34話「仮面の男」

Identity Crisis / 1975

パトリック・マクグーハン

28話「祝砲の挽歌」に続き、パトリック・パトリック・マクグーハンが犯人:ネルソン・≈役で再登場しました。この後の新シリーズでも登場しますが、この作品「仮面の男」での顔が最もマクグーハン本人らしいかもしれません。

壮大なスケールの作品が続く

壮大なスケールで描かれた二作品、33話「ハッサン・サラーの反逆」と35話「闘牛士の栄光」に挟まれたこのお話も、犯人がCIAの情報部員であるという意味で、凄く大げさな背景でした。

「もう一つの鍵」のレスリー・ニールセン

殺されるジェロニモ(A.J.ヘンダーソン)は、7話「もう一つの鍵」で、ベス・チャドウィック(スーザン・クラーク)の婚約者ピーター・ハミルトンを演じたレスリー・ニールセンです。宿泊先(ビルトモアホテル)は後の52話「完全犯罪の誤算」のマッキー上院議員が滞在場所と同じかもしれません。(要検証)

ヴァル・アヴェリー

海岸のバー「シンドバッド」のオーナーは、12話「アリバイのダイヤル」25話「権力の墓穴」などに出演している、ピーター・フォークの「盟友」で「名優」の「ヴァル・アヴェリー」

ヴィトー・スコッティ

演説している男性:サルヴァトーレ・デフォンテは、19話「別れのワイン」20話「野望の果て」など、たびたび刑事コロンボシリーズに出演している名脇役の「ヴィトー・スコッティ」

アンダーソン検死官

追いはぎ天国で、初動捜査にあたる検死官の一人:アンダーソンは、バーク刑事Bの「ジェローム・グアルディノ」と良く似ていますが、おしらく別人で「カーメン・アルジェンツィアノ」という俳優さんです。

部長は「奥様は魔女」のラリー

CIAのコリガン部長役は、奥様は魔女のダーリンが勤める広告代理店の社長「ラリー」でお馴染みのデヴィット・ホワイト。今回はシリアスな役でしたが「奥様は魔女」のコミカルなラリーの印象が強く、見ていて笑ってしまいました。。

バーバラ・ローデス

遊園地の女性カメラマン:ジョイス役のバーバラ・ローデスは、7話「もう一つの鍵」にも出演しています。(加筆2010年7月27日)調べてみました。また、この遊園地のロケ先はロサンゼルス動物園ではないかと思われます。→バーバラ・ローデス

クリフ・カーネル

同じく遊園地の写真屋のオヤジ:ドン役の「クリフ・カーネル」は、9話「パイルD-3の壁」でウイルソン巡査、12話「アリバイのダイヤル」でクレメンス刑事役で出演しています。

遊園地での二人の行動は不可解

コロンボ警部の捜査上で大きな手がかりとなる遊園地での写真。犯人のブレナーと被害者のジェロニモが再会し、秘密の打ち合わせをする場所が遊園地なのですが、ここでのブレナーの行動が大疑問。射的ではしゃいで店主に印象づけたり、ジョイスに記念写真を撮られたり、少女にぬいぐるみをプレゼントしたり、やりたい放題でしたね。

クレーマー刑事

補佐役の刑事は、コロンボシリーズ中で最もなじみ深いクレーマー刑事「ブルース・カービー」。今回も可愛い演技を見せてくれました。

広告会社の人の証言で身元がバレる

コロンボ警部とクレーマー刑事は、ヘンダーソンの成りすましを暴き、パイクのロングビーチ遊園地を手がかりに、写真に写っているサングラスの男を見つけた。そこからブレナーの身元がなぜ分かったか?
遊園地から広告会社にとんぼ返りし、社員に写真を見せたのでしょう。コロンボは「広告会社の人が、サングラスの男はブレナーだと教えてくれた」と説明しています。ブレナーは広告会社と面識があったのです。
(加筆:2013年1月16日)

CIAの情報部員が超大金持ち

戦歴も誉れ高く、経営コンサルタントとしても有名。それにしても、半端でなく家が豪華!もの凄いプールで十人近いゲストが泳いでいるし。こりゃ、悪いことして蓄財してますって、自分で言っているようなもので、「二重スパイで荒稼ぎ」って、CIAは見抜けなかったんでしょうかね?

変装した老人の顔がエリック・プリンスに似てるか?

