- コロンボ警部は「ビリヤードが得意」の記事。
- ウィリアムズ夫妻「リンカーン・コンチネンタル」
まだ本格的なシリーズ化ではない 死者の身代金
死者の身代金 は女性弁護士レスリー・ウィリアムズが、夫(有名弁護士)のポール・ウィリアムズを殺害し、身代金目当ての誘拐に見せかけるお話。3話の「構想の死角」から本格的にシリーズ化する直前の作品と位置づけられます。タイトルクレジットは細く白色で、いわゆるコロンボ書体ではありません。
犯人レスリー・ウィリアムズ像
リー・グラントは怖(こわ)美しい
娘のマーガレット
ウィリアムズ邸
ウイリアムズ邸は、サネット・ブールバード沿いの高級住宅街にあります。一番近いご近所は、会計士のオリバー・プラントさんです。
ロス警察を「この街の警察」と…
FBIの管轄になったことから、コロンボ警部も最初は遠慮がちに捜査に関わっていて、「矛盾に対する困惑」が延々と描かれます。「殺し」の捜査に移行した後は、水を得た魚のようにはしゃぎます。今回はFBIの登場ということで、ロス警察を「この街の警察」と表現していて面白いですね。
後の作品の元アイデアがちらり
ごく初期の作品なのですが、かなり「スッキリ」な仕上がりになっていてびっくりしました。脅迫電話のトリックをレスリーに実演してみせることも興味深いし、娘に一芝居打たせて、犯人を罠にハメるラストは25話「権力の墓穴」、録音テープを使ったトリックは26話「自縛の紐」の原形にも思われ、とても興味深いものです。
確立してゆく捜査スタイル
1話の「殺人処方箋」とこの2話「死者の身代金」で、コロンボの刑事としての捜査スタイルはすでに確立していて「うだつの上がらなそうな風貌を利用して相手を油断させる」「身内の話で手がかりのきっかけを作る」「実はかなりの腕利き刑事」などが見られます。ただ両話とも、コロンボ刑事が事件から外されそうになり、現実の世界でもありそうな展開。
セスナに乗るシーン
レスリーと一緒にセスナに乗るシーンは、大きな場面ですがそれほど重要ではなく、一見無駄に長く感じられます。これは勇敢な女性と頼りない男性を対比させ、コロンボ警部(高所恐怖症)のキャラクターを際立たせているのかな。この飛行場は「バーバンク・グレンデール・パサデナ空港」と呼ばれていたが、現在は俳優の「ボブ・ホープ」に因んで「バーバンク・ボブ・ホープ空港」となっています。
髪が伸びて、ぼさぼさ風に
1話「殺人処方箋」から約3年が経っての2作目です。ですので一気にお馴染みのコロンボの風貌が出来上がっています。髪は伸びでぼさぼさ、レインコートも少しよれよれ度を増します。さらに…スーツは今回からお馴染みの「明るい茶系」に変化し、温かみを感じます。殺人処方箋ではグレー系(ちょっと冷淡)でした。すでに「チリ好き」も楽しめますし、コロンボのキャラクター設定が出来上がってきました。
ティモシー・ケリー
バーニーズ・ビーナリーが初登場
カールソン捜査官
リチャード捜査官
ハモンド捜査官
マイケル・クラーク
女性社員ナンシー
レスリーのご友人グロリア
この3人の事務所が同じビルに!
LOS ANGELES COUNTY COURTHOUSE
クローウェル原告
裁判長
傍聴人の一人
グレープジュースはルートビア
空港のカフェでコロンボ警部が飲む「グレープジュース」は、葡萄色じゃないので変だな~と思って英語で聞き直したら「ルートビア(root beer)」を注文していました。ノンアルコールの炭酸飲料だそうです。(ウエイトレスの女優はロイス・バトル)
お金を持っているのに払えない…
また同シーンで、3ドル50セントの飲み物代を支払うお金を持っておらず、警察手帳を見せながらサインをします。これは大金の札束(身代金)を手にしながら支払えない…という矛盾に加え、筆記用具も持っておらず、ウエイトレスに借りるという始末。こっけいなBGMも加わり、微笑ましい締めくくりです。
音楽担当はビリー・ゴールデンバーグ
タイトルバックのシーン、中盤でセスナに乗るシーン、それと空港でのエンディングには、「死者の身代金のテーマ」とでも名付けたい印象深いメロディが登場します。これは何と、15話「溶ける糸」のメイフィールド邸でのパーティのBGMにも使われています。作曲家は「ビリー・ゴールデンバーグ」。70年代っぽいポップなサウンドなので、聞いてみてください。
監督:リチャード・アーヴィング
脚本:ディーン・ハーグローブ
音楽:ビリー・ゴールデンバーグ
レスリー・ウィリアムズ:リー・グラント(声:山東昭子)
マーガレット:パトリシア・マティック(声:上田みゆき)
カールソン捜査官:ハロルド・グールド(声:北村弘一)
リチャード捜査官:チャールズ・マコーレイ
ハモンド捜査官:ポール・カー
パット(電話の女性):ジーン・バイロン
バート:ティモシー・ケリー(声:鈴木泰明)
男性社員マイケル・クラーク:ジョン・フィンク(声:納谷六朗)
女性社員ナンシー:リサ・ムーア
クローウェル原告:ビル・ウォーカー(声:雨森雅司)
裁判長:ジャドソン・モーガン
傍聴人:バート・グリーン
セリア(依頼人):ノーマ・コロニー
グロリア(レスリーの友人):セレステ・ヤーノール
空港のウエイトレス:ロイス・バトル
加筆:2024年9月1日
3話「構想の死角」
- 2021 NHK あなたが選ぶ!思い出のコロンボ[第8位]
- 犯人役ゲストスター「ジャック・キャシディ」特集記事。
- 「エアオールウェイの豪邸」同じ家の特集記事。
- ケン・フランクリン「メルセデス・ベンツ・コンバーチブル」
カメラワークやライティングがスピルバーグ的?
演出が若き日のスピルバーグ監督というのは有名ですね。絵作りという着眼点で見ると、他の作品と大きな違いを感じます。まずは、構図の大胆さです。俳優同士の顔がくっつきそうになる程、近くで会話していたり、女優の横顔のシルエットでその場面を深く印象づけたりしています。全体的に画面が暗めなのも特長だと思います。特に夜のシーンでは、不気味な程に室内を暗くし、手前の人物の影が話し相手に重なって不気味な効果を出しています。
やはりこのカメラワークやライティング(照明)は、この1回きりで良かった…とも感じます。そこばっかり気になってしまい、本筋がおろそかになっているように見えてきます。
書けない作家ケン・フランクリン
人気小説「メルビル夫人」シリーズ
ウソが本当に思えてくる
ジャック・キャシディ
バーバラ・コルビーは迫真の演技
ここ一番でセクシーなラサンカ夫人
ジムの奥様ジョアンナ
劇場でケンと一緒にいた美女
バーニー・クビー
ホット・ドッグの屋台
邦題の「構想の死角」について
仕事柄(笑)毎晩のようにネットでコロンボ情報を調べているわけですが、「高層の死角」という森村誠一さんの推理小説が存在します。1969年に出版されました。この「構想の死角」の2年前です。第15回江戸川乱歩賞も受賞している有名な小説です。何か関連性があるのかな…。
**これより数行は妄想的加筆:2021年2月
深く考えてみると、とても面白い。
決着の付け方に「スカっとした切れ味」がなかったというご意見が多いです。コロンボから第二殺人のお粗末さを指摘されたケンは、第一殺人の優れたアイデアも自分によるものであると主張し引き換えに罪を認めました。これは見ての通り。
ジムの「見逃し」と「うろ覚え」。
ジムは作家としての推理力に非常に長けています。冒頭シーンで銃を構えたケンを見て「手袋」「引金」「空のシリンダー」などを一目で見極めました。なのに殺された時は「手袋をしている」「ソファの上に不自然なビニール」などを見逃しています。しかも車中で「なんだか嫌な気分だな、昔ここらに来たような‥」とも言っていて、どうやら以前ケンから聞かされた殺害方法のヒントを思い出した様子でした。
さて、ジョアンナも初動捜査で警察が来た時に「主人が書いた小説でこのようなトリックがあった」と言っていますが、実際には小説には採用されていません。でもジョアンナやジムの頭にはケンのアイデアの記憶が薄っすら残っていました。
印刷物はコロンボが捏造した証拠?
コロンボは解決シーンで、裏面に第一殺人のトリックがズバリ書かれた印刷物を取り出し、「メルビル夫人用完全犯罪のトリック」として文面を読み上げます。でもこれは今日、オフィスでコロンボが発見したとは考えにくいです。警察が初動捜査で見逃すとは思えません。これはコロンボが書いた偽の証拠かのかも‥。
この殺人劇こそ、ケンが書き上げた傑作。
そしてもしも、これがジム本人が書いたのなら、彼は殺される直前に気づくはず。ケンが5年前に考えた本当のアイデアとは「ジャックとジルは山へ行き、一人は死体で戻る。さてそのトリックは‥」程度の、そう、割と稚拙なアイデア書きで、肝心のトリックは思いつかなかったのかも。それに対し今回の第一殺人のアイデアやトリックは、紛れもなくケンが書き上げた最高傑作だったかもしれません。
掟破りの‥セリフ添削。
ぼろんこがケン・フランクリンのセリフを少し書き換えてみます。コロンボが印刷物のメモを読み上げ、それを止めたケン「そりゃデタラメだよ。それはジムが書いたものじゃない。初めの殺人トリックは、確かに僕がジムを殺すために考えたものだ。どうだね?傑作だろ。僕にだってメルビル夫人は書けるのさ。」THE END.
**2021年の加筆ここまで
ケン・フランクリン邸はエリック・ワーグナー邸
ケン・フランクリン邸は12話「アリバイのダイヤル」のエリック・ワーグナー邸としても登場します。(スタール邸だと勘違いしていましたが別の家でした)
エアオールウェイの豪邸
監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:スティーブン・ボチコ
ケン・フランクリン:ジャック・キャシディ(声:田口計)
リリー・ラ・サンカ:バーバラ・コルビー(声:林洋子)
ジム・フェリス:マーティン・ミルナー(声:堀勝之祐)
ジョアンナ:ローズマリー・フォーサイス(声:野口ふみえ)
生命保険屋:バーニー・クビー
劇場の女性:アニトラ・フォード
劇場の婦人:エセルレッド・レオポルド
劇場の老婦人:レオダ・リチャーズ
レポーター:リネット・メティ
運送屋:ジャック・グリフィン
家政婦:エリザベス・ハロワー
警察官:マーク・ラッセル
加筆:2024年8月20日
4話「指輪の爪あと」
- 「ぼろんこの傑作選」に選ばれています。
- 2021 NHK あなたが選ぶ!思い出のコロンボ[えっ21位以下?]
- 2011 AXNミステリー 人気ランキング[第10位]
- ロバート・カルプが毎回同じファッションをしている件。
- ケニカットの豪邸が映画「ゴッドファーザー」等にも登場。
- ブリマー「キャデラック・フリートウッド・エルドラド」
- ケニカット「ロールス・ロイス・シルバー・シャドーI」
刑事コロンボらしさが確立した初期の傑作「指輪の爪あと」
作品として素晴らしいです。成功を収めた探偵社の社長ブリマー「ロバート・カルプ」のキャラクターも印象的。成功者が調子に乗りすぎて足を踏み外して一気に転落するというシナリオも、コロンボ作品らしくて好きです。「計画殺人ではない」という点ではイレギュラー的な展開を見せます。
コロンボ警部も負けていませんでした。
同業者(事件捜査)による犯罪のエピソードは他にも例がありますが、今回は成功をおさめた探偵です。一見してコロンボ警部を見下し、小馬鹿にするブリマーに対し「この手相は成功しそうでいて、失敗しそうな性格」と、言い返す場面は見逃せません。
運命論者と手相見。
2021年の再放送でこの「運命論者と手相見」のつながりが腑に落ちました。コロンボ警部は死体発見現場で、ケニカット夫人の頬に傷を発見します。翌日ケニカット邸で初めてブリマーに会った時、彼の大きな指輪を発見し、傷が「指輪の爪あと」の可能性がある‥とピンと来ています。それで少し意味深に、「目の前にぱっと灯りがついた気分」「幸先がいい」「ついている」と言っています。そしてそれを「手相見」につなげ、さりげなくブリマーの指輪を観察しているのです。シーンを見直しますとケニカット氏は「右手」、ブリマー氏は「左手」の手相を見ています。すでに‥左利きで左指に指輪を大きな指輪をしている者がバックハンドで殴った可能性が高いと睨んでいる!(加筆:202110月)
ラストシーンでコロンボ警部は「運命なんて信じない」とも言っています。これは手相見が「小芝居」であることも告白しているのです。だから「ケニカット夫人はコンタクトレンズを落としていない」「運良く車が故障したのではない」‥ただし、あの時ブリマーが「のこのこ」自分の前に現れたこと、これは実に運が良かった‥というオチですね。(加筆:202110月)
二つのレンズで別の場面を描写
ロバート・カルプの憎まれ役は最高
ロバート・カルプが毎回同じファッションをしている件
相手の弱みにつけ込んだことが、自分の命取りになる…。
殺人ではなく傷害致死?
