラッド
傍聴人:マルシア・ウォレス
傍聴人:キャスリン・ジャンセン
加筆:2023年6月24日
12話「アリバイのダイヤル」
- 犯人役ゲストスター「ロバート・カルプ」特集記事。
- 妻シャーリーは「クリンゴン人」だった?
- 「エアオールウェイの豪邸」同じ家の特集記事。
- ポール・ハンロン「リンカーン・コンチネンタル・エグゼクティブ・リムジン」
犯人ポール・ハンロンの殺害動機
俳優ロバート・カルプの魅力
ロバート・カルプが毎回同じファッションをしている件
詳しくは知りませんが、このロバート・カルプを起用するという前提で、話が展開してゆくと言っても過言ではありません。作品の良し悪しとしては、秀作の4話「指輪の爪あと」を上回るかどうか判断できませんが、今回のカルプは「指輪の爪あと」を凌ぐ迫真の演技です。
「目で語る」演技の応酬
そして最後に、ハンロンの犯行を暴いたコロンボとハンロンの目での語り合い。これらの演技を発見できなければ、この作品の良さは理解できない気がします。
数々の布石
置時計の音がアリバイ崩しの決定打となりますが、「時計が壊れていた」と開き直ることも十分できたでしょう。しかし、もう逃げられない…。と観念させるシチュエーション作り、これがコロンボ警部の真骨頂なのです。それには、数々の布石が存在します。よく見ると、画面背景に何度も登場する置時計。「カルキ臭のしない不自然さ」から始まり、「インターフェアー後の電話」「アイスクリーム売りの車」の発見など。
犯人の「気がかり」を「手がかり」に
一度見ただけでは気付きにくい、ピーターフォークのさりげない演技。
さらに、強烈な一打。これが最大の打撃です。ハンロンはどんな場面でも、フットボール中継のボリュームを消さないのに「カルキ臭のしない不自然さ」を見抜かれた時に、音を消した。それを初訪問で見破っているコロンボ警部。脱帽です。このシーンを見返すと一瞬コロンボの顔が変わって、「今は、これ以上お邪魔しません」と聴取を切り上げています。明らかにハンロンを犯人だと断定した瞬間だと思われます。
見事なエンディング描写
最後のシーンでは、このような今までに遭遇したことも無い程の頭脳と観察眼を持ったヨレヨレ刑事に、崖っぷちまで追い込まれ、その表情により「自分が犯人でございます」と言わされたハンロン=ロバート・カルプの演技が圧巻、というわけです。テープレコーダーが再生し終わり、空回りするエンディングは素晴らしかったですね。
ディーン・ストックウェル
ヴァル・アヴェリー
盗聴された場所について
勘違いしそうになりますが、スタジアム内の専用ボックス席は、盗聴されていません。ここは、ロケットの試合がある時だけ使われる部屋で、ハンロンのオフィスは別の場所です。
リゾコーチは
ヴァレリー・ハーパー
旅行会社のフレモント氏
クレメンス刑事はクリフ・カーネル
クリンゴン人マーラ
コロンボ警部持参の魔法瓶
→刑事コロンボと魔法瓶
エリック・ワグナー邸はケン・フランクリン邸と同じ
エリック・ワグナー邸は、この他にも「構想の死角」のケン・フランクリン邸としても登場します。長年スタール邸だと勘違いしていましたが、ベルエア地区にある別の家で、「権力の墓穴」のマーク・ハルプリン次長宅に近いです。
エアオールウェイの豪邸
ポール・ハンロンがアイスクリームの車で訪れるシーン(左)。グーグルアース(右)で見た、この道沿いに車を停めたのだと思われます。個人情報になりますので、現在の家の形は掲載していません。
オーシャン・サイド・イースト・カフェ
12
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探偵ダブスとコロンボ警部が会う店は、「オーシャン・サイド・イースト・カフェ」です。駐車場の階段を降りた所にお店があります。この階段は41話「死者のメッセージ」で犬の散歩中にアビゲイル・ミッチェルに出くわす、海岸沿いのデッキと同じ(あるいは近い)場所です。手すりの色が違いますが、5年経っているので、取り替えられたのかな。
監督:ジェレミー・ケイガン
脚本:ジョン・デュガン
ポール・ハンロン:ロバート・カルプ(声:梅野泰靖)
エリック・ワグナー:ディーン・ストックウェル(声:森功至)
シャーリー・ワグナー:スーザン・ホワード(声:武藤礼子)
ウォルター・キャネル弁護士:ディーン・ジャガー(声:真木恭介)
ラリー・リゾ コーチ:ジェームズ・グレゴリー(声:富田耕生)
イブ・バブコック:ヴァレリー・ハーパー(声:荒砂ゆき)
秘書:キャシー・ケリー・ウィジェット
探偵ラルフ・ダブス:ヴァル・アヴェリー(声:塩見竜介)
クレメンス刑事:クリフ・カーネル