メルビルを事故に遭わせる「スタインメッツ」はブレナーが変装したものですが、その顔が後にマクグーハンが演じる67話「復讐を抱いて眠れ」のエリック・プリンスに雰囲気が凄く似ています。これは実際に、マクグーハンが老けたということもあるのでしょうが、比較してみると面白いです。

ブレナー邸で人生を語る二人。

後半のシーンで、ブレナーはコロンボを自宅に誘います。署に戻る必要があると一旦は断わりますが、日を改めて邸に出向くことになります。ここでブレナーはお酒を振る舞いますが「百薬の長としては、何が望みか?」とコロンボに尋ねます。シンドバッドのオーナーが「毒は何にします?」と言い回したのと対照的で面白いです。
中国の麻雀セットを見せてもらったコロンボから「ギャンブルがお好きなんですね?」と尋ねられ「それ以外、何がある?」と答えるブレナー。コロンボ作品の中には、ギャンブル好きの登場人物が多く出てきます。
ブレナーは数々の成功を収め名誉も富も手に入れたのに、退屈な人生だと評しシラけた口調です。コロンボ警部がブレナーの部屋で珍しいものを見てハシャイでいるので、何とも不思議な会話になっています。

超重要な豪邸なのです!

17話「二つの顔」のクリフォード・パリス邸、34話「仮面の男」のネルソン・ブレナー邸、38話「ルーサン警部の犯罪」のウォード・ファウラー邸は同じ家です。車の入り口〜ロータリー型の車寄せ、アーチ型の白い装飾の門扉、大きな暖炉が特徴です。

遊園地は前半でジェロニモとブレナーが待ちあわせをする場所で、交通公園は後半にCIAに尾行される舞台になります。以外にもこの2箇所は同じロサンゼルス動物園の敷地内にあります。

シンドバッドはどこにあるか?


「シンドバッド(追いはぎ天国)」は西海岸の「サンタモニカ埠頭」という設定ですが、実際には南の外れ「ロングビーチ」がロケ現場だということです。

ホットドッグ屋のオヤジ

コロンボがCIAに後をつけられている交通公園のホットドッグ屋のオヤジ:太っちょの俳優さんはベン・フロマー。は25話「権力の墓穴」の前半のシーン、高級クラブのバーでバーテンダーをつとめています。印象的な俳優さんです。

ラストシーンのジョークについて

ラストシーンのジョークの意味が不明であるというコメントを頂くことがあります。これはぼろんこの私的解釈ですが、ポーカーは「ポーカーフェイスなブレナー」を比喩しています。マージャンは中国発祥のゲーム。「ポーカー(ブレナー)がマージャン(中国)と賭けをして、はじめはポーカーが優勢、ところが後半…逆転。」これはブレナーの完全犯罪は、中国のオリンピック不参加報道によって阻まれた…という感じでしょうか。

監督:パトリック・マクグーハン
脚本:ウィリアム・ドリスキル

出演:ネルソン・ブレナー:パトリック・マクグーハン
ジェロニモ:レスリー・ニールセン
クレーマー刑事:ブルース・カーヴィー
コリガン部長:デヴィット・ホワイト
サルヴァトーレ・デフォンテ:ヴィトー・スコッティ
ジョイス:バーバラ・ローデス

加筆:2020年11月19日

“34話「仮面の男」” への110件の返信

  1. ホットドッグ屋のオヤジ役のベン・フロマーですが、「権力の墓穴」の他、「アリバイのダイヤル」の中盤でもカメラマン役で出ていますね。バスケットボール選手の会見?場面で、ポール・ハンロンに声をかける台詞もあります。

  2. こんにちわ
    最初にNHKで放送されたのを家族で観ていて、最後の麻雀のジョークがみな意味が分からず一体どういう意味なんだと不思議がったものです。当時はネットなどは勿論なく意味を確かめる術が全くなかったのでそのままになってしまいました。
    それから長い年月を経て今回久しぶりに観て、ネットなどで情報を集めてようやく意味がわかり納得しました。細かいことが気になる性格の人間には便利な時代になったものです。
    原文は以下の通りのようです。
    Columbo “Would you like to hear something funny?”
    Brenner “I’d love to.”
    Columbo “Today, Chinese…they changed their minds.”
    Brenner “Did they, again?”
    Columbo “They’re back in the games…”
    Brenner “in the games….Mah-Jong.”
    犯人の嘘を暴くきっかけが中国のオリンピック不参加のニュース。
    つまり意訳すれば、
    「先日中国は(オリンピック)ゲームへの不参加を表明しましたが、今日彼らはそれを取り消したそうです。彼らはやっぱりゲームに参加するそうなんです。ただゲームと言っても麻雀だそうです」あたりでしょうか。ポーカーフェースを装っていた犯人がゲームで墓穴を掘ったということが言いたいのでしょう。
    英語で”Games”というとオリンピックの意味があるというのがミソなんですね。なかなか日本語にはうまく訳しにくい翻訳者泣かせのセリフでしたね。

