18話「毒のある花」

Lovely but Lethal / 1973

化粧品会社「ビューティー・マーク社」の女社長であるビベカ・スコットが、自社の研究者カールを殺害。人間の普遍的な願望「若返り」に愛憎が絡んだ面白い作品です。

ゲストスターのヴェラ・マイルズは素敵

犯人役のビベカ(ヴェラ・マイルズ)さんが素敵です。まさに「毒のある花」を連想させます。それに犯行解明のカギとなる「毒ヅタ」を引っ掛けた邦題だと思えます。日本語版吹き替えの伊藤幸子さんも良かったです。

容疑者の第一候補に立候補

犯行が計画的でなかったこともあり、些細な矛盾点を次々に暴露されます。まずはコロンボ警部との初対面で、「警察に隠すことは無い」と断言しながら、メモ書きが黒い眉毛のペンシルにより書かれた時に誤摩化そうとして、さっそく容疑者の第一候補に立候補していました。ホクロの付け方について突っ込まれ、自分から進んで釈明していましたね。

なんと、クレイマー刑事が研究員で出演!

失敗した研究の残骸を焼却する係の男性。どこかで見たことのある俳優ですね。その後何度もコロンボシリーズに出演する「クレイマー刑事:ブルース・カーヴィ」です。今回はちょい役でしたが、愛嬌があって素敵な俳優です。→クレイマー刑事

しつこいコロンボにうんざり…

コロンボ警部の「しつこい聞き込み」も炸裂しています。容疑者を褒めながら接近し、お得意のカミさん話、化粧品会社の人間関係の話など、まわりくどい話術で犯人をどんどん追い込んでゆきます。投げ矢の的の話など、嫌味まじりの話題も多かったですね。

ビベカは崖っぷちの連続でも、したたか

今回のお話は殺人と同時に社運もかかっていて、ビベカ(女社長)は大きな不安と期待の両方を背負って、混乱していました。自分の犯行だと感づいたラング化粧品の秘書シャリー電話する際のに「声色」や、彼女に接する時の「したたかな女の演技」も見逃せません。

異彩を放つシアン・バーバラ・アレン

シャリーを演じた「シアン・バーバラ・アレン」という女優は、とても印象に残りました。登場シーン(風変わりなドレスも不思議)から何か含みのある表情で、重要な登場人物であることを予感させます。やはり刑事コロンボの脇役はすごいですね。

大物俳優が出演

殺されるゲストスターとして「マーティン・シーン」(地獄の黙示録等)が出演していることは有名。出来れば…犯人役も見たかった。息子さんはご存知「チャーリー・シーン」(プラトーン等)という超セレブ父子。

ビンセント・プライス

ラング社長役の「ビンセント・プライス」も良い味を出しています。言葉の節々にひねた性格が表れます。6話「二枚のドガの絵」の弁護士役「ドン・アメチー」と良く似た風貌ですが別人でした。

マーチソン博士

マーチソン博士役:フレッド・ドレイパーが素敵でした。特にビベカ社長を「女王陛下」と呼んで服従したり、「薬の調査を誰にも言わないで」と念を押され、「言ったことがあるかね?」と答えた場面は心に残りました。

覚えたい脇役のひとり「フレッド・ドレイパー」

この俳優さん「フレッド・ドレイパー」は37話「さらば提督」でスワニー・スワンソン役で出演しています。またちょい役では、31話「5時30分の目撃者」で目撃者のお兄さんのデビッド・モリス、38話「ルーサン警部の犯罪」ジョセフでも出演。気付きにくいが、その他にも出演作があります。

相棒刑事はジョン・フィネガン

そしてラストでは、警察の家宅捜査を察知し、身の危険を感じたビベカが大切な「奇跡の薬」を海に放り投げてしまうシーン。その後、計画がすべて台無しになったことで、感情をむき出しにし悪態をさらします。このシーンを始め、事件の捜査を共にするのはジョン・フィネガン扮する刑事です。

マーティン・シーンの吹き替えは伊武雅之さん

現在の芸名は「伊武雅刀(いぶまさとう)」さんです。伊武さんは宇宙戦艦ヤマトのデスラー総統の声も担当。私は「スネークマンショー」というコメディ作品のファンでもあった。刑事コロンボではこの役の他に、白鳥の歌(ルーク・バスケット)、ビデオテープの証言(バクスター、バンクス巡査)、黄金のバックル(時計店の店員)秒読みの殺人(ジョナサン)などがある。*ウィキペディア参照

マッサージ師のオルガ

マーチソン博士の場面で登場するマッサージ師の金髪の女性「オルガ」は女優シャロン・ヨハンセンで、13話「ロンドンの傘」の劇団員(稽古中にメモをとる、葬儀で泣いている)の女性と同一だと思われます。

旅行会社のボス(バートン)

被害者カールが予約した旅行会社のボスを演じるのは「リチャード・スタル」という俳優さん。何気ないシーンですが、この俳優さんは12話「アリバイのダイヤル」でも旅行会社のフレモント氏、21話「意識の下の映像」にも登場しますので要チェックです!