3話の「構想の死角」では「脅迫された相手を殺してしまう」のですが、この作品では、その逆展開をやっています。夫婦関係は一つや二つの失敗で壊れないもの、自分は正直にすべてを主人に話す…と開き直られて逆上して殺害に及ぶのです。しかしよく考えてみると、これは「殺人」ではなく「傷害致死」でしょうか?「殺す気はなかった…」と言っていますしね。
相手の破滅と引き換えに利益を得ようとする発想は、自分にも最大のリスクを発生させるという教訓を感じます。今回ケニカット夫人は利益ではなく復讐の意図でブリマーに逆襲しますが、相手に逃げ道を示すことを考えつけば、命は落とさなかったことでしょう。
ブリマーはコロンボの思い通りに動かされている…
最後は犯人に罠をしかけるパターンで解決を迎えますが、その過程で徐々に犯人を精神的に追いつめて行く手法も見逃せないですね。その中でも、コロンボに示唆され「自宅でコンタクトレンズを探している」シーンはこっけいです。台詞にはありませんが「そうか、クルマの中だ!」と気付いて、修理工場に忍び込むのですが、全てコロンボ警部の「シナリオ通りに動かされている」というわけでした。
原題の「death lends a hand」は乱暴な直訳で「死は手伝います」。最初はピンと来ない気がしましたが、ブリマーが事件捜査に手を貸す振りをしてコロンボに接近したことや、決め手となった「コンタクトレンズ(Lens)」をひっかけたものと思われ、興味深いものだと思えます。
レイ・ミランド
オスカー俳優レイ・ミランド
ギル・メレの音楽
ブリマーがケニカット夫人を死なせてしまってから死体を捨てに行くシーンのBGMに軽快なジャズ音楽が流れます。これはジャズ音楽家「ギル・メレ(Gil Mellé)」によるものです。それに自動車工場のエンディングシーンのBGMもギル・メレ。この曲は、なんと9話「パイルD-3の壁」のエンディングシーンでも同じように使われているの、気づいてました?
ギル・メレの音楽はこの他、5話「ホリスター将軍のコレクション」 、8話「死の方程式」などにも使われています。
ブリマー邸は「潮風が当たる」マリブビーチにあります。その一方ケニカット邸はもう少しロサンゼルス中心に近い場所で、近くにはハルプリン次長が住むベルエア地区もあります。
マリブ周辺(ブリマー邸)
ベルエア周辺(ケニカット邸)
ケニカット邸は映画「ゴッドファーザー」等にも登場
アーサー・ケニカット邸は、LAでも有名な豪邸「通称ビバリー・ハウス」で、皆さんご存知の映画「ゴッドファーザー」や「ボディーガード」にも登場していることが判明しました。ぜひご覧ください。加筆:2023年12月30日
「指輪の爪あと」のケニカット邸
3年ぶりに本作品を見て、印象が多少変わりました
2009年にNHK BS2(当時)で再放送されたシリーズで、本作品と再会しました。その頃は、1話より順に放送されていなかった記憶があります。
加筆:2012年6月4日にAXNミステリーで再放送されました。それを見ながら書いています。
まず第一に、ブリマー氏は当時感じたほど「高圧的」ではありませんでした。その後の作品「権力の墓穴:ハルプリン次長」「4時02分の銃声:フィールディング・チェイス」などの豪傑を見ましたので(笑)。ブリマー氏は「威張り腐っている」感じより、むしろ「自分をやや謙遜しつつ」「猫なで声ですり寄ってきて」「相手の隙を狙っている」ように映りました。
またブリマーは、ケニカット氏への体面上ではコロンボ警部を小馬鹿にしていますが、実は会う前から警部を「切れ者」だと気付いています。警察署長にコロンボについて下調べをしているのです。初対面の時も「ゴルフバッグ」を発見され先制パンチを喰らいました。
本当に隙・無駄の無い作品
○白バイに停められるシーンでの会話→免許の書き換え
○出口を間違える→ゴルフバッグの発見
○客の秘密を喋りそうな部下を激怒→関係した部下を外す・短気な性格を引き出す
○犯人の逮捕をほのめかす→自動車修理工場へ出向かせる
など、すべてのシーン・台詞がストーリー展開に重要な役割を果たしていて、展開も速く非常にスリリングです。またメガネの映り込みのシーンは、思ったよりも長めで、証拠を隠滅する作業の時間経過と、人を殺してしまったという後悔の気持ちや不安な感情を、台詞無しで表現しているものです。指紋を拭き取る動作など、かなりテキパキしていますし、その反面表情は複雑です。
クライマックスも見事
ピアノで「ガーン」「ガーン」「ガーン」と打ち鳴らし緊張感をあおる。そしてパッと真っ白に照らすヘッドライト。証拠を捨てようとする瞬間を捕らえる。観念したブリマーが犯行を認めて謝る。ケニカットとの会話で仕掛けた罠を明かす。ユーモアたっぷりのエンディング。素晴らしかったです。
受領書をもらう際に筆記用具を忘れている
ブリマーが左利きであることに気づくシーンで、得意技である「筆記用具を忘れる」が出ていました。
→ コロンボはよく「筆記用具を忘れる」件
怒鳴られるデニング
ゴルフプロのアーチャー
免許センターの検眼係
殺人現場の検証でマッチを借りる
検死官などにマッチを貸してくれるよう頼むが、ことごとく断られ、数人後にやっとこさ持っている人に出会う。
監督:バーナード・L・コワルスキー
脚本:リチャード・レビンソン/ウィリアム・リンク
音楽:ギル・メレ
ブリマー所長:ロバート・カルプ(声:梅野泰靖)
アーサー・ケニカット:レイ・ミランド(声:横森久)
レノア・ケニカット:パトリシア・クローリー(声:池田昌子)
ケン・アーチャー:ブルット・ホールジー(声:阪脩)
デニング:エリックジェームス
秘書:バーバラ・バルダビン
レオ・ジェントリー:マーブ・ゴークス
シール・ジェントリー(夫人):リュー・ドレスラー
検眼係:ケン・サンソム
探偵:マーク・ラッセル
検視官:レン・ウェイランド
監察医:ドン・キーファー
*本編を見る限り犯人のブリマーはファーストネームは不明です。(ノベライズ:小説版では、マイケルだそう。)これは全69作中、36話「魔術師の幻想」の「グレート(偉大なる)・サンティーニ」と二人のみ。
加筆:2023年12月30日
5話「ホリスター将軍のコレクション」
- エディングシーンでコロンボの替え玉!
- ダットン大佐「フォード・LTD」
プロローグ
初期の作品としては少し不人気
私が傑作だと推薦する4話「指輪の爪あと」と6話「二枚のドガの絵」に挟まれ、少々不人気な印象の作品です。犯行の目撃者が犯人の味方になってしまうという、凝ったストーリーです。やはりシンプルな展開の方が、かえって優れた作品になるのでしょうか。
英雄は大悪人
このように戦争において「英雄になれる人物像」とは、決して潔く誠実なものではない。エンディングでコロンボ警部がヘレンに言い聞かせる「将軍がいかなる人物かよく表している物」…見せるための軍服、弾丸を受け止めた本、とてもよく理解できますね。
事件の目撃者ヘレン
映画「鳥」の小学校の先生
日本語吹き替えは久松保夫さん
ちなみにホリスター将軍(エディ・アルバート)の日本語吹き替えは「久松保夫」さんで、スタートレック(宇宙大作戦)のMr.スポックの声でもお馴染み。でも、Mr.スポックのレナード・ニモイが刑事コロンボ15話「溶ける糸」に出演の際にメイフィールド医師を天田俊明さんが担当した理由は不明(今後調べてみます)。
真珠を散りばめたコルト拳銃
ブログゲストさんから「将軍愛用の真珠を散りばめたピストルが、いつ陳列されたか?」という疑問が寄せられました。ダットン大佐を殺害する時は確かに、木箱から取り出しました。いつ展示室に持ち込んだかは、場面を見るだけでは断定できないようです。大切な「本」も木箱に無かったので、祝典当日に自分で持ち込んだのかな?凶器なので…捨ててしまうか…迷ったか。
木箱の中に無かったことがヒントになってしまう
コロンボが木箱の中味を確かめた際、確かに真珠の拳銃は入っていませんでした。このことが逆に「凶器がこの拳銃である」というヒントになってしまう。45口径であれば大佐殺害の銃である可能性が高いことに、もっと早い段階で気づくのでは?と疑問は残ります。コロンボは既に展示室に足を運んでいるはずですし。
それにしてもやはり、将軍はこの銃を海にでも捨てるべきだった。誇りたいはずの名誉の品だけど、結局はそれが命取りでした。
軍人を扱ったコロンボ作品
戦争の国アメリカ(と表現すると失礼でしょうか?)ならではの題材だと感じます。刑事コロンボには他にも数作品で、犯人役が軍人または軍事関連の作品がありますね。この作品に関してはその色は薄く「過去の栄光」としての「英雄・将軍」を描いています。後の作品28話「祝砲の挽歌」のラムフォード大佐、49話「迷子の兵隊」のパジェット将軍にもこのイメージは通じます。
ヴァル・アヴェリー
ティモシー・ケリー
テレビ番組のアナウンサー
エディングシーンでコロンボの替え玉
エキストラ俳優ゲーリー・ライト
映画「ローマの休日」
ギル・メレの音楽
冒頭からダットン大佐が登場する前までのBGMにゆったりとしたジャズ音楽が流れます。それに短いですがエンディングシーンのBGM。これらはジャズ音楽家「ギル・メレ(Gil Mellé)」によるものです。ギル・メレの音楽はこの他、4話「指輪の爪あと」 、8話「死の方程式」などにも使われています。
ホリスター将軍のヨットハーバー
将軍の船に「THE IRON HORSEMAN NEW PORT」と書いてあります。おそらくロサンゼルスの南に位置する「バルボア・ベイ・リゾート」がホリスター将軍の家ではないかと思われます。調べによると、このホリスター将軍の家は、実際にはピーターフォークの所有だったらしいです。ここは「さらば提督」のチャーリー・クレイのヨットも停泊しています。間違っているかもしれません、鵜呑みにしないでください。
バルボア・ベイ・リゾート
その他のエピソード
将軍の船に乗せてもらった時に船酔いをしまして、将軍から「コロンブスの子孫のくせにだらしない」と言われています。(コロンボ警部の好き嫌い)また、将軍の家で、ライターを借りています。退役記念に幕僚からプレゼントとされた、とても立派なライターでした。
監督:ジャック・スマイト
脚本:ジョン・デュガン
マーチン・J・ホリスター:エディ・アルバート(声:久松保夫)
ヘレン・スチュワート:スザンヌ・プレシェット(声:鈴木弘子)
ヘレンの母(ウォルターズ夫人):ケイト・リード
ロジャー・ダットン:ジョン・カー
ハリー・バーンズ:ヴァル・アヴェリー(声:清川元夢)
バート:ティモシー・ケリー(声:鈴木泰明)
サンチェス巡査:ロン・カストロ
刑事:ゲーリー・ライト
アナウンサー:クリート・ロバーツ
加筆:2021年9月4日
6話「二枚のドガの絵」
- 「ぼろんこの傑作選」に選ばれています。
- 「人気投票では2位」「忘れられたスター」も肉薄!
- 2021 NHK あなたが選ぶ!思い出のコロンボ[第2位]
- 2011 AXNミステリー 人気ランキング[第8位]
- 特集記事「マシュー・コレクション」
- デイル・キングストン「メルセデス・ベンツ・300B・アデナウアー」
- トレーシー・オコーナー「フォルクスワーゲン・ビートル・タイプ1・コンバーチブル」
ぼろんこの考える「傑作コロンボ作品:二枚のドガの絵」
犯人の誘いに乗って、最大のチャンスをモノにする。
コロンボ警部はデイルから自宅の鍵を渡された時が最大のチャンスだと見切っていました。その時のデイル宅には、全く証拠が無いとデイル自身が教えているようなものです。しかも、コロンボが捜査した直後が、絵を持ち帰るもっとも安全なタイミングであると考えたのでしょう。しかし、コロンボ警部が部屋で寝ていたのは誤算でした。それにしても…デイルはうかつでした…トレーシー殺害後、絵をもう一度「包装紙にくるんで」持ち帰るべきだったですね。
犯人が自分から行動を起こすように誘導。
ラストシーンは圧巻です。
コロンボ警部はエドナの屋敷に登場する場面から、ずっとポケットに両手を突っ込んでいますね。しかも、犯人をトン死状態に追い込む会話術(指紋の割出しのくだり)も抜群です。そして、手を広げてみせるあの顔とポーズ。ピーターフォーク以外の俳優では決まらない、まさに完璧なラストです。俯瞰(ふかん)気味の静止画もきれいでしたね。
ちょっとした疑問、意味の無い行動?
