- 「ぼろんこの名作選」に選ばれています。
- 「愛犬ドッグ」の出演作品。
チェスのチャンピオンである「エメット・クレイトン」だが、かつてのチャンピオン「トムリン・デューディック」氏が復帰し、自分に挑戦して来たことに恐怖し、夢にうなされる有様。対決前夜にレストランで二人きりで勝負するが、あえなく敗北したクレイトンはデューデックの殺害を決意します。密会対決での敗北に、二人の実力差を思い知ったためです。
最高級の犯人役:ローレンス・ハーヴェイ

しかし、それを上回るコロンボ警部の「着眼点」には恐れ入ります。「便せんでなくメモ用紙」「入れ歯なのに歯ブラシ」など、被害者をよく知らなければ気がつかない点を見逃しません。さらに「ボールペンのインク」への着眼は流石だと言えます。
卑怯な勝負師
冒頭の夢のシーンでもわかるように、クレイトンは自分の今の地位「チェスのチャンピオン」からの陥落を非常に恐れ、半ばノイローゼ気味になっています。自分は将棋が好きで名人戦など良くテレビで観戦するのですが、勝負ごとには必ず勝者と敗者ができるわけで、負けた時の潔さも含めた品格を問われる分野でもあると思います。クレイトンはそれを逸脱していました。今回の挑戦者トムリン・デューディック氏は、好敵手とて堂々と闘った結果に破れたとしても十分納得できた相手であったはずです。
頭が良く、自信過剰な犯人との対決劇
ストーリー展開の中で、しつこいコロンボ警部と頭脳明晰な犯人とのやりとりも、刑事コロンボシリーズ中で最高評価に近い醍醐味を与えてくれました。それにしてもクレイトン氏はもちろん相当な頭脳の持ち主ではありますが、棋士としてはかなり「短気で怒りっぽい」性格ですね。将棋などのテレビ中継を見る限り、戦いの後はどちらが勝者・敗者であるか見分けられないこともあるほど、棋士はあまり本当の感情を出さないものですが、これは日本人特有なのでしょうか。
逆・筆記用具忘れ!
普段筆記用具を忘れて人から借りる癖があるコロンボですが、今回は何と、記憶力抜群のクレイトンがボールペンを忘れ、それをコロンボが本人に届けます。しかも…こっそり「試し書き」をしてから返すところが流石。
→コロンボはよく「筆記用具を忘れる」件
名台詞「縦から見ても、横から見ても」
この話で興味深い展開となっている最大の要因は「殺そうと思ったが失敗した」点につきるかと思います。なぜ失敗したか?はラストシーンに集約されます。解決編では、決定的な物的証拠を見せるには至りませんが「縦から見ても、横から見ても、耳の聴こえない人物が犯人である」という、コロンボの警部の名台詞で結ばせたことで、この作品の品格を決定的に高めてくれていると感心します。
元チェス王座のトムリン・デューディック

俳優ジャック・クリューシェンはカナダ人

デューディック氏一行はチェコ人?

元婚約者の名前が不可解

同行する医師

ダグラス刑事

フランス料理店のオーナー

塩とコショウで始まったテーブルクロス・チェス
獣医ドクター・ベンソンが可愛い

赤いヘルメットが似合う男

デューディックのホテルの記者

遺書を持ってくる刑事

エキストラ俳優ミッキー・ゴールデン

エキストラ俳優ゲーリー・ライト

エキストラ俳優ボブ・ホークス

病院の女性看護師

これがハーヴェイの遺作となった
ローレンス・ハーヴェイは胃癌が悪化していて、刑事コロンボの撮影中もかなり体調が悪く、食事も喉を通らない様子でした。そして1973年11月25日に亡くなりました(享年45歳)。奇しくも日本では、その夜にNHKで「断たれた音」が放送されたそうです。調べてみると彼はリトアニア出身ということで、むしろこっちの方が東側の人なのかもしれません。
彼には「ドミノ・ハーヴェイ」という実娘がおり、2005年の映画「ドミノ」で実名の主人公(演:キーラ・ナイトレイ)として描かれています。ストーリーも幼くして俳優の父が急死したあらすじ。しかしドミノ・ハーヴェイは、この映画完成の直前に35歳の若さでこの世を去っています。なんとも薄命な父娘‥。
第2~第3シーズンの不思議なピアノ曲
YouTube「不思議なピアノ曲」刑事コロンボの第2~第3シーズン「黒のエチュード」「偶像のレクイエム」「絶たれた音」「毒のある花」などで多用された「不思議な雰囲気を持ったピアノ曲」を再現しています。音楽もお好きな方は、こちらもご覧ください。(*ご注意:YouTubeへのリンクは音が出ます!)
デューディックが運び込まれた病院
バレー・プレスビティリアン病院(GoogleMaps)