第2~第3シーズンの不思議なピアノ曲

YouTube「不思議なピアノ曲」刑事コロンボの第2~第3シーズン「黒のエチュード」「偶像のレクイエム」「絶たれた音」「毒のある花」などで多用された「不思議な雰囲気を持ったピアノ曲」を再現しています。音楽もお好きな方は、こちらもご覧ください。(*ご注意:YouTubeへのリンクは音が出ます!)

監督:ヤノット・シュワルツ
脚本:ジャクソン・ギリス
ビベカ・スコット:ヴェラ・マイルズ
カール・レーシング:マーティン・シーン
ラング社長:ヴィンセント・プライス
シャリー・ブレイン:シアン・バーバラ・アレン
マーチソン博士:フレッド・ドレイパー
刑事:ジョン・フィネガン
オルガ:シャロン・ヨハンセン
美容体操のインストラクター:ダイアン・ ターレイ・トラヴィス

加筆:2020年7月30日

“18話「毒のある花」” への58件の返信

  1. 50年ほど前にNHKで初めて見たころは、今思えばたしか45分に縮めてありました。
    その後2回くらい再放送があり、今度はじめて、ノーカットで見ていると実感できました。
    コロンボの声ですが、短縮の頃の声優さんは既に鬼籍となられ、その後の3人のコロンボ役のどなたかの声がカットされた部分にはめ込まれているのが、何とも違和感満載で、懐かしさと共に、月日の流れ、世の無常を感じ、現実に引き戻される気分でいます。
    とは言え今回初めて見るシーンも、当然ですが、あって、そこはものすごく得をした思いでいます。
    4回見ても、見飽きませんし、年と取ったからこそ
    、初めて見るようなわくわく感がたまりません。

    1. 何回見ても飽きませんよ〜
      制作時から何十年も立っていますので、
      アラも見つけますし、違和感もあります。
      でも、不滅の作品集だと思います。

  2. 今回も犯人がどこでPOISON IVYにかぶれたか「知らない」といえば、そっから先迷宮入りだとおもいますが・・野暮な邪推はしないのが観る側のマナーでしょうかね

  3. 女社長がコロンボに追及され観念して溜め息をついた後「刑事さん」と呼ぶ直前のセリフが何度見直しても聞き取れません。
    すごく気になるので誰か教えて頂けますでしょうか?

  4. 被害者宅から盗まれた新開発のクリームでかぶれたのかと思っていたら、実は凶器の顕微鏡のプレパラートに付いていたpoison ivyをうっかり触ったためだった。犯人は殺人まで犯して手に入れたクリームを証拠になると思って慌てて捨ててしまったが、poison ivyとは無関係だった皮肉な結果。poison ivyが生えていない場所に暮らして、旅行にも行っていないビベカ・スコットはどこでpoison ivyにかぶれる機会があったのか。とは言え、poison ivyは被害者宅だけにあるものと決めてかかれないので、証拠としては弱いですね。たとえば、被害者がアフリカから持ち帰ったばかりの希少植物とかにすればよかったのかも。当時なら、動植物の海外からの持ち込みは今よりやりやすかったでしょう。

  5. ヴェラ・マイルズ当時40代前半美しすぎます。
    うるしにかぶれて。2人ともそれに触って。
    今のコロナ禍の時代に放映されるのは皮肉です。次週はNO.1の呼声高い「別れのワイン」ストーリーは忘れてしまいましたが、楽しみです。「半沢直樹」と「コロンボ」は外せません。

    1. 「半沢直樹」ハマってます〜役者さんたちのお芝居が面白い!
      (水)「刑事コロンボ」(日)「半沢直樹」で、いい感じに生活のリズムになってます。

      1. (火)私の家政婦ナギサさん(水)ハケンの品格⇒今週最終回でしたが。も見ています。NHKの雲霧仁左衛門も良かったです。コロンボ仲間(50代)はだいたい趣向が同じですよね。

  6.  この作品では、打楽器ギロの音が印象的。ビベカがカールを殺害した後に流れ、その後も随所に使われています。
     シリーズで最初に使用されたのは「指輪の爪あと」だったと記憶しています。

    1. 「ギーチョン、ギーチョン」てヤツですね。
      ギロっていうんですか。
      和風な感じもします。
      印象に残る効果音ですよね。

  7. このエピソードもあまり再放送されませんね。昔リアルタイムで見たときに「毒ヅタ」が気になっていましたがやはりウルシのことですね。英語でpoison ivyと言っておりコロンボもウルシオールが原因だと皮膚科で言われたと言ってましたよね。wikiで調べたらウルシはpoison oakと記されていました。皆さん指摘されているようにこれだけでは逮捕の証拠として不充分だと思われます。裁判では無罪でしょう。でもそんな法的正確さが問題ではなく、矛盾点を指摘して犯人を追い詰め、その防御をいかに崩していくかがカコロンボの魅力なのだと思います。この場合は犯人と追いつめるコロンボが同じカブレの症状になっちゃったというところが面白いのでしょう。