作品冒頭の殺害現場を演出する場面では、デイル・キングストンは飾られた絵画や家具を荒らしますが、これは全く意味のない行動だと思いませんか?絵画を盗難する行為と結びつきませんし、あんなことをすれば物音がするので誰かに気付かれる危険が非常に高くなります。殺害時間帯に「近辺に誰もいない」ことを確認済みであったとしても、理解に苦しみますね。ましてやエドナを真犯人に想定しているのであれば…言うまでもありませんね。
ロス・マーティンの演技力に乾杯!
デイル・キングストンという人物。
デイルは美術評論家として成功をおさめますが、少し屈折した性格に描かれています。あまり幸せな幼少期を過ごしていない設定で、言葉遣いや素行は決して上品ではありません。業界でも煙たがられていました。
犯人の心理をよく表現している
「コロンボを敵視する」「記憶力が良い」「説明が上手」
デイルはこの3点を備え持っていました。自分にやましい部分がなければ必要以上にコロンボを敵視しません。人の記憶は曖昧で時間の経緯などをなかなか覚えていないもの。自分に容疑がかからない方向の状況説明をぺらぺらとしゃべること。これらは全ては、コロンボが容疑を深める行動なのです。
コロンボ警部はそんなデイルに対し、ラストシーンで「キミ」と呼んでいます。おろかな濡れ衣工作に奔走したデイル。すべてお見通しのコロンボ。二人のパワーバランスが完全に逆転している表現です。
特殊メイクなしでも、魅力的な演技。
ロザンナ・ホフマン
ロザンナ・ホフマンには新シリーズでも会える。
新シリーズの53話「かみさんよ、安らかに」で、ロザンナ・ホフマンさんに再会できます。家を買いに来るお客さんご夫妻の奥さま役です。ぜひご確認ください。また彼女は実生活で、刑事コロンボ作品の原作家「リチャード・レヴィンソン」の奥様でありました。
場面転換にナイスプレー
殺害計画の中に「自分の口封じ」も含まれているとは気づかないトレーシー・オコーナーは、マリブ山中で殺されてしまいます。その殺害シーンは、岩を持って襲いかかるデイルに恐怖する彼女の表情から、「キャ〜」という絶叫もに聞こえる「(デイルが帰宅する)クルマのタイヤ音」で場面転換しています。見事な手法ですね〜。
画廊の女主人マチルダ
画家のサム・フランクリン
ヌードモデルのクリス
ドン・アメチー
捜査一課のワイラー課長
画廊のご婦人
トレーシーの大家さん
原題は「フレーミングにふさわしい」
原題の「Suitable for Framing 」は直訳「フレーミングにふさわしい」ですが、エキサイト翻訳では「二枚のドガの絵」と出ました。凄いですね、コロンボの作品名が辞書登録されているようです。他にもこのような例が多くありました。
ロス・マーティンとピーターフォーク
ロス・マーティンはポーランド出身の舞台俳優で1920年生まれ。ピーター・フォーク(1927年生まれ)よりも7歳年上でかつてはピーターフォークの演技の師匠であったそうです。16話「断たれた音」のローレンス・ハーヴェイが監督・主演の映画「脱走計画」にも出演したそうです。その他、警部マクロードやチャーリーズ・エンジェルにも出ているようです。
ドガについて勉強しよう
一枚のドガの絵
一枚の絵画が、二箇所に展示
リアル二枚のドガの絵
サム・フランクリンの画廊は [La Cienega Blvd.]ラ・シェネガ通りにあるそうです。ちなみにルディ・マシューズ邸は[Pineview 417]パイン・ビューにあるそうです。
監督:ハイ・アヴァーバック
脚本:ジャクソン・ギリス
音楽:ビリー・ゴールデンバーグ
デイル・キングストン:ロス・マーティン(声:西沢利明)
エドナ・マシューズ:キム・ハンター(声:関弘子)
ルディ・マシューズ:ロバート・シェイン
トレーシー・オコーナー:ロザンナ・ホフマン(声:杉山佳寿子)
フランク・シンプソン:ドン・アメチー(声:八奈見乗児)
マチルダ・フランクリン:ジョアン・ショーリー(声:麻生美代子)
サム・フランクリン:ヴィック・テイバック(声:西尾徳)
ヌードモデルのクリス:キャサリン・ダーク
ワイラー課長:バーニー・フィリップス(声:たてかべ和也)
ガードマン:レイ・ケロッグ
駐車番:デニス・ラッカー
画廊のご婦人:サンドラ・ゴールド
画廊の老婦人:レオダ・リチャーズ
画廊の紳士:ミッキー・ゴールデン
エバンス執事:カート・コンウェイ(声:矢田稔)
大家のマーサ:メアリー・ウィックス
庭師:レイ・バラッド
加筆:2024年2月11日
7話「もう一つの鍵」
- 脇役俳優「フレッド・ドレイパー」の出演作品。
- 刑事役で大草原の小さな家の「オルソンさん」が登場。
- ベス・チャドウィック「フェラーリ・365・GTB/4」
ベス・チャドウィックが美しく(実は醜く)変貌してゆく
もう一度最初から見返せば、なるほど冒頭近くに庭で朝食を食べるシーンでも、どこか歪んだ心をもった女性の表情が見え隠れしてますね。
時代性を感じる映像処理
意外な展開となったのは「画面が揺れているような描写」のシーンで、最初に見た時には「睡眠薬か麻薬かで、精神が普通でない表現」なのかと、勘違いしました。実際には「こうなる予定」を表現していたのでしょうね。初期の作品(特に第1シーズンまで)には、このような「頑張った映像処理」が多く登場します。テレビドラマの特殊効果に限界のあった時代の産物でしょう。
決め手はピーターの記憶力…ではなくベスの性格?
事件解決シーンでは「婚約者のピーターが、犯行の時の鮮明な記憶を語った」こととなりますが、実際には犯人特定の証拠とは言いきれず、その後のベスの行動「コロンボを銃で撃ってしまえ」というアクションが決め手となりました。これもベスの性格を見抜いたコロンボの切り札だったと言えます。びとつ間違えれば、撃たれて死んでしまうのですが。
これがひっかかるんです、「ピーター」の人間像。
裸の銃を持つ男
大草原の小さな家のオルソンさん
フレッド・ドレイパーを見逃すな
この3人の事務所が同じビルに!
LOS ANGELES COUNTY COURTHOUSE
ちょい役でお馴染みのフランク・エメット・バクスター
美容室の受付係はバーバラ・ローデス
ブティックの店員はキャサリン・ダーク
監督:ノーマン・ロイド
脚本:スティーブン・ボチコ
ベス・チャドウィック:スーザン・クラーク(声:小沢紗季子)
ピーター・ハミルトン:レスリー・ニールセン(声:柴田昌宏)
ブライス・チャドウィック:リチャード・アンダーソン(声:小林恭治)
チャドウィック夫人:ジェシー・ロイス・ランディス(声:鈴木光枝)
タクシー運転手:フレッド・ドレイパー
チャールズ:ジョエル・フルエレン
ヒルダ:フランセズ・ニアリー
重役フレッド:フランク・エメット・バクスター
重役:ミッキー・ゴールデン
美容室の受付係:バーバラ・ローデス
美容室の荷物運び:マイク・ラリー
バーテンダー:ジョン・フランシス
ブティックの店員:キャサリン・ダーク
ブティックの店員:コスモ・サルド
ブティックの客:レン・フェルバー
ウエイトレス:スーザン・バリスター
審査官:レイ・バラッド
傍聴人:マルシア・ウォレス
傍聴人:キャスリン・ジャンセン
加筆:2023年6月24日
8話「死の方程式」
- 刑事コロンボと「猿の惑星」特集記事。
- 女優「アン・フランシス」の出演作品。
- ロジャー・スタンフォード「フェラーリ・365・GTB/4」
爆死という壮絶な殺害手段
殺害方法は、自分の得意分野である「自家製爆弾」による爆死。バックナー社長が大雨の中で山道を移動する最中に起きたので、事故による二次的な爆発と思わせる作戦ですが、普通に考えれば路上での爆発と激突後の爆発では、その違いがわかるはずですよね。
犯人は「お馬鹿ちゃんキャラ」
動機や殺害状況など何れもロジャーを容疑者として、話が分かり易く進展しています。犯人が少々「お馬鹿ちゃんキャラ」な設定で、ちょっと騒がし過ぎかな~とも感じますが、時々見せるシリアスな表情が際立ちました。一説によるとお馬鹿な振りをしているだけなのかも…知れません。
その他のコロンボ作品にも出演する俳優を含め、豪華な顔ぶれ!
面白いので出演者を色々調べてみると…。
犯人役のロジャー・スタンフォード
被害者のバックナー社長
ロジャー・スタンフォードの秘書ビショップ
ロジャー・スタンフォードの叔母
クビになりかけたローガン副社長
という、ま~なんと奥の深いというか世間が狭いというかの豪華キャストでした~。
スタンフォード化学工業のロケ地
このエピソードの舞台になるスタンフォード化学工業(旧ユニオンカーバイドの工場)やロープウェイ(エリアル・トラムウェイ:2022年現在も営業中)は、ロサンゼルスの東方約180kmに位置するパーム・スプリングス周辺だと思われます。ですので、ロス市警殺人課の出る幕じゃないですよね、誰も死んでいないし、管轄も違う(笑)しかし、バックナー夫人は署長(おそらくロス市警?)に「えり抜きの刑事さん」をお願いしたそう。
短い導火線
ブログへのコメントを頂きました。原題の「Short Fuse」は「短い導火線=短気」のようなニュアンスだとのこと。「死の方程式」も良く出来た邦題ですが、「短い導火線」は、まさに犯人像とぴったりですね!
ロディ・マクドウォールの吹き替え
ロディ・マクドウォールの日本語版の声優は野沢那智さん。アラン・ドロン、アル・パチーノなど数々の有名俳優の声を担当されました。新コロンボ作品の46話「汚れた超能力」でも犯人のエリオット・ブレイクを担当されています。
ちなみに猿の惑星の「コーネリアス」は宇宙戦艦ヤマトの古代進役「富山敬」さん、ルパン三世で有名な「山田康雄」さんなどが担当したようです。
バックナーの屋敷で「お晩です」
バックナーの屋敷の運転手クインシーの部屋の外でこそこそ工作をするロジャーに、コロンボが「お晩です」と声をかけたのが面白い。「お晩です」という言葉!
案内役の巡査
一歩間違ったら大事故!
社長の運転手クインシー
「ギル・メレ(Gil Mellé)」の音楽が効いている
ギル・メレはサックス奏者で作曲家。画家や彫刻家としてもも知られるマルチな芸術家です。ギル・メレの音楽は場面にスピード感や緊張感を与えてくれます。その他、4話「指輪の爪あと」5話「ホリスター将軍のコレクション」でも彼の音楽を堪能できます。
監督:エドワード・エイブラムス
脚本:ジャクソン・ギリス
音楽:ギル・メレ
ロジャー・スタンフォード:ロディ・マクドウォール(声:野沢那智)
秘書ビショップ:アン・フランシス(声:翠準子)
ドリス・バックナー:アイダ・ルピノ(声:麻生美代子)
バックナー社長:ジェームズ・グレゴリー(声:大木民夫)
クインシー:ローレンス・クック
ローガン副社長:ウィリアム・ウィンダム(声:野村瀬正彦)
副社長秘書ナンシー:ロザリンド・マイルズ
ロープウェイの係員:マイク・ラリー
整備士ファーガソン:エディ・クィラン(声:たてかべ和也)
ファレル刑事:ルー・ブラウン(声:加藤治)
加筆:2022年8月14日
9話「パイルD-3の壁」
- 「ぼろんこの名作選」に選ばれています。
- 2021 NHK あなたが選ぶ!思い出のコロンボ[第5位]
- 2011 AXNミステリー 人気ランキング[第7位]
- エリオット・マーカム「メルセデス・ベンツ・コンバーチブル」
- ボー・ウィリアムソン「キャデラック・フリートウッド・エルドラド」
大胆な死体遺棄計画
緊張感の漂う掘り起こしシーン
秘書シャーマンさん
わかりやすい手掛かりが…
無駄だとは思わせないシーン
犯人を捕獲するエンディングは見事
このラストシーンのBGMは作曲家「ギル・メレ」によるもので、まさに4話「指輪の爪あと」と同じメロディーなのです!