旅行会社のフレモント:リチャード・スタル(声:谷口節)
フットボール実況(声:塩見竜介)
副検視官:ドン・キーファー
加筆:2023年1月14日
16話「断たれた音」
- 「ぼろんこの名作選」に選ばれています。
- 「愛犬ドッグ」の出演作品。
チェスのチャンピオンである「エメット・クレイトン」だが、かつてのチャンピオン「トムリン・デューディック」氏が復帰し、自分に挑戦して来たことに恐怖し、夢にうなされる有様。対決前夜にレストランで二人きりで勝負するが、あえなく敗北したクレイトンはデューデックの殺害を決意します。密会対決での敗北に、二人の実力差を思い知ったためです。
最高級の犯人役:ローレンス・ハーヴェイ
しかし、それを上回るコロンボ警部の「着眼点」には恐れ入ります。「便せんでなくメモ用紙」「入れ歯なのに歯ブラシ」など、被害者をよく知らなければ気がつかない点を見逃しません。さらに「ボールペンのインク」への着眼は流石だと言えます。
卑怯な勝負師
冒頭の夢のシーンでもわかるように、クレイトンは自分の今の地位「チェスのチャンピオン」からの陥落を非常に恐れ、半ばノイローゼ気味になっています。自分は将棋が好きで名人戦など良くテレビで観戦するのですが、勝負ごとには必ず勝者と敗者ができるわけで、負けた時の潔さも含めた品格を問われる分野でもあると思います。クレイトンはそれを逸脱していました。今回の挑戦者トムリン・デューディック氏は、好敵手とて堂々と闘った結果に破れたとしても十分納得できた相手であったはずです。
頭が良く、自信過剰な犯人との対決劇
ストーリー展開の中で、しつこいコロンボ警部と頭脳明晰な犯人とのやりとりも、刑事コロンボシリーズ中で最高評価に近い醍醐味を与えてくれました。それにしてもクレイトン氏はもちろん相当な頭脳の持ち主ではありますが、棋士としてはかなり「短気で怒りっぽい」性格ですね。将棋などのテレビ中継を見る限り、戦いの後はどちらが勝者・敗者であるか見分けられないこともあるほど、棋士はあまり本当の感情を出さないものですが、これは日本人特有なのでしょうか。
逆・筆記用具忘れ!
普段筆記用具を忘れて人から借りる癖があるコロンボですが、今回は何と、記憶力抜群のクレイトンがボールペンを忘れ、それをコロンボが本人に届けます。しかも…こっそり「試し書き」をしてから返すところが流石。
→コロンボはよく「筆記用具を忘れる」件
名台詞「縦から見ても、横から見ても」
この話で興味深い展開となっている最大の要因は「殺そうと思ったが失敗した」点につきるかと思います。なぜ失敗したか?はラストシーンに集約されます。解決編では、決定的な物的証拠を見せるには至りませんが「縦から見ても、横から見ても、耳の聴こえない人物が犯人である」という、コロンボの警部の名台詞で結ばせたことで、この作品の品格を決定的に高めてくれていると感心します。
元チェス王座のトムリン・デューディック
俳優ジャック・クリューシェンはカナダ人
デューディック氏一行はチェコ人?
元婚約者の名前が不可解
同行する医師
ダグラス刑事
フランス料理店のオーナー
塩とコショウで始まったテーブルクロス・チェス
獣医ドクター・ベンソンが可愛い
赤いヘルメットが似合う男
デューディックのホテルの記者
遺書を持ってくる刑事
エキストラ俳優ゲーリー・ライト
エキストラ俳優ボブ・ホークス
病院の女性看護師
これがハーヴェイの遺作となった
ローレンス・ハーヴェイは胃癌が悪化していて、刑事コロンボの撮影中もかなり体調が悪く、食事も喉を通らない様子でした。そして1973年11月25日に亡くなりました(享年45歳)。奇しくも日本では、その夜にNHKで「断たれた音」が放送されたそうです。調べてみると彼はリトアニア出身ということで、むしろこっちの方が東側の人なのかもしれません。
彼には「ドミノ・ハーヴェイ」という実娘がおり、2005年の映画「ドミノ」で実名の主人公(演:キーラ・ナイトレイ)として描かれています。ストーリーも幼くして俳優の父が急死したあらすじ。しかしドミノ・ハーヴェイは、この映画完成の直前に35歳の若さでこの世を去っています。なんとも薄命な父娘‥。
第2~第3シーズンの不思議なピアノ曲
YouTube「不思議なピアノ曲」刑事コロンボの第2~第3シーズン「黒のエチュード」「偶像のレクイエム」「絶たれた音」「毒のある花」などで多用された「不思議な雰囲気を持ったピアノ曲」を再現しています。音楽もお好きな方は、こちらもご覧ください。(*ご注意:YouTubeへのリンクは音が出ます!)
デューディックが運び込まれた病院
バレー・プレスビティリアン病院(GoogleMaps)
病棟のエレベーターが同じ!