病棟のエレベーターが同じ!
15話「溶ける糸」と、16話「断たれた音」の病棟のエレベーターは同じでした。病院の内部はスタジオ撮影ですので、セットは使い回しているようです。廊下の天井の照明の配列が似ていますが、色が違って見えます。内装の配色も、溶ける糸は地味で断たれた音はかなり派手な色になっています。
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監督:エドワード・M・エイブラムス
脚本:ジャクソン・ギリス
音楽:ディック・デ・ベネディクティス
エメット・クレイトン:ローレンス・ハーヴェイ(声:小笠原良知)
トムリン・デューディック:ジャック・クリューシェン(声:松村彦次郎)
ベロスキー:ロイド・ボックナー(声:宮田光)
リンダ・ロビンソン:ハイジ・ブリュール
獣医ドクター・ベンソン:マイケル・フォックス(声:今西正男)
アントン医師:マティアス・レイツ
フランス料理店のオーナー:オスカー・ベレギ・ジュニア
粉砕機の作業員:ジョン・フィネガン
ダグラス刑事:ポール・ジェンキンス(声:若本規夫)
記者:マニュエル・デピナ
記者、病院のカフェにいる男性:ミッキー・ゴールデン
看護師:アビゲール・シェルトン
警察官:ゲーリー・ライト
刑事:レイ・バラッド
ホテルのイベント会場のウエーター:ボブ・ホークス
加筆:2025年1月6日
検索して流れ着きました。よろしくお願いします。シリーズを見返しております。絶たれた音はわたしが初めてコロンボに出会った作品です。一から順序良く見ていたつもりでしたが意外にも中期のものでした。情報ありがとうございます。
これ状況証拠は多々有りますが、最後の決め手(犯人は音が聞こえない人)というのはクレイトンが犯人である証拠にならないような気がしてなりません。「耳の不自由な人はこの市内に何人も居ますよ」みたいな流れも他で見たような気もします。(続いて闘牛士も見たのでもやもやが続いております)
ここの席主、住人の方々のご所見聞ければ嬉しいです。
別の話として、初手を差すのが白ですから、クレイトンが初手を差している以上、黒がわたし(クレイトン)という主張は苦しいですね。白が胡椒で黒が塩であることは、無理やり主張できても、先手後手のことは無理だと思いました。
Qたろうさん、コメントありがとうございます。
>最後の決め手(犯人は音が聞こえない人)というのはクレイトンが犯人である証拠にならない。…確かにそうだと思います。
あくまでも私の考えに基づきますが、刑事コロンボは、「犯人とコロンボの対決」劇でして、
その勝敗が決した場面で終了、ということではないでしょうか。
「犯人である決定的な証拠にならない」のですが、様々な状況証拠により犯人が追い詰められ、
もう逃げきれない…。私はそれでスッキリします。
先手・後手>囲碁と異なりチェスでは先手が「白」となります。
レストランでは「デューディックがまず塩の瓶を置き、
クレイトンがコショウの瓶で応戦。」デューディックが先手の白番となります。
・レストランの親父がその場面をしっかり見ていました。
・ホテルの部屋での対局の続きもデューディックが白です。
その後のデューディックは「黒が投了(敗北)」したことを詳細にメモしており、
クレイトンも黒の負けを認めています。
「塩=先手・白=デューディック:勝利」
「胡椒=後手・黒=クレイトン:敗北」です。
これらのエピソードは、デューディックが東欧系でレストランのテーブルクロスのチェック柄「クロアチアのシャホヴニツァ」が、チェス盤を意味するなどを引っ掛けた洒落となっていて、本作の見どころの一つでもあります。
席主どの、レス早々にありがとうございました。
先手後手は途中からすっかり逆の記述になりました。大変失礼しました。
結末部分のところも完全に納得です。コロンボの(相手を投了させる技)ですね。「だったら音を止めればいいじゃないか(怒)」と言わせるところが決め手なんでしょう。
これが、どこかの部屋で淡々と「機械が止まったことに気づかずとどめを刺していないのは耳が不自由なことを示唆していますよね。あなたでしょう?」などと持ち出してもダメだったと思います。決定的な証拠を突き付ける作品ではなく、このように劇的な演出で犯人を降参させる技術こそコロンボの最強の武器だと考えるようになりました。
コロンボはアイスクリーム🍨も好き😻
クレイトンにアイスクリームでもと誘いますが断られてしまいます 断たれたアイスクリーム🍨😆😆
この犯人のなんとも神経質そうな、不機嫌そうな感じ。胃癌で、調子悪かったんですか!?
鬼気迫る演技にもなるわけですね。松田優作のブラックレインを思い出します。
最後、最期、、、にいい仕事しましたね。
BSP4Kでの放送が有るのを知り、今日見たらこの回でした。
先日BSの方で見たばかりなので落ち着いて見られましたが、おかげで?重箱の隅を発見しました。
ローレンスはいつもイヤホンを左耳にしてますが、デューディックの薬を取り換えた後にリンダと主治医が戻ってきてクローゼットに隠れて、出てきた時は右耳に入れてました。
右耳は多分この時だけじゃないかと思います。
鏡に映った姿でしょうか?
ホンロンさん こんにちは 観てきました✨ 鏡🪞に写った姿でした☺️
りこちゃんさん、確認ありがとうございます。
またもや鏡でしたか。ま、そうですよね。