ジャニス・ペイジ
パメラ・オースティン
ジョン・フィネガン
サングラスの作業員
モス医師
建築局では待たされたあげく…
行列に並ぶ男性1
行列に並ぶ男性2
エリオット・マーカムが聴いていたクラシック音楽
大草原の小さな家
ウィリアムソンの牧場
ウィリアムソンの牧場は、LA北西部のサウザンド・オークス近くにあります。この辺りは牧場や農場が多くあり、27話「逆転の構図」で「ガレスコ夫人が誘拐された農家」、65話「奇妙な助っ人」のマクベイ牧場もこの付近です。一方、エリオット・マーカムのオフィス、とパイルを掘り起こしたビルの建設現場は、ともにビバリーヒルズの南より(センチュリー・シティ周辺)に位置します。
監督:ピーター・フォーク
脚本:スティーブン・ボチコ
音楽:ギル・メレ(エンディングだけだと思われるが‥)
エリオット・マーカム:パトリック・オニール(声:川辺久造)
ボー・ウィリアムソン:フォレスト・タッカー(声:勝田久)
前妻ゴールディ:ジャニス・ペイジ(声:中西妙子)
妻ジェニファー:パメラ・オースティン
現場監督カール:ジョン・フィネガン(声:加藤治)
モス医師:ジョン・フィールダー
警備員:ニック・デニス
マーカムの秘書シャーマン:ベティー・アッカーマン
行列に並ぶ男性1:マイク・ラリー
行列に並ぶ男性3・工事現場の監視役:レン・フェルバー
建築局の職員:ロバート・ギボンズ(声:水鳥鉄夫)
モス医師:ジョン・フィードラー(声:水矢田稔)
白バイ警官:クリフ・カーネル
パーティ客:キャスリン・ジャンセン
加筆:2024年9月4日
10話「黒のエチュード」
- 「愛犬ドッグ」が初登場。
- ピーター・フォークの親友「ジョン・カサヴェテス」の出演作。
- ベネディクトはラストで「証言の時には‥」は言っていない(英語版)。
- アレックス・ベネディクト「ジャガーXK-E」 「ロールス・ロイス・シルバー・クラウドII」
2つのバージョンについて
75分と96分バージョンの違いについて
オーケストラの指揮者を演じたジョン・カサヴェテス
ベネディクトはイタリア系
完全犯罪とはほど遠い凡ミス
ジェニファーから離婚を迫られていたことが動機。ベネディクトはジェニファーの死を自殺に見せかけますが、現場で証拠品の「花」を落としてしまうという、推理作品で最低のミスを犯し、それが決め手となり逮捕されます。しかも、それを映像手法上で分かりやすく見せていて、最も重要なシーンを見逃させない工夫が施されています。おそらくこの作品、「決め手」を分かりやすく設定したことで、ドラマの側面を引き出しているのではないでしょうか。
サングラスに花が映るシーン [96mv]
一流の芸術家は色を好む?
芸術の世界で成功を収めているが、それに満足できず全てを失うリスクを知りつつ浮気に走るベネディクト。仕事での成功も、権力者の娘と結婚したことで得たもので、純粋な成功とは言い難い。ベートーヴェンやブラームスが色を好んだエピソードを楽しそうに語りますが事実はそれ程とも思えず、彼は「自分が色を好んでいる」ことを暗に肯定しているようにも見えます。ベートーヴェンは確かに女性を好んだようです。ブラームスはもう少し堅物な印象。両者とも生涯独身を通していて、ベネディクトのような既婚者の浮気性とは結びつきません。
一見、潔く逮捕されたように映るが‥
「ラストは潔い犯人」という意見も多くいただきますが、私はその反対の印象も持ちました。有罪を認めながらも妻ジャニスに「証言の時には、僕が愛していたことを思い出して」と、囁いています。夫が愛人を殺害した‥というショッキングな事実を突きつけられた直後に、その夫が裏切った妻に「裁判で自分に有利に働く証言」を求めているのです。その後の「チャオ!」までの言葉は確かに、潔く聞こえますが。最後にコロンボ警部が「フランク、もう一度回してよ。今のコンサート」という言葉で画面は止まりますが、後味の悪さを拭い去りたいような気分もしました。
なおこの「証言の時には、僕が愛していたことを思い出して」というセリフは英語版には無いとの情報をいただきました。ですので本来の作品は、日本語版より綺麗なエンディングだったのだと思われます。(加筆:2021年12月7日)
被害者について語る刑事 [96mv]
後任の刑事?は、マイラー刑事
美人ピアニスト、ジェニファー・ウェルズ
ジェニファー・ウェルズが最初に弾いていたピアノ曲
YouTube「ピアノ練習曲(エチュード)」ピアニストのジェニファー・ウェルズが夜のコンサートの指慣らしに弾いていたピアノ曲をパソコン演奏で再現しました。音楽もお好きな方は、こちらもご覧ください。(*ご注意:YouTubeへのリンクは音が出ます!)
ブログ・コメンテーターさんからの情報でこの曲は「バッハ Bach:平均律第1巻第15番ト長調 BWV860」であると判明しました。またこの曲は「練習曲(エチュード)ではない」と書いておりましたが、「練習曲」として分類されることが多いそうです。大変失礼いたしました。(加筆訂正:2021年11月26日)
ジェニファーが死ぬ直前に弾いたもう一つのピアノ曲
アレックスのリクエストでジェニファーが死ぬ直前に弾いた‥最後の曲「ショパン練習曲作品25-1(エオリアン・ハープ)」。10年以上ブログを書いていて、これを見逃していたのは本当に罪深いです…。今反省しながら所有している音源ポリーニの1972年の演奏を聴いています。(加筆:2021年11月25日)
妻ジャニス役ブライス・ダナーが印象的
娘はオスカー女優「グウィネス・パルトロー」。
ジャニスとカレンがお揃い
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」の第4楽章
冒頭のベネディクト邸内やがコンサートで彼が指揮する交響曲は、ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」の第4楽章。この交響曲はベートーヴェンが唯一自分で「田園」と名付けた標題音楽的作品で、第4楽章は激しい雷雨・嵐の様子を表現しています。
→ 劇中で使われた印象的なクラシック音楽
モーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」第4楽章
もう1曲はモーツァルトのセレナーデ「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の第4楽章。この2曲の演奏会であればかなり「ベタ」な演奏曲目ですが、本作ではともに「最もポピュラーな楽章」ではない楽章を採用していて、興味深いです。ちなみに両曲とも「第1楽章が最も有名」。
ピアニストが活躍する曲は?何だったのか…
ピアニストのジェニファー・ウェルズがドタキャンした…コンサートの本来の演奏予定曲目を大胆予想してみました。お遊び的な予想ですので、間違いかもしれません。
ベートーヴェン ピアノ協奏曲 第5番「皇帝」
根拠はジェニファーが来れなくなった時ベネディクトは、「ベートーヴェンなら稽古済みだ(ベートーヴェンをピアノ無しの曲に差し替える)」と言っていること。そしてこの日のコンサートは「ベネディクト指揮 若者のための週末コンサート」であったこと。ベートーヴェンの有名なピアノ曲といえば「皇帝」でしょうね。
野外音楽ホール:ハリウッドボウルが舞台
犯人の職業がオーケストラの指揮者ということで、映像が華やかですね。そしてドラマの舞台がハリウッドボウルという美しい野外音楽ホールを中心に展開していること。このシチュエーションのパワーは大きいと思います。
→ハリウッドボウルの場所(PC)
コロンボ警部が演奏していた曲
コンサート会場で独りピアノを演奏していたコロンボ警部はベネディクトから「チョップスティック(曲名)は何十年ぶりに見た」と言われました。素人でも両手の人差し指だけで演奏できるのを、少し馬鹿にされた感じでした。チョップスティックとは「お箸(はし)」で、まるでお箸で弾いているような曲という意味です。
その後で、タイプライターの矛盾の指摘から始まり、修理に出した車の走行距離が15km増えた件に触れ、正式に他殺(殺し)事件として担当することになったと、切り返したのはスカッとしました。この話の流れだと警察は完全に「犯人=ベネディクト」と決めつけている感じですよね。
全編に流れる素敵な音楽
クラシック音楽を扱ったエピソードで、BGMもピアノ中心のクラシカルな曲でした。この「黒のエチュード」からスタートした「第2シーズン」。音楽監督を「ハル・ムーニー」が担当することになり、雰囲気が変わりました。私は大好きです。
→第2~第3シーズンの作品で使われるピアノBGM
第2~第3シーズンの不思議なピアノ曲
YouTube「不思議なピアノ曲」刑事コロンボの第2~第3シーズン「黒のエチュード」「偶像のレクイエム」「絶たれた音」「毒のある花」などで多用された「不思議な雰囲気を持ったピアノ曲」を再現しています。音楽もお好きな方は、こちらもご覧ください。(*ご注意:YouTubeへのリンクは音が出ます!)
あのビートルズもコンサートを行ったハリウッドボウル
そのシーンもハリウッドボウルで撮影されていますが、このハリウッドボウルは私の大好きなビートルズ(イギリスのロックバンド)が1964年と1965年にライブコンサートをしていて、その様子は「The Beatles At The Hollywood Bowl」として当時ビートルズ唯一の公式ライブアルバムとして発表されています。
トランペットのポール・リフキン
LAのジャズの店と、ロンドンの蝋人形館が同一!
10話「黒のエチュード」で容疑をかけられるポールが演奏するLAのジャズの店と、13話「ロンドンの傘」の蝋人形館は同じ場所です。大胆な演出ですよね!(ブログゲストさんの発見でした)
ベンソン獣医
パット・モリタ [96mv]
コロンボ警部の年収が判明 [96mv]
アレックス・ベネディクト宅での会話、コロンボ警部の年収は自身が「1万1000ドル」であると口にしています。1972年当時の1ドルを約305円としますと、約335万円。そして消費者物価指数などを加味すると…600万円弱。という感じでしょうか。同情するほどの薄給ではありません。容疑者の方々がとてもセレブですので、差を感じますが。
→コロンボ警部の年収
楽団のビリー・ジョーンズ
新聞社のエベレットがワイン屋のオヤジ! [96mv]
新聞社のダーキーはドッグの校長先生 [96mv]
また2話「死者の身代金」の捜査員としても出演していますが、この役は印象が薄いです。
修理工場のマイク
詳しくはコロンボマップ「ハリウッドボウルから修理工場」をご覧ください。
修理工場向かいのスタジオは閉店か?
コロンボが修理工場を訪れるシーンで、ベネディクトが居た時と去った後では状況が一変!まずコロンボ警部がよそよそしく再登場します。クラシックカーの置いてあった場所がかなり手前に変わっていて、道路沿いに警部のプジョーが出現。そして道向かいの「レコーディング・スタジオ」が閉店し、別の店に変わっています。(ブログゲストさんの発見でした)
ポールを吊るし上げる理事会の女性。
交響楽団の理事長は大女優。
ショパンはインコではない!
隣の女の子オードリー
監督:ニコラス・コラサント
脚本:スティーブン・ボチコ
音楽:ディック・デ・ベネディクティス
アレックス・ベネディクト:ジョン・カサヴェテス(声:阪脩)
ジャニス・ベネディクト:ブライス・ダナー(声:寺田路恵)
ジェニファー・ウエルズ:アンジャネット・カマー(声:有馬瑞香)
リジー・フィールディング:マーナ・ロイ(声:麻生美代子)
ビリー・ジョーンズ:ジェームス・マッキーチン(声:笹岡繁蔵)
ポール・リフキン:ジェームズ・オルソン(声:野島昭生)
オードリー:ドーン・フレーム(声:冨永みーな)
刑事:ヘンリー・ベックマン
マイラー刑事:ルー・ノヴァ
ベンソン獣医:マイケル・フォックス(声:今西正男)
新聞社ダーキー:チャールズ・マコーレイ
新聞社エベレット:ジョージ・ゲインズ
ベネディクト家の使用人:パット・モリタ
修理工マイク・アレクサンダー:ドン・ナイト
修理工フランク:マイク・ラリー
理事:ダイアン・ターレイ・トラヴィス
リサイタル客:エリザベス・ハロワー
レストラン客:キャスリン・ジャンセン
大幅に加筆:2021年12月7日
少し加筆:2024年8月28日
11話「悪の温室」
- 「オスカー俳優レイ・ミランド」の主演映画「失われた週末」を観て。
- 「ウイルソン刑事」が初登場。
- コロンボ警部は「ビリヤードが得意」の記事。
- ジャービス・グッドイン「ベントレーS2」
- トニー・グッドイン「ジャガーXK-E」
ランの栽培家ジャービス・グッドウィンは、莫大な遺産を受け継いだ甥トニーの狂言誘拐を計画。成功の後、甥を射殺し身代金を横取りしたというお話。事件の背景にはおそらく「ランの栽培で儲かっていない」「甥の嫁の素行に腹を立てていた」ということもあるのでしょう。(原語では「グッドランド(Goodland)」という姓が正式なようです)
レイ・ミランドがピカイチ!
グッドウィン伯父さんは毒舌を連射
犯人のジャービス・グッドウィン伯父さん(レイ・ミランド)は、数在るコロンボシリーズの犯人中、もっとも「ひねくれた性格」だったとも言えます。口を開く度に「憎まれ口」を連射。とにかく口が悪い人でした。それがミランドの表情・台詞と相まって、独特な悪人像を作り出していましたね。日本語版の臼井正明さんも良かったのでしょうね、音声言語を切り替えてみても違和感が全くなかったです。車の襲撃を偽装するために銃を構えたグッドウィン伯父さんがトニーに向かって「どいてくださらんか、坊や」と吐き付ける台詞は見事。
オスカー俳優レイ・ミランド
決め手となった「第3の弾」
コロンボがジャービスの温室で「金属探知機」を使って発見した「第3の弾」は事件解決の決め手になりました。が、よく考えてみますと‥ジャービスの銃(未登録)とキャシーの銃(登録済)をすり替えても、銃違いでバレちゃうのでは?とも、思いますね。銃本体にシリアル番号など、あるでしょう?