15話「溶ける糸」と、16話「断たれた音」の病棟のエレベーターは同じでした。廊下の天井の照明の配列が似ていますが、色が違って見えます。内装の配色も、溶ける糸は地味で断たれた音はかなり派手なので、同じ病院かどうかは、定かではありません。。
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監督:エドワード・M・エイブラムス
脚本:ジャクソン・ギリス
音楽:ディック・デ・ベネディクティス
エメット・クレイトン:ローレンス・ハーヴェイ(声:小笠原良知)
トムリン・デューディック:ジャック・クリューシェン(声:松村彦次郎)
ベロスキー:ロイド・ボックナー(声:宮田光)
リンダ・ロビンソン:ハイジ・ブリュール
獣医ドクター・ベンソン:マイケル・フォックス(声:今西正男)
アントン医師:マティアス・レイツ
フランス料理店のオーナー:オスカー・ベレギ・ジュニア
粉砕機の作業員:ジョン・フィネガン
ダグラス刑事:ポール・ジェンキンス(声:若本規夫)
記者:マニュエル・デピナ
記者:ミッキー・ゴールデン
看護師:アビゲール・シェルトン
警察官:ゲーリー・ライト
刑事:レイ・バラッド
ホテルのイベント会場のウエーター:ボブ・ホークス
加筆:2024年8月29日
17話「二つの顔」
- 「アンジェロドライブの豪邸」同じ家の特集記事。
- デクスター・パリス「フェラーリ・330・GTS」
まさに二つの顔!
マーティン・ランドーと二つの大作戦
コロンボ的倒叙作品ではない
犯人が双子という設定を用いたお話で、殺害シーンを見せているにも関わらず、純粋な倒叙作品には仕上がっていません。見る側は「あらかじめ犯人を知っている」はずなのですが、二人が同じ顔なので真犯人が「弟デクスター」であるか「兄ノーマン」であるか、断定できないのです。
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では、クリフォード殺害の実行犯は兄弟どちらか?
2021年これの検証を試みました。
この「二つの顔」は「実行犯がどちらか?」分かりにくくしてあるのも、一つの特徴だと言えるでしょう。
ラストシーンでコロンボ警部が「デクスターは邸内に潜み(クリフォードを殺害)、車で出て行ったのはデクスターと同じ服を着たノーマンだった。」と解説するとデクスターは「冗談じゃない」ノーマンは「それは承服しかねますな」と二人が揃って否定しています。これは意味深ですね。
また双子を区別する方法として、ノーマンは渋目のグレー系+ネクタイ、デクスターは派手目の暖色系のファッションが多いですね。
仮説(2021年8月15日)
・感電の実験をしていたのはノーマン(黒)
・(警報装置OFF時)二人で来て、ノーマン(黒)は邸内に潜む。
・クリフォードに会ったのはデクスター(赤)
・車で出て行ったのもデクスター(赤)
・邸内に残ったノーマンは警報装置をOFFにし待機(黒)
・【黒に着替えた】デクスターは靴を持って再び侵入し地下に向かう(黒)
・ノーマン(実行犯)がクリフォードを殺害(黒)
です。
他にも仮説は立てられますが、私はこう思います。
・デクスターが黒衣装で感電の実験をする必要はないので、これはノーマンだとします。
・再び侵入した方は鞄(ミキサー)を持っていないのでおそらく「実行犯」ではありません。
・ポイントとなるのは「犯行時は二人とも黒」です。それは派手な赤い服では目立つからです。
☆デクスター=クリフォードに会う、車で帰る、黒に着替え再侵入し、地下室でヒューズを戻すなど
★ノーマン=感電の実験、邸内に潜み、警報装置OFF、クリフォードを殺害、警報装置ONに戻し立ち去る
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婚約者のリサの不可解?
宇宙大作戦(スタートレック)
双子犯人の不可解?
仲の悪い兄弟が手を結んで殺害を計画します。が、コロンボ警部の登場後、お互いに相棒が真犯人であるように見せかけることから「共犯」の疑いを持たれるリスクも増大しました。最終的に婚約者のリサが死亡しないと遺産が手に入らない状況になったことも致命的でした。ちょっと計画が甘かったかな~。
ペックさんが大暴れ
ティム・オコナー
これは知っておきたい!
超重要な豪邸なのです!
アンジェロドライブの豪邸
監督:ロバート・バトラー
脚本:スティーブン・ボチコ、ピーター・アラン・フィールズ
音楽:ディック・デ・ベネディクティス
デクスター・パリス、ノーマン・パリス:マーティン・ランドー(声:滝田裕介)
ペック夫人:ジャネット・ノーラン(声:文野朋子)
マイケル・ハサウェイ:ティム・オコナー(声:保科三良)
リサ・チェンバース:ジュリー・ニューマー(声:清水良英)
クリフォード・パリス:ポール・スチュワート(声:杉田俊也)
マレー刑事:ダブニー・コールマン
テレビドラマの医師(ワーブル):スタンレー・ワックスマン
テレビドラマの医師(ロッチ):マーク・シンガー
テレビドラマの弁護士:グレゴリー・モートン
テレビドラマの新人弁護士:マイケル・リチャードソン
銀行員:マイク・ラリー
カジノ客:ミッキー・ゴールデン
カジノ客:レン・フェルバー
加筆:2024年8月29日
20話「野望の果て」
- 「ぼろんこの名作選」に選ばれています。
- 脇役俳優「ヴィトー・スコッティ」の出演作品。
- ネルソン・ヘイワード「クライスラー・ニュー・ヨーカー」
- ハリー・ストーン「シボレー・インパラ」
動機は十分と言えそう。
冒頭シーンのBGM
このどこか不気味な雰囲気のする音楽は、24話「白鳥の歌」や25話「権力の墓穴」にもアレンジを変えて使われています。印象的な曲で大好きです。
YouTube「野望の果ての冒頭シーンをパソコン演奏で再現」しました。音楽もお好きな方は、こちらもご覧ください。(*ご注意:YouTubeへのリンクは音が出ます!)