      1. カールの研究室のホワイトボートにウルシオールの化学式が書いてありましたね。
        余程の専門家でも無い限り気付きませんが。
        私も大学では化学を専攻しましたが、美容クリームのものだと思ってましたから(笑)。
        漆は日本では馴染み深いものですが、米国ではそうでもないんでしょうね。

    1. poison ivyは厄介ですよ。ニューヨーク郊外の一軒家に暮らしていた頃、裏庭にpoison ivyが生えてしまいました。裏庭なので他人が入り込むこともないですが、お隣さんたちの裏庭とはつながっているので、増殖して、もし誰かがかぶれでもしたら大問題になります。訴訟社会ですからね。やむなく植木屋を呼んで根こそぎ切ってもらいました。アメリカではpoison ivyはそのように処理しなければならないことになっています。ちょっとした散財でした。

  8. いつもお世話になっております。
    毒ヅタの成分が付着したスライドグラスが鍵となって、いくつかのヒントから推理を積み上げて真相に迫る。
    ライバル会社秘書シャリーの体内からは何らかの薬物が検出されている筈ですがその点はスルーして堪能いたしました。

    キャスティングも申し分ないですね。
    ヴィンセント・プライスさん、シザーハンズでは良い感じのお爺さんでした。
    そしてヴェラ・マイルズさん、最高に美しいけれど深く関わると危険な女傑社長という感じが濃厚です。
    人気ランキングでは下位のようですが、それだけ全体の水準が高いということだと理解しました。

    1. ビベカ社長、かなりの毒舌家ですね。
      ラングさんに開口一番「いいカツラね。どこでお買いになったの?」
      そして、別れ際には「お葬式にはお花を贈るわ」
      またこのセリフが、美人に似合うんだ。

      1. 冒頭、ラング氏と女社長とのやり取り、先制攻撃はラング氏でしたが、美貌の女社長も即座に反撃していて、プライドの高さと自己顕示欲、イケイケの性格が炸裂しています。
        女社長の性格が災いしたようですが、仮にしわ消しクリームの開発はマーチソン博士がメインで行っていたのなら、その成分の構造式は彼も凡そ把握していたと思うのです。
        ただし、カールしか知りえない部分があった可能性もあって、野心家の人物なら取り引きの手段にしようと思うのは当然でしょう。
        しかもカールと女社長がワケありの関係だったというわけで実に面白い筋書きです。
        なお、当方は全く不案内ですが、つけボクロというのはおしゃれのテクニックとして古来あるようですね。
        余談ながら皆さんお馴染みのアン・フランシスさんの場合は自前でしたか?
        落ちた偶像でカメオ出演のマリリン・モンローさんは描いてたのかな?
        ところで、一緒に見ていた家内は、女社長の頭はウィッグみたいね、ということを言ってました。
        ドラマを鑑賞した後、こちらへお邪魔して一杯やりながら皆さんのコメントを読ませていただくのが楽しみです。

  9. ヴィンセント・プライスは、あのマイケル・ジャクソンのスリラーの曲中でナレーションをやってますね。ホラー映画の名優なので、ぴったりです。

  10. 前にも一回見てるんだけど、なんでかぶれたら逮捕なのか分からん・・
    スライドからだと証明できるんだろうか
    ところでシャリーちゃん、タバコの吸いかたがへたくそでかわいい。

    1. ブティックでタバコ片手にドレスを試着!
      ドレスが燃えないかと、ヒヤヒヤします。
      コロンボも真っ青の不躾ぶり。
      とりあえず、あのドレス、もう売り物にならない(笑)

  11. 旅行会社のボス役の俳優さんは、「アリバイのダイヤル」の終盤でも旅行会社員に扮していませんでしたか? 「アリバイ…」では「予約を確認するからファイルを取ってくる」と言いつつバックヤードに向かう際に、面倒くさそうな”客”であるコロンボに向けた視線の演技が印象に残っています。

    1. プラムさん、ありがとうございます!確かにその通りです!
      実はただいま10周年記念事業(笑)として、
      脇役俳優の再調査を進めておりまして、
      たいへん助かりました!
      関係のページを更新させていただきました。

      1. お役に立てて光栄です。
        このような俳優の「使い回し」は良しとして、コロンボの同僚のクレーマーさんが電気屋になったり研究員になったりというのは大人になった今見ても違和感が…。子供の頃は「クレーマーさん何で転職してんねん!」と心の中でツッコんでました。

フラメンコダンサー へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿はできません。

どうぞ悪戯の書き込みはお控えください。
私の大切なものを壊さないでください。あなたにも、私にも大切なものがあるのです。
Don’t comment here in bad manner.
I hope you understand that this site is very important for me,
like you have your important things too. Thank you for your understanding.