ウイルソン刑事
事件現場での転落シーンは早回し?
テレビ番組で三谷幸喜氏が語っていた「転落シーン」は、何度見ても笑えますね。自分には少し早回しで再生しているのではないか?と思えました。転落後にそのまま撮影が続いていることから、アクシデントではなく「狙って作ったシーン」だと考えましたが、それにしても凄い!刑事コロンボはアクションシーンに頼らず、ストイックな程「犯人と刑事の会話」にこだわったドラマですが、こうした「ユニークで笑えるシーン」を盛り込むことにも情熱を注いでいますね。
グローバー刑事は万年ヒラか?
被害者の夫人キャシーの家宅捜査で年下のウイルソン刑事から手足のように使われて、少し気分を害していたのでしょう。その後コロンボ警部の言いつけで弾道検査の報告を持ち込みむ際に、少し自慢げな顔を見せていました。
被害者のトニー・グッドウィン
妻のキャッシーも強者(つわもの)
ストーリー後半で夫殺しの容疑(濡れ衣)をかけられた妻キャシーが警察本部に連行される途中に、ジャービス・グッドウィン邸に呼び戻されて…
コロンボ警部「奥さん今晩は。お疲れでしょう、とにかく…おかけください」
キャシー「いいえ結構、私立ってます。(どうせ)刑務所に入ればゆっくり休めるんではありませんこと?」と突っ込んだのは、鋭い切れ味でした。
邦題は「悪の温床(おんしょう)」のパロディ
悪の温床とは、悪人・悪事や悪い思想を助長する場所のような意味で使われます。それを「温室」とかえて邦題化したのでしょうが、ジャービス・グッドウィンの悪人ぶりとイメージが合致して、こっけいで可愛い印象すら与えています(笑)
「不気味とユーモア」両極端な印象の不思議な作風
お気づきとは思いますが、この作品の特長として「不気味な音楽」を挙げたいと思います。しかしその反面、セリフは皮肉やユーモアに溢れています。この両極端な2つの要素が独特な雰囲気を醸しています。
可愛らしい「グロリア・ウエスト」
宇宙大作戦とサンドラ・スミス
宇宙大作戦とアーリーン・マーテル
同じマンションに住んでいる?
マリーナ・デル・レイ
キャッシー夫人のヨットハーバーは「マリーナ・デル・レイ」で、31話「5時30分の目撃者」のマーク・コリアーのヨットハーバーと同じ場所です。
マリーナ・デル・レイ
監督:ボリス・セイガル
脚本:ジョナサン・ラティマー
音楽:オリヴァー・ネルソン
ジャービス・グッドウィン:レイ・ミランド(声:臼井正明)
フレデリック・ウイルソン刑事:ボブ・ディシー(声:野本礼三)
トニー(アンソニー)・グッドウィン:ブラッドフォード・ディルマン(声:山田康雄)
キャシー・グッドウィン:サンドラ・スミス(声:阪口美奈子)
グロリア・ウエスト:アーリーン・マーテル(声:北浜晴子)
ケン・ニコルズ:ウイリアム・スミス(声:津嘉山正種)
グローバー刑事:ロバート・カーンズ(声:寺島幹夫)
加筆:2023年1月4日
12話「アリバイのダイヤル」
- 犯人役ゲストスター「ロバート・カルプ」特集記事。
- 妻シャーリーは「クリンゴン人」だった?
- 「エアオールウェイの豪邸」同じ家の特集記事。
- ポール・ハンロン「リンカーン・コンチネンタル・エグゼクティブ・リムジン」
犯人ポール・ハンロンの殺害動機
俳優ロバート・カルプの魅力
ロバート・カルプが毎回同じファッションをしている件
詳しくは知りませんが、このロバート・カルプを起用するという前提で、話が展開してゆくと言っても過言ではありません。作品の良し悪しとしては、秀作の4話「指輪の爪あと」を上回るかどうか判断できませんが、今回のカルプは「指輪の爪あと」を凌ぐ迫真の演技です。
「目で語る」演技の応酬
そして最後に、ハンロンの犯行を暴いたコロンボとハンロンの目での語り合い。これらの演技を発見できなければ、この作品の良さは理解できない気がします。
数々の布石
置時計の音がアリバイ崩しの決定打となりますが、「時計が壊れていた」と開き直ることも十分できたでしょう。しかし、もう逃げられない…。と観念させるシチュエーション作り、これがコロンボ警部の真骨頂なのです。それには、数々の布石が存在します。よく見ると、画面背景に何度も登場する置時計。「カルキ臭のしない不自然さ」から始まり、「インターフェアー後の電話」「アイスクリーム売りの車」の発見など。
犯人の「気がかり」を「手がかり」に
一度見ただけでは気付きにくい、ピーターフォークのさりげない演技。
さらに、強烈な一打。これが最大の打撃です。ハンロンはどんな場面でも、フットボール中継のボリュームを消さないのに「カルキ臭のしない不自然さ」を見抜かれた時に、音を消した。それを初訪問で見破っているコロンボ警部。脱帽です。このシーンを見返すと一瞬コロンボの顔が変わって、「今は、これ以上お邪魔しません」と聴取を切り上げています。明らかにハンロンを犯人だと断定した瞬間だと思われます。
見事なエンディング描写
最後のシーンでは、このような今までに遭遇したことも無い程の頭脳と観察眼を持ったヨレヨレ刑事に、崖っぷちまで追い込まれ、その表情により「自分が犯人でございます」と言わされたハンロン=ロバート・カルプの演技が圧巻、というわけです。テープレコーダーが再生し終わり、空回りするエンディングは素晴らしかったですね。
ディーン・ストックウェル
ヴァル・アヴェリー
盗聴された場所について
勘違いしそうになりますが、スタジアム内の専用ボックス席は、盗聴されていません。ここは、ロケットの試合がある時だけ使われる部屋で、ハンロンのオフィスは別の場所です。
リゾコーチは
ヴァレリー・ハーパー
旅行会社のフレモント氏
クレメンス刑事はクリフ・カーネル
クリンゴン人マーラ
コロンボ警部持参の魔法瓶
→刑事コロンボと魔法瓶
エリック・ワグナー邸はケン・フランクリン邸と同じ
エリック・ワグナー邸は、この他にも「構想の死角」のケン・フランクリン邸としても登場します。長年スタール邸だと勘違いしていましたが、ベルエア地区にある別の家で、「権力の墓穴」のマーク・ハルプリン次長宅に近いです。
エアオールウェイの豪邸
ポール・ハンロンがアイスクリームの車で訪れるシーン(左)。グーグルアース(右)で見た、この道沿いに車を停めたのだと思われます。個人情報になりますので、現在の家の形は掲載していません。
オーシャン・サイド・イースト・カフェ
12
41
探偵ダブスとコロンボ警部が会う店は、「オーシャン・サイド・イースト・カフェ」です。駐車場の階段を降りた所にお店があります。この階段は41話「死者のメッセージ」で犬の散歩中にアビゲイル・ミッチェルに出くわす、海岸沿いのデッキと同じ(あるいは近い)場所です。手すりの色が違いますが、5年経っているので、取り替えられたのかな。
監督:ジェレミー・ケイガン
脚本:ジョン・デュガン
ポール・ハンロン:ロバート・カルプ(声:梅野泰靖)
エリック・ワグナー:ディーン・ストックウェル(声:森功至)
シャーリー・ワグナー:スーザン・ホワード(声:武藤礼子)
ウォルター・キャネル弁護士:ディーン・ジャガー(声:真木恭介)
ラリー・リゾ コーチ:ジェームズ・グレゴリー(声:富田耕生)
イブ・バブコック:ヴァレリー・ハーパー(声:荒砂ゆき)
秘書:キャシー・ケリー・ウィジェット
探偵ラルフ・ダブス:ヴァル・アヴェリー(声:塩見竜介)
クレメンス刑事:クリフ・カーネル
旅行会社のフレモント:リチャード・スタル(声:谷口節)
フットボール実況(声:塩見竜介)
副検視官:ドン・キーファー
加筆:2023年1月14日
13話「ロンドンの傘」
- 小池朝雄さんの声が、やたらハスキー。
- 「人気ランキング」上位の作品。
- 2021 NHK あなたが選ぶ!思い出のコロンボ[第7位]
- 2011 AXNミステリー 人気ランキング[第6位]
- ニコラス・フレイム「モーガン・プラス4」
- ダーク刑事部長「ジャガー・XJ6・シリーズI」
- サー・ロジャー・ハビシャム「ベントレーS2」
往年の人気舞台俳優、ニックとリリアン夫妻は業界に君臨するプロデューサーのサー・ロジャーを死なせてしまう。それをロンドン視察旅行中のコロンボが解決するというお話。
意外と人気が高い作品…
海外ロケということもあり「ハメを外した」作品と言えるかも知れません。が、何度も見返すと、作品の持った心地よい雰囲気を理解できるようになります。この「ロンドンの傘」は私の個人的な評価よりもはるかに人気の高い作品で、ぼろんこ独自調査の人気ランク8位に入っています。(2015年4月現在)→人気作品ランキング
犯人の俳優夫妻
大草原の小さな家
自白したのはニコラスではなく、リリアン。
コロンボ警部は、証拠をねつ造!
さて、この「証拠ねつ造」ですが、実は蝋人形館のジョーンズ(ロナルド・ロング)も一役買っている気がしますが、いかがでしょうか? ラスト直前のシーンでのジョーンズの仕草は、何か不自然でそわそわしています。サー・ロジャーの人形の腕に展示された傘は「綺麗に巻かれて」いませんしね。これはコロンボに頼まれて、そうしたのでは?
サー・ロジャー・ハビシャム:ジョン・ウィリアムズ
ウィルフリッド・ハイド=ホワイトが素敵
バーナード・フォックス
奥様は魔女の「ドクター・ボンベイ」
小池朝雄さんは、もの凄く声が枯れていた。
本題には関係ないことですが、今回の小池朝雄さんは、すごい声でした。お風邪を召されていたか、また 一説によると舞台のお仕事で喉を痛めたとか‥。ただし後半でコロンボ警部自身も「どうも今日は『のど』がね‥」と、せきばらいをしました。偶然?ピーター・フォークも喉の調子が悪かったのか。小池さんのかすれた声は、これに調子を合わせるための演技だという説もありますが、本当かな(笑)。
岸田今日子さんが素敵。
リリアン・スタンホープの吹き替えはムーミンなどでもお馴染みの女優:岸田今日子さん。岸田さん亡き今、このロンドンの傘を見るたびに、この素晴らしい声色と台詞まわしで、彼女を感じることができます。時にはオナー・ブラックマンが岸田さんに見えてくるのです。
空港でスリと間違われる。
劇団のミス・ダドリー
楽屋番のフェンウィック
ウォーカー・エドミストン
LAのジャズの店と、ロンドンの蝋人形館が同一!
10話「黒のエチュード」で容疑をかけられるポールが演奏するLAのジャズの店と、13話「ロンドンの傘」の蝋人形館は同じ場所です。大胆な演出ですよね!(ブログゲストさんの発見でした)
リリアンはボンドガール
監督:リチャード・クワイン
脚本:ジャクソン・ギリス
ニコラス・フレイム:リチャード・ベイスハート(声:高橋昌也)
リリアン・スタンホープ:オナー・ブラックマン(声:岸田今日子)
サー・ロジャー・ハビシャム:ジョン・ウィリアムズ(声:辻村真人)
執事タナー:ウィルフリッド・ハイド=ホワイト(声:松村彦次郎)
ウィリアム・ダーク犯罪捜査局刑事部長:バーナード・フォックス(声:西田昭市)
オキーフ刑事:ジョン・フレイザー(声:納谷六朗)
ジョー・フェンウィック:アーサー・マレット(声:矢田稔)
ジョーンズ:ロナルド・ロング(声:西尾徳)
ミス・ダドリー:シャロン・ヨハンセン
地元の巡査:ジョン・オーチャード
メイド:ヴェロニカ・アンダーソン
空港の女性:キャスリン・ジャンセン
葬儀参列者:レン・フェルバー
パーティ客:エセルレッド・レオポルド
加筆:2021年12月19日
14話「偶像のレクイエム」
- 作品そのものも面白いが、出演者情報がすごい。
- 映画「イヴの総て」を観て。
- ノーラ・チャンドラー「リンカーン・コンチネンタル74A」 「シボレー・シビル・マリブ」 「ダッジ・コロネット」
- ジェリー・パークス「ジャガーXK-E」
- ジーン・デービス「トライアンフ・スピットファイア」
往年の大女優であるノーラ・チャンドラーが長年パートナーとして秘書を務めたジーン・デービスを車ごと爆破して殺害。
シリーズきっての大スター役
フランク・ロイド・ライトの孫娘
また、調べているうちにわかったのですが、アン・バクスターの祖父(母の父)は、有名な建築家「フランク・ロイド・ライト」だということで、びっくり仰天ですね。
メル・ファーラーは凄いのだ
過去の共演者の名前に驚くなかれ
本当は誰を殺したかったのか、分からない…
14話という初期作品なのですが、倒叙法(最初から犯人が分かっている)を原則としながらも「本当は誰を殺したかったのか、分からない…」という興味深いストリー展開となっています。おそらくこの作品を見た人の多くは、ゴシップ記事作家の「ジェリー・パークス」を殺そうとして誤って秘書を殺してしまった…と思ったでしょう。でも、もしそうであれば生き残ったパークスが「ノーラが自分を殺そうとしていた」と告発すれば、一気に容疑が固まるわけです。この二人の「くされ縁的な不利害関係」が前提として、物語は考えられていて、非常に「深い」ものを感じました。
大女優が演じ続けていたもの
その背景には「ノーラが12年前に当時の夫を殺してしまった」ことも隠れているので、話がさらに複雑になり、ちょっとボケちゃってるのかも。ただ単に「往年の大女優が誇りを守るために殺人を犯した」だけでも、充分ストーリー展開できる気がしました。12年前にすでに殺人を犯していて、その後何喰わぬ顔でスターを演じていた…大女優?というオチでしょうか。
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2020年に、久々に再見して‥
今夜パークスは書店でのサイン会があり、その後ふたりは一緒に過ごすつもりだった。ジーンは約束ようにパーティの準備ができないことを、書店のパークスに伝えに行く。その隙にノーラはジーンの車のタイヤをパンクさせる。(午後8時少し前か:もうけっこう暗い!)