脅迫に屈しない候補者をジャッキー・クーパーが好演。
ヘイワード氏はたとえ脅迫されようとも屈せず、犯罪撲滅を訴える勇気ある候補者を演じようとしていました。脅迫犯がストーンを殺害することで「同情票と邪魔者抹殺」の一石二鳥を狙ったのでしょう。それにしても選挙前の最も大切な時期に、身近な人物を殺害してしまうというリスキーな行動に出るでしょうか?
しかし、それを納得させちゃうようなキャラクターが犯人のネルソン・ヘイワード(ジャッキー・クーパー)です。全編に彼の人間臭さ、幼稚さが描かれています。ヘイワードはコロンボの執拗な捜査に腹を立て、嫌悪感を露にします。そして愛人と本妻との板挟みで、徐々に選挙どころではなくなっていきました。
日本語版吹き替えは初代風車の弥七。
日本語版吹き替え:中谷一郎(なかたにいちろう)さんはテレビ時代劇「水戸黄門」の初代「風車の弥七」としてもお馴染みの俳優さんです。
待たされた選挙事務所での観察眼
夫人と仲睦まじい演技を見せるヘイワード。それを不愉快そうに眺めるリンダ。新調した上着を届けに来る男性。「妻の秘書であるはず」のリンダと執務室で二人きりで打ち合わせをしているヘイワード。コロンボは待たされている間、そんなことを観察しています。
ヘイワード候補の説明は、ことごとく却下。
執務室では、コロンボの疑問を解決すべく答えた「アドバイス」が、ことごとく跳ね返され次第に追いつめられていきます。
行動がいちいちわざとらしい、ヘイワード氏。
後半で妻の秘書リンダに「脅迫状が届いたことを告げる」シーンは面白いです。すごくわざとらしいヘイワードの表情と口調を楽しめます。また、テレビ演説の収録場面はコロンボと奥さんの会話で気が散ってしまうヘイワードさんも可愛いです。
選挙対策室ベランダの爆竹は大減点!
ラストの自作自演の場面では、ベランダに爆竹の燃えカスが残ったはずで、これが「減点対象」となりこの作品の支持者を大幅に減らしています。たった今銃撃されたことを周囲に認めさせる工作ですが、かなり無理があります。この爆竹問題ですが何度見ても納得できず、「傑作選」からワンランク降格し「名作選」に移動しました。
「野望の果て」は出演者のキャラクターが光ります。
犯人役のヘイワード氏を筆頭に、憎まれ役の参謀ハリー・ストーン、美人秘書のリンダ、夫人のビクトリアなどなど。とても魅力的な脇役が揃っています。
ジャッキー・クーパーのラストの表情は切ない
初期コロンボの美人秘書の典型?
リンダは真面目で正直者だから…
リンダはコロンボの執拗な聞き込みに対して「何も知りません、失礼します。」と、一刻も早く立ち去ろうとします。しかしヘイワードの人格性について聞かれると、好意を抱いていることを見透かされ、ハリー・ストーンをよく思っていないことを力説してしまうなど、正直すぎて益々疑われてしまうのです。
刑事コロンボで最も素敵な「犯人の奥様」の一人
テレビ演説でのカメラ撮りのシーン
テレビ演説でのカメラ撮りでの彼女とコロンボ警部とのやりとりは楽しく描かれていましたね。コロンボから「ハリー・ストーンが頑丈な腕時計を所有していた」と…テントの柱でコツンと音を立てられ、ビクッとする仕草が可愛かったです。その他のシーンでも、夫の行動に疑惑を感じつつも、愛は失っていない妻の心情がよく出ていました。
宇宙大作戦
ヘイワード夫人の親友はミシンのおばちゃん
まさか奥様まで殺害?
自宅の(びっくり)バースデイパーティの冒頭シーン。まさか奥様までついでに殺してしまうのか?と思わせる効果的なシーンでした。その後、明るくなった部屋で「奥様に会うためにそんなに手数をかける‥」のセリフがルシール・メレディスさんです。
なんで名前が違うの…?