    1. おぼろげな記憶ですが、、
      中国の文革末期のころ、だいぶタガが緩んでいて、
      禁止されていた麻雀を市民が街中でやってても警官は見て見ぬふり、
      という記事を新聞で見た記憶があります。

      で、「back in the game」ですが、web上の辞書で見ると、
      Once again active or able to succeed in something.
      とか
      Resuming something after an absence
      という意味もあるようです。

      back in the games…?、オリンピックはボイコットのはずだが、、、
      あー、禁止されていた麻雀が復活している件ね。
      みたいなネタだったかも。

  3. 蛇足ですが、お決まりの時計によるアリバイには目も(耳も)くれず、
    ブラインドを閉める音に気付くコロンボ。さすがですね~。
    時計による細工は、犯人ですよという証明なっちゃうのですね。

  4. コメント有りましたが、名脇役大集合でした。
    ヴィトー・スコッティ、ブルース・カーヴィー、ヴァル・アヴェリー、に加えて
    マイク・ラリーも大写しでした。さらにメインキャストがマクグーハンとレスリー・ニールセンだもの。マニアにはお腹いっぱいです。
    レスリー・ニールセンはこういう役も似合ってるなあと思いました。
    犯行をあっさり認める理由は原題「Identity Crisis」にある、
    というのがマクグーハン演出なのでしょうね。
    それと、変装だけでは邦題「仮面の男」は弱いな~とも思いましたが、
    スパイとして色々な「仮面」をもっているという意味か。

  5. ぼろんこさん、
    ロケmap掲載ありがとうございます。昔現地をバスや地下鉄で周った事があるので、位置関係がよく分かりました

  6. 大好きなマクグーハン🌀主演🌀演出で、ダンディな彼を堪能できました。 コロンボが「メルビル容疑は穴だらけで検事局は受付けないだろう」と、ぼやくシーンで、ブレナーがマッチ箱を指でたたきなかがら、コロンボを見つめる表情には、うっとりしました。コロンボが(何か仕掛けませんかと)誘い、それに気づいて「乗ってやるか」と答えてるようにも見えます。
     中国のOlympic boycottという背景と自己identityの変遷(Korea war 英雄、経営コンサルタント、CIAオペレータ)の筋立てから、マクグーハンは「政治の裏で翻弄され、自己喪失した人間がいる事」を表現したかったのでは? と感じました。  彼は「人生は、つまらない」と語ります。 聡明ゆえに何でもできてしまう。けれど所詮は国に操られるだけ。自己喪失。 自暴自棄から二重スパイやギャンブルに刺激を求め、虚しさを忍んでいた。 執拗なコロンボの捜査にdon’t harras me と言ってたけれど、実は自分をドキドキさせてくれてありがとうだったのでは?
    スタインメッツの変装は、”identity crisis “自己喪失の象徴と取れました。

    1. 当時のロスオリンピックボイコットは冷戦の産物?ソビエトはロシアに戻りアメリカは黒船で祖国へ帰る、日本は江戸時代にもどるのが大きな歴史の流れかもしれませんね、何かそんなことを感じた話しプリズナーナンバー6を思い出しました。

      1. パトリック・マクグーハンの存在で味わいが深まった好エピソードでした。
        東西冷戦の狭間における二重スパイの存在は格好の素材だと思います。
        さすがのコロンボ氏もブレナー氏の前では小物感が漂う印象になってしまいました。

  7. BSで『アルカトラズからの脱出』という
    中学生時代に見た映画がやっていました。
    主演はクリントイーストウッドなのですが、
    アルカトラズ刑務所の所長を
    パトリックマクーハンが演じてました。
    なんか嬉しかったです。
    洋画や外国ドラマから脇役の人を発見するとなんか新しい楽しみができますね。

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