パークスの証言では本屋でジーンに会った点、まだお使いを何も済ませていなかった様子。このシーンがもっと明るかったら、良かったかもね!同じ夜の出来事とは思えない。
考えられるシナリオ‥
パークスとジーンの二人とも死んでもらわないと、リスキーな証人が残ってしまいます。先にジーンを殺す。パークスはずる賢いからノーラを犯人としてしまうより、もっと本格的に恐喝してくると踏んだ。(本当にはジーンを愛していないから)そして時期をずらして、パークスを殺す。
車が全部違う‥
ジーンの殺害に使った車が濃いグリーンメタリック(に見える)、ノーラの車が褐色のメタリック、パークスを跳ねた車がブルーメタリック(に見える)。
結局、考え出したら夜も眠れなくなりそうです(笑)
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愛車プジョーの汚れ方が尋常でない
セレブな犯人たちは、こぞってこの車を「ボロ車」と見下しますが、大女優:ノーラ・チャンドラーがこの「愛車プジョー・403コンバーチブル」に同乗したのは奇跡かもしれません。しかもこの時のボディの汚れ具合は尋常ではありません。どう見ても演出上、わざと汚しています(笑)
ジェフリー刑事
ファロン所長
イーディス・ヘッドさん
映画「イヴの総て」
Tクラブ会員とは?
Tクラブとはフリーメーソンの外郭団体「シュライン」を意味するそうです。
第2~第3シーズンの不思議なピアノ曲
YouTube「不思議なピアノ曲」刑事コロンボの第2~第3シーズン「黒のエチュード」「偶像のレクイエム」「絶たれた音」「毒のある花」などで多用された「不思議な雰囲気を持ったピアノ曲」を再現しています。音楽もお好きな方は、こちらもご覧ください。(*ご注意:YouTubeへのリンクは音が出ます!)
監督:リチャード・クワイン
脚本:ジャクソン・ギリス
ノーラ・チャンドラー:アン・バクスター(声:藤波京子)
ジェリー・パークス:メル・ファーラー(声:小山田宗徳)
ジーン・デービス:ピパ・スコット(声:牧野和子)
フランク・シモンズ:ケビン・マッカーシー(声:家弓家正)
ファロン所長:フランク・コンバース(声:西山連)
イーディス・ヘッド:イーディス・ヘッド
ジェフリー刑事:ウイリアム・ブライアント(声:寺島幹夫)
聴取される女性:ダイアン・ ターレイ・トラヴィス
撮影所の警備員:マイク・ラリー
撮影所の門番:ジャック・グリフィン
見物人:レン・フェルバー
見物人:トニー・レーガン
加筆:2020年8月2日
15話「溶ける糸」
- 2021 NHK あなたが選ぶ!思い出のコロンボ[第4位]
- 2011 AXNミステリー 人気ランキング[第4位]
- 宇宙大作戦(スタートレック)と刑事コロンボ。
- 女優「アン・フランシス」の出演作品。
- バリー・メイフィールド「メルセデス・ベンツ」
ご存知、スタートレックのMr.スポックの登場
日本語吹替版
吹き替えがテレビでお馴染みのMr.スポックの声(久松保夫さん)だったらな~って、欲もありますが、残念。ちなみに久松保夫さんは、5話「ホリスター将軍」の役をされましたね。
コロンボシリーズ中「最悪の人物」
私の印象としては「動機不十分」です。がしかし、それを上回るメイフィールドの悪人像は強烈です。自分を信頼してくれている恩師ハイデマン博士を殺害しようと計画。しかし、そのトリックを手術助手のシャロンに見抜かれそうになると一転、シャロンを殺害。この殺害が予期せぬ行動となり、コロンボ警部に矛盾を次々に暴かれてゆきます。そして、そのシャロン殺害をハリー・アレキザンダーなる元麻薬常習者の犯行に見せかけるため、アレキザンダーを殺害するという、凄まじい殺人鬼ぶりです。
「非論理的」って台詞すら出なかったが…冷静沈着なMr.スポック。
その犯行がすべて「沈着冷静で論理的?」に淡々と行われます。スタートレックでのMr.スポックとイメージがダブって、より一層ストーリーを引き締めていますね。しかしその冷静さが、コロンボ警部の目に止まり容疑者と特定され、しかも未遂に終わるハイデマン博士殺害計画の証拠を、博士の体内より引き出させてしまうという…コロンボファンにとっては美味しすぎる展開。そしてラストシーンも、この作品に相応しく「完璧に楽しめる」ものだったと言えるでしょう。
コロンボと犯人の対決を堪能できる作品
この「溶ける糸」では犯人の冷酷な連続殺人に対し、コロンボ警部が心からの怒りをぶちまけ「対決」宣言し、ラストシーンを向かえます。「コロンボ警部」対「頭脳明晰な犯人」という刑事コロンボシリーズの最大の醍醐味が最も良く表現された作品の一つです。この雰囲気(犯行後にも裏付け工作などをする…etc.)を持った作品としては、16話「断たれた音」も大好きです。
その反面、6話「二枚のドガの絵」、20話「野望の果て」、25話「権力の墓穴」などは、犯人が「少し間抜けで滑稽に感じる」「よせば良いのに…自分から罠にハマって来る」もので、別の意味で楽しめる作品です。
アン・フランシスが好演
一番好きな殺害シーン。
不謹慎な表現になりますが、刑事コロンボシリーズで一番好きな殺害シーンは?と聞かれたら‥本作の「シャロン殺害シーン」だと、答えるかもしれません。病院の駐車場、勤務を終えたシャロンの車に忍び寄るメイフィールド。シャロンは彼の殺気に気づき「私を殺すの?本気なの?」という恐怖を訴え、直後にバッグとキーが地面に落ちる。絶叫も流血もない。そのあと眠そうなコロンボ警部が現場検証にやってくる。これぞ刑事コロンボの絵作りですね!
ゆで卵が大好きなコロンボ警部
フローレス刑事
ハイデマン博士
ニタ・タルボットも可愛い
看護師モーガン
ハリー・アレキザンダー
病院の清掃係
こちらは清掃のおばちゃん
溶ける糸の解説をするポール医師
決め手となった溶ける糸
メイフィールドが「コロンボのポケットで見つかった溶ける糸」に見覚えが無い…としらを切った場合は?という質問コメントを頂き加筆します。
糸には…
ハイデマン博士の血液が付着している。
染色して溶けない糸に見せかけている。
メイフィールド医師がコロンボのポケットに糸を放り入れた…ことは認めなくても、糸の存在が決定的証拠となりそうです。だからメイフィールドは、溶ける糸を処分したかった。その一時的な隠し場所が、コロンボのポケットというわけです。もしハイデマン博士が溶ける糸の影響で死亡すれば検死解剖により、メイフィールド医師が殺害目的に使用したことはバレてしまいます。リスク覚悟で溶ける前に体内から取り出そうと決めたわけです。
病棟のエレベーターが同じ!
15話「溶ける糸」と、16話「断たれた音」の病棟のエレベーターは同じでした。廊下の天井の照明の配列が似ていますが、色が違って見えます。内装の配色も、溶ける糸は地味で断たれた音はかなり派手なので、同じ病院かどうかは、定かではありません。詳しくは「皆さん同じ病院に入院?」をご覧ください。
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音楽担当はビリー・ゴールデンバーグ
メイフィールド邸でのパーティで使われているBGM、特にコロンボ警部の車が走っている場面でよく聞こえます。この音楽は2話「死者の身代金のテーマ」と同じです!作曲家は「ビリー・ゴールデンバーグ」。70年代っぽいポップなサウンドなので、聞いてみてください。
監督:ハイ・アヴァーバック
脚本:シリル・ヘンドリックス
音楽:ビリー・ゴールデンバーグ
バリー・メイフィールド医師:レナード・ニモイ(声:天田俊明)
シャロン・マーチン看護婦:アン・フランシス(声:翠準子)
エドモンド・ハイデマン博士:ウィル・ギア(声:巖金四郎)
マーシャ・ダルトン:ニタ・タルボット(声:佐原妙子)
ハリー・アレキザンダー:ジャレッド・マーティン(声:津嘉山正種)
フローレス刑事:ビクター・ミラン
ポール医師:ケン・サンソム
シンプソン医師:マレイ・マクリード
ミケルソン医師:レオナルド・サイモン
外科医:トニー・レーガン
外科医:ロバート・バッキンガム
看護師モーガン:アネタ・コルソー(声:沢田敏子)
私服刑事:マイク・ラリー
警察官:ゲーリー・ライト
警察官:ボブ・ハークス
清掃婦:パトシー・ギャレット
清掃係:バート・グリーン
加筆:2024年9月3日
16話「断たれた音」
- 「ぼろんこの名作選」に選ばれています。
- 「愛犬ドッグ」の出演作品。
チェスのチャンピオンである「エメット・クレイトン」だが、かつてのチャンピオン「トムリン・デューディック」氏が復帰し、自分に挑戦して来たことに恐怖し、夢にうなされる有様。対決前夜にレストランで二人きりで勝負するが、あえなく敗北したクレイトンはデューデックの殺害を決意します。密会対決での敗北に、二人の実力差を思い知ったためです。
最高級の犯人役:ローレンス・ハーヴェイ
しかし、それを上回るコロンボ警部の「着眼点」には恐れ入ります。「便せんでなくメモ用紙」「入れ歯なのに歯ブラシ」など、被害者をよく知らなければ気がつかない点を見逃しません。さらに「ボールペンのインク」への着眼は流石だと言えます。
卑怯な勝負師
冒頭の夢のシーンでもわかるように、クレイトンは自分の今の地位「チェスのチャンピオン」からの陥落を非常に恐れ、半ばノイローゼ気味になっています。自分は将棋が好きで名人戦など良くテレビで観戦するのですが、勝負ごとには必ず勝者と敗者ができるわけで、負けた時の潔さも含めた品格を問われる分野でもあると思います。クレイトンはそれを逸脱していました。今回の挑戦者トムリン・デューディック氏は、好敵手とて堂々と闘った結果に破れたとしても十分納得できた相手であったはずです。
頭が良く、自信過剰な犯人との対決劇
ストーリー展開の中で、しつこいコロンボ警部と頭脳明晰な犯人とのやりとりも、刑事コロンボシリーズ中で最高評価に近い醍醐味を与えてくれました。それにしてもクレイトン氏はもちろん相当な頭脳の持ち主ではありますが、棋士としてはかなり「短気で怒りっぽい」性格ですね。将棋などのテレビ中継を見る限り、戦いの後はどちらが勝者・敗者であるか見分けられないこともあるほど、棋士はあまり本当の感情を出さないものですが、これは日本人特有なのでしょうか。
逆・筆記用具忘れ!
普段筆記用具を忘れて人から借りる癖があるコロンボですが、今回は何と、記憶力抜群のクレイトンがボールペンを忘れ、それをコロンボが本人に届けます。しかも…こっそり「試し書き」をしてから返すところが流石。
→コロンボはよく「筆記用具を忘れる」件
名台詞「縦から見ても、横から見ても」
この話で興味深い展開となっている最大の要因は「殺そうと思ったが失敗した」点につきるかと思います。なぜ失敗したか?はラストシーンに集約されます。解決編では、決定的な物的証拠を見せるには至りませんが「縦から見ても、横から見ても、耳の聴こえない人物が犯人である」という、コロンボの警部の名台詞で結ばせたことで、この作品の品格を決定的に高めてくれていると感心します。
元チェス王座のトムリン・デューディック
俳優ジャック・クリューシェンはカナダ人
デューディック氏一行はチェコ人?