参照:「ロス警察の気になる同僚たち」
ヘイワード候補の護衛の責任者
ロハス刑事
チャドウィック紳士服店
ジュード・フェアズ
同行の警察官も可愛いおじさん
ガゾリンスタンドの整備士
テレビのアナウンサー
同じ風景画が、最低でも3回出現。
ブログゲストさんから情報をいただき検証しました。レイ・フレミングのマンション、ネルソン・ヘイワードのホテルの風景は同じでした!さらに調査した結果、ケイ・フリーストンのオフィスの窓にも出現しています。
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ヘイワードの別荘はマリブ
ヘイワードの別荘はLA西部のマリブの海岸沿いです。コロンボが車を修理したガソリンスタンドとの距離感も参考にするとさらに楽しめます。
監督:ボリス・セイガル
脚本:アービング・パールバーグ 他
原案:ラリー・コーエン
音楽:ディック・デ・ベネディクティス
ネルソン・ヘイワード:ジャッキー・クーパー(声:中谷一郎)
ビクトリア・ヘイワード:ジョアンヌ・リンヴィル(声:稲野和子)
リンダ・ジョンソン:ティシャ・スターリング(声:津田京子)
ハリー・ストーン:ケン・スウォフォード(声:鎗田順吉)
紳士服店主チャドウィック:ヴィトー・スコッティ(声:石井敏郎)
バーノン刑事:ロバート・カーンズ(声:藤本譲)
ビクトリアの友人ルーシー:ルシール・メレディス
ビクトリアの友人:ダイアン・ ターレイ・トラヴィス
検問の警察官1:ジュード・フェアズ
検問の警察官2:サンディー・ケニオン
整備士シェリー:ジェームス・G・リチャード
テレビのアナウンサー:クリート・ロバーツ
歯医者メレンチョ:マリオ・ガロ
ロハス刑事:ジェイ・バレラ
選挙スタッフ:マイク・ラリー
加筆:2023年1月4日
21話「意識の下の映像」
- 犯人役ゲストスター「ロバート・カルプ」特集記事。
- バート・ケプル「リンカーン・コンチネンタル・エグゼクティブ・リムジン」
大胆な殺害計画
30年前、最初にこの作品を見た当時は主演がロバート・カルプということも知らず、ただただ殺人のトリックに関心したものでした。特に印象的なのは、喉が渇いて廊下に出て来たノリス氏をビデオモニターで確認したケプルが「よし、しめた!」とドアを開けて、「おいノリス」ズドン!と撃つシーン。
でも深く考えてみますと「殺害現場」に第三者が現れる危険性も高く、かなりリスクのある計画でした。もちろん「塩気たっぷりのキャビア」が効いたのでしょうが、他の人も食べるかもしれないし。
ちょっと間抜けなロバート・カルプ
ロバート・カルプが毎回同じファッションをしている件
サブリミナル効果がテーマということで…
カメラマンのデニス
電気スタンドを探せば見つかってたか?
正直者を見分ける能力
アルマ・ベルトラン
チャック・マッキャンはグッドな味
大草原の小さな家
拳銃弾道担当の研究員
ゴルフ場のキャディさん
タニヤ・ベイカーはアーリーン・マーテル?
ドクター・ケプルの試写会場
脚線美
本筋ではありませんが、ケプルが制作した企業アピールのフィルムで、演壇を離れる直前のシーン「脚線美」を表現した写真には大笑いでした。
アイス・ティーが入った魔法瓶
→刑事コロンボと魔法瓶
監督:リチャード・クワイン
脚本:ステファン・J・キャメル
音楽:ディック・デ・ベネディクティス
バート・ケプル:ロバート・カルプ(声:梅野泰靖)
ロジャー・ホワイト:チャック・マッキャン(声:三宅康夫)
ビック・ノリス:ロバート・ミドルトン(声:小瀬格)
ノリス夫人:ルイーズ・ラサム
拳銃弾道担当:リチャード・スタル
フィルム編集者:ジョージ・ワイナー
カメラマンのデニス:ダニー・ゴールドマン
ノリス家のメイド:アルマ・ベルトラン
ゴルフ場のキャディ:ミッキー・ゴールデン
駐車場係:マイク・ラリー
クライアント:コスモ・サルド
女性クライアント:ダイアン・ ターレイ・トラヴィス
加筆:2024年8月29日
2020年の再放送で気づきがたくさん出まして、大幅に加筆しています。
23話「愛情の計算」
- 「愛犬ドッグ」の出演作品。
- ロス研究員用「トライアンフTR6」
- ケーヒル所長用「プリムス・バリアント」
こんな話、実際にありそう
初期の駄作?と言っては…お終い。
初期の作品においては、イマイチ納得のゆかない代表作です。近未来を描いたSF作品のようなシチュエーションもあり、こっけいな感じが漂います。もちろんその主役は「MM7」なるロボットです。当時の最先端な描き方ですが、時の流れとともに現実離れしました。
上手く行かない時もあります
脚本陣にはスティーブン・ボチコ、ディーン・ハーグローブ、ローランド・キビーと名を連ねていますが、ちょっと投げ出したくなった?かも。このような連名は名作にも見られることから、決して悪いことではないようですが。
フライデーではなく、ロビー。
スティーブン・スペルバーグ少年
不思議な味:ロバート・ウォーカーJr
セイサス星から来た少年(チャーリーX)
愛情の計算?
Mind Over Mayhemは直訳「騒乱についての心」。私は英語力が乏しく、これ以上言及しませんが邦題「愛情の計算」はひねり出した結論でしょうか。確かにコロンボシリーズ中、人のために(依頼されたケース:22話「第三の終章」などを除く)殺害することは稀です。
張本人のご子息ニールも事実を知らないのですし。しかし息子のために「殺し」を実行したというより、ケーヒル博士自身の名誉を汚さぬために犯行に及んだとも考えられます。むしろ、放置すれば息子が殺人犯になってしまうことから、自分の犯行を自供したことが「愛情の証」で、コンピュータを使った計画から「計算」という単語を引き出したのでしょうね。
犯人役「ホセ・フェラー」
ドッグの校長先生
ニコルソン夫人
フィールズ巡査部長
駐車場係のマーフ
可愛いキャラ、ロス博士
2021年の大発見!
ダイアン・ターレイ・トラヴィス
研究所の受付嬢を見逃すな
監督:アルフ・ケリン
脚本:スティーブン・ボチコ、ディーン・ハーグローブ、ローランド・キビー
音楽:ディック・デ・ベネディクティス
マーシャル・ケーヒル所長:ホセ・フェラー(声:鈴木瑞穂)
ニール・ケーヒル:ロバート・ウォーカーJr(声:原田大二郎)
ハワード・ニコルソン博士:リュー・エアーズ(声:真木恭介)
マーガレット・ニコルソン:ジェシカ・ウォルター(声:谷口香)
ロボットMM7:ロビー
スティーブン・スペルバーグ:リー・モンゴメリー(声:手塚学)
駐車場係のマーフ:アーサー・バタニデス
ロス博士:ルー・ワグナー
ドッグの校長先生:チャールズ・マコーレイ
研究所の受付嬢:ディードル・ホール
フィールズ巡査部長:ウイリアム・ブライアント
女性研究員:ダイアン・ターレイ・トラヴィス
男性研究員:マイク・ラリー
研究所指揮官:トニー・レーガン
加筆:2024年8月29日
26話「自縛の紐」
- トライコン工業社の女性社員
- マイロ・ジャナス「ロールス・ロイス・シルバー・シャドーI」
- バディ・キャッスル 「シボレー・コルベット・スティングレー」
悪人マイロに、コロンボ警部が激怒!
ほのぼの笑えるシーン
当初本記事ではこの女優を「スーザン・ジャコビー」だと記載しておりましたが、正しくは「アン・コールマン」でした。→トライコン工業社の女性社員
加筆訂正:2023年11月26日
ルイス・レーシー
大草原の小さな家
エド・マクレディ
少し納得しかねるシーンなど…
コロンボは病院で子どもとお母さんの会話を見た時に「自縛の紐」のトリックを暴きますが、「そうか、わかった!」的な描き方であまり好きではありません。もう少しさり気ない演出をしてくれたらな~って思いました。決め手の他に「着替えを知っているのは犯人である証拠」だと力説する場面は、かなり迫力あるシーンです。よく聞かないと意味が分かりませんが、それでも論理の筋立てや話し口調など、犯人を「落とす」パワーは並々ならぬものを感じました。
邦題「自縛の紐」考察
タイトル「自縛の紐」は、上手い邦題だと思いますが「決め手のまんま」。これも15話「溶ける糸」との共通点です。最初にこの作品を見た当時は小学生だったでしょうか、「自爆」だと思っていました。原題はAn Exercise in Fatalityで直訳は「死の中のエクササイズ」と出ました。他でも詳しく語りますが、コロンボシリーズの邦題には「△△の☆☆」というスタイルがたいへん多く、△△の部分にこのような普通に使われない名詞「自縛」を用いたことは、興味深いですね。
少し寂しげな表情が印象的な秘書ジェシカ
怒りながらも、犯人を追い込んでゆく?
以前『美しいコロンボ劇にはなっていません。美しく感じないもっと大きな理由は「激怒するコロンボ警部」です。』と書きましたが、そうでもなかったです。もう一度見直すと『怒りながらも、犯人を追い込んでゆく』ように感じました。『スタッフォード夫人の緊急入院』で怒ったことも、不要なシチュエーションとまで言えませんね。また、冒頭からコロンボ警部は不機嫌な雰囲気で登場しているのも面白い(早朝に呼び出されてとのこと)です、このような登場シーンは多いですね。
清掃員のマーフィ
現場検証のリッカー巡査
秘密組織が毒を盛った?
病院の待合室でとばっちり
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さてこのスタッフォード夫人のルースが運び込まれた病院と、16話「断たれた音」でトムリン・デューディックが入院する病院は、廊下がほぼ同じです。この病院は天井の照明が印象的ですね。「断たれた音」の方はその青色が際立っています。
また「溶ける糸」の病院もよく似ています。詳しくは「皆さん同じ病院に入院?」をご覧ください。
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投稿日:2023年10月16日
口笛で、THIS OLD MAN♪
また、コロンボ警部が海岸を歩くシーンでは、ピーターフォークの「THIS OLD MAN」自身の鼻歌が吹き替え無しで披露されています。
→「THIS OLD MAN」について
マイロ・ジャナスはLA北西部のマリブビーチに住んでいて、なんとご近所に「指輪の爪あと」の探偵のブリマー邸もあります。ジェシカがビキニで登場したり、マイロが海岸でトレーニングしたりで、とても印象に残ります。
マリブ周辺(マイロ・ジャナス邸)
それに対しマイロ・ジャナス健康クラブはLA中心よりやや北側の「チャット・ワース(チャッツ・ワース)」にあります。
さらに、マイロがアリバイ工作に利用した「パーカーの店」はLA東部のパサデナ地区にあり、マイロの自宅から反対方向に位置します。この距離感はいかにもマイロがアリバイを主張したくなるほど遠いです。
パサデナ周辺(パーカーの店)*カーターは誤りです。
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事件解決の決め手(2020年9月加筆)