元婚約者の名前が不可解
同行する医師
ダグラス刑事
フランス料理店のオーナー
塩とコショウで始まったテーブルクロス・チェス
獣医ドクター・ベンソンが可愛い
赤いヘルメットが似合う男
デューディックのホテルの記者
エキストラ俳優ゲーリー・ライト
エキストラ俳優ボブ・ホークス
病院の女性看護師
これがハーヴェイの遺作となった
ローレンス・ハーヴェイは胃癌が悪化していて、刑事コロンボの撮影中もかなり体調が悪く、食事も喉を通らない様子でした。そして1973年11月25日に亡くなりました(享年45歳)。奇しくも日本では、その夜にNHKで「断たれた音」が放送されたそうです。調べてみると彼はリトアニア出身ということで、むしろこっちの方が東側の人なのかもしれません。
彼には「ドミノ・ハーヴェイ」という実娘がおり、2005年の映画「ドミノ」で実名の主人公(演:キーラ・ナイトレイ)として描かれています。ストーリーも幼くして俳優の父が急死したあらすじ。しかしドミノ・ハーヴェイは、この映画完成の直前に35歳の若さでこの世を去っています。なんとも薄命な父娘‥。
第2~第3シーズンの不思議なピアノ曲
YouTube「不思議なピアノ曲」刑事コロンボの第2~第3シーズン「黒のエチュード」「偶像のレクイエム」「絶たれた音」「毒のある花」などで多用された「不思議な雰囲気を持ったピアノ曲」を再現しています。音楽もお好きな方は、こちらもご覧ください。(*ご注意:YouTubeへのリンクは音が出ます!)
デューディックが運び込まれた病院
バレー・プレスビティリアン病院(GoogleMaps)
病棟のエレベーターが同じ!
15話「溶ける糸」と、16話「断たれた音」の病棟のエレベーターは同じでした。廊下の天井の照明の配列が似ていますが、色が違って見えます。内装の配色も、溶ける糸は地味で断たれた音はかなり派手なので、同じ病院かどうかは、定かではありません。。
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監督:エドワード・M・エイブラムス
脚本:ジャクソン・ギリス
音楽:ディック・デ・ベネディクティス
エメット・クレイトン:ローレンス・ハーヴェイ(声:小笠原良知)
トムリン・デューディック:ジャック・クリューシェン(声:松村彦次郎)
ベロスキー:ロイド・ボックナー(声:宮田光)
リンダ・ロビンソン:ハイジ・ブリュール
獣医ドクター・ベンソン:マイケル・フォックス(声:今西正男)
アントン医師:マティアス・レイツ
フランス料理店のオーナー:オスカー・ベレギ・ジュニア
粉砕機の作業員:ジョン・フィネガン
ダグラス刑事:ポール・ジェンキンス(声:若本規夫)
記者:マニュエル・デピナ
記者:ミッキー・ゴールデン
看護師:アビゲール・シェルトン
警察官:ゲーリー・ライト
刑事:レイ・バラッド
ホテルのイベント会場のウエーター:ボブ・ホークス
加筆:2024年8月29日
17話「二つの顔」
- 「アンジェロドライブの豪邸」同じ家の特集記事。
- デクスター・パリス「フェラーリ・330・GTS」
まさに二つの顔!
マーティン・ランドーと二つの大作戦
コロンボ的倒叙作品ではない
犯人が双子という設定を用いたお話で、殺害シーンを見せているにも関わらず、純粋な倒叙作品には仕上がっていません。見る側は「あらかじめ犯人を知っている」はずなのですが、二人が同じ顔なので真犯人が「弟デクスター」であるか「兄ノーマン」であるか、断定できないのです。
******
では、クリフォード殺害の実行犯は兄弟どちらか?
2021年これの検証を試みました。
この「二つの顔」は「実行犯がどちらか?」分かりにくくしてあるのも、一つの特徴だと言えるでしょう。
ラストシーンでコロンボ警部が「デクスターは邸内に潜み(クリフォードを殺害)、車で出て行ったのはデクスターと同じ服を着たノーマンだった。」と解説するとデクスターは「冗談じゃない」ノーマンは「それは承服しかねますな」と二人が揃って否定しています。これは意味深ですね。
また双子を区別する方法として、ノーマンは渋目のグレー系+ネクタイ、デクスターは派手目の暖色系のファッションが多いですね。
仮説(2021年8月15日)
・感電の実験をしていたのはノーマン(黒)
・(警報装置OFF時)二人で来て、ノーマン(黒)は邸内に潜む。
・クリフォードに会ったのはデクスター(赤)
・車で出て行ったのもデクスター(赤)
・邸内に残ったノーマンは警報装置をOFFにし待機(黒)
・【黒に着替えた】デクスターは靴を持って再び侵入し地下に向かう(黒)
・ノーマン(実行犯)がクリフォードを殺害(黒)
です。
他にも仮説は立てられますが、私はこう思います。
・デクスターが黒衣装で感電の実験をする必要はないので、これはノーマンだとします。
・再び侵入した方は鞄(ミキサー)を持っていないのでおそらく「実行犯」ではありません。
・ポイントとなるのは「犯行時は二人とも黒」です。それは派手な赤い服では目立つからです。
☆デクスター=クリフォードに会う、車で帰る、黒に着替え再侵入し、地下室でヒューズを戻すなど
★ノーマン=感電の実験、邸内に潜み、警報装置OFF、クリフォードを殺害、警報装置ONに戻し立ち去る
*****
婚約者のリサの不可解?
宇宙大作戦(スタートレック)
双子犯人の不可解?
仲の悪い兄弟が手を結んで殺害を計画します。が、コロンボ警部の登場後、お互いに相棒が真犯人であるように見せかけることから「共犯」の疑いを持たれるリスクも増大しました。最終的に婚約者のリサが死亡しないと遺産が手に入らない状況になったことも致命的でした。ちょっと計画が甘かったかな~。
ペックさんが大暴れ
ティム・オコナー
これは知っておきたい!
超重要な豪邸なのです!
アンジェロドライブの豪邸
監督:ロバート・バトラー
脚本:スティーブン・ボチコ、ピーター・アラン・フィールズ
音楽:ディック・デ・ベネディクティス
デクスター・パリス、ノーマン・パリス:マーティン・ランドー(声:滝田裕介)
ペック夫人:ジャネット・ノーラン(声:文野朋子)
マイケル・ハサウェイ:ティム・オコナー(声:保科三良)
リサ・チェンバース:ジュリー・ニューマー(声:清水良英)
クリフォード・パリス:ポール・スチュワート(声:杉田俊也)
マレー刑事:ダブニー・コールマン
テレビドラマの医師(ワーブル):スタンレー・ワックスマン
テレビドラマの医師(ロッチ):マーク・シンガー
テレビドラマの弁護士:グレゴリー・モートン
テレビドラマの新人弁護士:マイケル・リチャードソン
銀行員:マイク・ラリー
カジノ客:ミッキー・ゴールデン
カジノ客:レン・フェルバー
加筆:2024年8月29日
18話「毒のある花」
- ヴェラ・マイルズは映画「サイコ」で、「忘れられたスター」のジャネット・リーとも共演。
- 脇役俳優「フレッド・ドレイパー」の出演作品。
- ビベカ・スコット「キャデラック・ドゥビル・コンバーチブル」
- シャリー「プリムス・クリケット」
化粧品会社「ビューティー・マーク社」の女社長であるビベカ・スコットが、自社の研究者カールを殺害。人間の普遍的な願望「若返り」に愛憎が絡んだ面白い作品です。
ゲストスターのヴェラ・マイルズは素敵
ヴェラはこの13年前映画「サイコ」で、ジャネット・リー(32話「忘れたれたスター」)の妹役を演じていて、これは必見です。
大草原の小さな家
容疑者の第一候補に立候補
犯行が計画的でなかったこともあり、些細な矛盾点を次々に暴露されます。まずはコロンボ警部との初対面で、「警察に隠すことは無い」と断言しながら、メモが黒い眉毛のペンシルにより書かれたことを誤摩化そうとして、さっそく容疑者の第一候補に立候補していました。ホクロの付け方についても突っ込まれ、自分から進んで釈明していましたね。
なんと、クレイマー刑事が研究員で出演!
またまた、ゆで卵を持参
カールの殺人現場に登場したコロンボ警部、今回もゆで卵を持参。しかも食塩を忘れて、被害者のキッチンで拝借しています。こういう緩くてユーモアのあるシーンはコロンボならでは。
しつこいコロンボにうんざり…
コロンボ警部の「しつこい聞き込み」も炸裂しています。容疑者を褒めながら接近し、お得意のカミさん話、化粧品会社の人間関係の話など、まわりくどい話術で犯人をどんどん追い込んでゆきます。投げ矢の的の話など、嫌味まじりの話題も多かったですね。
ビベカは崖っぷちの連続でも、したたか
今回のお話は殺人と同時に社運もかかっていて、ビベカ(女社長)は大きな不安と期待の両方を背負って、混乱していました。自分の犯行だと感づいたラング化粧品の秘書シャリーに電話する際の「声色(こわいろ)」や、彼女に接する時の「したたかな女の演技」も見逃せません。
異彩を放つ女優シアン・バーバラ・アレン
大物俳優が出演
ビンセント・プライス
マーチソン博士
覚えたい脇役のひとり「フレッド・ドレイパー」
この俳優さん「フレッド・ドレイパー」は37話「さらば提督」でスワニー・スワンソン役で出演しています。またちょい役では、31話「5時30分の目撃者」で目撃者のお兄さんのデビッド・モリス、38話「ルーサン警部の犯罪」ジョセフでも出演。気付きにくいが、その他にも出演作があります。
相棒刑事はジョン・フィネガン
マーティン・シーンの吹き替えは伊武雅之さん
現在の芸名は「伊武雅刀(いぶまさとう)」さんです。伊武さんは宇宙戦艦ヤマトのデスラー総統の声も担当。私は「スネークマンショー」というコメディ作品のファンでもあった。刑事コロンボではこの役の他に、白鳥の歌(ルーク・バスケット)、ビデオテープの証言(バクスター、バンクス巡査)、黄金のバックル(時計店の店員)秒読みの殺人(ジョナサン)などがある。*ウィキペディア参照
マッサージ師のオルガ
旅行会社のボス(バートン)
第2~第3シーズンの不思議なピアノ曲
YouTube「不思議なピアノ曲」刑事コロンボの第2~第3シーズン「黒のエチュード」「偶像のレクイエム」「絶たれた音」「毒のある花」などで多用された「不思議な雰囲気を持ったピアノ曲」を再現しています。音楽もお好きな方は、こちらもご覧ください。(*ご注意:YouTubeへのリンクは音が出ます!)
監督:ヤノット・シュワルツ
脚本:ジャクソン・ギリス
音楽:ディック・デ・ベネディクティス
ビベカ・スコット:ヴェラ・マイルズ(声:伊藤幸子)
カール・レーシング:マーティン・シーン(声:伊武雅之)
ラング社長:ヴィンセント・プライス(声:三田松五郎)
シャリー・ブレイン:シアン・バーバラ・アレン(声:芝田清子)
マーチソン博士:フレッド・ドレイパー
研究の残骸を焼却する係:→クレイマー刑事
刑事:ジョン・フィネガン(声:松岡文雄)
旅行会社のバートン:リチャード・スタル
社員ジェリー:コルビー・チェイサー
オルガ:シャロン・ヨハンセン
美容体操のインストラクター:ダイアン・ ターレイ・トラヴィス
加筆:2020年7月30日
19話「別れのワイン」
- 「ぼろんこの傑作選」に選ばれています。
- 2021 NHK あなたが選ぶ!思い出のコロンボ[第1位]
- 2011 AXNミステリー 人気ランキング[第1位]
- カッシーニ・ワイナリーの場所が特定できました。
- コロンボシリーズ中、最も有名なレストランは実在しなかった。
- 別れのワインは、「不動の人気投票1位」「不朽の名作」だ。
- 犯行のトリックが難解という意見もあります。
- 脇役俳優「ヴィトー・スコッティ」の出演作品。
- エイドリアン・カッシーニ「ロールス・ロイス・シルバー・シャドーI」
- リック・カッシーニ「フェラーリ・330・GTS」
プロローグ
兄弟の確執
作品としての品格を感じる「別れのワイン」
ストーリーは終止美しく展開しています。イタリア風のBGMを多用した他に、不規則に聞こえる「鐘のような音」がとても印象的で、特にエイドリアンの犯行隠避(いんぴ)の場面で多用されます。犯人のエイドリアンは決して悪人ではなく、怒りにまぎれて殺人を犯した。このまま罪を背負って「美しくない」余生を送るのも、喜ばしいことではないと感じています。その点では、後の作品28話「祝砲の挽歌」のラムフォード大佐の心情にも類似点を感じました。
ジュリー・ハリスは可憐
カレンとジャニスの服がお揃い
リックの婚約者
刑事コロンボをさらに楽しめる俳優
この俳優さんも良い!