この一連の会話が重要だと思うのです。
マイロ:「電話でスタッフォードは、もうトレーニングシャツに着替えたから、30分ばかり(トレーニング)やってから、帰宅する」と確かに言ったんだ。
コロンボ:「そりゃ無茶ですな、そんなはずないです。」
その後の実演で「運動靴は第三者(犯人と断定)が履かせた」と実証しました。マイロもそれを認めています。
そして、その後の会話‥
マイロ:「靴を履かせたのが僕だっていう、証拠は何一つ上がっていないじゃないか!」
コロンボ:「アンタしかいないんだ。自分で認めてるでしょ?」
ここまでは、良い。
私は‥次の決め台詞が混乱の原因となっていると確信します。
コロンボ:「スタッフォードさんを第三者が最後に見たのは7時半で、その時は背広だった。翌朝死体が発見された時は、運動着を着ていた。その間、誰も彼を見ていない。ところがアンタは、前の晩午後9時に、いいかね、アンタ1人だけがあの人が着替えたのを知ってたんだ。あの時間アリバイのあるはずのアンタが、何故そのことを知っているんです?」「完全なアリバイを作ろうとしたんだが、そのアリバイが命取りでしたね。」
この際、反則かもしれませんが、ぼろんこがこの台詞を自分なりに書き直してみましょう。
マイロ:「靴を履かせたのが僕だっていう、証拠は何一つ上がっていないじゃないか!」
コロンボ:「アンタなんです。自分で認めてるでしょ?」
コロンボ:「犯人に履かされた運動靴、運動着も犯人が着せたんですよねぇ、よござんすね?マイロさん。それでは、9時過ぎに『運動着に着替えた』と電話してきたのは、一体誰でしょう?着替えたことを知っているのは、犯人だけ、そりゃあアンタですよ。」
ぼろんこ:「ニセ電話のスタッフォードの会話」と「自縛の運動靴の実証実験」。この2つだけで、マイロを犯人だと決定づけられたはずです。考えてみてください‥自分で着替えていないということは、気絶か、眠らされていたか、死んでいたか、どれかでしょう?それを、元気に自分で着替えました‥と電話してきた人が犯人なのです。
解決編がスッキリしなかった状況
しつこいコロンボに対しマイロが苛立ち、スタッフォード夫人が病院に担ぎ込まれ、コロンボも激怒(マイロの図太さに切れた)。このヒートした流れのまま、マイロの事務所で解決編をむかえます。この流れは劇的なのですが、結果的に混乱を招いています。(マイロが病院と、翌朝の事務所の服装が同じことも良くないです)
そして頭に血が上ったコロンボが、決定打ではない「力説」をするので、混乱したのです。
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刑事コロンボと魔法瓶
→刑事コロンボと魔法瓶
監督:バーナード・L・コワルスキー
脚本:ピーター・S・フィッシャー
原案:ラリー・コーエン
音楽:ディック・デ・ベネディクティス
マイロ・ジャナス:ロバート・コンラッド(声:日下武史)
ジェシカ・コンロイ:グレッチェン・コルベルト(声:三田和代)
ジーン・スタッフォード:フィリップ・ブランズ(声:雨森雅司)
ルース・スタッフォード:コリン・ウィルコックス(声:藤野節子)
検死官:ビクター・イゼイ
リッカー巡査:レイモンド・オキーフ
アル・マーフィ:ジュード・フェアズ
バディ・キャッスル:パット・ハリントンJr(声:寺島幹夫)
ルイス・レーシー:ダレル・ツワーリング
トライコン工業社の女性社員:アン・コールマン
ローズ:スーザン・ジャコビー
警備員:エド・マクレディ
待合室の男性:ミッキー・ゴールデン
待合室の男性:トニー・レーガン
*作品のエンディングに関して:賛否の激しい解釈については記載を削除しましたが、2020年のBS一挙再放送で議論が再燃したため、加筆しました。
加筆:2024年8月29日
27話「逆転の構図」
- 「ぼろんこの傑作選」に選ばれています。
- 2021 NHK あなたが選ぶ!思い出のコロンボ[第10位]
- 脇役俳優「ヴィトー・スコッティ」の出演作品。
- 脇役俳優「フレッド・ドレイパー」の出演作品。
- ポール・ガレスコ「ロールス・ロイス・シルバー・クラウドIII」
- アルビン・ダシュラー「プリムス・ベルベディア」
傑作の一つ「逆転の構図」
殺意を抱き続ける夫、ポール・ガレスコ
まず、被害者にも非があること。計画的な殺害でありほぼ計画通りに実行できている。動機が十分である(と、思われる…。本当は殺してはいけません。)。状況証拠の揃え方も見事。コロンボ警部がしつこく犯人がいらだつ。結末が意外性を持っていて爽快。などなどです。
妻のフランシス
計画はほぼ思い通りに進みます。1点のみ、廃車置き場でトマス・ドーラン(ヴィトー・スコッティ)(浮浪者風の男)に殺害の様子を「聞かれた」こと以外でしょうか。それも決定的な証拠とはなりません。むしろ、計画通りに運んだのだが、数カ所の「落ち度」をコロンボ警部に見抜かれてしまうことが、命取りになります。
ガレスコ氏の緻密な殺害計画
コロンボ警部の捜査のポイントは見どころ満載です。まず容疑者のダシュラーが相当の「お馬鹿さん」で無い限り、真犯人ではないことに気付く点です。それにガレスコ夫人を誘拐したダシュラーが脅迫状に添えた写真になぜ「時計」が必要であったか?普通に考えれば必要の無いアイテムです。日めくりやテレビ番組など、日付を特定したいものであれば別ですが、時間を特定する必要は無いと思われます。この2点で、単なる誘拐殺人ではないことは明白となります。
徐々に表情が曇るガレスコ氏
その他は、芋づる式に状況証拠が揃います。要するに、初期捜査の着眼点が他の手がかりを引き出してゆくのです。メイドに誘拐をほのめかす際に「脅迫電話のメモ」を書いた矛盾は最大の失敗のひとつです。さらには誘拐犯からの呼び出し時間のズレを、後になって解説したこと。ダシュラーのモーテルの部屋で、彼が犯人であることを分かりやすく演出しすぎたこと。これらの「甘さ」がコロンボ警部を「逆転の構図」作戦の実行に駆り立てたと感じます。つまり犯人は100%の確率でガレスコ氏と断定でき、あとはガレスコ氏自身に「私がやりました」と言わせれば良いのです。
そのために、状況証拠をちびちびとガレスコ氏に見せ、彼を追い込んでゆきます。その手法が凄いです。自分が撮影した下手な写真を見せガレスコ氏のプロカメラマンとしての誇りを引き出し「犯人像とダブる」ことを伝える。助手のローナ(ジョアンナ・キャメロン)を「奇麗な方ですね~」と、二人の男女関係を疑う。ホテルの部屋の件は「メイドが掃除をさぼったことで嘘をついた」という、苦し紛れのガレスコの証言を「復唱しながらメモ」しています。さらには、刑務所の写真集からガレスコ氏と前科者のダシュラーの関係を突き止める。そして最後に「脅迫状作成を実演」です。
コロンボ警部の得意技「大芝居」
エンディングは圧巻。注目すべき点は、コロンボ警部が「ここが重要です。あたし自身が采配をとり、全て落ち度なくやった」と自慢気に喋る場面。「頭脳明晰で手強い刑事」から「お間抜けデカ」に印象が変わるように演じています。そこで生まれた一瞬のスキが「崖っぷちまで追い込まれた」状況から「大逆転」のチャンスと錯覚させ、証拠品のカメラにを手に出させるのです。
よ~く考えてください。「証拠写真を複写して引き延ばした。その際にミスで裏焼きした。オリジナル写真は紛失した。」のですが「複写したネガ」は存在するわけで、そのネガを調べれば「裏焼き」は明白。それに気付かれれば、全てがフイになる「賭け」のような作戦だったと思います。まんまと自分の罠にハマるガレスコ氏。コロンボ警部は、彼の捨て台詞に対し一言も解答せず、無言のラストを向かえます。
ホフマン刑事もびっくり
誰が見ても怪しい関係?
成功者に美人秘書あり
英雄は色を好む…ですか、コロンボシリーズで頻繁に見られるシチュエーション「成功者に美人秘書(今回は助手)あり」。もしも、ガレスコ氏がローナとフィリピンに逃避行しなければ、もっとスッキリ逮捕したかったのでしょうね、コロンボ警部~。
家政婦さんも良い感じ
可愛い!ジョイス・ヴァン・パタン
笑える場面が盛りだくさん、楽しい作品です
しかしこの作品は本題の完成度に加え楽しめる箇所も多いです。人間コロンボの魅力もいたる場面に盛り込まれています。警部がガレスコ宅で灰皿を見つけられず、ポケットにタバコの灰を捨てる仕草もかなり笑えました。一部始終を見ているガレスコ氏もあえて突っ込まないのがGOODでした。
名優「ヴィトー・スコッティ」
ハリー・ルイスにも注目!
解決編については疑問も残る
解決編があっさりしている(突然のクライマックスを向かえる)という解釈は少々違う気がしています。カメラ店でヒントを得た後、運転免許の試験官ウイークリー氏と会う場面で、すでに「逆転の構図」作戦を着々と実行していたわけです。ほぼ全ての場面で無駄の無い作り、それでいてユーモアもたっぷりです。
また、ポラロイドカメラの特性や裏焼きなどについて、不自然に感じたというご意見も多いのですが、私的には「証拠品を自分で選んでしまう」ことを狙ったことを評価しようと思います。
ラリー・ストーチ
サンプソン警部
不動産屋マグルーダー
モーテルのオヤジ
証拠写真を撮るカメラマン
解決シーンにも立ち会う署員
刑事コロンボと魔法瓶
映画「タワーリング・インフェルノ」
監督:アルフ・ケリン
脚本:ピーター・S・フィッシャー
ポール・ガレスコ:ディック・ヴァン・ダイク(声:新田昌玄)
ホフマン刑事:マイケル・ストロング(声:緑川稔)
アルビン・ダシュラー:ドン・ゴードン
フランシス・ガレスコ:アントワネット・バウアー(声:阿部寿美子)
ローナ・マクグラス:ジョアンナ・キャメロン
トマス・ドーラン:ヴィトー・スコッティ(声:近石真介)
シスター・マーシー:ジョイス・ヴァン・パタン(声:加藤道子)
ハリー・ルイス:ハーヴェイ・ゴールド(声:野本礼三)
家政婦:アリス・バックス
サンプソン警部:ビル・ザッカート
モーテル主人:トーム・カーニー
不動産屋マグルーダー:ジョン・アシュトン
鑑識カメラマン:フレッド・ドレイパー
ウイークリー:ラリー・ストーチ(声:筈見純)
写真展の客:ダイアン・ ターレイ・トラヴィス
写真展の客:エセルレッド・レオポルド
ロス市警署員:マイケル・エドワード・ラリー
加筆:2023年9月17日