リックの死亡原因を解説する専門家
話しかけるものの邪魔にされる
ワイン屋のオヤジ
コロンボ警部がワインの銘柄を当てるシーン。バーガンディというのは、ブルゴーニュの英語名、ピノ・ノワールとギャメイ(ガメイ・ノワール)はその地方のブドウの品種です。クラレットとはいわゆるボルドーの英語名、カベニ・ソーヴィニオンはそのブドウの品種です。
ポーの小説でナントカの樽
コロンボ「ここで閉じ込められらコトですなぁ。」から始まり、エイドリアンが「アモンティラード」と答えた印象的なシーン。これはエドガー・アラン・ポーの「アモンティラードの樽」を差しています。
ワイナリー見学のガイド
フランク・パグリアが可愛い
ラストシーンも良い
「別れのワイン」と言う邦題の意味はラストシーンで見られます。コロンボとエイドリアンは車の中でワインを酌み交わします。エイドリアンはこれまでに収集したワインを全部ダメにして、海に捨てようとしました。犯行を自供し刑務所行きを覚悟する。これも俗世にさよならを言うような心境だったのでしょう。
YouTube「別れのワインのエンディングの曲」をパソコン演奏で再現しています。ワインやイタリアの雰囲気が漂う曲ですが、なぜか日本の大正ロマンにも通じる雰囲気がします。音楽もお好きな方は、こちらもご覧ください。(*ご注意:YouTubeへのリンクは音が出ます!)
人気ランキングで不動の1位獲得。
「別れのワイン」はどのような人気ランキングでも、常に1位を獲得してしまうという、不動の人気を誇ります。犯人役のドナルド・プレザンスを筆頭に、素晴らしい俳優陣。王道的なテーマ「ワイン」を扱った点でも、それが有利に働いています。
「別れのワイン」は刑事コロンボシリーズの最高傑作か?
この「別れのワイン」という作品は、コロンボシリーズの中で最高傑作であるとの呼び声が高いです。作品評を集めたサイトでは、数多くの意見が交わされています。概ね「作品としての品格や味わい」において非常に評価が高く、多くの人の支持を集めています。犯人役のドナルド・プレザンスが醸す高貴な雰囲気も好印象で、他の作品と別格であるとも感じさせます。題材がワインであることも、この作品の風格を持ち上げています。様々な意味で、この作品は味わい深いのです。
→人気作品ランキング
もちろん、私の考える「刑事コロンボシリーズの醍醐味」は、味わい深いことだけに終始しません。4話「指輪の爪あと」6話「二枚のドガの絵」15話「溶ける糸」などに登場する「憎たらしいほど強烈な犯人像」も見逃せませんよね。
おそらくチチアンにも、この美しい赤は出せなかったでしょう。
チチアン→ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
ワインへのウンチクも勉強になる
ダナ・エルカーが可愛い
ワイン仲間のルイス
ステインさんの事務所のビル
事件現場でニックの車について語る警官
バーで天気を尋ねられる客
ワインのオークションを仕切る人
カッシーニ・ワイナリーのロケ地
カッシニー・ワイナリーの詳細記事
カッシニー・ワイナリー(GoogleMaps)
カッシーニ・ワイナリーは海の近くにあったのか?
シリーズ中、最も有名なレストラン
監督:レオ・ペン
脚本:スタンリー・ラルフ・ロス
原案:ラリー・コーエン
音楽:ディック・デ・ベネディクティス
エイドリアン・カッシーニ:ドナルド・プレザンス(声:中村俊一)
秘書カレン・フィールディング:ジュリー・ハリス(声:大塚道子)
エンリコ・ジョセッピ・カッシーニ:ゲイリー・コンウェイ(声:加茂嘉久)
ファルコン(ワイン仲間):ダナ・エルカー(声:神山卓三)
ルイス(ワイン仲間):レジス・コーディック
ステイン(ワイン仲間):ロバート・エレンスタイン
ジョーン・ステーシー:ジョイス・ジルソン(声:北島マヤ)
ビリー・ファイン(リックの友人):ロバート・ウォーデン
アンディー・スティーヴンス(リックの友人):リード・スミス
キャシー・マーロウ(リックの友人):パメラ・キャンベル
レストランのマネージャー:ヴィトー・スコッティ
レストランのワイン係:モンティ・ランディス
バーテンダー:マイク・ラリー
バーの客:ロバート・ドナー
バーの客:ボブ・ハークス
ウイリアム・マルチネス博士:ビクター・ミラン
オークションの人:ウォーカー・エドミストン
オークションの客:レン・フェルバー
警官:ジョン・マッキャン
ワイン店店主:ジョージ・ゲインズ
ワイン醸造所ガイド:ロバート・ドイル
掃除のオヤジ:フランク・パグリア
20話「野望の果て」
- 「ぼろんこの名作選」に選ばれています。
- 脇役俳優「ヴィトー・スコッティ」の出演作品。
- ネルソン・ヘイワード「クライスラー・ニュー・ヨーカー」
- ハリー・ストーン「シボレー・インパラ」
動機は十分と言えそう。
冒頭シーンのBGM
このどこか不気味な雰囲気のする音楽は、24話「白鳥の歌」や25話「権力の墓穴」にもアレンジを変えて使われています。印象的な曲で大好きです。
YouTube「野望の果ての冒頭シーンをパソコン演奏で再現」しました。音楽もお好きな方は、こちらもご覧ください。(*ご注意:YouTubeへのリンクは音が出ます!)
脅迫に屈しない候補者をジャッキー・クーパーが好演。
ヘイワード氏はたとえ脅迫されようとも屈せず、犯罪撲滅を訴える勇気ある候補者を演じようとしていました。脅迫犯がストーンを殺害することで「同情票と邪魔者抹殺」の一石二鳥を狙ったのでしょう。それにしても選挙前の最も大切な時期に、身近な人物を殺害してしまうというリスキーな行動に出るでしょうか?
しかし、それを納得させちゃうようなキャラクターが犯人のネルソン・ヘイワード(ジャッキー・クーパー)です。全編に彼の人間臭さ、幼稚さが描かれています。ヘイワードはコロンボの執拗な捜査に腹を立て、嫌悪感を露にします。そして愛人と本妻との板挟みで、徐々に選挙どころではなくなっていきました。
日本語版吹き替えは初代風車の弥七。
日本語版吹き替え:中谷一郎(なかたにいちろう)さんはテレビ時代劇「水戸黄門」の初代「風車の弥七」としてもお馴染みの俳優さんです。
待たされた選挙事務所での観察眼
夫人と仲睦まじい演技を見せるヘイワード。それを不愉快そうに眺めるリンダ。新調した上着を届けに来る男性。「妻の秘書であるはず」のリンダと執務室で二人きりで打ち合わせをしているヘイワード。コロンボは待たされている間、そんなことを観察しています。
ヘイワード候補の説明は、ことごとく却下。
執務室では、コロンボの疑問を解決すべく答えた「アドバイス」が、ことごとく跳ね返され次第に追いつめられていきます。
行動がいちいちわざとらしい、ヘイワード氏。
後半で妻の秘書リンダに「脅迫状が届いたことを告げる」シーンは面白いです。すごくわざとらしいヘイワードの表情と口調を楽しめます。また、テレビ演説の収録場面はコロンボと奥さんの会話で気が散ってしまうヘイワードさんも可愛いです。
選挙対策室ベランダの爆竹は大減点!
ラストの自作自演の場面では、ベランダに爆竹の燃えカスが残ったはずで、これが「減点対象」となりこの作品の支持者を大幅に減らしています。たった今銃撃されたことを周囲に認めさせる工作ですが、かなり無理があります。この爆竹問題ですが何度見ても納得できず、「傑作選」からワンランク降格し「名作選」に移動しました。
「野望の果て」は出演者のキャラクターが光ります。
犯人役のヘイワード氏を筆頭に、憎まれ役の参謀ハリー・ストーン、美人秘書のリンダ、夫人のビクトリアなどなど。とても魅力的な脇役が揃っています。
ジャッキー・クーパーのラストの表情は切ない
初期コロンボの美人秘書の典型?
リンダは真面目で正直者だから…
リンダはコロンボの執拗な聞き込みに対して「何も知りません、失礼します。」と、一刻も早く立ち去ろうとします。しかしヘイワードの人格性について聞かれると、好意を抱いていることを見透かされ、ハリー・ストーンをよく思っていないことを力説してしまうなど、正直すぎて益々疑われてしまうのです。
刑事コロンボで最も素敵な「犯人の奥様」の一人
テレビ演説でのカメラ撮りのシーン
テレビ演説でのカメラ撮りでの彼女とコロンボ警部とのやりとりは楽しく描かれていましたね。コロンボから「ハリー・ストーンが頑丈な腕時計を所有していた」と…テントの柱でコツンと音を立てられ、ビクッとする仕草が可愛かったです。その他のシーンでも、夫の行動に疑惑を感じつつも、愛は失っていない妻の心情がよく出ていました。
宇宙大作戦
ヘイワード夫人の親友はミシンのおばちゃん
まさか奥様まで殺害?
自宅の(びっくり)バースデイパーティの冒頭シーン。まさか奥様までついでに殺してしまうのか?と思わせる効果的なシーンでした。その後、明るくなった部屋で「奥様に会うためにそんなに手数をかける‥」のセリフがルシール・メレディスさんです。
なんで名前が違うの…?
参照:「ロス警察の気になる同僚たち」
ヘイワード候補の護衛の責任者
ロハス刑事
チャドウィック紳士服店
ジュード・フェアズ
同行の警察官も可愛いおじさん
ガゾリンスタンドの整備士
テレビのアナウンサー
同じ風景画が、最低でも3回出現。
ブログゲストさんから情報をいただき検証しました。レイ・フレミングのマンション、ネルソン・ヘイワードのホテルの風景は同じでした!さらに調査した結果、ケイ・フリーストンのオフィスの窓にも出現しています。
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ヘイワードの別荘はマリブ
ヘイワードの別荘はLA西部のマリブの海岸沿いです。コロンボが車を修理したガソリンスタンドとの距離感も参考にするとさらに楽しめます。
監督:ボリス・セイガル
脚本:アービング・パールバーグ 他
原案:ラリー・コーエン
音楽:ディック・デ・ベネディクティス
ネルソン・ヘイワード:ジャッキー・クーパー(声:中谷一郎)
ビクトリア・ヘイワード:ジョアンヌ・リンヴィル(声:稲野和子)
リンダ・ジョンソン:ティシャ・スターリング(声:津田京子)
ハリー・ストーン:ケン・スウォフォード(声:鎗田順吉)
紳士服店主チャドウィック:ヴィトー・スコッティ(声:石井敏郎)
バーノン刑事:ロバート・カーンズ(声:藤本譲)
ビクトリアの友人ルーシー:ルシール・メレディス
ビクトリアの友人:ダイアン・ ターレイ・トラヴィス
検問の警察官1:ジュード・フェアズ
検問の警察官2:サンディー・ケニオン
整備士シェリー:ジェームス・G・リチャード
テレビのアナウンサー:クリート・ロバーツ
歯医者メレンチョ:マリオ・ガロ
ロハス刑事:ジェイ・バレラ
選挙スタッフ:マイク・ラリー
加筆:2023年1月4日
21話「意識の下の映像」
- 犯人役ゲストスター「ロバート・カルプ」特集記事。
- バート・ケプル「リンカーン・コンチネンタル・エグゼクティブ・リムジン」
大胆な殺害計画
30年前、最初にこの作品を見た当時は主演がロバート・カルプということも知らず、ただただ殺人のトリックに関心したものでした。特に印象的なのは、喉が渇いて廊下に出て来たノリス氏をビデオモニターで確認したケプルが「よし、しめた!」とドアを開けて、「おいノリス」ズドン!と撃つシーン。
でも深く考えてみますと「殺害現場」に第三者が現れる危険性も高く、かなりリスクのある計画でした。もちろん「塩気たっぷりのキャビア」が効いたのでしょうが、他の人も食べるかもしれないし。
ちょっと間抜けなロバート・カルプ
ロバート・カルプが毎回同じファッションをしている件
サブリミナル効果がテーマということで…
カメラマンのデニス
電気スタンドを探せば見つかってたか?
正直者を見分ける能力
アルマ・ベルトラン
チャック・マッキャンはグッドな味
大草原の小さな家
拳銃弾道担当の研究員
ゴルフ場のキャディさん
タニヤ・ベイカーはアーリーン・マーテル?
ドクター・ケプルの試写会場
脚線美
本筋ではありませんが、ケプルが制作した企業アピールのフィルムで、演壇を離れる直前のシーン「脚線美」を表現した写真には大笑いでした。
アイス・ティーが入った魔法瓶
→刑事コロンボと魔法瓶
監督:リチャード・クワイン
脚本:ステファン・J・キャメル
音楽:ディック・デ・ベネディクティス
バート・ケプル:ロバート・カルプ(声:梅野泰靖)
ロジャー・ホワイト:チャック・マッキャン(声:三宅康夫)
ビック・ノリス:ロバート・ミドルトン(声:小瀬格)
ノリス夫人:ルイーズ・ラサム
拳銃弾道担当:リチャード・スタル
フィルム編集者:ジョージ・ワイナー
カメラマンのデニス:ダニー・ゴールドマン
ノリス家のメイド:アルマ・ベルトラン
ゴルフ場のキャディ:ミッキー・ゴールデン
駐車場係:マイク・ラリー
クライアント:コスモ・サルド
女性クライアント:ダイアン・ ターレイ・トラヴィス
加筆:2024年8月29日
2020年の再放送で気づきがたくさん出まして、大幅に加筆しています。